Razer Basilisk V3 レビュー。ホイールスピードが可変するエルゴマウス
Razerから発売されている右手用エルゴシェイプのゲーミングマウス「Razer Basilisk V3」をレビューしていきます。
概要とスペック
「Razer Basilisk V3」は、人気のバジリスクシリーズのバージョン3となります。
バジリスクはスクロールホイールの抵抗を可変できるのが特徴で、ノッチ感のあるタクタイルタイプと無抵抗のフリースピンで切り替えることができます。V2ではマウス底面のダイヤルで調整していましたが、V3ではそれが撤廃されてワンボタンで切り替える方式になりました。
左サイドボタンには3つめが存在し、押し込みやすい大きさで可変DPIやRazer HyperShiftなどを割り当てるのにピッタリです。
さらにセンサーや光スイッチが最新世代のものになり、Viper Miniでもあったようなアンダーグローライトが縁全体を囲みます。これでマウスのシェイプをかたどるように綺麗に光るように。
しばらく使ってみましたが、私は可変ホイール上手く使いこなせませんでした・・
ただ、V2でもそうだったとは思いますが、面白いマウスで色々可能性はあるなと感じてます。多分ワイヤレス版もきっと出ますよね。
カラー | 黒 |
接続 | 有線 |
シェイプ | エルゴ |
センサー | Razer FOCUS+ 26K |
DPI | 26,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 130 x 60 x 42.5 mm |
重さ | 101g |
ボタン数 | 11 |
ライティング | あり |
ケーブル | SpeedFlex 1.8m |
オンボードメモリ | プロファイル x 5 |
ソフトウェア | あり |
同梱物
コンパクトサイズの外箱。
このように簡素な包装になっています。
- マウス本体
- クイックガイドなど
デザインと性能
「Razer Basilisk V3」は右手用エルゴシェイプの人気シリーズで、最新版となるV3、バージョン3です。マウスの先端が尖っており、昔ながらのゲーミング感あるシェイプをしています。
カラーリングはマットの黒色です。全体的に細かくざらついたテクスチャをしています。
シェルとボタンの間などに艶ありラインがあしらわれています。このラインは窪んでいるため段差を少し感じます。
かぶせ持ちの場合はやや人差し指の第一関節あたりで段差を感じましたが、他の持ち方では特に気になりませんでした。
各サイドから見たシェイプ
各サイドからの見た目。エルゴノミクスに基づいた設計の左右非対称型ゲーミングマウスで、右手用となっています。
シェル後方は右への落ち込みが激しくありませんが、マウスボタンからは右側が鋭く落ちています。
特徴は大きく外側に飛び出したサムレスト。親指を寝かせるように配置することができ、ガチッとホールドしないかぶせ持ちでも親指がマウスパッドに干渉することがありません。
右サイドは比較的フラットな形状をしています。両サイドともラバーグリップ仕様になっており、グリップ力は抜群。
これは簡単に外せるような設計ではないので、このラバーが嫌いな人には向いていないかも。
左マウスボタンに比べて右マウスボタンがかなり短い。そのため、浅いつまみ持ち派は上手く使えない可能性があります。
トップとボトムから見てみます。サムレストの下にもマウスフィートが貼ってありますね。比較的重めのマウスなので、逆サイドにもマウスフィートあった方が良さそうな気がします。
センサーは底面の面積だけで考えるとセンターなのですが、マウスボタンが前方に突き出しているので全体的に考えるとリア寄りです。
サイズと重さ
サイズは実測で 130(長さ)x 60.0(グリップ幅)x 41.7(高さ)mm でした。大きめなLサイズマウスです。
サムレストが邪魔してグリップ幅の測定が難しいのですが、公称と同じ60mmで合っているはずです。
重さは実測で 約103g でした。かなり重めの部類。
機能的にそっくりな「Logicool G502」は121gなので、比較すると軽い方ではあります。
重量比で考えると 1.32:1 でした。このマウスのサイズにしてはかなり重めです。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティは非常に優秀で、底面を含めてどこを強く押しても軋むようなことはありません。
100gごえのマウスなのでBQに問題があったら結構残念な感じですが、しっかりとクリアしています。
強く振るとホイールが横に動いてカタカタしますが、これは可変設計があるので仕方ない部分でしょう。
センサー
センサーは「Razer FOCUS+ 26K」を搭載しています。最大DPIは26,000です。
センサーテスト
