Glorious Model D- Wireless レビュー。小型になったエルゴワイヤレス
Gloriousから発売されているワイヤレスゲーミングマウス「Model D-(Minus) Wireless」をレビューしていきます。
概要とスペック
本マウスは以前発売されたGlorious Model D Wirelessの小型バージョンです。
「D-」と書いて、ディーマイナスと読みます。Dというのはマウスの形を表していて、左右非対称のエルゴシェイプを意味します。
通常サイズの「D」とは寸法と重さが異なるだけで、基本的な性能は同じ。なので自分の手に合ったサイズを選びましょう。
カラー | 黒 / 白 |
接続 | 無線 |
シェイプ | エルゴ |
センサー | BAMF |
DPI | 19,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 120 x 61 x 40 mm |
重さ | 65g |
ボタン数 | 6 |
ライティング | あり |
ケーブル | Ascended 2.0m |
オンボードメモリ | プロファイル x 1 |
ソフトウェア | あり |
同梱物
外箱。背面にはスペックや寸法が記載されています。
- マウス本体
- USBレシーバー
- USB延長アダプター
- USB-Cケーブル
- 大型マウスフィート
- クイックガイドなど
外観と性能
「Glorious Model D- Wireless」は2.4GHz低遅延無線を搭載したケーブルのないワイヤレスマウス。
シェル全体がマット仕上げで、汚れは目立ちにくいです。
ハニカム構造になっているのはシェル後方と底面のみ。いずれも特に気にならない位置です。
マウスボタン手前やサイドには穴がなく、指が干渉して不快に感じることはありません。
サイズと重さ
サイズは実測で 120(長さ)x 61(グリップ幅)x 40(高さ)mm です。公式の寸法と同じ。
スペック上だとDよりも長さは8mm、グリップ幅と高さは2mmほど小さくなっています。
ですが、グリップ幅は握りの部分を測ってみるとどちらも61mmくらいでした。
重さは実測で 65g。公称値が67g±2gなので、誤差範囲内で最も軽いです。
重量比を計測したところ、0.89:1でした。このサイズのマウスにしてはかなり軽いという評価です。
各サイドからのシェイプ
左右非対称型のエルゴシェイプで、サイドボタンは左側のみ。完全に右手用マウスです。
横から見ると全体的に緩やかな弧を描いています。後方から見ると、トップシェルは右側に向かってなだらかに下っていきます。左サイドは内側に窪んで右サイドは外側に隆起。高さのピークはややフロント寄り。
ZOWIE EC3とサイズ感はほぼ一緒のモデルです。Model D-の有線モデルの方がEC3よりも先に発売されているはずなので、EC3のクローンっていうとちょっと違う気はしますが、もとはEC2をベースに小型化しているはず。
記事後半ではEC3と比較してます。
持ち方と使用感
一般的な持ち方とされる「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つで持った使用感について見ていきます。
これらは個人的な感想で、持ち方や感じ方は人それぞれ違いますので参考程度にお願いします。
私の手のサイズは縦幅が18.5cm、横幅が10.5cmくらいです。
かぶせ持ち
かぶせ持ちは最も相性が良いです。
手に収まるコンパクトなサイズ感のため、私の手のサイズでは扱いやすいです。
右への傾斜がなだらかで、薬指と小指の位置も違和感なくリラックスした状態になります。
つかみ持ち
つかみ持ちも悪くありません。
サイドはしっかりグリップしやすい幅なので、挟み込んで手前に引くようにつかめば安定します。ただし、メインのマウスボタンの高さが結構あるので、若干窮屈さを感じるかもしれません。
また、サイドボタンが手前気味かつ高めに配置されているため、ボタン4(手前側)が押しにくいです。
つまみ持ち
つまみ持ちは手が大きければ良いかなと思いますが、私の場合はちょっと微妙に感じました。
両サイドはきついカーブじゃないので持てないことはありませんが、右側の隆起している部分は少し安定しにくいです。さらに、お尻部分が広めなので、深く持とうとすると干渉しがち。
浅めに持ってもマウスボタンは押しやすいです。それとセンサー的にはつまみが一番良い位置にくる気がする。
ビルドクオリティ
「Model O- Wireless」からビルドクオリティめちゃくちゃ良くなったなと思っていて、この「Model D- Wireless」もかなり良いです。
