Razer Barracuda X レビュー。シンプルなワイヤレスヘッドセット
Razerから発売されているワイヤレスゲーミングヘッドセット「Razer Barracuda X」をレビューしていきます。
概要とスペック
「Razer Barracuda X」は2.4GHzモードで使えるワイヤレスゲーミングヘッドセット。Bluetooth接続はサポートされていません。読み方はバラクーダエックス。
4in1マルチプラットフォーム。付属するドングルで接続すれば、PC・PS・Switch・Androidで使えます。
ライティングなどをなくし、見た目も普通のヘッドホンに近いシェイプで外でも使いやすい。
「SteelSeries Arctis」にめちゃくちゃ似てる説ありますが、私は持ってないので何とも言えません・・!
カラー | 黒 |
接続 | 2.4GHz / 有線 |
オーディオ | ステレオ |
タイプ | 密閉型 |
重さ | 250g |
スピーカー周波数特性 | 20Hz – 20kHz |
感度 | 96 dB SPL/mW |
スピーカーサイズ | 40mm Triforce |
マイク | 着脱式マイク |
マイク周波数特性 | 100Hz – 10kHz |
バッテリー時間 | 20時間 |
ライティング | なし |
接続端子 | シングル4極 |
対応コンソール | PC / PS / Switch / mobile |
さらに詳しい技術仕様を知りたい方は公式サイトでご確認ください。
同梱物
各サイドから見た外箱。
- ヘッドセット
- USBレシーバードングル
- 着脱式マイク
- 充電用USB-Cケーブル
- レシーバー延長ケーブル
- 3.5mmケーブル
- クイックガイド
同梱物は以上です。
デザインと性能
「Razer Barracuda X」は黒一色でライティングがありません。ゲーミングっぽさを比較的抑えたミニマルなデザインです。
Krakenシリーズのように正円タイプではなく、Blacksharkのようにヘリのヘッドセット感もない「普通」なヘッドセットという印象。
全体的にプラスチックな素材で出来ており、高級感があるとは言えません。ビルドクオリティは良く、指紋やあぶら汚れなどは目立ちにくい表面。
光沢のあるラインで彫られたRazerロゴ。光の当たり具合によってはキラッとしますが、基本的には目立ちにくく主張は控えめ。RGBには光りません。
スライダーはノッチ感のあるスチールタイプで、9段階で調節可能となっています。片側約33mm程度伸びるので、両側で約66mm伸びます。
最も短い状態と最も長い状態。サイズ感は頭が大きめな方でも比較的フィットする作りです。
アームとハウジングの接続部分。ひねることでハウジングが回転します。
両方とも外側に開くように、90度近く回転。この状態にすると首掛けしておけるはずなのですが問題が1つ。
イヤーパッド側が自分を向く方が良いのですが、回転する方向が反対なため首元が苦しいです。残念ポイント。
重さ
ヘッドセット単体の重量を測ったところ 約255g でした。ワイヤレスヘッドセットとしてはとても軽い部類。長時間着けていても重みを感じません。
マイクは 約11g です。ヘッドセットと合わせると全体の重量としては 266g です。Razer製品としては最も軽いワイヤレスヘッドセットですね。
ヘッドバンド
ヘッドバンドはプラスチックで、RAZERロゴが刻印されています。強くひねってもしなやかに曲がります。
底はPUレザーとウレタンタイプ。押し込んだ時の反発は速く、ほどほどの柔らかさ。ヘッドセット自体が軽いため、使っていても痛みは感じません。
表面はしっとりとした触り心地ですが、汗をかくと汚れが気になるのでたまに拭き掃除してあげた方が良いです。
イヤーパッド
イヤーパッドは通気性の良いメッシュタイプ。熱はこもりにくいです。
内寸は実測で縦幅が61mm、横幅が37mmでした。そして厚みは20mm。
密閉感は強めで、パッシブノイズアイソレーションが効いています。外音をそれなりにカットしてくれるため、よりゲームや音楽に集中できます。
押すと少しだけ遅れて跳ね返ってくる低反発のメモリーフォーム。
「Razer Blackshark V2」と見た目は同じですが、柔らかさは劣ります。
操作ボタン
操作ボタンは左側のハウジング下にまとめられています。ボタン数は全部で3つ、端子も全部で3つ。
ボタンは上からそれぞれマイクミュートボタン、音量ダイヤル、電源ボタン。
端子は3.5mm端子、充電用USB-C端子、そしてマイク端子です。
電源ボタンを2秒間長押しすると、すぐ下のLEDインジケーターが青色に点灯してパワーが入ります。
USBドングルがささっていなくて電波を探している状態だと、この青色が点滅します。
ちなみに電源ボタンはメディアコントロールも兼ねていて、1回押すと再生/停止、2回で次のトラック、3回で前のトラックになります。
マイクミュートボタンは押し込み式。緑のラインが見えているとマイクはオン。押し込むと緑ラインが見えなくなって、マイクがオフになります。
ヘッドセットを着用しているとこのボタンは当然見えません。押し込み式は慣れてくると触れば分かるようになるのが良いですね。
マイク
簡単に取り付け・取り外しできる着脱式マイク。必要なければ外しておけます。
私は普段別のコンデンサーマイクがありますので、ヘッドセットのマイクは使いません。なので外せると嬉しい。
ポップフィルターを外した見た目。単一指向性です。マイクの根本にはマークが刻印されています。
音質はヘッドセッドマイクとしては普通。声は比較的クリアに聞き取れます。コミュニケーションはしっかりとれるので、そういった意味では及第点。
自分で録音して聞いた感じではそんなにロボット感はなく、ナチュラルな聞こえ方でした。
グースネックは曲がりやすくて使いやすい。ここまで曲げてもしっかりその位置に留まってくれます。
USBドングル
