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VANCER Gemini Castor Pro レビュー

VANCERから発売されているワイヤレスゲーミングマウスGemini Castor Proをレビューしていきます。

本製品はVANCER様よりレビュー用サンプルをご提供いただきました

本製品はまだプロトタイプですので製品版は仕様が変更されている可能性があります

タップできるもくじ

概要

中国にオフィスを構えるブランドVANCERから発売されたワイヤレスゲーミングマウス。Gemini(双子座)という名前を冠しているのは、エルゴとシンメの2種類のシェイプが同時販売されているからです。

  • Pollux:左右非対称/エルゴシェイプ
  • Castor:左右非対称/シンメシェイプ

Castor(カストルまたはカスター)はふたご座α星のこと。Pollux(ポルックス)はふたご座β星のこと。

それぞれに通常版とプロ版があり、その違いはOLED付きのドングルオーバークロック版のGODモードに対応しているところ。

モデル通常プロ
価格$90$110
OLEDドングル
GODモード
コーティング通常スペシャル

コーティングのアップデートが素晴らしく、通常版よりもプロ版の方がかなりグリップ感が増しています。

押さえるところを押さえたスペックで、快適なゲームプレイが期待できます。カラーリングは独特な配色パターンが多く、人によっては刺さるカラーが見つかるかもしれません。

通常版もプロ版もマウスのクオリティは高いです。

スペック

マウスGemini Castor Pro
カラー5種類
接続無線 2.4GHz
シェイプ左右対称
センサーPixArt PAW 3395
DPI26,000
ポーリングレート~1,000Hz
寸法120 x 57 x 36 mm
重さ56.5g
ボタン数6
メインスイッチTTC Gold 60M
サイドスイッチTTC Red Dot
ホイールTTC Golden Wheel
ライティング 
バッテリー最大59時間
ケーブル1.8m
オンボードメモリプロファイル x 1
ソフトウェア 
Pro版のスペック

同梱物

  • マウス本体
  • USB-OLEDレシーバー
  • USB-Cケーブル
  • グリップテープ
  • マウスソール
  • アームカバー(3XL)

マウスの購入先

HID-LabsやARK-PCから購入できます。

性能

デザイン

カラーバリエーションは5種類あります。私が持っているのはピンク色に黒色のホイールやボタンとなったカラー。ぼっちちゃん?

DPIボタンが縦長八角形だったり、底にハート形のボタンがあったりとパーツにも気を配ったデザインです。

やや光沢感のあるコーティング。グリップ性能は非常に高いです。直後に通常版やZOWIEマウスを持つと、同じようなグリップコーティングですがプロ版の方がガッチリします。しかも汚れが目立たないのも強み。

充電はUSB-C端子で行います。入り口が細く、汎用ケーブルが入らない可能性が高いため、専用ケーブルの使用が推奨されます。これは高電圧によるIC破損を防ぐためにあえてこうしてるみたいです。

マウスソールはトータル5枚で、ほどほど大きめ。滑りは良いです。

ソールの厚みは約0.71mmでした。

サイズ

サイズは実測で121 x 57 x 37(LxWxH)mmでした。

本マウスはFinalmouse Starlight Mサイズのクローンなのでそれと同等近くの大きさです。一般的なMサイズよりもやや小さめなイメージ。

左側がスターライトS、右側がスターライトMなのですが、こうやって並べてみると実際Mよりもほんのちょっとだけ小さいです。ほぼ誤差レベルですが。なのでスターライトMが小さいと感じるなら合わないかも。

他のマウスと比較

  • Finalmouse Starlight-12
  • Razer Viper V2 Pro
  • VANCER Gemini Castor Pro
  • VANCER Gemini Pollux
  • Logicool G Pro X Superlight