Gloriousの初期生産ロット、こと特にDシリーズに関してはQC(クオリティコントロール)問題が発生することが多いんですよ。私は有線の「D」「D-」、ワイヤレスの「D」と全種類持ってますが、ほぼ全てにおいて何かしらの問題を抱えてました。
でも今回はなかった!遂に…グロリアスも遂にQC問題が改善されてきたのかもしれません。個体差はあると思うので、絶対大丈夫とは言えませんけど過去シリーズに比べたら安心感はあります。
全体的に頑丈な出来ですが、両サイドだけ強めに押すとほんのちょっとだけ軋みます。まぁちょっと重箱の隅っぽいですけど、全く気にならないといったら嘘になるので書いておきます。これは握り込んだ時に鳴りますが、特にゲームプレイ中に気になるとか、ひどく軋むみたいなことはないので問題ありません。
強く振ってみると、内部の何かが小さく音をたてますが、気になるようなレベルではありません。
バッテリー
バッテリーの持続時間はライティングオフで71時間と平均的な長さ。
ライティングの輝度次第では相当速く消耗します。最初は60%くらいで設定されているはずですが、この輝度は全くおすすめしなくて、25%以下に抑えた方が良いです。
センサー
センサーはPixArtとコラボしている「BAMF」センサー。PixArt PAW 3370がベースだと考えられています。
最大DPIは19,000、最大トラッキング速度は400IPS、最大加速度は50(G)。
センサー位置はセンターくらいなのですが、グリップすると若干だけリアっぽい印象になります。
センサーテスト
ポーリングレート1,000HzでDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
USBレシーバーとマウスは40cmほど離してテストしています。
センサーテストに使用したマウスパッドは「ZOWIE G-SR」。
400DPI
800DPI
1600DPI
xCounts、xSumの両方で綺麗な波を描いており、動作は良好です。
LOD
結果は 0.9mm でした。短くて優秀です。
ソフトウェアではLODを設定できます。初期値は1mmですが、2mmへと設定変更可能。
しかし2mmにしても変化が見られなかったので、ちゃんと機能してないっぽいです。
マウスフィート
マウスフィートは四隅に小型のものが貼られています。センサー周りにはなし。
100%PTFEで滑りは良いです。エッジの丸め処理は丁寧。 4枚ともそれぞれサイズが微妙に異なります。
保護フィルムが貼られてくるのですが、removeの圧。絶対剥がさせるという意思が強い。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
クリックの硬さと跳ね返りの強さはほどほどで、連打はしやすいです。カチッとした音の鳴る心地よいメカニカルスイッチ。
Gloriousスイッチという自社ネームのついたスイッチですが、これはKailhとコラボしているもの。耐久値は8,000万クリック。
本マウスのデバウンスタイムは初期値で10mmが設定されています。これをソフトで0mmに変更してクリック応答速度を測りました。
結果、数あるマウスの中でもほぼ中間に位置する速度でした。詳細はこちらで見られます。
サイドボタン
サイドボタンは幅広・平べったいタイプで、押しやすいシェイプです。位置はけっこう高めなので、かぶせ持ちしても干渉しません。押そうとするなら意識的に指を少しだけ持ち上げることになります。
つかみ持ちだと手前側のサイドボタン4が手前すぎて押しにくく感じます。
クリックはちょい硬め。音はボタン4がちょっと甲高くてうるさい印象。
スクロールホイール
回し心地は軽めでノッチ感は少なめです。どちらに回しても一定の音で静か。
ホイールクリックの硬さは普通くらい。「O-」と比べると左右のマウスボタンに埋もれがちで、高低差が少ないため個人的には押しにくく感じます。
DPIボタン
普通のDPIボタン。ホイールちょっと後ろで少し飛び出していますが、誤クリックなどは心配いらないでしょう。
DPIは初期値だと「400 / 800 / 1,600 / 3,200」の4ステージで、それぞれLEDの色が異なります。
各数値は50単位で微調整可能で、最大6ステージまで記録できます。
電源ボタン
センサーすぐ右にあるスライダー式の電源スイッチ。上でON、下でOFF。
ケーブル
Ascendedコードという布巻きタイプのUSBケーブル。長さは2mとちょっと長めです。
端子はUSB-Cタイプなのですが、三叉形状になっていて上下の方向性があります。
