
ゲーミングマウスパッドの滑り具合を数値化して比較してみた。どれがよく滑る?

マウスパッドの滑り具合って結構主観的な部分が多くて、数値化したいと思ってたんです。
ここではマウスパッドの上をマウスが滑るのに必要な力を計測し、相対的な表にしていきます。
タップできるもくじ
マウスパッドの滑りについて
本稿ではマウスパッドの滑り具合を数値化するにあたり、2つの摩擦係数を調べていきます。
- 静摩擦
- 動摩擦
「静摩擦」は静止した状態からマウスが動き出すのに必要な力を計測します。最初の滑り出しもそうですが、この値は低い方が微細なコントロールはしやすいです。
「動摩擦」はマウスの滑走を維持するために必要な力となります。この値は低い方がマウスが素早く滑ります。
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計測に使用するマウスは「Logicool G PRO Wireless GHOST」で固定。
マウスフィートはサードパーティのHyperglideを付けています。ある程度摩耗はしていますが、今ではほぼマウスパッド計測用になっているので大きな差はないはず。
注意点

マウスパッドによっては結構使ったもの、新品同様のもの、洗ったことがあるもの、やや汚れているものなど状態が一定ではないため、必ずしも正確な結果とは限りません。
また、当サイトでの計測と他の何かしらのデータと比較しても、条件が違うためあまり意味はないかと思います。
この数値だけでマウスパッドの感覚が全て決まるわけではなく、中間層の沈み込み具合や使っているソールの種類・大きさなども考慮しないといけません。

実際そんな程度のテストだと思って、参考にするくらいに留めてください!
静摩擦の測り方


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このフォースゲージという「押す力」や「引く力」を測定する機器を使います。
測定手順
- X軸とY軸それぞれでマウスをフォースゲージで押し、ピーク値を視認してそれを押すのに必要な力として記録
- 3回ずつ繰り返して平均値を算出
- 単位はニュートンになっているのでこれをグラムに変換
- 最終的にXとYの数値から斜めにかかる力を出して滑り具合の数値とする
以前は7回計測して最大値と最小値を除くやり方をしていたのですが、マウスパッドが増えてきて時間がないので妥協しています。


ちなみに実際にマウスを使う際は、手をのせた時に上からかかる重力なども加味しないといけないので、マウスには100gの重りを載せてみました。本当はもっと重いと思いますけど、とりあえず。


計測に使うのは電動スライダーの上にフォースゲージを養生テープで固定しただけの即席装置「グライドテスター1号(仮称)」。
この電動スライダーでは「ポイントA」と「ポイントB」を登録して、その間を毎回一定のスピードで動くことができます。そこで、0cmから10cmまでを8秒かけて動くように設定。


先の尖ったビットでマウスを後方から押し、その時にかかった力を求めます。
同じ位置で計測し続けるとパッドの表面がこなれてしまうため、毎回マウスパッドをずらしながら計測しました。
動摩擦の測り方


このように10度ほど斜めにした板に2組の赤外線センサーを取り付けます。このセンサーは手前と奥がペアになっており、向かい合っているセンサーの間を物が通るとパソコンが検知してタイマーがスタート・ストップする仕組みになっています。
単純な物理の実験のような装置ですが、こんなもの売っているはずもなく、作るのにかなり苦労しました。
1つめのセンサーから30cmの位置に2つめのセンサーを設置しています。30cmという距離は適当ですが、マウスパッドはブランドやモデルによってサイズがマチマチですので距離を固定するのは重要です。


パソコンで秒数をログとして計測し、7回の平均値を秒数で算出しました。
このテストではマウスの上に100gの重りは載せていません。
計測結果を見ていく
では実際に計測した結果について見ていきます。
静摩擦をチェック
マウスが動き出すのに必要な力。初動の滑り出しや、微細なマイクロコントロールのしやすさの目安。



滑りは数値が低ければ低いほど軽い力でマウスが動きます
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結果はこのようになりました。
動摩擦をチェック
マウスが動いている状態を維持するのに必要な力。



