VAXEE Zygen NP-01S Wireless レビュー
VAXEEから発売されたワイヤレスゲーミングマウス第2弾Zygen NP-01S Wirelessをレビューしていきます。
有線版の頃から人気のあったモデルですが、ワイヤレス化を待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。
もちろん私もその1人…とても楽しみでした!
オリジナルのNP-01ではなく小型化されたNP-01Sが先に発売されるとは…やっぱり需要が高いのかな?
その使い心地やいかに。
概要
VAXEE Zygen NP-01S Wirelessは、VAXEEとZygenが共同開発したワイヤレスゲーミングマウスです。
有線版NP-01はVAXEEの最初のマウスですが、それよりも一回り小さくなったNP-01Sがその後発売され、それが時を経てワイヤレス化されました。
エルゴノミクスシェイプと左右対称形、両方の特徴も併せ持っているハイブリッドな形をしています。
レスポンスを向上させる競技用モードやUSBドングルを切り替えられる接続方式などVAXEEならではの魅了が満載。
スペック
マウス | NP-01S Wireless |
---|---|
カラー | 6色 |
接続 | 2.4GHz |
シェイプ | エルゴシェイプ |
センサー | PixArt PAW 3395 |
DPI | 26,000 (3,200まで) |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 118 x 57 x 37 mm |
重さ(実測) | 70g |
ボタン数 | 5 |
メインスイッチ | Huano Black Shell Pink Dot |
サイドスイッチ | Huano Black Shell White Dot? |
ホイールスイッチ | Huano Black Shell White Dot? |
ライティング | |
バッテリー | 100時間(通常), 55時間(競技用) / 470mAh |
ケーブル | 2m |
オンボードメモリ | プロファイル x 1 |
ソフトウェア |
同梱物
- マウス本体
- USBレシーバー
- USB延長アダプター
- USB-Cケーブル
追加レシーバー VXD01
2,790円で買える別売りの追加USBレシーバードングル「VXD01」。
これがあると2つの異なる機器間でNP-01S Wirelessをスイッチできるようになります。
私はXE Wirelessを購入した時に一緒に買ったものを流用しました。
後述しますが、機器切り替えを頻繁に行うならファンクションキーがあるXE Wirelessの方が断然楽です。
マウスの購入先
VAXEE公式サイトから購入できます。
売り切れてもリストックが速いので、高額転売からは決して買わないこと。
性能
デザイン
カラーはブラック、ホワイト、ブルー、オレンジ、イエロー、ピンクと豊富な6色展開です。
私が使用しているのはマット仕上げのブルーですが、淡めのパステルっぽさを持つ青色で主張しすぎず丁度良い色合い。
シェル左側にのみZYGENのブランドロゴがプリントされており、他の部分にはロゴはありません。
グリップ力のあるマット仕上げで汗をかいても滑りにくくなっており、その上VAXEE XE Wirelessのブラックと比べると汚れはほとんど目立ちません。
マウスフィートはやや大きめなタイプが前後に貼られており、滑りに不満はありません。
マウスフィートの厚みは実測で0.61mmでした。
底にはDPI・ポーリングレート・デバウンスタイムを変更するボタンが3つ備わっており、LEDランプ点灯もあって見やすいです。
センサー右にあるのは電源ボタン。
三つ又ケーブルによるロック機構のあるUSB-C端子ですが、汎用的なケーブルでも問題なくささります。
サイズ
サイズは公称値だと118 x 57 x 37(LxWxH)mmですが、私の実測では119.6 x 55.8 x 37.1 mmでした。
大きいサイズのNP-01が公称値118 x 60 x 39mmであるため、長さはそのままですが横幅と高さが小さくなっています。