USB-Cの良さをフルに活かしてないのでこれはあまり好きじゃない部分。
マウスに接続。ブッシュとマウスパッドは干渉することなく、平行になります。
基本的にはUSBアダプターとUSBレシーバーを接続し、机の上に置くことになります。なぜかというと、2.4GHzは電波が強くないからですね。
マウスとレシーバーをなるべく近づけると、トラッキングエラーが減ります。
ライティング
両サイドを流れるシームレスなライティングと、ホイールのライティング。
ただしワイヤレスだとライティングはかなりバッテリーを浪費するため、使うとしてもなるべく輝度は抑えるのが得策です。
個人的には25%とか、それ以下がおすすめ。
ちなみにグロリアスは、無線使用時と有線使用時の明るさを分けて設定することができます。
ソフトウェア
公式サイトで配布されている「Glorious Core」というソフトウェアをインストールして使います。
- ライティング
- キー割り当て
- DPIステージ
- LOD
- デバウンスタイム
- ポーリングレート
バッテリー残量を%で見ることができるのは嬉しい仕様。
残量が減ってくるとめちゃくちゃ主張してきます。
マウスの設定を保存するとなぜかデフォルトのDPI(たしか1,600)に強制的に戻ります。これだけちょっとイライラしますね。
他のマウスと比較
その他のマウスと簡単に写真で比較してみます。
Model D Wirelessと比較
マウス | 長さ | グリップ幅 | 高さ |
---|---|---|---|
D- WL | 120 | 61 | 40 |
D WL | 128 | 61 | 42 |
Lサイズ相当であるModel D Wirelessと比較。
公式の寸法だとDのグリップ幅は63mmなのですが、実測では61mmくらいだったのであまり変わらないと思います。
フロント部分の左マウスボタンは、なぜかModel D-の方が少し高い。そのまま一回り小さくなったというよりも、縦に圧縮されたようなイメージ。
DよりはD-の方がつまみにも向いていると思いますが、かぶせ持ちが最もフィットするのはどちらも同じ。
Pulsar Xlite Wirelessと比較
マウス | 長さ | グリップ幅 | 高さ |
---|---|---|---|
D- WL | 120 | 61 | 40 |
Xlite WL | 123 | 60 | 42 |
EC2クローンであるXlite Wirelessと比較。長さと高さがある分、持ったフィーリングはけっこう違います。
高さが低い分、D- WLの方がリラックスして持てる印象。Xliteは今後V2といってサイドの穴が埋められるようですが、現バージョンはサイドの穴が持った時に気になるかもしれません。
ただし、XliteはD- WLと比べても軽い上にかなり安いので魅力的です。より小さいのが欲しかったり、ライティングがありが欲しかったらD-がおすすめ。
ZOWIE EC3と比較
マウス | 長さ | グリップ幅 | 高さ |
---|---|---|---|
D- WL | 120 | 61 | 40 |
EC3 | 119 | 61 | 41 |
恐らく最もシェイプ的に近いZOWIE EC3と比較してみます。ほぼサイズは同じで、長さや高さが1mm違うくらい。
EC3の方が高さがあって、フロントエンドは低めなため、横から見た時のカーブはきつめになっています。
とはいえかなり似ているのでEC3ワイヤレスといっても過言ではなさそうな気がしてます。
Model D- Wirelessの良さと注意点
良いところ
- EC3サイズでワイヤレスモデル
- 65gと軽量
- ビルドクオリティはけっこう良い
- 押しやすいメインスイッチ
- 美しいライティング
- 本来の定価はコスパ抜群
注意点
- ホイールが押しにくいと感じる時も
- 暑苦しいおっさんロゴ
- ケーブルの三叉形状
以上「Glorious Model D- Wireless」のレビューでした。
Model D- Wirelessの魅力
エルゴ・小型・ワイヤレスの3つが揃ったマウスです。
Gloriousにつきまとう初期生産ロットのQC問題ですが、O-と同じくD-も改善されているように思いました。
日本では1月21日に発売予定で、値段は定価12,650円を予定しています。Model O Wirelessが1万円ちょいって安さだったので、その辺だったら良いな~と思っていたのですが、想像よりは少し高めかな。
EC3サイズでワイヤレスって他にないような気がするので、EC2よりもEC3派!って方におすすめできます。
- 小型でエルゴワイヤレスが欲しい方