こちらの単位はgではなく秒になっています
[table id=30 responsive=scroll/]
タイプ別にマウスパッドを紹介
鋭意作成中・・。とりあえずスピード系とコントロール系のマウスパッド5選は書きました。
それぞれのマウスパッドについて
50音順にリファレンスとして置いておきます。
Amazon Basic
格安なAmazonブランドのゲーミングマウスパッド。滑り出しは速いが結構コントロールタイプ。
薄手のペラペラタイプなのでそこまで長持ちはしないし、まぁ買わないでいいと思う。
AORUS AMP500
高速な布+シリコンベースが特徴のマウスパッド。耐水性高め。
お値段はやや高めですが、ソフトタイプで高速なパッドを求めているならおすすめ。
Artisan NINJA FX ヒエン SOFT
日本が誇るArtisanマウスパッド。ヒエンは梨地織タイプで表面のザラつきがかなりあります。SOFTは中間フォームの種類のことで、スピードとコントロールのバランスがとれたもの。ヒエン自体スピードがけっこうでます。
高品質で滑りも良いですが、ザリザリしてるので腕や手首が弱い人にはおすすめできません。
Artisan NINJA FX 紫電改 MID
ガラスコーティングがされており、ソフトマウスパッドなのにツルツルとかなり滑る面白い操作感。
その分耐久性は低めで劣化が早い。MIDは中間層が硬めなので、一定の滑り心地がほしい人におすすめ。
Artisan NINJA FX 零 XSOFT
割とコントロールタイプ。さわり心地が高級な布っぽい感じで、ずっと触ってられる。
XSOFTは非常に柔らかく、力を込めてマイクロコントロールをしたい人におすすめな中間層。
Corsair MM200 Pro
6mmというぶ厚さが特徴の超コントロールタイプ。
分厚いのでストッピングがスゴイ。
Endgame Gear MPC 450 CORDURA
耐久性の高いコーデュラを採用したハイブリッドマウスパッド。布タイプとしてはめちゃくちゃ滑る。
紫電改よりも僅差で速いくらい。スピードタイプが欲しいなら良いかも。
Glorious マウスパッド
大型マウスパッドで有名になったGloriousのマウスパッド。数値的にはバランス型です。
Logicool G640r
多くのプロやストリーマーに愛されるロジの大判マウスパッド。
スピード的にはミディアムなバランスタイプに分類されますが、当サイトの計測ではほんの少しコントロール寄りという結果になりました。値段が安めなのも強み。
Odin Gaming Infinity
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ハードとソフトの素材を組み合わせたバランス~スピードタイプのマウスパッド。数値的にも滑りはかなり良いです。
Oding Gaming Zero Gravity
[itemlink post_id="20636"]
フォームの沈み込みが大きく、かなりのクッション性を有するマウスパッド。カラーリングが豊富で、ステッチのみ色違いだったり、ピンクやブルーだったりと好みに合わせて色々選べます。
無重力とは言っていますが、マウスがかっとぶわけではなくバランスタイプ。
Pulsar PARABREAK
かなりコントロール寄りの格安マウスパッド。初期ロットは背面のロゴが滑走に影響しましたが、その後ロゴはなくなることが決まっています。コスパは良い。
Pulsar PARACONTROL
Pulsar Gaming Gears
¥3,490 (2025/10/22 10:33時点 | Amazon調べ)
コントロールという名前はついているけど、PARABREAKよりも滑ります。バランス型のコントロール寄り。もうすぐV2が発売されるので待ったほうが得策。
Razer FireFly V2
USB接続でフチがRGBに光るタイプのハードパッド。ハードなだけあって滑りは最高速。
スピードにステ極振りなのでコントロールが難しいです。後はサイズが小さいのでハイセンシ向きです。あんまりおすすめしない。
Razer Gigantus V2
豊富なサイズが特徴かつ値段が非常にリーズナブル。
真っ黒でミニマルなデザインですが、フォームはRazerらしい緑色とアクセントは光ります。バランス型。
Razer Strider
Razerが遂に出したハイブリッドタイプ。
スピード寄りってくらい滑りが速いのに、しっかり止まるというけっこう素晴らしいマウスパッド。
SkyPad Glass 2.0 XL
ガラスで出来たそこそこ大きいマウスパッド。
ハードパッドですがツルツル滑る超高速タイプ。頑丈で長持ち。ひんやりして気持ち良い。
Steelseries QcK+
超ロングセラー商品。厚みのあるマウスパッドが主流な中、厚さ2mmはかなりペラペラに感じます。
薄いのが好きな人はいいかも。操作感はバランス型のコントロール寄り。
Varmilo Sea Melody
[itemlink post_id="15508"]
淡い色で描かれたクジラと海のイラストが目を惹くマウスパッド。バランス型。
デスクを華やかにしたいならおすすめ。
X-Raypad Aqua Control + ROB Strata
[itemlink post_id="22298"]
目眩がしそうな模様と色。表面はやや荒い触り心地で、スピード的にはかなりコントロール寄り。
X-Raypad Equate Plus
[itemlink post_id="21214"]
波がうねったような不思議な柄がクセになるマウスパッド。
ヒエンと同じ梨地織で表面はサラサラしていますが、ザリザリとまではいかないので腕は安心。結構コントロールタイプ。
X-Raypad Minerva
[itemlink post_id="21224"]
とてもスムーズで触り心地の良い表面が特徴。無性に触りたくなるくらい。
滑る・止まるのバランスタイプで使いやすい。大きめのサイズはカラーが限られます。
X-Raypad Thor
[itemlink post_id="22540"]
表面がスルスルして手触りがたまらないマウスパッド。結構スピード寄り。
青色の銀河に星が瞬くギャラクシーデザインが素敵。
Xtrfy GP1
Xtrfyの中ではスピードタイプに分類されます。動摩擦でいうとかなり速い方。
Xtrfy GP2
触ると表面がかなりザラザラしていて抵抗感があって、かなりコントロール寄り。
Xtrfy GP3
プラスチックでマウスフィートがゴリゴリに削れるハードタイプパッド。布製より断然滑ります。
Razer Firefly V2よりも気持ち滑らず、SkyPadと同じくらいの速さ。
Xtrfy GP4
スウェーデンの現代芸術家によって描かれた抽象画がおしゃれ。絵画を机に飾るようで雰囲気がガラッと変わります。操作はコントロール寄り。
ZOWIE G-SR
かなり滑らないタイプのコントロールマウスパッド。
薄手ながらもしっかりとした丈夫な作りで高級感があります。初動はやや重めで滑走もかなり遅く、当サイトでは一番スローです。
ZOWIE G-SR-SE
バランス型かと思っていたら、スピードが結構出て動摩擦が速め。
常に品薄で転売価格がひどい。定価は5,000円くらいなので間違えて買わないように。
まとめ
ここまて、私が持っているマウスパッドの滑り具合を比較しました。
新しいマウスパッドを手に入れたらたまに更新していきます。もし測って欲しいというマウスパッドがあれば Twitter までお願いします。





































