Razer DeathStalker V2 Pro Tenkeyless レビュー
Razerから発売されているワイヤレスゲーミングキーボード「DeathStalker V2 Pro Tenkeyless」をレビューしていきます。
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概要とスペック
「Razer DeathStalker V2 Pro Tenkeyless」は背丈の低いロープロファイル仕様が特徴で、手首に優しいエルゴノミクス設計のワイヤレスキーボード。
やたら物騒な名前ですが、かなり昔にV1が発売されて以来久しぶりの登場です。ホント、名前はもうちょっと考えた方がいいと思うんですけどね…。
DeathStalker V2は3つのモデルが展開されています。
V2が有線フルサイズ、V2 Proが無線フルサイズ、そしてV2 Pro Tenkeylessが無線80%サイズ。
それぞれ2.4GHzの低遅延無線と、3プロファイルまでボタン1つで切り替え可能なBluetooth接続の両方を搭載。従来のメカニカルスイッチではなくオプティカルスイッチを採用し、耐久性や応答速度が向上しています。
ロープロファイルといえばロジクールのG913シリーズが有名で、これまで発売からその立場を脅かされたことのない唯一無二の存在でした。
最初このデスストーカーの発売を聞いた時、G913に遂に挑戦者が現れたんだなと思いましたね。
果たしてうちの机から最後消えるのはどっちなんだい?ということで、G913ともしっかり後半で比較していきます。
カラー | ブラック |
接続 | 2.4GHz / Bluetooth |
フォームファクター | TKL |
寸法 | 357 x 138 x 26 mm |
重さ | 630g |
配列 | US ANSI |
トッププレート | アルミニウム |
ケース | プラスチック |
キースイッチ | 薄型オプティカルリニア |
キーキャップ | ABS ダブルショット |
ロールオーバー | Nキー |
ケーブル | 編組 2m |
ライティング | あり |
ソフトウェア | あり |
マクロ | あり |
外箱。
- キーボード
- USBレシーバー
- USB延長アダプター
- USB-Cケーブル
- クイックガイド
それとステッカー。同梱物は以上です。
デザインと性能
キーの数はトータルで84個。さらにメディアコントロールボタンとダイヤルが右上にあります。
寸法は357 x 138 x 26 mmです。ゲームにもPC作業にも使いやすいテンキーレスサイズ。
矢印キーやDELキーなどの他、一番上の列にF1~F12のファンクションキーが並びます。
DeathStalker V2にはフルサイズモデルがありますが、このTKLモデルの右にテンキーがくっついた大きめサイズ。
ゲームで使うとフルサイズって大きすぎてマウスがぶつかったり、体が開いてしまったりするので、TKL以下のサイズがおすすめです。
US ANSIだけでなく日本語配列も選べるのが強み。
ただしテンキーレスモデルは現在リニアのレッドスイッチしかなく、クリッキーなパープルスイッチが使いたい場合は必然的にフルサイズモデルになってしまいます。
ベゼルレスのキーフロートタイプ。
むき出しなのが嫌っていう人もいると思いますが、掃除しやすいですしスリムに見えるので私は好き。
ロープロファイル…というだけあって、とっても薄いです。
私は最初普通の高さのキーボード派だったんですが、このロープロファイルは手首を曲げなくても打ちやすいので長時間使うのにも適しています。
今はめちゃくちゃ気に入ってますね。
トッププレートはアルミニウムで、触り心地は滑らかで上質。
キーボード手前に刻印されているロゴはミニマルだけどちゃんと見える…という良いデザイン。
ボトムケースはプラスチックです。
USBレシーバーを収納するソケットあり。
滑り止めゴムの防滑性は普通です。
チルトスタンドは6度と9度。いずれもG913TKLと比べるとやや高めです。
チルトスタンド自体はプラスチック製。
最初なぜかゴム足が浮いてカタカタしてたんですよね。不思議に思って色々調べていたら、どうやらキーボードが反り返っていることがわかりました。
ビルドクオリティ大丈夫か?と思ったんですが、ちょっと反対に曲げてみたら反りが解消されて真っ直ぐになりました。
個体差あるかもしれませんが、カタカタするな~とか滑り止め全然効かないなって思ったら試してみるといいかも。
あくまで自己責任でお願いします。
重量は実測で 630g でした。TKLとしてかなり軽めです。
操作ボタン
キーボード右上に位置するメディアコントロールボタン。
左にある丸いボタンは、1回押しで再生/停止、2回押しで早送り、3回押しで早戻しとなっています。
右のダイヤルは音量の上げ下げ、押し込みクリックでミュート/解除です。
背面の左奥にはそのほかの操作ボタン。
