Glorious Model O 2 Wireless レビュー
Gloriousから発売されているワイヤレスゲーミングマウス「Model O 2 Wireless」を海外の公式サイトで購入したのでレビューしていきます。
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スペックと同梱物
「Glorious Model O 2 Wireless」の基本スペックと同梱物を確認していきます。
マウス | Model O 2 WL |
---|---|
カラー | 黒・白 |
接続 | 2.4GHz / BT |
シェイプ | 左右対称 |
センサー | BAMF 2.0 |
DPI | 26,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法(実測) | 126 x 59 x 38 mm |
重さ(実測) | 67.9g |
ボタン数 | 6 |
メインスイッチ | Glorious Switch 80M |
ライティング | あり |
ケーブル | 布巻き 1.8m |
オンボードメモリ | プロファイル x 3 |
ソフトウェア |
- マウス本体
- USBレシーバー
- USB延長アダプター
- USB-Cケーブル
- クイックガイド
- ステッカー
マウスの購入先
購入できる場所は現在海外の公式サイトのみです。いずれ代理店経由で日本に輸入されてAmazonなどで購入可能になるかもしれませんが、いつになるか未定です。
概要
GloriousといえばZOWIE FKクローンシリーズであるModel Oが有名ですが、本作は「2」と名前を冠しているようにセンサーやバッテリーのスペックアップグレードが行われています。他にはBluetooth接続がサポートされ、マウスボタンのデザインやハニカムのサイズが変更されています。
前作のModel O Wirelessは終売になるわけではなく、少し安い廉価版として併売していくみたいです。有線バージョンで価格が35ドルほど安いマウスも同時発売しています。
先に結論から言うと、2023年に発売するマウスとしては目新しいものがありません。それだけではなく、ファームウェアやソフトとの相性が悪いようで、センサー挙動がおかしかったりクリック応答速度が遅かったりと、今のところ残念な部分ばかりが目立ちます。
もはや問題が多すぎてこのまま評価していいのか迷いましたし、むしろ個体差というか初期不良のレベルか?とも思ったのですがとりあえずレビューしました、
他に優秀なクローン系マウスが多くのブランドから登場していますし、これより他の買った方がいいぞってなってます。
デザイン
「Glorious Model O 2 Wireless」は2.4GHz低遅延無線とBluetoothの両方を搭載した左右対称型のワイヤレスゲーミングマウス。
トップシェル後方は丸い穴あき仕様で、前作のハニカム構造に比べて1つ1つの穴は小さめですが、穴の総数は多くなっています。シェルはサラサラとしていてグリップ感はあまりありません。
メインボタンのデザインが新しくなっていて、無印よりも細くなりました。見た目はなんか昆虫っぽい…?個人的な感想ですがダサくなったと思います。
右サイドにモデル名が刻印されています。
トップのDPI後ろには小さくおっさんロゴ。小さいけど目立つんですよね、独特だし。
底面にあるセンサーの右には電源ボタン。中央がオフ、上にスライドさせると2.4GHzモード、下だとBluetoothモードです。
マウスフィートは四隅に小さめのものがトータル4枚貼られています。滑りは良くて、エッジの丸め処理はそこそこ。
ソールの厚みを測ってみたら0.77mmでした。
充電端子はUSB-Cで、専用の三又ケーブルだとしっかりロックされて動かなくなります。汎用ケーブルも問題なくささります。
Gloriousの初期ロットはよく問題を抱えていますが、ビルドクオリティは大丈夫そうです。振るとDPIボタンが少し音を立てますが使用に影響はありません。軋みなどもクリアです。
主な性能について
サイズ
サイズは実測で126 x 59 x 38mmで、分類的にはM〜Lサイズとなります。
Zowie FK1とFK2とそれぞれeloshapeで比較してみたところ、FK1だと背丈はほぼマッチしますが、長さはModel O 2の方が短くなっています。FK2と比較すると背丈が高いですが長さはマッチ。
