Finalmouse Starlight-12 Phantom レビュー
Finalmouseから発売されたStarlightシリーズのPhantomモデルをゲットしたのでレビューしていきます。
概要とスペック
「Finalmouse Starlight-12 Phantom」はFinalmouseが初めて発売したワイヤレスマウスStarlight-12シリーズの1つ。昔発売された星空のようなPhantomカラーをリデザインしたモデルです。
SとM、一般販売ではトータル20,000個近く用意されていたみたいですが、販売開始からわずか15分前後で全て売り切れるという驚異の人気っぷり。
15分って言っても、販売開始2分以内にカートに追加しても待ち時間発生で買えなかったので、実質1分くらいだったと言ってもいいです。
Finalmouseは基本一度売り切れたマウスを再販することはないため、Phantomがどうしてもほしいなら中古や転売から買うことになります。
Starlightシリーズはまだ別のカラー展開が予定されているみたいなので、そちらを待つのも手です。基本はこのPhantomと同じ性能になるはず。
先に言っておきますが、いいマウスですけど4万とか5万出すようなものじゃないです。
カラー | 黒 |
接続 | 無線 2.4GHz |
シェイプ | 左右対称 |
センサー | Finalsensor |
DPI | 20,000(使えるのは3,200まで) |
ポーリングレート | 1,000Hz |
寸法 | 121 x 56.5 x 36.5 mm |
重さ | 49g |
ボタン数 | 6 |
ライティング | なし |
バッテリー | 160時間 |
ケーブル | 布巻き 1.8m |
ソフトウェア | なし |
同梱物
- マウス本体
- USBレシーバー
- microUSBケーブル
- クイックガイド
USBレシーバーはかなり独特な形をしています。
通常のマウスに付属するUSBレシーバーはUSB-Aポートにさすようなタイプが多いです。これを別途延長アダプターとケーブルに接続して使います。
FinalmouseのUSBレシーバーは延長前提の作りになっていて、パソコンなどに直ざしすることはできません。
マウスとレシーバーの距離は30~61cmの間が理想とクイックガイドに書かれていました。
外観と性能
「Finalmouse Starlight-12 Phantom」は左右対称シェイプのワイヤレスゲーミングマウス。
StarlightにはSサイズとMサイズがあり、今回紹介していくのはMです。
シェルの素材はマグネシウム号金で、他のマウスにはない金属系の触り心地が特徴的です。冬はひんやり冷たい。
ボトムのみウルテムというプラスチックで出来ています。これはワイヤレスの電波を逃すためだとか。
マグネシウム部分は剛性が高いですが、ボトムは普通程度の強度です。
ワイヤレスはGodspeed Wirelessという技術。使用していてラグやトラッキングエラーを感じることはなく、快適に使えます。
全体的なビルドクオリティはとても良いですが、サイドを強く押すとボトムが一瞬飛び出します。とはいえ、普通に使う分には全く問題ないです。
後述しますがホイールにはかなり問題を抱えています。
サイズと重さ
サイズは実測で 121×56.5×36.5(長さxグリップ幅x高さ)mm です。
Mサイズですが、一般的なMサイズマウスに比べると少し小型な印象です。S〜Mの間ですね。
重さは実測で49gです。公式によると47g±2gだったかな。誤差の中でも一番重い個体にあたってしまった。
とはいえ、モックアップかと思うくらいにめちゃくちゃ軽いです。重量比は0.72:1でこのサイズとしては極めて軽量という評価。
各サイドからのシェイプ
Finalmouseのシェイプは歴代で大きな変更はなく、Ultralight2と似ています。Mの場合それよりも大きくなっていますが、全体的なフォルムやボタンサイズなどほとんど同じです。
高さが低めで平べったいトップ。両サイドのくぼみはゆるめのカーブをしていて、深く持っても浅く持ってもグリップしやすいです。
他のマウスで例えるとRazer Viper Ultimateに似ています。それよりも小さくてお尻が小型かな。
持ち方と使用感
一般的な持ち方とされる「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つで持った使用感について見ていきます。
これらは個人的な感想で、持ち方や感じ方は人それぞれ違いますので参考程度にお願いします。
私の手のサイズは縦幅が18.5cm、横幅が10.5cmくらいです。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◯ | ○ | ◎ |
