LAMZU Atlantis Mini レビュー
LAMZUから発売されているワイヤレスゲーミングマウス「Atlantis Mini」をレビューしていきます。
スペックと同梱物
「LAMZU Atlantis Mini」の基本スペックと同梱物を確認していきます。
マウス | Atlantis Mini |
---|---|
カラー | 白 |
接続 | 2.4GHz無線 |
シェイプ | 左右対称 |
センサー | PixArt PAW 3395 |
DPI | 26,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 124.2 x 66.8 x 38.2 mm |
重さ | 49g |
ボタン数 | 6 |
ライティング | なし |
ケーブル | 布巻き 1.8m |
オンボードメモリ | プロファイル x 4 |
ソフトウェア | あり |
- マウス本体
- USBレシーバー
- USB延長アダプター
- USB-Cケーブル
- グリップテープ
- 予備のマウスフィート2種類
- クイックガイド
- ポーチ
マウスをすっぽり収納できるポーチ。ベロアのように光沢を感じる上質な布で、さりげなく入ってる袋としては上等な部類かと思います。ケーブルやUSBレシーバーも入ります。
凹凸のある表面で光を反射しやすくなっている半透明のUSB延長アダプター。無骨なものが多い中、非常に目を惹く手の込んだアクセサリーです。今までで一番おしゃかもしれん。
購入先
海外の公式サイトから直販で購入することもできますが、日本の正規代理店はHID-Labsが担当しているのでそちらのショップで販売される予定のはずです。
また無印版のAtlantisはArk-PCショップでも販売されているため、そちらにも在庫が卸される可能性があります。
基本概要
「LAMZU Atlantis Mini」はEndgame Gear XM1rのクローンマウスで、背丈の低いマウスボタン先端と後方シェルが広がっていく特徴的なシェイプを持ちます。
XM1rは長らくワイヤレス化が待たれていた製品で、遂にXM2WEというモデルが登場したはしたのですが、発売が遅れても経過発表がなかったためタイミングよく販売開始されたAtlantisが人気を博しました。
ZOWIEのECワイヤレスもそうですが、最高の下地を作ったご本家たちが無線化でかなり出遅れてしまっている印象です。
Atlantisは新しいブランドながらQCやクリック感などがとても良く調整されていて、デバイス界隈では2022年のベストマウスシリーズに選出されるなどその高い完成度が人気の理由となっています。
そんなAtlantisのより小型なモデルである「Atlantis Mini」が今回紹介していくマウスで、無印と比べてサイズは一回りほど違います。
デザイン
カラーリングは今のところ白のみの1色展開です。ホワイトを基調にブルーの差し色が映えます。無印では黒やピンクなどカラーリングは豊富なのでMiniもいずれ選択肢が増える可能性があります。
Endgame Gear XM1シリーズのクローンマウスで、左右対称型ですがサイドボタンは左側のみなので右手用となります。
ロゴは左サイドにのみ小さく刻印されています。マットな表面でグリップは弱めですが、付属のグリップテープを貼れば改善できるようになっています。軽量マウスですがハニカム構造ではないソリッドシェルです。
白色ということもあって指紋や脂汚れは全くといっていいくらい気になりません。
本マウスの特徴の1つはボトムベースで、軽量化のために極限まで肉抜きしたPulsar Xliteをやや彷彿とさせます。蝶のようなモチーフで穴抜きされた水色の透明ベースで、これはなかなかグッとくるルックスです。
マウスフィートは前後で小さいものが2枚ずつ計4枚貼られています。
予備マウスフィートには大きなものが2枚、そして小さい点ソールが8つ付属するので付け替えられます。エッジの丸め処理はほどほどで滑りは良好。
充電端子はUSB-Cです。いまどきmicroUSBはほぼ見かけなくなりましたが一応。
LEDインジケーターはマウスボタン手前側に位置し、電源投入時や充電開始時にLEDが光ります。色によってステータスを判別できますが、超ざっくりしているので充電が必要になったかどうかの判断くらいしかできません。
- 水色点灯:100%
- 紫色点滅:充電中
- 赤色点滅:~20%
ビルドクオリティはかなり良い方で、強く押してもほとんど軋みませんでした。クリックはバコバコ言わないですし、振ってもマラカスになりません。
中央がスライド式の電源ボタンで、下がオン、上がオフです。左の丸はLEDランプ、右の丸はDPIサイクル用のボタンです。