一般的なMサイズであるVV2PやPro Xと並べてみると、どちらかというとS寄りなことが分かります。

シェイプ

右手用に作られた左右対称シェイプで、全体的にやや平べったい作り。ただぺたっとしているわけではないのでかぶせてもつかんでもフィット感を得られます。

サイドのカーブはフラットめで、後方にかけてやや膨らんでいきます。どこを持ってもホールドしやすくなっています。

フロントはやや逆台形なので薬指を引っ掛けて持ち上げやすくなっており、切り返した場合でも安定した操作感を維持できます。

かぶせもちとの相性は手のサイズによると思いますが、私の18.5×10.5cmだとややイマイチに感じます。カーブの角度が良いので関節が浮くようなことはありませんが、薬指や小指が窮屈です。

やはりつかみもちとつまみもちが最適かと。

Starlightを試したかったけど買えていなかった、転売で買いたくない人にとっては価値のあるシェイプです。マグネシウム合金ではないのでその辺は違いますけど。

重さ

重さは実測で56.5gです。

StarlightのMサイズが49gであることを考えると、敵わないまでもそこそこ肉薄する軽さ。実際に使用しても軽いと感じます。

シェルは穴抜き処理されていないのでプラスチックタイプではかなり軽量の域に入ります。

前後のバランスは中央に調整されています。

センサー

搭載されているセンサーは「PixArt PAW 3395」で、最大DPIは26,000、最大トラッキング速度は650IPS。

付属のケーブルと延長ドングルを使ってUSBレシーバーを机の上に置き、マウスから約50cmほどの距離にしながらMouseTesterでセンサーテストを行いました。使用したマウスパッドはAritsan Zero。

400 / 800 / 1,600 / 3,200 の4種類でテストした結果は以下の通りです。いずれもクリックで拡大可能。

xCounts

xSum

xCountでもxSumでも問題なく綺麗な波を描きます。

センサー遅延

センサー遅延は有線のZOWIE EC2と比べると8msほどでした。

接続遅延
有線~1ms
無線6ms
サンプル数少ないので大雑把な目安

ワイヤレスだと遅延がありますが、有線にするとほぼなくなります。今後のファームウェアアップデートで対処される…はず…?発売までまだ時間があると思うので続報があったら追記修正します。

本家がNvidiaにLDAT計測を頼んだところ、他の有線接続したマウスよりも最大で5〜6msほど遅いという結果が出ているようです。

センサー位置

センサー位置はほぼセンターのちょっとだけ後ろよりです。

LOD

設定実測値
Low0.7mm
High1.1mm

基本的に短くて優秀なので、Lowのままで問題ありません。

GODモード

プロ版の特徴は1年以上かけて自社開発したMCUで、アイドルディレイをなくし、バッテリーパワーと引き換えにチップやセンサーの性能をフルに発揮するためのGODモードに対応しています。

GODモードにするにはVANCERのサイトからファームウェアをダウンロードしてマウスに書き込みます。元に戻す場合は通常ファームウェアをダウンロードして書き込みます。

電波干渉に強くなる…といったことを聞きましたが、これをテストするのは結構ムズカシイ…。ワイヤレスの技術は進歩しているとはいえ、2.4GHzは干渉を受けやすい帯域ですし、USBレシーバーとの距離によってもトラッキングズレなどが起こる可能性はあるため、素直に嬉しい機能です。

バッテリーの減りが速くなるとのことですが、そこまでゴリゴリ減ってるような印象はありませんし、なんならOLEDドングルでこまめに残容量見られるので少なくなってきたら充電かけるだけです。

マウスボタン

それぞれのマウスボタンについて見ていきます。

メインボタン

かたつきやたわみはなくスナップするようなクリック感で優秀。硬さは普通くらい、ストロークも普通。音は静かではなくややうるさい方です。

マイクロスイッチはTTC Dustproof Gold。

メインボタンのクリック応答速度

応答速度はデバウンスタイムを最低の1msまで下げた状態で測っても7.6msと普通~やや遅めです。

設定実測値
1ms7.6ms
5秒静止後7ms
遅延を入れて計測した当サイトでの比較用数値

5秒間何もせずに待ってからクリックすると、一部のマウスではアイドルに入ってクリックに大きな遅延が入りますがCastorのプロ版では遅延は確認できません。通常版であったアイドルディレイはなくなっています。