FK1の高さを持ちながらFK2の長さとグリップ幅になっていると考えられます。
他のマウスと比較
- Razer Viper V2 Pro
- Glorious Model O Wireless
- Glorious Model O 2 Wireless
- Glorious Model O Pro
- Finalmouse Starlight-12
重さ
重さは実測で67.9gです。公称値が68gなのでほぼジャスト。ハニカムありでこの重さだとウルトラライトウェイトというには無理がありますが、ちょうど良いと感じる人はいるかも。
Model O Wirelessはセラミックマウスフィート付きで73.1g、Model O Proは56.7gです。
シェイプ
形状はFKクローンモデルで、前作のModel Oに比べると長さが2mmだけ短くなっているのが違いです。
発売時系列的にはModel O Wireless(左)→Model O Pro(右)→Model O 2 Wireless(中央)。
Model O Proでハニカム構造がなくなり軽量化。本作では穴とRGBが復活し、マウスボタン周りのデザインが一新されました。
FKクローンは背丈が低めなのが特徴。かぶせ持ちはなだらかなトップカーブのフィット感がけっこうあります。右サイドに置く薬指や小指は手の大きさ次第で窮屈に感じる可能性があります。
つかみとは相性が良いです。トップが平べったいため手のひらを自由な位置に置きやすく、グリップしやすいです。逆台形の先端のおかげで持ち上げやすいのもポイント。
懸念点はサイドボタンがフロント寄りなので、浅く持つと奥側のマウスボタン5に親指が届きにくいです。深めに握った方が使いやすくなっていて、つまみとの相性はその点あまり良くないと思います。
センサー
搭載されているセンサーは「BAMF 2.0」です。最大DPIは26,000でモーションシンク機能搭載なので、3395ベースでしょう。
ケーブルを使ってUSBレシーバーを机の上に置き、マウスから約30cmほどの距離にしながらMouseTesterでセンサーテストを行いました。
400 / 800 / 1,600 / 3,200 の4種類でVAXEE PA Mousepadの上でテストを行いました。Motion Syncはオンの状態です。いずれもクリックで拡大可能。
xCounts
xSum
xCountsはなかなかすごいことになってる上、xSumでもところどころでセンサーの読み取りズレが散見されます。センサーの調整あんまり上手くいってない感じっぽいですね。ファームウェアは記事執筆時点では最新のv1.0.0.5。
センサー位置
センサー位置はセンターよりもややフロント寄り。
LOD
LODは1mmと2mmで変更できますが、デフォルトの1mmでの実測値は1.2mmでした。やや長いです。
設定 | 実測値 |
---|---|
1mm | 1.2mm |
2mm | 1.7mm |
DPIズレ
DPIズレをBenQ ZOWIE G-SR-SEの上で計測してみました。
ターゲット | 実測値平均 | 乖離値 |
---|---|---|
400 | 426.6 | +6.65% |
800 | 854.6 | +6.82% |
1600 | 1713.2 | +7.08% |
乖離値は最大で7%ほどでかなりズレています。マウスを変更したらゲーム内センシを微調整しないと調子が狂うと思われます。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
従来のModel Oシリーズからデザインが更新されたメインボタン。セパレートタイプなのは同じですが、リア側がけっこう細くなっています。
手前側をクリックするとややバコバコするので中間あたりからフロントにかけて指を置くのが良さそう。
Glorious Switchは多少カスタムされたKailh GM 8.0だと思われます。硬めの押し心地で跳ね返りは強め、カチッとクリスピー。まさにKailhって感じ。
メインボタンのクリック応答速度
デバウンスタイムを0msに変更してから応答速度を計測しました。しかし、どうやらソフトで見た目上数値は変わっていますが、デバウンスタイムは10msから変更されていないようです。
