Razer BlackShark V2 レビュー。遮音性に優れ、付け心地最高のヘッドセット
Razerから発売される有線ゲーミングヘッドセットの「BlackShark V2」をレビューしていきます。
V2という名の通り第2世代となる本機ですが、無印であるV1はかなり前に発売されており、ほとんど新製品といっても差し支えないのではと思います。
ラインナップとして廉価版の「Razer BlackShark V2 X」もありますが、マイクが着脱式になっていること、そしてUSBサウンドカードがついてくることから値段の高い「V2」を選びました。
つけ心地、マジにめちゃくちゃ良いです
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概要とスペック
「Razer BlackShark V2」はチタン50mmドライバーを搭載したeスポーツ向けの有線ゲーミングヘッドセット。
- チタン50mmのパワフルドライバー
- 遮音性抜群の密閉型イヤーカップ
- 約260gと軽量
- 柔らかいイヤークッション
- USBサウンドカード付き
- アナログボリュームつまみ
- 着脱式マイク
パワフルな音、遮音性、クリアなマイクと三拍子揃っています。
その他 THX Spatial Audio の立体音響システムや Razer Synapse 経由で設定できるイコライザーなどがあります。
軽いのに加えて快適なイヤークッションもあり、長時間つけていてもあまり疲れないつけ心地の良さ。頭が大きめでもフィット感があって、メガネをしてても痛くなりません。控えめに言って最高。
カラー | 黒 |
接続 | 有線 |
オーディオ | ステレオ |
タイプ | 密閉型 |
重さ | 260g |
スピーカー周波数特性 | 12Hz – 28kHz |
スピーカーサイズ | チタン 50mm ドライバー |
マイク | 着脱式ノイズキャンセリングマイク |
ヘッドバンド素材 | メタル / メモリーフォームクッション |
イヤークッション | メモリーフォームクッション |
ライティング | なし |
対応コンソール | PC / PS4 / Xbox One / Switch / モバイル |
同梱物
外箱。
黒い袋に入っていきます。RAZERのロゴあり。袋といってもかなり薄手のものなので、おまけ程度です。
ヘッドセット本体。USBサウンドカードは最初から装着されています。
USBサウンドカード。着脱可能で、接続すると緑のLEDライトが光ります。このサウンドカード経由でPCに接続すれば、ソフトウェアで様々な設定を変更できます。
着脱式のマイク。マイクを使わないでヘッドホンとして活用することも可能です。個人的にはこれがかなり大きいポイント。
「V2 X」では着脱ができません。
取り扱い説明書。後はステッカーなど。
同梱物は以上。
デザインと性能
「Razer BlackShark V2」はちょっとヘリのヘッドセットっぽい外観をしていて、マット仕上げのシンプルルック。
個人的にはかなりストライクゾーン。
重量はケーブルいれない実測値で 約265g でした。公称値とほぼ変わりません。
ゲーミングヘッドセットとしては かなり軽めの部類 で、長時間つけてても全然疲れません。これは めちゃくちゃ高評価 してます。
ヘッドバンド、トップにはRAZERのロゴが刻印されています。素材はPUレザーですね。経年でボロボロにならないかだけちょっと心配。
ヘッドバンドのクッションはFLOWKNIT製で柔らかいです。ヘッドセットを首にかけた状態で椅子の背もたれに体を預けると、ちょうどこのクッションが首の後ろに当たるようになりますが、正直かなり快適です。
しなやかなので、横方向に広げるのはもちろん多少のひねりも問題ありません。
サイドからの見た目。滑らかなマット仕上げ。
横の耳部分にはワイヤーフレームが入っています。
縦の長さ調節をするには、このワイヤーを伸び縮みさせます。
このように結構伸びます。
段階調節ではなく、好きな位置で止められるので細かい微調整が可能なのが良いところ。頭が大きめの人でもフィットするサイズ幅です。
ちなみにこのロゴは光っているわけじゃなく、最初からこの緑色です。
正直「V2 X」と同じ黒が良かった・・
本ヘッドセットは全く光らないシンプル設計です。
FLOWKNIT製メモリーフォームイヤークッション。ただ柔らかくて肌触りが良いだけではなく、通気性に優れていて熱の蓄積を抑えてくれます。
楕円形なので締め付け感も少ないです。
密閉型イヤークッションの遮音性が優れていて、かなり外部の雑音をカットしてくれます。かといって着圧感はほどほどで、きつすぎることはないです。
イヤークッションを取り外そうと試みましたが無理そうでした。破れたらオジャンなのは心許ない。
左サイドは右と違って機能が満載。
アナログボリュームコントロール。ボリューム中間地点の真ん中で、カチッと一度タクタイル感があります。直感的な操作ができます。
ゲームによってはいきなり音がうるさくなったり小さかったりするのでこの手元ツマミは超嬉しいですね。
マイクミュートボタン。やや後方にあります。
押すとボタンが押し込まれて緑が見えなくなります。目視しないで押しても、まぁ分かるかな・・?という感じです。
前方側にはマイクの差込口。ただの丸ジャックではなく、特徴的な形をしています。
マイクは一定の方向でしか入らないように出来ています。
Razer HyperClear カーディオイドマイクは単一指向性。欲しいところでビシッと止まってくれるのは優秀。
風防をとれば分かるのですが、マイクにはちゃんと方向があります。
根本にマイクのアイコンが書かれているこちらがトーク側。口元に向ける方です。
こっちがエアベント側。
こっちの方が口元に向いていると声が聞き取りにくくなります。覚えておきましょう。
内側にはRとLが書いてあります。
基本的にマイクやボリュームつまみのある方が左なのでそんなに分かりにくいこともないはずです。
ケーブルは Speedflex で、非常に柔らかいです。
