Elecom V-Custom VM600PE
Elecomから発売されているワイヤレスゲーミングマウス「V-Custom VM600PE」。
日本発のゲーミングマウスってRealforce Mouseくらいしか記憶に残ってないんですけど、ついにエレコムが本気出してきたかって嬉しい驚きですね。
そんなに傾斜がきつくないエルゴシェイプで持ちやすく、細かい部分まで考えられているように感じます。
また高速反応する光学式スイッチ搭載で、LOD検知用のセンサーという面白い試みも行っており、なかなか意欲的なマウスです。
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スペックと同梱物
「Elecom V-custom VM600PE」の基本スペックと同梱物を確認していきます。
マウス | VM600PE |
---|---|
カラー | 黒 |
接続 | 2.4GHz 無線 |
シェイプ | エルゴノミクス |
センサー | PixArt PAW3395DM |
DPI | 26,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 123.5 x 58.5 x 40.0 mm |
重さ | 75g |
ボタン数 | 7 |
ライティング | あり |
ケーブル | パラコード 1.5m |
ソフトウェア | あり |
巷でも言われてますが、ゴテゴテした外箱。
そこかしこに文字がびっしり詰め込まれているあたり日本企業っぽさがバリバリ出てます。
マウス本体、USBレシーバー、USB延長アダプター、USBケーブル。ステッカーや説明書といった基本の同梱物。
替えのソール、グリップシートが付属し、アクセサリーは豪華です。
グリップシートはなぜかサイドボタン用のが3組もついてて謎。
持ち手の方にブランドかマウス名書いておいて欲しかったUSBレシーバー。取り出しやすい用にほんのすこし出っ張りのある形状ですが、USBレシーバーたくさんあると何が何だか分からなくなりそうで。
VM600PEのデザイン概要
「Elecom V-custom VM600PE」は左右非対称型の2.4GHz低遅延無線ゲーミングマウス。
カラーは黒色のみの展開で、表面はマットな梨地加工でグリップ力はあまりなく滑りがち。
シェルの質感的にはSteelSeries Primeシリーズっぽくて、これは傷が付きやすい可能性があるので適当に扱わない方が良いような気がします。
今のところマウスに小さい傷がちょっとついたくらいでまだまだキレイなので杞憂かもしれませんが。
シェイプは右側に向かって緩やかに傾斜しています。
この傾斜の角度がいわゆるEC2系と比べてかなり緩やかなので、どちらかというとVAXEE NP-01的なフィーリングがあります。
NP-01とはまたトップの感覚違いますけど、何が言いたいかというと、左右非対称シェイプながら左右対称が好きな人でもフィット感を見出せるようなハイブリッド形状じゃないかなと。
エレコムのロゴがRGBで光りますが、ライティングなしにしたらもうちょい軽くなったしバッテリーも持ちが良くなったんじゃないかな…。
底面は何故か艶ありデザインになっていて、ステッカーの端などで小さな糸屑をたくさん拾ってしまい、マクロレンズで撮影したら気が滅入りました。
別にパフォーマンスに影響するわけじゃないですけどね、普通にサラサラしてる方が良いかなと。
マウスフィートは点ソールが5つ貼られていますが、予備のマウスフィートを取り付ければ全面タイプにしてよりコントロール重視型にできます。
滑走速度は点タイプだけあってやや速め。エッジの丸め処理は丁寧でマウスパッドに沈み込ませても問題ありません。
センサー左のソケットにはUSBレシーバーを格納することができます。
接続端子はUSB-Cです。
ちなみに公式サイト見てたら「当社の有線ゲーミングマウス比で約35%の高速化を達成。」ってあったんですけど、光学スイッチでクリック応答速度による計測を行っているからじゃないでしょうか。
比較対象の有線マウスが何か分からないのもあります。
主な性能について
サイズ・シェイプ・重さ
サイズは 123.5 x 58.5 x 40 cm(L x W x H)で、分類的にはM〜Lあたりです。
日本人向けに開発されたということで、代表的な左右非対称マウスであるBenQ ZOWIE EC2-Cと比べてみましたがほとんどサイズ感は似ています。SteelSeries Prime Wirelessは一見近く見えますが持ってみるとVM600PEよりもデカいです。
しかし、トップのカーブはEC2-Cほどきついアーチを描いていないのでそのあたりが日本人向けを意識してるのかなと思ったり。
持ち方としては、左右非対称シェイプなだけあってかぶせ持ちがしっくりきますが、つかみ持ちも相性が良いです。
左側は中央付近にくぼみがあって親指を沿わせやすく、また立ててもホールド感のあるグリップが可能です。
右側後方の膨らんでいる部分は薬指と小指を沿わせられるくぼみが2つあり、かぶせ持ちしたときに安定して持てるような作りになっています。
先端は逆台形になっていて薬指をひっかけて持ち上げやすい形状をしています。
つまみ持ちはサイドのグリップ位置が影響して持ち方がやや制限されるのであんまり良くないかなという印象。
それとサイドボタンがやたら前方に位置しているので、ボタン4はともかく奥のボタン5が押しにくいです。
重さは実測で約75gで、軽くも重くもないバランス型です。
プラスチックで50gとかまで軽量化するとモックアップっぽくなるし、薄さでクリック時にバコバコ言ったりとQC問題に直面する確率が高くなるのでこれくらいが丁度いいんじゃないかと最近思い始めてます。
他のマウスとサイズ比較
左からZOWIE EC2-C、SteelSeries Prime Mini Wireless、Elecom VM600PE、Pulsar Xlite V2 Wireless、Xtrfy M4 Wirelessです。
真俯瞰のシェイプはともかく、真後ろからカーブの形を見てみるとEC2タイプではなくXtrfy M4の方がまだ似ています。
センサー
センサーはPixArt PAW3395DMを搭載しており、最大DPIは26,000です。