有線版NP-01Sとの差異は見受けられませんでした。
シェイプ
「エルゴシェイプ」というジャンルの中では比較的緩やかな傾斜を持つシェイプです。
フロントから見ると分かりやすいのですが、トップに注目すると一見左右対称形に見えるくらいシンメトリーっぽくなっていて、パッと見てエルゴ感は少なめ。
このようなシェイプは珍しく、Xtrfy M4やElecom VM600PEなんかは傾斜緩めのエルゴですが、それらはパッと見た感じでもしっかり右側が下がっているのが分かります。
左側が内側にくぼんでいるのに対し、右側は緩やかに外へ飛び出した形になっています。
そのため、キュッとすぼむようにつまむというよりは、小指が薬指よりも少し外側に出るような持ち方になります。
NP-01よりも高さが小さくなっていて平べったいため、覆いかぶせるようなかぶせ持ちよりもつかみ持ち・つまみ持ちと相性が良いです。
ただし手のサイズが小さければかぶせの適正もあると思います。シェイプはあくまでエルゴ系ですからね。
NP-01とeloshapes.comで比べてみますと、長さは全く同じですがグリップ幅と高さが縮んでいることが分かります。
サイドはほど良いくびれを持った逆台形になっており、繊細なコントロールや切り返しの容易さなどが考慮されています。
重さ
重さは実測で70.0gとなり、最近のマウスとしては普通くらいと言えます。
しかし驚くべきことに有線版のNP-01Sも同じく72.7gくらいだったので、無線化によって重さは増えるどころか同じかそれよりも軽くなりました。
進歩がすごいんじゃ!
本当は60g前半にのれるといいなと思いつつも、ちゃんと軽量化を視野に入れてくれてるのは嬉しい限り。
ビルドクオリティ
ボタンのかたつきはなく、マウスを振ってもマラカス音はしません。
あえて強めに握り込んでもビクともしない堅牢さで、ビルドクオリティは非常に高い…と言いたいところなのですが、件のパコパコ音問題、私にも軽くありました。
ただ触っただけでは現象は起こらず、マウスに上からの力を加えると右サイドがほんの少し飛び出してパコッと音が鳴る程度のものでした。これ気になり始めると一生気になるんだよなぁ…。
同じ現象が起きた方はサポートで対応してもらうことをおすすめします。
センサー
搭載されているのは記事執筆時点で最新センサーとなるPixArt PAW 3395です。
MouseTesterでセンサーテストをInfinityMice Vagabondの上で行いました。競技用モードオン、MotionSyncオンで、400 / 800 / 1,600 / 3,200 の4種類でテストした結果は以下の通りです。
xCount
xSum
xCountもxSumも問題ない挙動をしていると思われます。
センサー遅延
センサー遅延は有線のZOWIE EC2と比べると平均して0.5ms以下になりました。
競技用モードでテストしましたが、有線とほぼ変わらないレベルに速いラグフリーワイヤレスと言って良いでしょう。
有線接続しても遅延は同等でした。
競技用モード | 遅延 |
---|---|
有線 | < 0.5ms |
2.4GHz | < 0.5ms |
MotionSyncを入れると遅延が増え、< 1.5msとなりました。
センサー位置
センサー位置は少しだけフロント寄りです。
前後の重心バランスはセンサーに対して丁度よいバランスになっています。
LOD
マウスパッドはInfinityMice Vagabondで検証しました。
設定 | 実測値 |
---|---|
LOW | 0.9 mm |
HIGH | 1.8 mm |
特に何もなければデフォルトのLOWモードのままがおすすめです。
DPIズレ
マウスパッドはZOWIE G-SR-SE Rougeで検証しました。
ターゲット | 実測値平均 | 乖離値 |
---|---|---|
400 | 382.2 | -4.45% |
800 | 762.2 | -4.72% |
1600 | 1525.4 | -4.66% |
乖離値は-4.6%前後でネガティブ方向にそこそこズレています。