かぶせ持ち
平均くらいの手のサイズならかぶせはそこそこ適正がありますが、積極的におすすめはしません。
ロープロファイルかつ薬指と小指は窮屈な感じがあり、エルゴシェイプよりフィット感が劣ります。グリップ幅がもうちょっとあった方がリラックスして持てそう。
INFINITYスキンとかグリップテープでサイドの厚みを足せば使いやすいかも。
つかみ持ち
つかみ持ちの相性は良いのですが、サイドのグリップ力のなさがネックです。
グリップ幅は細身でがっしりとホールドしやすいのですが、滑りやすさのせいでやや安定感に欠けるかなと。特に鬼グリップする人にはきつくて、軽くつまむ程度に持つなら問題ないです。
マウスボタンは低めなので押しやすいですし、サイドボタンもちょうど良い位置にあります。
つまみ持ち
つまみ持ちは最も適正があります。極めて軽いため、マウスの重さでブレることが少ないです。
背丈も低いので深く持っても浅く持っても手に干渉しません。浅く持つとマウスボタン手前のハニカムが指に当たるのだけが懸念点かな。
つまみが最適だと考えると、MサイズよりもSサイズの方が正解な気がします。
バッテリー
バッテリーは3.5V/250mAhで、普通に使って160時間もちます。これはLogicool G Pro X Superlightのバッテリーとほぼ同じくらいですが、Pro Xが70時間程度なのに対しかなり長い寿命となっています。
実際計測したわけではありませんが、スリープモードもあるので適当に毎日使っていてもかなり長い期間充電しないですんでいます。
電源投入時に左マウスボタンの下にあるLEDランプが点滅します。
- 緑:バッテリーは十分
- 赤:バッテリーが少ない
- オレンジ:充電中
センサー
センサーは「Finalsensor」なるものが搭載されていて、最大CPIは20,000、最大トラッキング速度は450IPSです。
本マウスはドライバーレスで最大DPIが固定されているため、3,200以上には設定できません。一応フラッグシップ級のセンサーだよってことですね。
センサー位置はセンター付近です。
センサーテスト
ポーリングレート1,000HzでDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
USBレシーバーとマウスは30cmほど離してテストしています。
センサーテストに使用したマウスパッドは「ZOWIE G-SR」。
400DPI
800DPI
1600DPI
全体的に綺麗な波を描きます。xSumは綺麗なのでセンサーは良好です。
LOD
LODは 0.9mm でした。短くて優秀な値です。
いくつかのマウスボタンを押しながら電源を入れることで、LODは1mm→2mmに変更できます。
左と右の両方のマウスボタン、そして奥側サイドボタンの合計3つのボタンを同時押ししながら電源を入れます。するとLEDが青色で3回点滅し、LODが1mmになります。
手前側サイドボタンを押しながら電源を入れると紫色に3回点滅し、2mmになります。2mmにした時の実測値は 1.8mm でした。
マウスフィート
PTFEマウスフィートは小型のものが4枚ついてます。センサー周りはなし。
一部の角の丸め処理が尖ったままになっていて、沈み込む布系マウスパッドだと引っかかりを感じる可能性があります。
マウスフィートは、Sサイズの場合はUltralight2と同等のものなので、Hyperglideなどのサードパーティ品に付け替えると良いかも。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
スイッチにはKailh GM 8.0が採用されています。金属製のシェルも相まってとてもクリスピーな押し心地です。音はちょっとうるさめ。
クリックは普通よりもやや軽めで、連打はしやすいです。ストロークと跳ね返りは普通くらい。
クリックの応答速度は数あるマウスの中でも遅めに位置します。詳細はこちらで見られます。
サイドボタン
少しだけ外側に飛び出しており、押し心地は軽く、歯切れは良いです。連打もしやすい。
このサイドボタンはかなり良いです。
スクロールホイール
回し心地はかなり軽く、ノッチ感はとても少ないです。音は静かというほどでもないですが、どちらに回しても同じ音が鳴ります。
ホイールが敏感すぎて、トントン指で叩くだけで回転検知・クリック押下します。ファームウェアのアップデートがきていて、そこでデバウンスタイムを伸ばしているみたいですが、更新しても多少なりますね。
斜めっちゃってるホイール問題については後述。
DPIボタン
ホイールからは少し離れているため誤爆はほぼないと思われるDPIボタン。とにかくクリックが硬いです。所持しているマウスの中でも随一硬いDPIボタン。