サイドボタン

パコパコ感はなくカチッとクリスピー。フワフワとした余計なプリ・ポストトラベルもなく良く調整されたサイドボタンです。

マイクロスイッチはTTCのRed Dotです。

スクロールホイール

ホイールにかたつきはなく、ノッチ感ほどほどでタイトめに回ります。クリックしても指が硬直せずスパム可能です。

エンコーダーはTTC Golden Wheel、スイッチは不明です。

DPIボタン

  • 緑色:400
  • 青色:800
  • 緑色:1600
  • 紫色:3200
  • 濃水色:5000

普通は400DPIが赤色ですが不思議な色設定です。

DPIボタンの中央ラインが透過しており、対応DPIに合わせて色が光りますが少し見にくいです。プロ版の場合はOLEDドングルで確認するのが圧倒的に楽です。

バッテリー

バッテリーは300mAh搭載。

最大連続使用時間は59時間で、一般的なワイヤレスゲーミングマウスと比べるとほんの少し短いです。

GODモードにするとさらに短くなると思われますが、実際に使用している感じそこまで充電の減りは早くないなと思ってます。体感。

付属品

グリップテープ

本体には滑り止めコーティングが施してありますが、ドライハンドの場合グリップテープを貼った方が良いかもしれません。

USBドングル

Pro版の目玉の1つ、OLEDドングル。現在設定しているDPI、ポーリングレート、残充電が分かります。マウスをひっくり返したりLEDを確認せずとも良いのでめちゃくちゃ良いです。

ケーブルの差し口的に上記写真のような向きになることが多いと思いますが、文字が横から見るようになってるのが微妙と言えば微妙ですね。

バッテリ細かい数値は表示してくれず、25%刻みで表示します。

アームカバー(3XL)

白に青が入ったアームカバーが付属します。最高だな!と思ったらサイズが3XL。

つけてみると、めちゃくちゃでかいというわけではないもののしっかりずり落ちていく程度には緩くて使えないです。筋肉モリモリの人にはいいかも。

製品版では2XLになるようです。もしでかすきたら安全ピンとかで止めて使えって公式が言ってました。

内部構造

ネジは後方2本だけで中央に引っ掛かりがありますが力で外します。

トップシェル側にサイドボタンのスイッチがドーターボード経由で繋がれています。

ベース側の基板。

トップシェル側。サイドボタンはこちらにまとめられています。

ソフトウェア

公式サイトからソフトウェアをダウンロードして使えます。よくあるマウス単体ソフトの派生系っぽい。通常版とプロ版はソフトが分かれています。

  • プロファイル変更
  • ボタン割り当て変更
  • DPI設定
  • ポーリングレート設定
  • LOD設定
  • Motion Sync
  • デバウンスタイム

レビューまとめ

VANCER Gemini Castor Pro
総合評価
( 4 )
メリット
  • 防滑性の高いコーティング
  • 独特なカラーリング
  • スターライトクローン
  • かなり軽量
  • 調整の上手いスイッチ
  • ビルドクオリティはほどほど
  • OLEDドングル
  • GODモード搭載
  • アイドルディレイなし
  • 価格は普通
デメリット
  • USB-C端子が小さい
  • バッテリーはちょい短め
  • 他に比べてセンサー遅延が多め

以上「VANCER Gemini Castor Pro」のレビューでした。

スターライトを買えてない人にとっては救世主的な立ち位置になるかと思います。マグネシウム合金ではありませんが、軽さや形、性能など申し分ないクオリティを誇ります。

またOLEDドングルやGODモードはスターライトにはないため、その点ではアドバンテージとも言えます。値段も110ドルとそこまで高くありません。

センサー遅延がアップデートとかでなくなれば評価★5にします。VANCERマウスって初めて触ったんですがいいですね。

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