G-wolves HT-S Wireless レビュー。アンテナ付きレシーバーの小型ワイヤレス
低価格で高品質なマウスを届けてくれるG-Wolvesの新作「HT-S Wireless」をレビューしていきます。
より新しいセンサーを搭載したアップデートバージョンが発売されました
概要とスペック
以前から発売されている小型マウスの「G-Wolves HT-S」がなんとワイヤレスになりました。同ブランド初のワイヤレスマウスとなる本製品ですが、USBレシーバーにアンテナがつくなど他にはない試みが見られます。
非常に軽いのですが、そのぶんめちゃくちゃ小さいので手が小さい人向けで、つまみ持ちに適していますがそれ以外のフィット感は薄め。人を選ぶサイズです。
カラー | 黒(スターダスト) |
接続 | 無線 |
シェイプ | 左右対称 |
センサー | PixArt PAW 3335 |
DPI | 16,000 |
寸法 | 113 x 61 x 40 mm |
重さ | 59g |
ボタン数 | 6 |
ライティング | あり |
ケーブル | 布巻き充電用 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
ソフトウェア | あり |
同梱物
G-Wolvesの箱はいつも箱in箱で、紙製の外箱の中に金属ボックスが入っています。
付属品は豊富です。マウス本体、ケーブル、USBレシーバー、アンテナ、予備のマウスフィート、グリップテープ、クイックガイド、フデ。アンテナがついている代わりに、USBレシーバーを延長できるアダプターが付属していません。マウスフィートが青いのは保護フィルムが貼られているからです。
恒例の匂い袋。レモンの匂いらしいです。とりあえず臭いからすぐに捨てた方がよいかと。
同梱物は以上です。
デザインと性能
「G-Wolves HT-S Wireless」は左右対称の小型ワイヤレスゲーミングマウス。サイドボタンは左のみです。トップシェル、サイド、ボトム、基本的にすべてハニカム構造となっています。
ギャラクシーカラーなので銀河を意識してるみたいですが、ペンキがビシャッと跳ねたようにしか見えない。個人的には微妙なカラーリングでした。有線版のスターダストの方が良かったかな。
ハニカムの穴はやや大きめです。中は補強されているためそこまで脆くはありませんが、サイドは持った時に穴が気になるかもしれません。
サイズは実測で 112.6(長さ)x 54(グリップ幅)x 39.5(高さ)mm でした。全体的にかなり小さいマウスですが、実は以外と高さがあるシェイプをしています。
重量は実測で 59.5g でした。ワイヤレスマウスとしてはトップクラスに軽いです。ただし、その分サイズは小さいことは覚えておきましょう。同マウスの有線版は約49gなので、ワイヤレス化に伴い10g増量されています。
各サイドからの見た目。「G-Wolves HT-M」のミディアムサイズがそのまま小さくなったわけではなく、高さは維持されているので縦にギュッと縮まったようなシェイプです。ケーブル差込口の真横あたりが軽量化されているのがユニーク。マウスボタンはロープロファイル気味で、トップのカーブはややきつめ。両サイドのくぼみのカーブはほどほどにあります。
サイドのハニカムはやや横に引き伸ばされた形をしています。内部は補強されているので頑丈ですが、やっぱり穴があいてると持った時に違和感を感じる可能性があります。気にならないなら大丈夫。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティはかなり良くなりました。トップシェルやサイドは強く押しても軋むことはないです。底は凹みますがそこまで柔らかくはありません。有線版よりもだいぶ改善されています。強めに振るとホイールがぶつかるラトル音が少しだけ聞こえます。
センサー
センサー位置はほぼセンター。
センサーは「PixArt PAM 3335」で、最大DPIは16,000です。周りのマウスフィートが大きめなのが特徴的。
センサーテスト
ポーリングレート1,000Hzで、それぞれDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
400DPI
800DPI
1600DPI
1000HzだとxCountsでかなりポジティブアクセルが発生しますが、xSumは非常に良好な波を描きます。センサー的には問題ありませんが、ポーリングレートが乱れを起こしています。
特にカーソルスキップを感じるわけではありませんが、500Hzの方が安牌かもしれませんね。
LOD
LODを「Artisan ヒエン SOFT」の上で計測したところ、1.4mmでした。普通くらいの長さで悪くはありません。
LODが長いとマウスを浮かせてポジション移動しようとした時にカーソルが勝手に動いてしまう可能性が出てきます。所感では1.0mm前後だと優秀で、2.0mm前後までいくと長いと感じます。
マウスフィート
マウスフィートは見た目100%PTFEの白いものです。滑りはそこそこ良くて、エッジの丸め処理は丁寧です。
マウスボタン
セパレートタイプのKailhメカニカルスイッチ。カチッとクリスピーで、押し心地はやや硬めの跳ね返り強め。ストロークは短め。プリトラベルはややありますが、ポストトラベルはほとんどありません。結構良いです。