DPIズレ自体は大きな問題とはなりませんが、以前のマウスと操作感が異なる可能性があるため、ゲーム内感度の調整をした方が良いかもしれません。
競技用モードについて
電力消費増加と引き換えにセンサースキャンとワイヤレス伝送のパワーを増やしてトラッキングレスポンスを向上させる競技用モード。
なるべくパフォーマンスを有線に近づけるのが目的ですが、バッテリーの減りは2倍近く早くなります。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
NP-01SにはXEのようなファンクションキーがありません。
メインボタン
無線版NP-01Sに採用されているのはHuano Black Shell Pink Dotでした。重さは75gfくらい。
押し心地はほどほど柔らかく、跳ね返りは普通くらいです。XE Wirelessよりは硬いので、軽すぎて誤爆するようなことはないかと思います。
プリトラベルとポストトラベルは普通くらい、パキッとした押し心地で優秀。有線版からすると遊びは少し増えたように感じますが個人的には許容範囲内。
メインボタンのクリック応答速度
応答速度は4.8msと普通くらいです。
設定 | 実測値 |
---|---|
2ms | 4.8ms |
基本的に応答速度は速ければ速いほどアドバンテージですので、チャタらないギリギリの設定を追い込んでみましょう。
以前までのVAXEEマウスはレイテンシを2msにして強く底を叩くと誤クリックが発生していましたが、NP-01S Wirelessからは改善されました。
この挙動は最初期の有線マウスから言われていたことなので、遂に改善されたのが結構感動。
サイドボタン
丸みを帯びた小さめなサイドボタンで、あまり外側に出っ張っていませんが、位置的には親指がスレスレ触るか触らないかの場所で丁度押しやすいです。
このボタンは他のマット表面とは異なり、シースルーというか半透明っぽくなっています。
歯切れの良い優秀なボタンです。スイッチはちょっと小型のHuano Black Shell White Dotっぽいけど特注かな?
有線版NP-01Sに比べると軽い押し心地になりました。
スクロールホイール
ちょっと硬めの回し心地と、カタカタとノッチ感が強めな小ぶりホイール。
回転に関しては好き嫌いが分かれそうな気もしますが、クリックの硬さは普通くらいでスパム可能です。
回転音は気になるほどではないけど静音というほどでもありません。ですが有線版はガリガリかなりうるさかったので改善されています。
ホイールスイッチはおそらくHuano White Dotじゃないかと思いますが、スイッチを分解しないとロゴが見えなそうだったので断念しました。
バッテリー
容量400mAhのバッテリーを積んでいます。
バッテリーでの軽量化は行わず大きめサイズを採用しています。
モード | 最大連続使用時間 |
---|---|
通常 | 100時間 |
競技用 | 55時間 |
他のマウスを踏まえて考えると、2.4GHzの場合は70〜80時間くらいが平均的な長さなのでそれよりも約30%程度長いです。
VAXEE XE Wirelessは90時間だったので、それに比べると少し寿命が伸びています。
充電をなるべくしたくない人は通常モードで使えば良いし、競技向けに最大パフォーマンスを求める人はバッテリーを犠牲にしても競技用モードを利用するべきです。
残容量はホイールクリックと右マウスボタンを同時押しするとLEDが点灯するのでそれで確認します。
残り容量 | LED表示 |
---|---|
61%〜100% | 2つのLED同時点灯 |
21%〜60% | 上のLEDのみ点灯 |
11%〜20% | 下のLEDのみ点灯 |
〜10% | 下のLEDが点滅 |
0%から100%までの充電時間は1時間50分とされています。
ケーブル
ケーブルはそれなりに柔らかい布巻きタイプです。
先端が三又になっていて、不意の事故でケーブルが抜けないようにするバックル構造です。
個人的にはこれそんなに必要ないと思っていて、普通の作りの方が良かったです。
なぜかと言うとこのケーブルを他のデバイスに流用できないからですね…。