先端は3.5mmジャック。USB接続しない、オーディオ+マイク端子があるコンソール機(スイッチなど)にはこれでつなぎます。
これがUSBサウンドカード。USB接続できる機器にはこれを介して接続します。
このように使用します。「V2 X」ではUSBサウンドカードが付属してきません。
音質
音質はクリアで聞き取りやすいです。低音はブーストも可能ですが元の状態でもそこそこパワフル。中音・高音域もよく聞こえて、バランスがとれている印象。
定位はかなり良くて、足音の方向がはっきり分かります。普通にステレオモードでの使用が良いです。THX Spatial Audio の競技モードをVALORANTで試しましたが、空間が広がって反響音が強く、足音の方向を間違えることが何度かありました。
マイク自体の音質はかなり良い のですが、USBサウンドカードがボトルネックになってるっぽい。コンプレッションなのかな、なんかちょっとボヤッとした音声でしたが、別のサウンドカードである「GSX300」に接続したらクリアになりました。
とはいえ そのままでも実用的な音 ではありますので、コミュニケーションをとるという意味では全く問題ないです。
キーボードやマウスの音は多少は拾いますが、許容範囲でしょう。ソフトウェアを通して細かい設定が可能となっており、イコライザーをかけたりサイドトーンで自分の声を返すと機能が充実しています。
ソフトウェア
Razer Synapse で様々な設定が可能です。
サウンドプロパティの設定。
ここの音量はWindowsのシステム音と同期しているので、別個で調整できるわけじゃないです。
THX Spatial Audio の設定。
足音聞くなら使用するならステレオの方が良いと思いますが、手動でアプリケーションごとにモード設定を行うのもありです。
ヘッドホンの機能設定。
- 低音ブースト:ベース増量
- 音の正規化:コンプレッション
- 音声の明瞭度:低い周波数をカットしてボイスを聞きやすくする
- イコライザー
マイク側の機能設定。
- マイクブースト:マイク入力を更に増幅
- ボイスゲート:一定音量以下をカット
- ボリュームの正規化:音量の変動を少なくする
- 音声の明瞭度:不要ノイズをカット
- 周辺音の遮断:周辺音をカット
- マイクイコライザー
- マイクモニタリング(サイドトーン):自分の声を耳に返す
音声の明瞭度はちょっと音質悪くなる印象。周辺音の遮断はノイズカットのせいで自分の声がフワフワしたので、この2つは使用していません。
ボイスゲートは喋ってない時の余計なホワイトノイズをカットしてくれます。それと、サイドトーンは自分の声が少し返ってくるのでおすすめです。ミュートにしちゃってる時とか分かりやすいですから、延々と独り言喋ってたなんて悲しいことが少なくなるでしょう。
BlackShark V2 / V2 X
迷うのはこのどちらを選ぶかでしょう。「V2 X」に関しては持っていませんので詳細なレビューはできませんが、今回「V2」を選んだのには理由が2点ありました。
- マイクが着脱式。私は「Blue Yeti」を単体マイクで使っているので、ヘッドホンとして使えるようになると嬉しい
- USBサウンドカードが付属すること。Razerの機能調整を色々試したかった
とりあえず他にも相違点をざっくりまとめてみました。
違い | BlackShark V2 | BlackShark V2 X |
---|---|---|
値段(定価) | 12,488円 | 7,599円 |
ドライバー | チタン 50mm | 50mm |
重量 | 262g | 240g |
イヤークッション | Flowknit | レザー |
マイク | 着脱式 | 着脱不可 |
接続 | USB / 3.5mm | 3.5mm |
音響 | THX Spatial Audio | 7.1ch サラウンド |
ケーブル | SpeedFlex 1.8m | 標準ゴム製 1.3m |
「BlackShark V2」はUSB接続によってソフトウェアの Razer Synapse が使えるようになるため、オーディオやマイクコントロール機能の豊富さ があります。
ただし、マイクの音質はサウンドカードのせいでちょっと微妙なので、もし別途サウンドカードがあるなら安い「BlackShark V2 X」を買ってしまうのもかなり良い選択肢でしょう。
PS4やスイッチでの使用をメインに考えていたり、素のままの設定で特に気にしない人は別にこだわる必要はありません。安い方をゲットしましょう。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- シンプルだけどマットなデザイン
- かなり軽い
- イヤークッションが心地よい
- 締め付けがそんなにきつくない
- 頭が大きめでもフィットする
- パワフルなサウンド
- 非常に高品質なマイク
- イマイチなところ
-
- Razerのロゴが主張する
- サイズ調整のフレームは経年で弱くなりそう
- USBサウンドカードがマイク的に微妙
- Razer Synapse
このゲーミングヘッドセット、まずつけ心地という点でトップクラスです。イヤークッションの締め付けは優しいけどズレることはなく、サイズの可変幅は広め、メガネを付けてても痛くないし、何より軽いので長時間つけてても疲れない。
私は音質よりもつけ心地を最優先するのですが、このヘッドセットは文句なし です。
音質も定位もかなり良いです。ただし、マイクはサウンドカードがボトルネックになってる感じがあります。これは別のサウンドカードを使うか直差しの方が安定します。直差しなら断然安い「BlackShark V2 X」で良いのでは?と思うでしょうが、その通りだと思います。
ただし、マイクを着脱できない、イヤークッションやケーブルの素材が違う、THX Spatial Audio が使えないなどなど、マイナーダウングレードは各所でされていますので、それは把握した上で選びましょう。