Pulsar X2 / X2 Mini Wirelessレビュー。完成度の高い左右対称型マウス
Pulsar Gaming Gearから発売されているワイヤレスゲーミングマウス「X2 Wireless」ならびにその小型バージョン「X2 Mini Wireless」のレビューをしていきます。
概要とスペック
Pulsar待望の左右対称型ワイヤレスマウス。
高い評価を得ているPulsarのエルゴワイヤレスマウス「Pulsar Xlite V2 Wireless」は穴抜き構造でしたがX2はソリッドシェルとなっています。
それでも重さは56g前後とむしろ軽量化しているのが強みで、卵よりも軽く振り回しやすくなっています。
PAW3395センサーとKailh GM 8.0スイッチを搭載しています。スイッチはいつも通りですがセンサーが最新のものに更新されました。
見た目はなんとなくLogicool G Pro X SuperlightとEndgame Gear XM1rを掛け合わせたように見えますが、果たしてシェイプやサイズ感にどんな違いがあるのでしょうか。
カラー | 黒 / 白 |
接続 | 2.4GHz 無線 |
シェイプ | 左右対称 |
センサー | PixArt PAW 3395 |
DPI | 26,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 120 x 63 x 38 mm (M) 116 x 61 x 37 mm (S) |
重さ | 55g (M) / 52g (S) |
ボタン数 | 5 |
ライティング | なし |
バッテリー | 70時間 |
ケーブル | 布巻き 1.8m |
オンボードメモリ | プロファイル x 1 |
ソフトウェア | あり |
外箱。黒がX2、白がX2 Miniです。
- マウス本体
- USB延長アダプター
- USBレシーバー
- USB-Cケーブル
- クイックガイドなど
外観と性能
「Pulsar X2 Wireless」ならびに「Pulsar X2 Mini Wireless」は左右対称形マウス。
2つの違いはサイズと重さで、用意されているカラーもスペックも同じです。
今回レビューしていくのはX2が黒、X2 Miniが白です。
シェル表面はプラスチックな感じで、特別滑り止めコーティングなどが施されているわけではなさそうです。
なのでグリップ力は弱めで手汗をかいてくるとけっこう滑ります。
汎用性の高いUSB-Cですが、穴がけっこう深いので端子幅が太いケーブルは使用できません。
底面はパルサーおなじみの軽量仕様。
これ見た目的にもインパクトあるしパルサーって感じしますね。
サイドボタンすぐ左にLEDインジケーター。
ここにLEDあるのなかなか面白いですね。
サイズと重さ
- S:116 x 56.5 x 37 (LxWxH) mm
- M:120 x 59 x 38 (LxWxH) mm
SサイズはMサイズがシンプルに小さくなった形です。幅はサイド中央をグリップ幅として測っています。
- S:54.6g
- M:55.9g
Mの重さは±1gで考えると公称値通りで好印象だけど、Sはちょっと重いですね。
実のところ重さにはさほど大きな違いはなく、軽さのためにSを買うというより、単純にサイズで選ぶことを重視しましょう。
X2とX2 Miniの違い
X2とX2 Miniの違いは基本的にサイズと重さくらいで、その他のスペックは変わりません。
長さはMが120mm、Sが116mmと4mm違います。
MはXM1rやM42と同等くらいの長さで、SはStarlight-12 Sと同じくらいでViper Miniより小さいかな。
高さは1mmしか変わりません。
フロントから見た様子。マウスボタンのくびれ具合などは同じですね。
右上を見ると、SはSIZE1、MはSIZE2と表記されています。
実測でのグリップ幅はMが59mm、Sが56.5mmなのでそこそこ違いがあります。
MはG Pro X Superlightと同じくらいのグリップ幅となっています。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティですが、X2 Miniはとても良いです。
押し込みで軋むことはなく、強く振っても音はしません。とても頑丈です。
これは個体差だと思いますが、X2のみ本当に少しだけ右サイドにたわみがありました。
軋みはなく、他の部分は全て良好です。
シェイプについて
シェイプは左右対称で、サイドボタンは左のみ。
中間も太めな寸胴型で、強いくびれがありません。
よくXM1rとG Pro Xを足して2で割った感じと言われていますが、実際その通りだと思います。
ただしいずれとも異なるシェイプであるのは確かで、クローンではありません。