一番右が電源と無線接続切り替えスイッチ。スライドが硬いのがちょっと気になる。
左にある1・2・3のボタンはBluetooth用のプロファイルボタン。
ちなみに2.4GHz→Bluetoothへの切り替えは2秒ほどかかり、Bluetooth→2.4GHzへの切り替えは一瞬でした。
プロファイル間の切り替えはデバイスによって接続速度が異なります。Windowsは高速ですがMacは時間がかかるなど。
そのさらに左にはLEDインジケーターとUSB-C端子です。
どんなUSB-Cケーブルでも流用できるのが強みですね。
キーキャップ
キーキャップはABSダブルショット。ABSですがツルツルとはしておらず、頑丈で滑らかな触り心地です。
見た目ちょっと微小な凹凸が見えますが、PBTほどのザラ感はなくツルツルABSとの中間辺りな印象。
底面はCherryMX互換のプラス形状。表のライティングに影響しないような構造になっています。
非常に薄いです。
通常のキーキャップと高さを比べてみるとこれだけ違います。
通常のABSよりも脂汚れには強いし目立ちにくいのですが、光の反射によってはテラテラと見えることがあります。
キースイッチ
Razerのオプティカルスイッチが薄くなって登場。
TKLに搭載されているのはクリック感のない赤色リニアタイプのみです。
軸色 | レッド |
---|---|
クリック感 | なし |
アクチュエーションポイント | 1.2mm |
押下圧 | 45g |
キーストローク | 2.8mm |
耐久値 | 7,000万回 |
- アクチュエーションポイント:キーを押した時にどのポイントで信号が送られるかの接点
- 押下圧:キーを押すのに必要な力
- キーストローク:キーを押した時に沈む距離
メカニカルスイッチのように金属部品をこすって信号を送るようなことはせず、赤外線を遮断することにより接点とするため部品の摩耗がかなり少なくなっています。
光学技術を採用することで、誤検知防止のためのデバウンスタイムが必要なくなりました。そのため意図的な入力遅延がなくなり、一般的なメカニカルスイッチよりも高速反応します。
通常のスイッチよりも大幅に薄くなっています。キーストロークは短くボトムアウトが浅め。
アクチュエーションポイントも1.2mmと、よくあるリニアスイッチの2.0mm前後に比べてかなり短くなっています。
むしろ反応速度的には銀軸に近いかもしれません。
ただし、慣れていなくてもそこまで誤入力は起きないので使いやすい部類だと思います。
打鍵感はとても良いです。全体的に擦れは抑えられていて静かで滑らかな打ち心地が楽しめます。
底にある吸音材がいい仕事していますね。
CherryMX互換のプラス形状になっているのも評価は高いです。いざとなったら他のキーキャップを流用可能。
高さはやっぱり合わないので、変えるならいっそ全部いくかって感じですね。
ロープロファイルキーキャップって市場的には少なめだと思いますけど、普通の高さのキーキャップも使えますし、手のうちようがないG913のコンセントタイプよりはだいぶ希望があります。
スタビライザー
スタビライザーはルブされていませんが、ロープロファイルにしては良い方じゃないかなと思います。
Lubeシリンジってのでチューっとルブを注入してあげると打鍵音は改善されるらしいのですが、そこまでやらなくてもいいような気もしてます。持ってるなら試してみるのは良いかも。
バッテリー
バッテリーはライティングの輝度によって大きく変化します。
初期状態の輝度は50%ですが、2.4GHzで使用すると約50.5時間使用できる計算になります。
ライティングが100%だと29.5時間、0%だと201.4時間です。
ライティングを使いたいなら50%程度に留めるか、必要ないならオフにしてバッテリーを長寿命にするのが良いでしょう。
私はあまりに味気ないのもアレなので30%にしてます。これで88.2時間もつ予定。
ざっくりとですが本体だけでもバッテリー残量を調べられます。
Fnを押しながらendキーを押すと、4つのLEDインジケーターが残量に応じて光ります。
ライティング
ライティングはそこまで明るくない印象ですが、100%にするとそこそこ明るいかな。
キーボード本体で「Fn+Ctrl+任意の番号」を押すことでエフェクトを変更できます。
1 | OFF | オフ |
2 | Static | 常時発光 |
3 | Breathing | ゆっくりと明滅 |
4 | Spectrum Cycling | RGBでサイクル |
5 | Wave | 波打つように光る |
6 | Reactive | 押したキーが光る |
7 | Starlight | ランダムでキーが光る |
ソフトウェアである「Razer Synapse」を起動しているとそっちに設定が引っ張られるため、キーを押してもエフェクト変更できなくなります。
Synapseでは上記に加えてもう少し多くエフェクトが用意されています。
ソフトウェア
