Pulsar PCMK TKL レビュー。カスタマイズできるホットスワップキーボード
Pulsar Gaming Gearから発売されているメカニカルキーボード「Pulsar PCMK TKL」をレビューしていきます。
本製品はレビューサンプルをご提供いただきました
概要とスペック
「Pulsar PCMK TKL」はカスタマイズ幅が豊富な80%サイズのメカニカルキーボード。
自分なりにスイッチ、キャップ、カラーリングなどを組み合わせたカスタマイズキーボードを手軽かつ安価にオーダーできます。
Amazonでも販売されていますが、JIS配列限定で組み合わせがある程度決まっているタイプのもの。カスタマイズを楽しみたいなら公式サイトからの購入がおすすめです。
スイッチやキャップを自分で用意するつもりならキーボード本体のみの購入も可能ですが、カスタマイズするとスイッチやキーキャップの値段が割引されて圧倒的にお得なので、カスタマイズで買うことを強くおすすめします。
カラー | 黒 / 白 |
接続 | 有線(USB-C) |
フォームファクター | 80% |
キー数 | 87 |
寸法 | 355 x 127 x 22 mm |
重さ | 498g |
配列 | JP / ANSI / ISO |
ケース素材 | プラスチック |
キースイッチ | Kailh / Gateron |
キーキャップ | ABS |
ロールオーバー | Nキー |
ケーブル | 布巻き |
ライティング | あり |
ソフトウェア | あり |
マクロ | あり |
さらに詳しい技術仕様に関しては公式サイトをご覧ください。
同梱物
今回はレビュー用にキーボード、キーキャップ、そしてキースイッチを2種類ご提供いただきました。
キースイッチに関しては特段こだわりや計画がなければ1種類でも問題ありません。
- キーボード
- キースイッチ2種類
- キーキャップ
スイッチやキャップはないキーボード本体のみと、USB-Cケーブルが1本入っています。
USB-Cケーブルは布巻きタイプで1.8mほどの長さ。けっこう柔らかくて取り回しは良いです。
キースイッチは14種類もの数から選べます。
1種類のみ買ってもいいですし、複数買って組み合わせを自分なりに変えることもできます。
今回手元にあるのは「Gateron White Linear」と「Gateron Yellow Linear」。
カスタマイズで購入すると1つにつき90ピース入っているので、1種類でも87キーをカバーします。
2種類目を購入しようとすると、別売りのものを買わなければいけないので少し割高になります。
10pc、70pc、110pcmの3種類販売されていて、少しだけ変えるなら10pc、全部変えたいなら110pcと使用する数を見極めて購入しましょう。
キーキャップは通常サイズの黒色を選択しました。
ロープロファイルタイプの薄いキーも用意されています。
カスタマイズは公式サイトで
公式サイトのカスタマイズページでは、自分で色やスイッチの種類を選べます。
- サイズ
- レイアウト
- 色
- スイッチ
- キーキャップ
- タグ
- 組み立てるかどうか
最も悩むのはキースイッチだと思いますが、比較ページが分かりやすく作られているので参考にしながら選びましょう。
何を基準にすれば良いのかサッパリ分からない場合は、こちらで解説しているので参考にしてみてください。
公式で組み立ててもらうこともできますが、難しくないので自分で組み立てるのが楽しいしおすすめです。
余裕があったらついでにルブしてより打鍵感を良くしちゃいましょう!
YouTubeに公式の組み立て動画がアップロードされていますので、慣れていない方はそちらを参考にしながら進めましょう。
デザイン
「Pulsar PCMK TKL」のTKLとはテンキーレスのことで、右端に数字パッドが付いていない80%サイズのキーボードです。
F1〜F12や矢印キーなどは健在で、機能性を損なわずにサイズをコンパクトにしたオールラウンダーなモデル。
PCBにQWERなどの文字が印字されているので、スイッチをはめる時の参考になります。
サイズは 355(横幅) x 127(縦幅) x 42(高さ) mm です。高さはキーキャップありの状態での計測。
ここのPulsarタグはマグネットでくっついているので取り外し可能です。
カスタムIDのものを作成して着せ替えできます。意外としっかりとしているプレートです。
横から見ると白いプレートと透明のボトムケースの間に赤い線が見えます。
これは高密度の赤いポリマーダンパー。
厚みがあって反発します。これが振動を吸収して打鍵音を静かにしています。
底はシースルーのプラスチック製。
アルミのような重厚感はありませんが、軽いし面白い見た目をしているので結構気に入ってます。
チルトスタンドは2段階。最大にするとそこそこアングルがついて使いやすいです。
注意点として、小さな足を立ててる状態で大きな足を立てようとすると上手くいきません。
大きな足を立てたい時は、小さな足を一度畳む必要があります。
無理にやると壊れるかもしれないので注意です
手前側には滑り止めのゴムが3つ。本体が軽いこともあって防滑性は普通程度。
キーボードのみの重さが約495g。キースイッチとキーキャップまでのせた重さが約732g。TKLとしてはやや軽めくらいですね。
キースイッチ