尻高シェイプだと最近話題にもなったBenQ ZOWIE ZA13-Cも挙げられますが、全然形が違います。
トップのピークはやや後ろにきており、マウスボタンはややロープロファイル気味です。
横からの印象はEndgame Gear XM1rに似てますね。
サイドボタンはG Pro X Superlightを細くした感じ。
フロントから見るとマウスボタンはやや窪みがあり、外側が少し高くなっています。
斜めからみると分かりやすいのですが、中央部分が盛り上がっていてやや波を描くような形状をしています。
トップのカーブは緩やかなアーチを描き、平べったくはありません。
底側のグリップ幅も細くなっているようなことはなく、けっこうワイドな幅です。
この幅の感じはXM1rよりもPro X寄りですね。
持ち方と使用感
私の手のサイズは縦幅が18.5cm、横幅が10.5cmくらいです。
これらは個人的な感想で、持ち方や感じ方は人それぞれ違いますので参考程度にお願いします。
かぶせ持ち
X2 Mini
X2
かぶせは適正がないってわけじゃないんですよね。でも指の付け根手前あたりがトップにあたるので常に反発がある印象。
それと右サイドに置く薬指と小指はやや窮屈に感じます。ペタッとくっつける一般的なかぶせではなく、やや指を立て気味に持つと使いやすいです。
つかみ持ち
X2 Mini
X2
つかみ持ちは相性が良いです。
ロープロファイルなメインボタンとやや尻高なシェイプで、手のひらへのフィット感は抜群。
サイドもフラットでがっしりつかみやすく、力が伝わりやすい形状になっています。
グリップ幅は大きめなので、手の大きさによってはSかMか、つかみやすさに個人差が出てきます。
つまみ持ち
X2 Mini
X2
つまみ持ちは手が大きめな人向けかなと思います。私なんかは特にですがMiniの方が使いやすいです。
サイドはフラットなのでつまみやすいといえばそうなのですが、グリップ幅が広いので好き嫌い分かれそうな気もします。
X2みたいなミディアムサイズだとつまんだ時に手が広がってちょっとだけ力を入れにくいです。もちろん手のサイズによります。
エルゴのXliteよりも持ちやすいので、つまみでどちらか迷ってるならX2がおすすめ。
バッテリー
バッテリーは3.7V/300mAhが搭載されています。
最大持続時間は70時間で、ワイヤレスマウスとしては平均的な数字です。
強めの両面テープでガッチリ固定されていますが、多少前後させることは可能なのでちょい重心移動させたければほんとに気持ちくらいはできるかも。
センサー
センサーはPAW3395搭載。
X2 Miniでセンサー位置を調べてみたところ、フロントからセンサーまでは51mm、センサーからリアまでは54mmくらいなので、少しフロント寄りになります。
DPIのズレをチェックしたところ、X2では800→820くらい、X2 Miniではありませんでした。
G-SR-SE Rougeでセンサーテストを行いましたが、xSumでは特に問題ありませんでした。
PAW3395では「PixArt Motion Sync テクノロジー」が採用されています。
1msほどの遅延と引き換えにマウスのセンサー検知とPCが情報を読み取るタイミングを同期し、より正確なトラッキングを可能にするものです。
xCountsでの結果を見ると分かりやすいです。
Motion Syncオフの状態での計測結果がそもそもあんまり綺麗じゃない気もしますけど、オンにするとピタッと線に点が吸い付きます。
1msの遅延は体感不可能ですが、気になるのであればオフにすることも可能です。
LOD
LODはソフトウェアで1mmと2mmに設定できます。それぞれ実測でどれくらいになるのか、Artisan飛燕の上で試してみました
LOD | X2 | X2 Mini |
---|---|---|
1mm | 1.0mm | 0.9mm |
2mm | 1.9mm | 1.8mm |
いずれも表記と実測値が近くて好印象。
1.0〜0.9mmは短くて優秀なLODです。
マウスフィート
マウスフィートは前方に半月状のもの、後方にU字型、センサー周りにO型が貼られています。
いずれも100%PTFEで滑りは普通~ちょっと遅めくらいな印象です。
スルスル滑るのが好きならサードーパーティ製がおすすめかも。
エッジ処理は問題なくて引っ掛かりを感じることはありませんでした。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
X2、X2 Miniともに押し心地もストロークも普通くらい。
跳ね返りは結構強めの反発があり、やや小刻みな振動を感じるというか、連打していると指が疲れます。
マイクロスイッチにはKailh GM 8.0が採用されています。
デバウンスタイムはデフォルトだと4msですが、これを0msに変更してからクリック応答速度をテスト。
