Xtrfy K4 TKL RGB レトロ レビュー。シリコングリス注入のなめらかキーボード
Xtrfy(エクストリファイ)から発売されている「Xtrfy K4 TKL RGB」は頑丈でクオリティの高いテンキーレスキーボードで、スタビライザーへシリコングリスが注入されているのが特徴です。
今回レビューサンプル品でレトロカラーバージョンをご提供頂いたので、レビューしていきます。\
- 比較的コンパクトなテンキーレスサイズ
- ノスタルジックなレトロカラー
- タイピングしやすいベーシックな赤軸
- 注目のシリコングリス入り
- 頑丈なビルドクオリティ
- プラグ・アンド・プレイ
全体的にとても完成度の高いメカニカルキーボードで、シリコングリス注入が他キーボードと一線を画す部分です。その機能と性能を詳しくチェックしていきます。
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概要とスペック
「Xtrfy K4 TKL RGB / レトロ」は数字パッドが取り除かれたテンキーレスサイズの赤軸メカニカルキーボード。カラーはホワイトとレトロの2色が発売されており、今回紹介していくのはレトロバージョンです。
スウェーデンの会社であるXtrfyが発売しており、開発にはNiPというCS:GOの超強豪プロチームが携わっています。
どっしりとした重さと滑らかな表面コーティングですが、最も注目なのはスタビライザーへシリコングリスが注入されていること。そのおかげで、カチャカチャと音がなってしまう大型キー各種で滑らかな感触と音を実現しました。
普段はうるさくも感じるSPACEやENTERキーなど、トスッという押し心地でほぼ無音、とても滑らかでクセになります。
カラー | ホワイト / レトロ |
接続 | 有線 |
サイズ | 88キー / テンキーレス |
寸法 | 141 x 356 x 39 mm |
重さ | 1.05kg |
配列 | UK配列 |
スイッチ | Kailh 赤軸 |
ポーリングレート | 1,000Hz |
ロールオーバー | Nキー |
ケーブル長 | 2m / 編組 |
ライティング | RGB |
ソフトウェア | なし |
マクロ | なし |
同梱物
レトロの外箱。
シリコングリスに関する注意書き。グリスが馴染むまでに少し時間がかかります。
箱を開けると袋に包まれたキーボード本体。
さらにその下には説明書とステッカーが入っています。
- キーボード本体
- 簡易説明書
- ステッカー
同梱物は以上です。
デザインと性能
トータル88キーのテンキーレスバージョンである「Xtrfy K4 TKL RGB」。TKLとは TenKeyLess(テンキーレス)の略称。サイズは 141 x 356 x 39 mm で、ほどほどコンパクト。
今回紹介するのは2色あるうちのレトロバージョン。その名の通り、昔のキーボードによくあったライトグレーのようなカラーリングです。ちょっとノスタルジックな感じなので、ぶっささる人は結構いるんじゃないでしょうか。
軽量マウス「Xtrfy M4」でも同じカラーバリエーションがありますが、このレトロが1番好き!という方はかなりいるみたいです。
重量はケーブル込みの実測で 1.02kg。公称値は1.05kgなのでほんのちょっと軽いことになります。持ってみると結構ずっしり感じますね。持ち運びするにはちょっと重い気もします。
キーはUK配列。公式でも書いてあるとおり、キーには日本語が書かれていないため、ブラインドタッチが出来ないと入力で困るかも。ゲームだけなら問題ないです。
左SHIFTが小さくなっているのが特徴的。人によっては最初打ちにくさを感じるかもしれません。私もいまだそのすぐ右横のキーを押し続けていることがあります。
キー表面は割とスベスベしていますが、指を置いて少し力を入れるとほどよくグリップ力があります。指紋汚れは若干つきますが、ちょっと拭けばすぐキレイになります。
前方からの見た目。この古めかしい色合いがたまらない。
右サイドから。奥に向かって傾斜がありますが、かなり緩やかです。
後ろから。ケーブルは着脱式ではなく、一体型です。外れないようになっています。
ケーブルのブッシュは赤色で、全体のカラーリングとマッチしています。
編組ケーブルで、長さは2mと丁度よいです。ほどよい硬さ。
左サイドからの見た目。とても頑丈にできていますので、ベゼル部分を強く押し込んでも曲がることはありません。
右側、矢印キーのすぐ上にXtrfyのロゴ。表面はスベスベと触り心地の良いコーティングです。指紋汚れなどは付きません。
底面の文字、ドットタイプでレトロな感じしますね。
凹凸のあるダイヤカットのような模様になっています。
四隅には白いゴムがはられており、それぞれ滑り止めの役目を果たしています。
角度調節をするための足が格納されています。調節は一段階のみ可能で、高さはあまりありません。先端のゴムはグリップ力抜群の滑り止めです。
足を立てると高さは約11mmほど上がります。
もうちょっと高くあがって傾斜がつくか、調整が二段階効くと嬉しかったですね。
キースイッチは Kailh の赤軸
「Xtrfy K4 TKL RGB」で採用されているのは Kailhの赤軸 です。
軸色 | Kailh 赤 |