主な性能について
サイズ
サイズは117x63x37mmですが、グリップ幅は実測だと57mm前後です。
無印版のAtlantisは123x66x38mm。ちなみにXM1rは約122x66x38mmなので、この2つは寸法的にはほぼクローンといっても良いサイズ感ですね。
重さ
重さは実測でちょうど50gで、非常に軽いです。最近は軽すぎてもなっていう話もちらほらありますが、40g台のfinalmouseばっかり使う私としてはやはり50gくらいだと乗り換えても腕が疲れず馴染みます。
XM1rは70gと20gも重いですし、発売されるXM2Wもスペック上には63gとなります。無印Atlantisと同等のサイズなのですが、無印は55gなので軽さとしてはいずれの場合もLAMZUに軍配があがります。
シェイプ
EloshapeでXM1rと比較してみました。AtlantisはMINIなのでサイズが小さいのはともかくとして、シェル後方のカーブ具合を見るとそのまま小さくなった1:1クローンではなく、やや縦方向にギュッと縮んだ印象です。
こちらは無印のAtlantisとXM1rを比較したもの。グリップ幅が異なることが分かりますが、概ねサイズ感は似ています。
シェル後方の傾斜はAtlantisの方がやや急で、お尻の後端の高さが下がっています。MINIの方が小さいこともあって、私の手は縦18.5cm横10.5cmくらいですがXM1rのような手のひらのフィット感は少なめです。
グッと掴んで手前に強く引き込むようなドッシリタイプのつかみ持ちよりも、かぶせとつかみの混合スタイルとか少しリラックスして持つのが適しているような気がします。
手のひらの強いフィット感を求めているならXM2WEかAtlantisの無印が良いかもしれません。無印使ってないのでなんとも言えませんが…。
私の場合、つまみ持ちしようとするとカーブ部分を掴まざるをえず、力がフロント側に逃げていってしまうのであまり相性が良いとは思いませんでした。
マウスボタンの幅広さが違っていて、XM1rはフロントがほぼ全部ボタンなのに対しAtlantisは一般的なサイズ感です。
XM1rだとどんな指の置き方をしてもマウスクリックできましたが、Atlantisは良くも悪くも普通。このマウスボタンのサイズ違いはどちらを選ぶか決める要因の1つとなりそうです。
センサー
搭載されているのは「PixArt PAW 3395」で記事執筆時点では最新センサーとなります。
付属のケーブルと延長ドングルを使ってUSBレシーバーを机の上に置き、マウスから約50cmほどの距離にしながらMouseTesterでセンサーテストを行いました。
400 / 800 / 1,600 / 3,200 の4種類でテストした結果は以下の通りです。いずれもクリックで拡大可能。
xCounts
xSum
xCountsでは時折点が飛んでいますが、xSumの挙動を見る限りセンサー読み取りは問題ないので大丈夫だと思われます。最近EFTにずっと籠もっていますが、センサー周りで特段気になった点はありませんでした。
USBレシーバードングルはマウスから離れると電波干渉などによって通信状況が悪化し、トラッキングに影響を及ぼすことがありますのでなるべく近くに置くことが推奨されます。
センサー位置
センサー位置はフロント寄りです。
LOD
LODはソフトウェアで2段階に設定可能となっており、デフォルトでは1mmが選択されています。
1mmの場合だとLODは実測で0.7mmで、2mmの場合だと1.2mmとなりました。デフォルトのままで問題ありません。
DPIズレ
DPIズレをBenQ ZOWIE G-SR-SEの上で計測してみました。
ターゲット | 実測値平均 | 乖離値 |
---|---|---|
400 | 404.8 | +1.20% |
800 | 816 | +2.00% |
1600 | 1639.4 | +2.46% |
乖離値は使用するDPIによってやや変動していますが、値が大きくなるほど乖離していきます。800DPIで見てみると2%程度なのでさほど問題にはなりませんが、気になるようならゲーム内感度を調整しましょう。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
メインボタンはセパレートタイプ。最近のマウスではKailh GM 8.0を搭載するものが多い中、本マウスは珍しくHuano Blue Shell Pink Dotを搭載しています。
LAMZUと書かれた半透明なスイッチで、カチッとしたKailhに比べるとややトコトコとしていますがちょい硬めなフィーリング。ですが跳ね返りも程よく変な振動もないため、軽快な押し心地で連打が容易です。