上記は当サイトの条件で測定した相対的にしか役に立たない数値ですが、70個ほどあるマウスの中では中間ぐらいのスピードとなりました。
念のため、X2とX2 Miniは誤差範囲だと思って大丈夫で、X2の方が優れているみたいなことはないです。
サイドボタン
サイドボタンはG Pro Xシリーズのように丸みを帯びており、押し心地は軽めです。歯切れはほどほど。
Xliteの時はペコっとしていたのが改善されており、カチッと気持ちよく押せます。
プリトラベルもポストトラベルもほとんどありません。
HUANOブラックシェルホワイトポイントが採用されていました。
スクロールホイール
スクロールホイールの回転はちょっと硬め。強めのノッチで、勢いよく回すとゴリゴリ反動を感じます。
スクロールクリックにはHUANOブラックシェルイエロードットが採用されています。
ホイールクリックはちょい軽めで押しやすいのですが、若干個体差があるかも。
私のX2 Miniは使いやすい軽さですがX2はちょっと硬いかなと感じました。
底面ボタン
センサーすぐ左にはDPIを変更するボタンが搭載されました。
Xliteではこのボタンがなく、DPIを変えるにはソフトを利用するか、3つのボタンを3秒同時押しで変更できました。
それはめんどくさいので、今回DPIボタンが採用されたのは素直によかったなと思います。
デフォルトでは「400 / 800 / 1,200 / 3,200」の4段階でサイクルします。ソフトでステージの増減や数値の変更が可能です。
センサー右にあるのは電源スイッチ。
一般的に電源は「|」がオンで「〇」がオフですが、X2では分かりやすく〇Xとなっています。
分かりやすくしたつもりなんでしょうけど、〇がオフだと理解している人にとっては逆に混乱を招く表記ですね。
ソフトウェア
Pulsarの公式サイトからFusionソフトウェアをインストールして使います。
- ボタン割り当ての変更
- Motion Syncのオフオン
- デバウンスタイム
- DPIの変更
- Windowsシステム設定の変更
- LED設定
- LODの変更
- マクロ作成
などが可能です。
その他
その他の補足事項です。
ライティング
ライティングはありません。
左サイドにDPIや電源の状態を表すLEDインジケーターがある程度です。
ケーブル
ケーブルはかなり柔らかくて優秀です。
万が一バッテリーがいきなり切れて有線状態に変更したとしても違和感なく使えるでしょう。
延長アダプター
延長アダプターが付属します。
USB-CケーブルとUSBレシーバードングルをつなぐことによって、マウスとレシーバーの距離を近くするためのものです。
2.4GHz無線は干渉波が乗りやすいため、なるべく送信機と受信機を近づけてあげることでトラッキングエラーを減らせます。
どのマウスも大体40〜50cmの距離で使うのが良いでしょう。
他のマウスと比較
X2とX2ミニを他のマウスと比較していきます。
サイズ感の違い
その辺に転がっていたマウスと適当にサイズ比較。並び順に特に意味はありません。
こうやって見ると似ていると言われたXM1rやPro XよりもX2は小さく、X2 MiniはXtrfy M42 Wirelessよりも小さいです。
ただしそれは全長の話で、グリップ幅がけっこう大きいため見た目よりもつかんだ感じがでかいです。
Pulsar X2 Wirelessのレビューまとめ
以上「Pulsar X2 / X2 mini Wireless」のレビューでした。
- 鉄板になりえる新しいシェイプ
- 穴抜きなしでかなり軽量
- 最先端3395センサー搭載
- 選べる2つのサイズ
- DPIボタン登場
- 価格は頑張ってる
- メインボタンの反発が強い
- マウスフィートはやや遅め
- 購入は競争になる可能性あり
XM1rかG Pro Xか…フタを開けてみればクローンではなくこれまでのマウスを踏襲した上で新しいデザインになっていました。
すごい軽いし、サイズを選べるのも強みです。
横サイドがフラットなので、Pro Xをよりつかみ持ち向けにしたシェイプを使いたいなら良さげ。私はつまみ持ちが多いので、つまむなら大体はMiniでいいと思います。
価格もRazerのワイヤレスマウスが簡単に2万を越えてくる中1.2万円ちょっとと大健闘ではないでしょうか。さすがにXlite V2よりは高いけど、それでも円安の中頑張ってるんじゃないかと。
メインボタンの反発の強さが個人的にはダメなんですが、この辺は個体差もあるのかな〜と思ったり。
X2とX2 Miniは8月中旬に少量だけ入荷したんですが、これが売り切れるのが本当に早くfinalmouseなみでした。
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