しかもなぜかちょっとカタツキがあって、指でトントン叩くとカタカタ鳴ります。普通にゲームプレイしてる時に気になるかと言うと、別に気にならない。
DPIは「400 / 800 / 1,600 / 3,200」の4つでサイクルします。ソフトウェアのないドライバーレスなので細かい設定は不可能です。
電源スイッチ
今まで買った無線マウスの中でも最も適当な電源スイッチ。
まぁ所詮電源スイッチだからこだわらなきゃダメかっていうと別にそうでもないんだけど…。軽さを優先してこういうスイッチになったのでしょう。
爪が伸びていなくてもスライドできるくらいの位置にあります。
Starlight-12 Phantomの特徴
Finalmouse Starlight-12 Phantomの特徴について紹介していきます。
わずか49gと極めて軽い
Mサイズ相当のワイヤレスマウスで50gを切るマウスはほぼありません。これはfreethinkingと言わざるを得ない。
あれだけ底面をスカスカにしたPulsar Xlite Wirelessでも60gですからね。
マグネシウム号金シェルは唯一無二
それだけの軽量化を可能にしているのは、他のマウスでは見たことのないマグネシウム号金でできたシェル。
マグネシウム号金は金属としての強さや性質を持ちながらもとても軽量です。金属のひんやりとした硬い手触りはクセになります。
個人的には穴はそこまで気にならないので別に良いですし、金属ゆえに剛性はすごいのでたわみなども基本ありません。
クリック感は非常に良い
メインボタンは金属+Kailh GM 8.0で心地よいクリスピーさです。
サイドボタンも軽さと歯切れの良さが絶妙で素晴らしい出来だと思います。
問題児はホイールだけ。
シェルはツルツル滑りがち
グリップ力は弱くて滑ります。
特に気になるのは両サイドで、最初指がツルツル滑って手からすっぽ抜けるかと思いました。慣れてきたら別に軽くつまんでるだけなので大丈夫ですが、とりあえず滑るよってだけ。
グリップテープ貼っちゃうと金属感が分かりにくくなるからもったいない気がする。
ホイールに問題を抱えている
よく見ると右ボタン側に寄ってますね。タッチしてるわけじゃないから許容範囲ですが、気になり始めるとかなり気になる。
ヒートシュリンクを使って修理する方法を紹介しています。基盤外さなくても良いのでとても簡単です。
問題はホイールの角度だけに留まりません。繊細すぎて、ホイールを回していると頻繁に逆入力が入る問題があります。
一応ファームウェアアップデートで直したらしいのですが、トントン叩くだけで勝手に動くので特に直ってないですね。
このアップデート方法がまた雑というか。まず公式サイトがあるんだからそこで配布すればいいのに、Discordのチャンネルに入らないとファイルのダウンロードができない。そしてコマンドプロンプトを使ってアップデートするっていう面倒さ。
・・・
普通に買うことができない
発売から2分以内にチェックアウトまで進んでも買えなかった。売り切れるのが早すぎる。当日の記録はこちらから。
finalmouseは基本的に個数を絞って販売して、過去のマウスは復活する見込みはありません。カラーバリエーションが異なるものが発売されることはありますが、Phantomだったらオークションなどで買うしか道はありません。
転売ヤーが扱うには最適なアイテムで、実際めちゃくちゃな数が出品されてます。一人4個も買えるからこんな事になるんだぞ…。
Phantomは初期型の神様シリーズや現地限定白ペガサスと比べても割と安いです。
それでも定価よりは高いし、転売買うのハラタツから絶対イヤ!って方は次に発売予定のポセイドンカラーを待つのが良いでしょう。
Finalmouse Starlight-12 のまとめ
以上「Finalmouse Starlight-12 Phantom」のレビューでした。
マグネシウム合金のシェルって面白いしフィーリングはとても好きですね。軽いのもいいし。むしろ軽すぎるくらいか。
Phantomは問題をいくつか抱えてますけど、メタルシェルに進むって発想はすごくいいなと思うんですよね。私は好きです。ただ買えないし売り方が好きじゃないから絶対ベストマウス~みたいなのには入れない。
ホイール問題はけっこうひどいし、いい加減個数絞らないで普通に売れないのかっていうね。マーケティングを見直して、プレミアを売りにして煽らなければもっと評価高くできるんですけど。
Discordで得た情報によると、今後ポセイドンっていうカラーバリエーションが発売される予定なのと、その後には新スターライトみたいなのが控えてるとか。
ポセイドンは1万個、その後のやつは4万個くらいだそうです。また戦争になるな…。