丸みを帯びたサイドボタン。フロント側のボタンにはプリトラベルがほとんどなく、押すと同時にカチッと押し込まれて気持ち良い感覚です。リア側は少しあるためフワッとした感覚がありますが、やや軽めに押せるので押しやすいです。
スクロールホイールの回し心地はやや軽めで、タクタイル感は弱め。クリックの硬さは普通くらいですが、微妙にプリトラベルがあって2段階で押しているような感覚があります。
電源のオフ・オンをするスライドスイッチ。有線版はここにポーリングレートの変更ボタンがあったのですが、無線版ではこのようになりました。
バッテリー
バッテリーの寿命はよく分からないのですが、スイッチオンの状態のまま数日使っても充電は切れないので、平均的な70時間くらいなのかなと予想してます。
ケーブル
布巻きタイプのケーブル。それなりに柔らかく、充電用ケーブルとしては必要十分な性能です。
先端はマイクロUSB。コネクタの両サイドに突起があります。端子自体はマウスの奥にまで差し込まれるため、汎用的なケーブルは使えない可能性が高いです。USB-Cで汎用ケーブルもさせるようなシェイプが理想なので、微妙といえば微妙。
ブッシュはやや下方向に曲がり気味ですが、地面に擦れるような心配は特になさそうです。
ライティング
ライティングは有線版の時と同じく、マウス内部の基盤にあるG-Wolvesのロゴが小さく光る程度です。内部では地味に反射して綺麗です。
ちなみにDPIを変更したときに割り当てられている色に数秒光りますので、現在DPIは確認しやすいです。
USBレシーバーアンテナ
本マウスのUSBレシーバーにはアンテナが付くようになっています。アンテナはネジみたいにくるくる回して取り付けます。一定方向に90度曲がるようになっていて、曲がる方向は微調整可能です。
アンテナはかなり大きくて、真っ直ぐ伸ばすと全長170mmくらいあります。見た目は普通にダサいです。PCからアンテナが生えますからね。90年代かな?背面の見えない部分に取り付けておくならまだしも、フロントにはちょっと・・。
このアンテナを付けると電波の受信状況が良くなるはずですが、そもそもセンサーテストの結果が良くないためテストしようがありませんでした。
グリップテープ
グリップテープが付属してきます。手が乾燥していてマットコーティングだとツルツル滑ってしまう方には嬉しいアクセサリーです。
マウスボタン2枚、両サイド2枚、トップシェル2枚のトータル6枚。
サイドの穴が気になる場合はここだけテープで隠すのもありですね。ちょっと幅広にはなりますけど、グリップもあるし一石二鳥。グリップはすごく良いってわけではありませんが、ほどほどです。
結構厚手で頑丈なので、ある程度繰り返し使うことができそうです。
ソフトウェア
公式サイトにオリジナルのソフトウェアがあるのでダウンロードして使います。とはいえ完成度は低めの微妙なソフトなのでインストールの必要がなければしなくてよいです。公式サイトが個人サイトみたいにペラペラな作りなので、そろそろちゃんとしたものにしてほしいですね。
ボタン割り当ての変更、ポーリングレートの変更、バッテリー残量の確認、DPIの変更、ライティングカラーの変更、マクロ作成と割り当てなどができます。
持ち方と使用感
一般的な持ち方とされる「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つで持った使用感について見ていきます。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
△ | △ | ◎ |
かぶせ持ち
小型すぎるため、かなり浅く持たないとかぶせ持ちになりません。手の下側がかなり接地します。また、トップシェルのカーブ的にはあまりフィット感が良くないです。手が小さめの方なら使えるかもしれません。
つかみ持ち
かぶせ持ちよりは使いやすいです。フロント側がロープロファイルなのと背丈が高めなのでフィット感はあります。ただし、やはり手が小さい人向け。
つまみ持ち
つまみ持ちが1番いいです。サイドのくぼみに指がフィットするし軽いので持ち上げが楽です。小型なので動かる範囲が広い。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- 60gとかなり軽い
- マウスボタンの押し心地は良い
- サイドボタンの歯切れの良さ
- ビルドクオリティは改善
- 小型で手が小さい人向け
- グリップテープ付属
- イマイチなところ
-
- 1,000Hzだとトラッキングに問題
- カラーリングが微妙
- ホイールのクリックが硬い
- 持ち方を選ぶ
- マイクロUSB
- アンテナがあまりにもダサい
「G-Wolves HT-S Wireless」のレビューでした。
G-Wolves初のワイヤレスマウス、なぜHT-Sを選んだのか正直良く分かりませんが、有線版よりもビルドクオリティが良くなってるのは嬉しいポイント。実測で59.5gとワイヤレスマウスとしてはめちゃくちゃ軽い部類ですが、そのぶん小さいので使い手を選ぶマウスです。
ポーリングレートがデフォルトの1,000Hzのままだとトラッキングに悪影響するため、500Hzにしないといけません。今本マウスは市場から姿を消しているので、改良してくれていると思いたい。ファームウェアアップデートで直ると嬉しいですが、当面500Hzにしておけば大問題にはならなそうです。