USBドングルはUSB-Cタイプ。横幅が長くて、パソコンやPS5ではちょっと使いにくいですね。
このドングルをさすと、横にある別のUSB端子を潰してしまう可能性が高いです。上記画像はPS5のフロントパネルですが、本ドングルが邪魔してもう1つのUSB-A端子が使えません。
USB-CをUSB-Aに変換するケーブルも付属していますが、ケーブルが結構邪魔。短い変換コネクタなどがおすすめです。
私は「THX Onyx」についてきた短いコネクタを活用していますが、Amazonでも似たようなものが売っています。データ通信可能なタイプを買えば使えそうですが、私は試していませんのであしからず。
本ヘッドセットには小物を収納するための袋がありません。なので片付ける時や持ち運ぶ時、このドングルはそのままUSB-C端子に差せば失くさないかも。
バッテリー
バッテリーの最大連続は20時間です。他のワイヤレスヘッドセットに比べると短めな印象です。
本製品にはライティングはなく、またBluetoothモード非搭載。ですので20時間といったら20時間です。シンプルで分かりやすい。
放置すると自動的にスリープモードに入ります。
ケーブル
USB-Cを接続してみました。これは充電用となっていますので、電源を切った状態で接続して有線モードで・・みたいな使い方はできません。
ケーブルは太くて弾力のあるラバーのような素材。あまり見かけないタイプです。硬いですが、充電用に使うのがメインなので良いかなと思います。
ソフトウェア
本ヘッドセットは Razer Synapse に対応していません。ソフトウェアいらずで動くプラグ・アンド・プレイタイプです。
難しい設定などを考えなくて良いというメリットはありますが、イコライザー設定ができないため音をいじりたい人には物足りないかもしれません。
また、バッテリー残量を知る方法が大味なLEDインジケーターの色でしかないため、いつ充電するべきなのか判断しにくいです。赤く点灯したら30%未満、10%を切ると点滅します。
7.1chサラウンドサウンドを利用するためには専用のソフトウェアをインストールする必要があります。この機能が使えるのはWindowsのみです。
ただしこれは製品をRazerIDに登録してアクティベーションコードを手に入れなきゃいけなくて、果てしなく面倒だったので使っていません。
互換性
4in1プラットフォームを推しており、パソコン・PS・Switch・Androidの4種で使えます。
USBドングルの形状もあって、特にSwitchとは親和性が高いです。軽いので接続していても全く重さを感じることはありません。
私はAndroidじゃないので確認していませんが、他の3つに関しては動作確認しました。PS5でも動きます。
Xboxは3.5mmケーブル経由で有線接続するしかないようです。
装着感
左右のスライダー調節幅が広めなので、頭が大きめの方でも問題なくフィットするはずです。
ヘッドバンドの柔らかさは普通ですが、ヘッドセットが軽いため、長時間の使用でも痛みなどを感じることなく快適に使用できます。
装着した状態で、モニターの端から端を見るように左右に首を振っても外れるようなことはありませんでした。
側圧はほどほど。通気性の良いメッシュタイプのイヤーパッドで汗はかきにくい。それなのに遮音性がそれなりなのが不思議。
メガネを着けてプレイしても、イヤーパッドの柔らかさと丁度良い側圧のおかけで痛くなりませんでした。
全体的に着け心地はかなり良いです。
音質について
40mmのRazer Triforceドライバー。小さめな割には音質は良いです。ワイヤレスで定価1.3万円だと期待できないかもと考えていましたが、最初の音で「おおっ」と思いました。
音量はかなり大きな音まで上げられますが、耳に刺さるようになるのでほどほどが理想。ダイヤルによるこの音量調節が少しシビアですが、追い込んであげましょう。
個人的には若干耳の近くで音が鳴ってる気がして、音の広がり方は弱く感じました。足音の方向などはしっかり分かりますが、より大きいドライバーを搭載したBlackshark V2などの方が分かりやすい。
オーディオドライバーが3つあるかのように、低音・中音・高音を個別再生できるのが特徴だとか。
全体的にフラットめな傾向なのですが、低音に少しだけパンチがあるかなと思いました。
かといって低音に他が埋もれるかというと、中音と高音も聞き取りやすくてボーカルも拾えます。ゲームで言うと銃声や足音が聞き取りやすい。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- ミニマリストな見た目
- 250gと超軽量
- 2.4GHzで低遅延通信
- ビルドクオリティは良い
- 音質はそこそこ良い
- マイクの音質は普通
- サイズの調整幅は広め
- 通気性と遮音性の良いイヤーパッド
- スイッチとの親和性が高い
- マルチファンクション電源ボタン
- 接続簡単なプラグアンドプレイ
- 値段はリーズナブル
- イマイチなところ
-
- ハウジングの回転方向が逆
- バッテリー時間はやや短め
- 大口径ドライバーには敵わない
- イコライザー使用不可
- Xboxはワイヤレス非対応
以上「Razer Barracuda X」のレビューでした。
それなりに音質の良いワイヤレスヘッドセットとして定価1.3万円はかなりリーズナブルな値段だと思います。
2.4GHzのみで接続可能ですが、個人的にはBluetoothは別になくてよかったかなと感じています。これ入れるときっと値段高くなりますしね。
PC以外にPSやSwitchでよくゲームする人には特におすすめで、中でもSwitchとはかなり親和性が高いと感じます。
マイクはゲーミングヘッドセッドとしてはよくあるレベル。ヘッドホンの音質は低音が効いているのでそういったプロファイルが好きな人にはぴったりかもしれません。
音質重視なら素直に有線のヘッドセッド買った方がいいと思いますが、取り回しや利便性とトレードオフできるなら良い無線ヘッドセットです。