ポーリングレート1,000HzでDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
センサーテストに使用したマウスパッドは「Razer Strider」です。
400DPI
800DPI
1600DPI
xCounts、xSumの両方で極めて綺麗な波を描いており、トラッキングは優秀です。
LOD
LODは 1.5mm でした。問題ない長さではありますが、最新センサーだと大体1.0mm前後なので意外でした。
これは、デフォルトだとLODの設定が2mmになっているためです。
ソフトウェアでトラッキングディスタンスを1mmへ変更するとLODは 0.8mm になりました。これが短すぎると感じた場合はデフォルトのままをおすすめします。
変更すればオンボードプロファイルに保存されるため、ソフトウェアを閉じても変更は反映されたままになります。
マウスフィート
マウスフィートは前方に2枚、後方に1枚、サムレストの下に1枚、そしてセンサー周りを囲むものが1枚で、合計5枚貼られています。
100%PTFEマウスフィートで滑りは良いです。写真では白に見えるのですが、実際はやや半透明の赤茶っぽい感じです。
エッジの丸め処理は丁寧。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
セパレートタイプのマウスボタンで、かなり縦長な作り。Razer第2世代オプティカルスイッチが採用されており、摩耗しないためチャタリングとは無縁で、さらに超高速反応します。
当サイトではクリック応答速度を測ってリスト化していますが「Razer Basilisk V3」はその中でもかなり上位に入る速さでした。
メカニカルスイッチほどの歯切れの良さはありませんが、初期のオプティカルスイッチに比べるとクリック感は良いです。
押し心地は柔らかすぎず硬すぎずほどほどの硬さ。クリックの硬さについて測っていますので、こちらの記事を参照してください。
サイドボタン
グロッシーコーティングなのでグリップ力があるサイドボタン。私の場合、サムレストにのせた指が当たるか当たらないかの絶妙な位置です。
リア側のサイドボタンはペコっとした微妙な音で鳴りますが、フロント側のサイドボタンはカチッとクリスピーです。どちらもフワッとはしておらず押しやすいです。
他のマウスと異なるのがこの3つめのサイドボタン。フラットで大きな形をしています。
デフォルトではここに可変DPIが割り当てられていますので、「押し続けながら使う」のに適したボタンであると言えます。
ただし、地味に位置が遠いため、手が大きい人でないと使いにくいかもしれません。押す時に力を入れにくく、連打がしにくい。いざという時に押したいキーは割り当てない方が無難かなと思います。
スクロールホイール
「Razer Basilisk V3」の大きな特徴であるスクロールホイール。一見するとただのホイールですが、タクタイルモードとフリースピンモードに切り替えて使うことができます。
- タクタイルモード
-
コリコリと振動がしっかり伝わってくるため、武器切り替えを設定している人などには使いやすいモード。普通のマウスと同じような感覚ですが、ノッチ感は強め。
- フリースピンモード
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無抵抗で、勢いよく回すとハンドスピナーのように回り続けるため、ジャンプを割り当ててバニーホップのように使いたい人に向いています。私はバニーホップうまくできないんですけど・・。
- スマートリールモード
-
タクタイルモードのままでも、勢いをつけてホイールを回転させるとそのままフリースピンモードに切り替わるモード。聴こえは便利ですが扱いが難しいです。
切り替えはホイールすぐ後ろにある上のボタンに割り当てられています。これはソフトウェアを使えば別のところに変更可能です。
スマートリールモードはソフトウェアで設定しなければなりません。
さらに、速くスクロールすればするほど速度が増すスクロールアクセラレーションもオンにできます。
紹介した機能、私には使いこなすのが難しかったです
ホイールクリックが軽めなため、フリースピンで勢いをつけて回転させようとすると誤クリックが頻発。手前に回転させるのは難しくありませんが、奥側に回転させるのは誤クリックが発生しやすかったです。
これはスマートリールモードでも一緒で、ブラウザを下にスクロールさせたいのにホイールクリックが先に反応してしまってスクロールしてくれない・・みたいなことが何度も続いて結構ストレスがたまりました。
今はタクタイルモードを主に使っていて、フリースピンはどうしてもスクロールを速くしたい時だけ、優しく勢いをつけるように注意しながら回しています。
ゲーム中のホイール操作となるとそのように意識することが難しいと思いますので、使いこなせるまで結構難しそうです。