クリック感 | なし |
アクチュエーションポイント | 2.0mm |
押下圧 | 50cN |
キーストローク | 4.0mm |
Cherry MXと性能的にはほぼ一緒のKailh 赤軸。クリック感はなく、スコスコッと気持ちよくタイピングできます。キーストロークや押下圧なども普通なので使いやすい。
Cherry MXはキーストローク寿命5,000万回なのに対し、Kailhは1.4倍の7,000万回 となっています。
注目のシリコングリスの効果
「Xtrfy K4 TKL RGB」で最も注目なのは スタビライザーへのシリコングリス注入 です。
大型のキーはどうしてもその大きさゆえガチャガチャと音がしてしまいます。その クリック感と音を改善 するために、スタビライザーへ注入されたシリコングリスについて見ていきます。
実際にグリスが注入されたキーの押し心地は 通常のキーとは完全に別物です。
トスッ・・という押し心地で、音は非常に静か。かなり静かなCherry MXのピンク軸よりもさらに静かです。かつ押し込んだときの「押した感」はあるので、クセになる押し心地 です。
押した時に横揺れなどブレることは全くなく、これ以上ないくらい安定しています。押してから戻ってくるまで超滑らか。
- Enter
- Space
- Backspace
- 右Shift
この4つとなります。
エンターキーを取り外して中を見てみましょう。
真ん中の赤軸がメインのキースイッチ。その上下にある 白色の軸がスタビライザー です。
スタビライザーというのは、大型のキーを押した際に端を押しても変に傾かないように サポートする補助スイッチ のこと。これは軸の摩耗が偏ることを防いだり、キーを押したのに反応しないということがないようにする大事なパーツです。
近寄って見るとグリスが塗布されていることが分かります。このグリスはキーキャップ表面に付着すると除去が難しいため注意してください。
当然エンターキーの裏側のスイッチ穴にもグリスは移っています。
これはスペースキー左側のスタビライザーに塗布されたグリス。かなりどっぷり塗られています。スペースもエンターと同じく静かで滑らか。
これら大型キーは押す回数が多いわけですが、うるさいと気が滅入りますよね。エンターキーカッチャーン!というのが大嫌いな方には絶対おすすめです。
ソフトウェアなし
「Xtrfy K4 TKL RGB」にはソフトウェアが存在しません。USBでPCに接続するだけで使えるプラグ・アンド・プレイとなっています。
Xtrfyはほとんどの製品で ドライバーレス を実現しており、わずらわしい設定なしというのが魅力の1つとなっています。ソフトウェアが嫌いな方や、外に持ち出す方にはとても親切な設計ですね。
ただし、キーバインド変更やマクロ設定などができないため、逆に不便に感じてしまう面もあるかもしれません。
ライティング
「Xtrfy K4 TKL RGB」はその名の通り美しくRGBで光ります。
プリセットで用意されているエフェクトは消灯を含めて6種類。
1 | カラーサイクル | 1色ずつフェードで変わる |
2 | 固定カラー | 単色で常時発光 / 再度押すと色が変わる |
3 | カスタムカラー | 6つのカラーゾーンで任意の色を設定 |
4 | ウェーブ | 波打つレインボー / 二度押しで光り方が変わる |
5 | ブリージング | 1色ずつ点灯と消灯を繰り返す |
6 | タイピング | 押したキーから波紋が広がる |
この通りです。
輝度は結構高め、キレイに発色しています。
Fnキーを使ってライティング設定
本キーボードにはソフトウェアがないので、Fnキーレイヤーに登録されているライト設定変更機能を使っていきます。
「Fnキー」を押しながら右枠のキーを押し込むことでLEDの設定が変わります。
- プリセット6種類の切替
- 輝度の調整
- エフェクトスピードの調整
これらが簡単に調整できるようになっています。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- 比較的コンパクトなテンキーレスサイズ
- ノスタルジックなレトロカラー
- 触り心地の良いキーキャップ
- タイピングしやすいベーシックな赤軸
- シリコングリスで大型キーが滑らか
- 頑丈なビルドクオリティ
- 美しいRGBライティング
- ソフトなしのプラグアンドプレイ
- イマイチなところ
-
- ケーブルが着脱不可
- マクロが利用できない
「Xtrfy K4 TKL RGB」のシリコングリス注入、最初はなんのことだろうと思ったものの、タイピングしてみるとその滑らかさに驚かされました。
個人的にはちょっとノスタルジーを感じるレトロカラーが気に入りました。ただし、別色のホワイトもRGBが表面に反射して綺麗になること請け合いです。どちらを選んでも満足できるでしょう。
我が家ではコイルされたカスタムキーボードケーブルをアクセサリーとして使っていますので、ケーブルが着脱式じゃない点がちょっと残念でした。
Xtrfyだけあって全体的なクオリティは当然高く、中でもこのシリコングリスはかなりクセになる押し心地でたまりません。赤軸派の方にはぜひ試してもらいたいです。
以上「Xtrfy K4 TKL RGB / レトロ」のレビューでした。