どこを押しても一定のクリック感ですし、サイドへのズレもほぼありません。FPSゲーマーでもMOBAゲーマーでも満足できるマウスクリックです。
メインボタンのクリック応答速度
Atlantis Miniのデバウンスタイムは初期だと12msで設定されていたと思うので、これをソフトウェアで0msまで下げてしまいます。私はチャタリングを経験していませんが、個体差もあると思うので、チャタりはじめたらデバウスタイムを増やして探っていって下さい。
この状態でクリック応答速度を調べてみたところ、当サイトで計測した約80個近くのゲーミングマウスの中では30位ほど、中間よりやや上位に位置します。
特段速いとは言えませんが遅くもありません。
サイドボタン
丸みを帯びたシェイプのサイドボタンで、ボタン4と5が少し距離があいて離れています。結構外側に飛び出していることもあり、どちらを押しているか指の感覚だけでしっかりと分かりやすい構造で、かなり優秀です。
HUANO Black Shell White Dotが採用されていて音と押し心地はカチカチとクリスピー。プリトラベルもポストトラベルも程よく調整された良いクリック感です。
スクロールホイール
水色ラバー製のスクロールホイールは粘り気とノッチ感がしっかりあるタイプで回しやすいです。
ホイールクリックはやや硬めなので連打はしにくく、私の場合押し込むとやや指が硬直する感じです。個人的にはもう少し軽い方が好きですが、強めに弾くように回す方でも誤爆しにくいという利点もあります。
DPIボタン
DPIボタンは底面右下に位置する丸ボタンで、押し込むと左側のLEDが光って現在DPIを教えてくれます。
基本的にDPIは赤色が400の最も小さい値で、そこから増えていきますので、迷ったら赤色に一旦戻って操作すると良いです。
- 赤色:400
- 水色:800
- 緑色:1600
- 白色:3200
- 黄色:6400
バッテリー
300mAhのバッテリーを搭載し、最大使用時間は70時間とされています。
ライティングなしで70時間だとやや短い気もしますが、本マウスの軽さを考えるとこれは頑張っている方かと思います。
ケーブルは根本部分が上方向に固定されており、マウスパッドとの接触が抑えられているため摩擦による影響が軽微となります。ケーブル自体もけっこう柔らかめな布巻きタイプなので、急に充電が切れてもケーブルを繋げば有線として問題なく使えます。
内部構造
中身を確認するために軽く分解してみました。
前後のマウスフィートすぐ下にネジが合計4箇所あり、これらを全て外してあげるとパカッとシェルとベースが分離します。
ここで注意点。
デフォルトのソールは糊が外れにくく、頑張って綺麗にはがそうとしても惨事になる可能性が高いです。デフォソールが気に入ってるなら必要なければ分解しない方が良いでしょう。
前後の重量バランスを取るためか、基板が2段構造になっています。若干歪んで見えますが特に問題があるわけではなさそうです。
スイッチやバッテリーについては前のセクションで紹介したので割愛します。
ソフトウェア
公式サイトよりAtlantis Driverをダウンロードすることで設定変更が可能となります。
ボタン割り当て、DPIの数値の変更やマクロ作成が可能ですが、この中で唯一いじるとすればデバウンスタイムくらいでしょうか。
LAMZU Atlantis Miniのレビューまとめ
- 高品質なXM1rワイヤレスクローン
- 50gと超軽量
- ボトムのルックスが良い
- ビルドクオリティ高め
- 各スイッチの調整が上手い
- リーズナブルな値段
- 豪華なアクセサリー
- 汚れが目立たない
- ソフトが独立型
- 表面のグリップは弱め
- ホイールクリック硬め
以上「LAMZU Atlantis Mini」のレビューでした。
無印の評判がとても良かったのでずっと気になっていたマウスでしたが、ちょうどミニが発売するというタイミングだったので購入してみました。噂に違わずとても品質が高く、つかみ持ち向けワイヤレスマウスとしてはかなり上等だと思います。
マウスボタンのサイズ感がXM1rの方が好みなのでそこはちょっと残念な気はしますがクリック感とか軽さとかは割と気に入ってます。軽いのにビルドクオリティは高く、軽量化に伴うプラスチックの薄さで振動が響くようなことはありません。オモチャ感は少ないです。
XM1rやXM2Wなどがちょうど良いと感じる人は無印のAtlantisが合いますし、それが大きいと思ったならAtlantis Miniが手に馴染むかもしれません。日本人の平均的な手のサイズならミニの方が合う人が多そうな気はしてます。
私はXM1rの手のひらフィット感が良いので、無印買っておけば良かったかな~と思ったり。