ちなみにというか、このホイールは横方向にもスイッチがある4方向スクロールホイールなので設定できるボタン数が多いのが魅力です。MOBAやMMOなど多くのキーをマウスに設定したいゲームでは役立ちますね。
DPIボタン
ホイールすぐ後ろにある2つのボタン、ホイール側はホイールの切り替え機能が、後ろ側のボタンにDPI切り替えが割り当てられています。
DPIは「400 / 800 / 1,600 / 3,200 / 6,400」の5段階でサイクルしますが、ソフトウェアを通せばステージの数を増減したり、DPIの数値を50単位で変更することが可能です。
ケーブル
ケーブルはほどほどの硬さな布巻きタイプ。Speedflexといって1.8mの長さです。
ブッシュが長い。手で真っ直ぐに直してあげれば大丈夫ですが、最初はかなり下向きになっていてマウスパッドと接地するかと思いました。
ライティング
マウスをぐるりと一周するように光るアンダーグローライティング。上から見ると直接は視認しにくいのですが、デスクやマウスパッドに光が反射してボヤッと光ります。
その他ロゴとスクロールホイールも光ります。これらはソフトウェアを通して様々な発光パターンを設定可能です。
ソフトウェア
Razer Synapse をダウンロードして使うことで様々な設定が変更できます。
ボタンアサイン、ホイール、DPIステージ、ポーリングレート、ライティング、スマートトラッキングの変更などが可能です。
オンボードプロファイルが5つ用意されているため、ここにあらかじめ作成したプロファイルを保存しておけばソフトウェアを起動しなくても変更した設定がマウスに反映されます。
プロファイルの切り替えは底面にあるスイッチで行えます。
持ち方と使用感
一般的な持ち方とされる「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つで持った使用感について見ていきます。
これらは個人的な感想で、持ち方や感じ方は人それぞれ違いますので参考程度にお願いします。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◯ | ◎ | △ |
かぶせ持ち
エルゴシェイプなだけあってかぶせ持ちは馴染みやすいです。指を置けるサムレストを活用することで、指とマウスパッドの接地面を減らせるため、摩擦の影響を受けにくく一定の感覚を維持しやすいです。
かぶせ持ちだと手が大きくないと3つめのサイドボタンに指を届かせにくいです。
つかみ持ち
つかみ持ちはすごいフィーリングが良くて、サムレストもしっかり活用できるし、親指を3つめのサイドボタンに届かせやすいです。全ての機能を満遍なく使うならこの持ち方がいいですね。
つまみ持ち
持つ分には問題ないのですが、右マウスボタンがやや短いため、浅く持つとかなりボタンの手前をクリックすることになります。そのためクリック感に違和感があります。
また、約103gと重いためちょっと手首が疲れます。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- タッチを可変できるスクロールホイール
- モードのシームレスな切り替え機能あり
- 横にもスイッチがある4方向ホイール
- 高速応答する第2世代オプティカルスイッチ
- 3つめのサイドボタン
- ブレの全く無い優秀なセンサー
- 摩擦を受けにくくなるサムレスト
- 5つのプロファイルを切り替えるボタンあり
- アンダーグローライティングが綺麗
- ビルドクオリティは極めて良い
- イマイチなところ
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- 約103gとかなり重め
- 多機能ホイールは使いこなすのが難しい
- 浅いつまみには向かない
- 手が大きい人の方が使いやすい
- ケーブルブッシュが長い
以上「Razer Basilisk V3」のレビューでした。
実はバジリスクシリーズって手を出すのが初めてなので知らなかったのですが、可変ホイールや3つめのサイドボタンってV2でも普通にあったんですね。
切り替え方式がV2では底面のボタンで行ったのに対し、V3ではトップのボタンに変更されています。さらにボタンアサインで別のボタンに変更できるようにもなっています。
とても面白い機能なのですが、ホイールクリックの軽さが災いしてフリースピンさせようとしても誤クリックが多発してしまいました。それもあって、ゲームでは使いこなすの普通に難しいなと。
というか普段の作業でもかなりミスクリックするので結局タクタイルモードしかほとんど使ってません。宝の持ち腐れ感あります。かといってクリック硬くすればいいって話でもないと思うので難しいところ。
私には無理でしたが、繊細なタッチでホイールを回せる人には良いかもしれません。