USBレシーバーをマウスから50cmほどのところに置いて400dpi、800dpi、1600dpi、そして3200dpiでセンサーテストを行いましたが、xCountとxSumの両方で綺麗な波を描き、問題なかったので割愛します。
LOD
本マウスにはメインのトラッキングセンサーとは別にLODの距離を検出するD-sensorが搭載されています。
ソフトによってLODを設定することが可能で、スライダーで6段階に変更できます。公式だと7段階っていってますがスライダーはどう考えても6段階でしか動かないです。
最初は「マウスパッドの最適化を無効化」にチェックが入っていたのでこのチェックをオフにしました。
そのままリフトオフ距離を変えてみたところ、デフォルトの高から1段階下げただけで反応しなくなってしまったため、マウスパッド最適化を行いました。
これはマウスを静止させて数秒で終わるのですぐです。
マウスパッドを変えるたびに再度実行しろって書いてありますが、最初にArtisan零で合わせたらVAXEE PAとかに変えても大丈夫だったので、LODが変に感じたら都度行うでも良さそうな気がします。
LOD | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|
距離 | 0.4mm | 0.5mm | 0.6mm | 0.7mm | 0.8mm | 1.7mm |
今回はVAXEE PA Mousepadで最適化して計測しています。
ほぼ0mm~1.5mm程度で調整できるようですが、6段階の調整となるため実質はマウスパッドに最適化した上で使うことになります。
1~5段階目までは0.1mm単位で推移しましたが、最も高い設定ではいきなり1.7mmと跳ね上がります。
DPIズレ
DPIズレをBenQ ZOWIE G-SR-SEの上で計測してみました。
ターゲット | 実測値平均 | 乖離 |
---|---|---|
400 | 391.2 | -2.20% |
800 | 772.4 | -3.45% |
1600 | 1478.4 | -7.60% |
DPIが高くなるほどズレが顕著になりますので、もし違和感があった場合はゲーム内感度で微調整しましょう。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
Mag-Infinity光学式スイッチというものが採用されており、クリックの応答速度はそれなりに速く当サイトでレビューしたマウスの中では75マウス中の27位に位置します。
RazerやLogicoolのオプティカルと比べるとやや遅いけど、数多のメカニカルと比べると速い方…という立ち位置です。
ただ1つ考慮しないといけないのが、公式サイトの画像を見るとバネのようなものがスイッチ内にあり、磁力を利用してクリック感を作っているところ。Primeシリーズと見た目が似ているので原理的には一緒なのかなと推測。
これバネの音が実際の光学スイッチのアクチュエートとはズレて聞こえている可能性もあります。
マイクロスイッチほどクリスピーじゃありませんが、全然悪くない音と押し心地だと思います。
クリックの硬さも跳ね返りも普通くらいで、かなり浅めに持ってもクリック感はそこまでバカバカしません。
サイドボタン
サイドボタンはそこそこクリスピーなのですが、ビルドクオリティがいまいちなのかボタン4を軽くタッチするとカチャカチャ音が鳴ります。
他の多くのマウスに比べてサイドボタンがフロント側に配置されており、個人的にはボタン5が押しにくくて微妙です。
結構飛び出してはいるので引っ掛かりを感じやすいです。
指が長い人には使いやすいのかな〜なんて思ってました。
スクロールホイール
ホイールは平べったい触り心地で、スクロールのノッチ感はかなり弱めです。
ゆっくり回せばコリコリと1スクロールを感じられますが、スルスルと素早く回転させるのも簡単。
ホイールクリックはやや硬めでちょっと連打はしにくいです。
トップボタン
トップボタンはスクロール後ろに2つ位置していますが、初期設定では上も下も無効になっているため自分で割り当てなければなりません。
押し心地はサイドボタンと同じような感触で、割と押しやすい位置にあると思います。
DPIボタン
DPIボタンは底面にあります。ライティングをオンにしていると、色が対応するDPIのものに光ります。
そのすぐ下はスライド式電源ボタン。
バッテリー
バッテリーは最大95時間持つというスペックですが、これはライティングがオフの状態だと思われるので、ライティングオンだともっと短くなるはずです。
充電はUSB-Cケーブルで行います。
パラコードですが硬さは普通くらい。
ソフトウェア
ELECOM公式サイトからダウンロードできる「EG Tool」をインストールして使います。
まずボタンの割り当て設定ができます。
DPIステージは最大5つまでで、数を減らして1つにまでできます。ステージごとの数値を変更することもできますが、可変幅は100。
ポーリングレートは有線の場合オプション豊富ですが、ワイヤレスだと125Hzか1000Hzしか選べません。1000Hz一択。
ライティング。オフ推奨。
後はLODのセクションでも説明したリフトオフディスタンスの設定があります。
VM600PEのレビューまとめ
- フラットめなトップで持ちやすい形状
- 応答速度速めなオプティカルスイッチ
- LODを細かく設定できるD-Sensor
- ビルドクオリティは悪くない
- 付属品が山盛り
- 価格はリーズナブル
- サイドボタンが前め
- ボタンのクリック感はイマイチなものも
- ライティングなしで軽くしてほしかった
以上「Elecom V-custom VM600PE」のレビューでした。
一発目でこのクオリティのマウス出せるのはちゃんと研究してきてスゴイなと思います。
しれっとオプティカルスイッチ積んでるから応答速度も速いし。
ライティングはなくして軽量化した方がいい気がします。
75gとそこまで軽くはないもののソリッドシェルだし、他のクローン系マウスとはちょっと違ったフィット感でこのシェイプ気に入る人けっこう多いんじゃないかなと思います。
ぜひ一度持ってみて下さい。