ソフトのアップデートで改修される可能性はありますが、現状だと計測結果は80個ほどレビューしたマウスの中では78位となり、ほぼ最下位の遅さです。
サイドボタン
小さくてフロント側に寄っているサイドボタン。私にとって奥側のボタン5が遠くて、マウスを深く握らないとやや押しにくいです。
スイッチはHuano Black Shell Green Dotです。クリック感はちょっとパコパコした感じで歯切れ良さが足りません。
スクロールホイール
ホイールはやや大きめ、ノッチ感は少なめで回転は軽めです。クリック感はストロークが浅いですが、ちょっと重くて硬直します。
DPIボタン
ホイールすぐ後ろにあるDPIボタン。初期段階では4ステージ用意されていて、クリックするとサイクルしていきます。
DPIのLEDは底にあり、対応する色に光ります。通常マウスのDPIって赤色が400なことがほとんどなんですが、このマウスでは違うため少し混乱するかもしれません。ソフトで色の変更はできますので気になったら変えておくと良いでしょう。
- 黄色:400
- 青色:800
- 赤色:1600
- 緑色:3200
バッテリー
バッテリーは450mAhの大容量タイプを積んでいます。なんでマウス軽くないんだろうと思ってたらこいつが重いっぽいです。正確な重さ測り忘れちゃいましたけど。
最大連続使用時間は2.4GHzだと110時間で、Bluetoothだと210時間です。これはいずれもRGBライティングオフの状態での測定結果です。
ライティングをオンにすると圧倒的にバッテリーの減りが速くなるため、基本的にはオフ、もしくは輝度を20%ほどに抑えて使うことをおすすめします。
Model O Proでライティングなくしたんで、時代の流れに乗ったのかなと思ってたら普通に復活させてきましたね。Gloriousのアイデンティティでもあるので分からなくもないですが、やっぱりワイヤレスだとRGBなしでいい気はします。好みの個人差もありますが。
スリープに入らない
パソコンの電源を落としてしばらくした後もライティングが消えなかったので、まさかと思いながらも一晩放置してみました。そうしたら朝にはしっかり充電切れてました。
なぜかスリープモードに入らないようになってます。いちいち電源のオフオンするのは手間なので、これは直して欲しいところ。
内部構造
ネジはマウスソールの下に隠れており、四隅に四本とめられていました。ライティング用のリボンケーブルやドーターボード、バッテリーへのケーブルなど4本あって分解はまぁまぁめんどくさいです。
ベース側は基盤とホイール、トップシェル側にバッテリーやサイドボタンがくっついています。
ソフトウェア
Glorious Coreで設定変更をします。
- ライティングのスピード
- 輝度設定
- ボタン割り当ての変更
- マクロ作成
- DPI設定
- LOD変更
- デバウンスタイム変更
- Motion Syncのオフ・オン
- ポーリングレート
- バッテリーの残量を数値で確認
ファームウェアアップデートも行えます。更新した際にドングルとのペアリングが外れるらしく、実際私も外れましたがソフトに指示される手順に従えば問題なく復旧できます。ちょっと面倒だけど。
余談ですがこのソフトウェア、管理者モードで起動しないとマウスの認識を行わないので起動が面倒です。また、設定を保存すると無理やりデフォルトDPIに強制変更されるのがちょっとストレス。
Model O 2 Wirelessのレビューまとめ
- FK1とFK2のハイブリッドクローン
- 3395ベースセンサー
- クリスピーなスイッチ
- 大容量バッテリー搭載
- ビルドクオリティは悪くない
- サイドに流れるライティング
- Bluetoothモードあり
- 価格は99ドルと安め
- 穴あきシェル
- 69gは軽くなくて普通
- ワイヤレスにライティングはいるのか
- 見た目がちょいダサ(個人差あり)
- センサー調整が怪しい
- DPIズレが激しい
- クリック応答速度が遅い
- ソフトの出来がイマイチ
- 目新しい特徴がない
- 日本での発売時期不明
- スリープに入らない
以上「Glorious Model O 2 Wireless」のレビューでした。
ファームウェアの更新アップデートがきてセンサー周りやソフトでのデバウンスタイム設定などが修正されない限りPay To Loseです。