公式サイトから「Razer Synapse 3」というソフトウェアをダウンロードして使用します。
- ゲーミングモードの設定
- HYPERSPEEDマルチデバイスペアリング
- ライティングの輝度
- ライティング自動オフ設定
- ライティングエフェクト変更
- スリープまでの時間設定
などが可能です。また、ゲームごとにプロファイルを作成し、ゲームの起動と同時にプロファイルを切り替えるといった設定もしておけます。
マルチデバイスペアリング
本キーボード用のUSBレシーバーに別のマウスをペアリングしてしまうという「マルチデバイスペアリング」が可能です。
対象となるマウスは最新のものくらいですが、今回Razer Viper V2 Proを繋げてみました。
この機能、初期の頃はどうも接続が不安定になってしまったので使うのをやめてしまったのですが、今回はめちゃくちゃ安定してるっぽいです。
800DPIで「VANCER ICE」の上でトラッキングテストをしてみました。
マルチデバイスペアリングですが通常の1対1接続と同じような精度でした。
ソフトウェアがアップデートされたのか、デバイスが順応したのか分かりませんが、普通にゲームしてても変に感じることなく全然良いと思います。
VS Logicool G913TKL
長らくロープロファイルワイヤレスの王様であった「G913TKL」と比較していきましょう。
サイズの違い
まずはサイズ感。縦並びにしてみました。
DeathStalkerではG913TKLのトップにあるメディアコントロールボタン各種がなくなっています。
重ねると大体こんな感じになります。縦幅、横幅ともに少しずつ小型化されています。
アングルの違い
実はフラットの状態にしてもDeathStalkerの方が角度がついています。
チルトスタンド1段階。DeathStalkerでは6度、G913TKLでは4度です。
チルトスタンド2段階。DeathStalkerでは9度、G913TKLでは8度です。
操作ボタンの違い
DeathStalkerにはBluetooth用のプロファイルボタンが存在しますが、G913TKLにはありません。
しかしDeathStalkerは電源スイッチをスライドさせてBluetoothと2.4GHzを切り替えるのに対し、G913TKLはボタン1発。
なので頻繁にモードを切り替えるような場合にはG913TKL一択です。
G913TKLの背面はmicroUSB端子ですが、DeathStalkerはUSB-Cです。
ダイヤルはDeathStalkerがノッチ感あり、G913TKLはフリースクロール。
G913TKLではメディア再生・ミュートなどのボタンが4つに分かれていますが、DeathStalkerではボタンとダイヤルの2つのみに集約されています。
キースイッチの違い
DeathStalkerはオプティカルスイッチ、G913TKLはGLメカニカル。
ステムの形が違いますね。DeathStalkerのプラス形状の方が圧倒的に汎用性が高いです。
赤がリニア、茶がタクタイルなのですが、打鍵感もDeathStalkerが勝っていると思います。
コンセントタイプはどうしてもキーキャップが揺れちゃうんですよね。カシャカシャ言うんですが、DeathStalkerではほぼありません。
どっちが良い?
結論としてどっちがいいんじゃ!という話ですが、G913TKLは発売から2年たった現在でも安くなることはなく、2.7万円くらいします(記事執筆時点)。まぁ2年くらいじゃ安くならないですね。
一方DeathStalkerも同じくらいかちょっと高い3万円程度になると思われます。
そう考えると、最新型であるDeathStalkerの方が打鍵感が向上して応答速度が速くなっていますし、いま買うならDeathStalkerをおすすめします。
G913TKLにしか白色がないので、白で統一したい人はLogicool一択ですね。
レビューまとめ
以上「Razer DeathStalker V2 Pro Tenkeyless」のレビューでした。
- 手に負担のかからない薄さ
- 打鍵感はスムーズで上質
- オプティカルスイッチで高速反応
- 品質の高いABSキーキャップ
- 軽いので持ち運びもOK
- G913TKLと比べたらこっち
- ロープロファイルは万人受けしない
- 値段はかなり高め
普通にめっちゃ気に入ってますこのキーボード。今までのRazerの中で一番かもしれない。
Logicool G913TKLに出会ってからロープロファイルキーボード手放せずにいたんですけど、キーキャップのカシャカシャとか多少気になる点もあったんですよね。
それが改善されて、かつ最新型のスイッチに進化したキーボードなので気にいるのも当然かもしれない。
値段は高いし、人によってはロープロファイルを受け付けない場合もあるのですが、3万円払ってもいいと思う程度には使い込むと思いますこのキーボード。
買うならフルサイズよりTKLがおすすめ。フルサイズってやっぱりゲームするとマウスガンガン当たるっす。