端子は他のUSB-Cケーブルでも問題なくはまりますから、私は汎用性を求めて他のケーブルを使ってます。
ドライバーレス
VAXEEマウスにはソフトが存在しません。
全てマウス本体で設定変更します。
底面の3つのボタンでそれぞれDPI、ポーリングレート、クリック応答速度を変更できます。
それ以外にも設定できる項目があり、これらはマニュアルを読めば載っていますがここでも解説しておきます。
変更項目 | 対応ボタン | 結果 |
---|---|---|
LOD | ポーリングレート+電源オン | 125Hz点滅でロー 1000Hz点滅でハイ |
Motion Sync | DPI+電源オン | 緑点滅でオン 青点滅でオフ |
競技用モード | クリックレイテンシ+電源オン | 3つ全て点滅でオン 4ms点滅でオフ |
両サイドボタンとホイールクリックを長押しするとLEDが点灯し、現在の設定を確認できます。
DPIボタンが対応する色は以下の通りとなります。
- 赤:400DPI
- 紫:800DPI
- 青:1600DPI
- 緑:3200DPI
デュアル接続
USBレシーバードングルを追加で購入し、別のPCに挿すことによって接続先を切り替えられます。
ペアリング方法はやや手間ですが、1度行ってしまえば以降再設定の必要はありません。
公式動画で切替方法を説明していますが、ファンクションボタンのあるXE Wireless向けだったので途方に暮れていたところ、NP-01Sのオンライン説明書を読んだらちゃんと書いてありました。
DPIボタンと両サイドボタンの3つを2秒間長押し
これで接続先が切り替わります。
PC2台使っててマウスを1つにまとめたい人には便利な機能ですけど、NP-01Sだと底面にあるDPIボタンを押さなきゃいけないためマウスを一度持ち上げる必要があります。
これが地味に面倒で、持ち上げなくても切り替えられるXE Wirelessに比べて使い勝手は悪くなりました。
頻繁に機器間をスイッチする人がこの機能をアテにしてNP-01Sを買うと面食らうかも。
内部構造
マウスフィートは後ろだけはずし、下にあるトルクスネジを2本外します。ちょっとサイズ大きめでした。
トップとボトムのシェルを分離するとリボンケーブルがつながっているので全て外してあげます。
スイッチやバッテリーなどは全てトップシェル側に組み込まれています。
MCUはPixArt PAR2862QC。VAXEE XE Wirelessに搭載されているものと同じなはず。
価格について
定価は18,900円とVAXEE XE Wirelessと同じ値段です。
値段としては高い方に入りますが、魅力的な独自機能群が満載なので払う価値があると思います。
NP-01S Wirelessのレビューまとめ
- グリップ力のあるマット仕上げ
- 絶妙なエルゴシェイプ
- カチッとソリッドなボタン
- レスポンスを高める競技用モード
- 全てマウス本体で設定変更可能
- デュアル接続対応
- 汚れが目立ちにくい
- 実は有線より軽い
- レシーバー切替がしにくい
- ファンクションキーがない
- DPIズレがほどほどある
- 値段高め
以上、VAXEE Zygen NP-01S Wirelessのレビューでした。
シェイプがどうかは人によるところが大きいですが、平べったいつかみ持ち・つまみ持ち向けマウスが好きなら良さそうだし、NP-01S形状が好きでワイヤレス待ってたなら絶対買うべきです。
XE Wireless発売当初にまだ模索中だったソフトウェア部分がしっかり固まっており、NP-01Sは工場出荷状態でかなり仕上がっています。
競技用モードが切り替え可能になったり、ABドングル切り替えができるようになったり、衝撃によるクリック誤入力がなくなったりね。
以外とファンクションキーがないことで、ドングル切り替え時にマウスを持ち上げなきゃいけなくなったのとかはちょい残念かな…元々NP-01Sにはそんなボタンないんですけどね。
今回はブルー触りましたが、黒以外なら結構汚れ目立たないっぽいです。脂汚れ気になっちゃう人は明るめの色買うと幸せになれますよ。