キースイッチは「Gateron White Linear」と「Gateron Yellow Linear」の2種類を用意しました。
Gateronを選んだ理由としてはスイッチオープナーで開けやすいから。っていうだけです。
一番人気は「Kailh Silent Pink Linear」みたいですね。
静音軸はほんとにすごい静かなので私も好きです。お値段が高くなるのがネック。
どちらも光を透過するクリアハウジング。
ホワイトの方が押下圧が軽くてスコッと押せます。あまり力が必要なくスムーズな押し心地。
イエローはCherryMXの黒軸までいかない程度の重さ。ホワイトに比べると力が必要ですね。
2つの違いは単純に押下圧だと思ってOKです。
軸色 | Gateron White Linear | Gateron Yellow Linear |
---|---|---|
クリック感 | なし | なし |
アクチュエーションポイント | 2±0.6mm | 2±0.6mm |
押下圧 | 35±15gf | 50±15gf |
キーストローク | 4±0.6mm | 4±0.6mm |
- アクチュエーションポイント:キーを押した時にどのポイントで信号が送られるかの接点
- 押下圧:キーを押すのに必要な力
- キーストローク:キーを押した時に沈む距離
リニアタイプはクリック感がなくスッと滑らかに真っ直ぐ押し込めるのが特徴です。
ホットスワップはキースイッチを自由に付け替えれるのが最大の強み。
ただし、スイッチを取り付ける時は少し注意が必要です。
まっすぐさせたかのように見えても、このようにピンが折れ曲がることはしばしば。
ピンセットを使って真っ直ぐに戻してあげれば問題ありません。
ですのでキースイッチを全てつけた後はスイッチのチェックを行うと良いです。
おすすめはVIAというソフトウェアを使って、キーテスターでチェックすること。
全部のキーを押したら反応しないキーが結構あったので、1つずつ外してピンを直しました。
ボトムがプラスチックケースで空洞なのでトコトコッとした柔らかめなフィーリングですね。
アルミ系ケースの重厚さがある感じも好きですが、これはこれで軽快で良いと思います。
スタビライザー
スタビライザーはクリップオンタイプ。
実はルブされてきます。なので打鍵音はそこそこ改善されています。
打鍵音を聞いてみる
今回配置したスイッチはこのようになっています。
ゲームでよく使うようなスイッチは押下圧が軽めのホワイトで、それ以外は押下圧重めのイエローにしてみました。
ルブ前とルブ後でタイピング音を比較してみました。ルブすると打鍵感も音も良くなるのでおすすめです。
スタビライザーは最初からルブされていたので、とりあえず基盤にフォームステッカーを貼ってノイズ軽減だけしました。
キーキャップ
キーキャップはABSタイプ。
ABSは指紋や脂汚れがつきやすいのですが、このキャップは比較的目立たないです。
スルスルと滑らかな触り心地ですが、ちょっと力を込めるとグリップします。
フォントは太めのゴシック体で、個人的にはかなりタイプでした。
私はABSよりもPBTの方が好きかな~
キーキャップは打ち心地にも影響しますので、お気に入りのキーキャップがあれば付け替えるのも良いでしょう。
CherryMX互換なので、対応しているキャップは沢山あります。
ライティング
ライティングは複数のパターンが用意されていて、専用のソフトウェア経由で変更可能です。
用意されているのは9種類+カスタムカラーの合計10種類。割と豊富ですね。
これはソフトを起動しなくてもキーの組み合わせで変更することも可能です。
しかし、ソフトを起動しているとそちら側に設定が引っ張られてしまいます。一度ソフトを終了させてから試してみてください。
ソフトウェア
公式サイトから「FUSION」というソフトウェアをダウンロードすることで設定が変更可能になります。
キーアサインとライティングの変更、そしてマクロ作成が可能です。
PCMK TKLの良さと注意点
- 良いところ
-
- 自分好みにカスタマイズ可能
- 選べるキースイッチが豊富
- ホットスワップ型
- カスタマイズ可能なIDタグ
- スタビライザーはルブ済み
- キーキャップのフォントが良い
- ライトが映えるベゼルレス
- 柔らかな打鍵感
- 価格が安い
- 注意点
-
- ABSキーキャップ
- アルミのような重厚さはない
私は今回白と黒のパンダカラーにしてみました。本体とキーの色を別々に選べるの地味に嬉しいですね。
エントリーレベルのカスタマイズキーボードとしては値段的にもかなり優秀だと思います。
ホットスワップなので、1種類ではなく複数のキースイッチを組み合わせることができますし、自分でルブしてみたいという人には入門用としておすすめ。
キーキャップは色のバリエーションが増えてくれたらカスタマイズの楽しみが増えるかなと。
PCMK TKLはこんな人におすすめ
「PCMK TKL」はカスタマイズキーボードを初めて試してみたいような人におすすめです。
カスタマイズキーボードって値段が高くなるものが多いのですが、Pulsarはそこをかなり安く抑えています。
キースイッチをキーごとに分けて載せてみたい人、ルブに挑戦してみたい人にも良いですね。
レビューまとめ
以上「Pulsar PCMK TKL」のレビューでした。
カスタマイズキーボードのエントリーモデルとしては優秀なキーボードです。