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Sprime PM1 レビュー。彗星のごとく突如現れたG703シェイプマウス

Sprime Gaming Gear PM1 レビュー

Sprime Gaming Gearから発売予定のワイヤレスゲーミングマウスPM1の先行サンプル版をご提供いただいたのでレビューしていきます。

レビュー用サンプルをご提供いただきました

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概要

Sprime Gaming Gearは2022年末に立ち上がった新興のゲーミングブランド。多くのゲーマーから渇望されていたG703シェイプのマウスであるPM1が最初のプロダクトとなります。

箱から出した瞬間に分かるそのクオリティの高さ、クリック感の良さ、モックアップのような軽さ、そしてG703の形状を受け継いだエルゴシェイプと、極めて優秀なワイヤレスゲーミングマウスと言えます。

ただ注意点としてG703よりも一回り小さくなっているため、厳密なクローンではありません。日本人の手のサイズによりしっくり合うような大きさだとは思いますが、握り心地は異なります。

一般販売は2023年12月後半を予定しており、価格はまだ未定です。ふもっふのおみせが代理店担当予定。

スペック

マウスPM1
カラー黒・白・赤
接続2.4GHz 無線
シェイプエルゴ
センサーPixArt PAW 3395
DPI26,000
ポーリングレート~1,000Hz (~8K)
寸法120 x 60 x 38 mm
重さ45g
ボタン数5
メインスイッチOmronオプティカル
サイドスイッチHuano Black Shell White Point
ホイールスイッチ
エンコーダーTTC
ライティング
バッテリー250mAh/80hrs
ソフトウェア

同梱物

レビューサンプルなので化粧箱なし、白いボックスにマウスとUSBケーブルとドングルのみ入っていました。これらは正式販売される時に異なると思いますので参考程度に。

  • マウス本体
  • USBレシーバー
  • USB-Cケーブル

マウスの購入先

ふもっふのおみせが代理店をつとめることがわかっています。

性能

デザイン

カラーリングは3種類発表されていて、黒・白・赤です。初期サンプルは黒のみ生産されているようです。

マットコーティングはグリップ力があって滑りにくいです。その代わり脂汚れがかなり目立つため定期的に布で乾拭きしてあげたいところ。白や赤の明るい色の方が汚れは目立ちにくいため、神経質な方はそちらが良さそう。

穴抜き構造ではなく、全てソリッドシェル。一般的なABSプラスチックで作られているわけではなく、Fiber-Composite(繊維複合材)が素材です。

複合材とはその名の通り複数の素材をかけ合わせているもので、母材はポリカーボネート。その他の複合している素材のフォーミュラが重要だとか。

右側にはSprimeのロゴ。私の中でスプライムなのかエスプライムなのか表記ゆれが発生中。

端子はUSB-Cです。入り口が少し狭めなので汎用ケーブルだと入らない可能性があります。細めの作りなら大丈夫。

底には電源スイッチのみ。そう…DPIボタンのようなものはないのです!その代わり、本マウスはボタンの長押し組み合わせでさまざまな変更ができるようになっています。

ボタン長押し5秒とされていますが、現状10秒はかかるのでDPIをよく変更する人には扱いにくいかもしれません。ウェブベースのソフトで変更可能なのでそちらを利用する手もあります。

マウスソールは後方がちょっと独特なティアードロップ形状の計4点タイプで、センサー周りにO型のものが貼られています。ソールのガイド枠は大きくとられていて、公式サイトで大型のソールが売られる予定みたい。

ちなみに滑りは普通から遅いくらいかなと思いましたが丸め処理はしてあるので引っかかりなどは感じません。

サイズ

サイズは公称値だと120x60x40mmです。グリップ幅の実測は61mmでした。

G703シェイプですが、G703は124x68x43mmなのでサイズダウンしています。高さが変わると握り心地は結構変わりますね。

重さ

重さは実測で45gでした。公称値が43gなので+2gほど。製品版ではホイールが軽量化されて0.4gは軽くなるとされています。そうすると44g台にのりますが、たぶん43gというのはソール抜きでの計上かと。

ストックソールが結構重いため、eSports Tiger ICE 汎用点ソールx6つとかに貼り替えると簡単に0.5gくらい軽くなります。

細かい差はともかくとして、このサイズで45gはめちゃくちゃ軽いと感じます。Starlight-12のSサイズが44.6gほどなので、それよりもかなり大きいサイズで同じくらいの軽さ。すごい。

G703は94.9gなのでなんと2倍以上の軽量化。こっちは持ってみるとめちゃくちゃずっしりしていて重いです。

ビルドクオリティ

極めて軽量ながら剛性は非常に高く、どこを押しても握っても軋みはなし、マラカスチェックOKでした。

マウスボタンにもたわみやかたつきはほぼありません。

シェイプ

Sprime PM1はG703インスパイアのエルゴノミクスシェイプです。

比較対象としてLogicool G703Razer DeathAdder V3 ProLAMZU ThornFinalmouse Starlight-12 Sを用意しました。Starlight-12 Sを比較したのは重さがほぼ同じくらいだからです。

トップカーブはなだらかな曲線を描きます。大きくかぶせた時にフィットしやすいのですが、G703よりも小さいことから手のひらに当たる感じが弱め。

左サイドが窪むようにくびれていますが、G703よりもくびれ感はやや少なめです。

右サイドは上から見るとストレートめなシェイプになっています。一般的なエルゴマウスと比べると右側の外への広がり方は抑えめ。親指に力を込めやすく、小指が大きく広がらないのが特徴。

右側のトップシェルとボトムシェルの隙間はなく、尖ったようなざらつきもないため違和感なく握り込めます。

Logicool G703と比較

画像をタップ(クリック)して拡大し、横スワイプで画像を切替えるとサイズの違いが分かりやすいです

インスパイア元であるG703との比較。横から見るとサイドボタンの大きさの違いが目立ちますが、G703の方が大きめ。

重ねて反転エフェクトをかけたもの。なんとなくこちらの方がサイズ感の違いは分かりやすいかと思います。

フロントの高さは大きく違うように見えるものの、指を置くクリック部分の高さは横画像比較で見えるほど違いはありません。G703のメインボタンは深めに窪んでいるからです。

上から見たシェイプは似ていますが、マウスボタン先端の外への広がりかたがG703の方が大きいです。このように、PM1はG703インスパイアではあるものの同一クローンではありません。

Razer DeathAdder V3 Proと比較

でっかいエルゴの代名詞Razer DeathAdder V3 Proとの比較です。長さやトップカーブの形、そしてフロントの高さに至るまで何から何まで違います。そりゃそうだ。

これも写真を重ねて反転したもの。

上から見ると意外とDAv3Pは小さそうですが、横幅がスリムになっているだけで他の全てはでかいため握り心地はごつめです。

LAMZU Thornと比較

同じくらいのサイズ感であるLAMZU Thornとの比較で、Thornが白くて背景に溶けがちだったので明るさを調整しています。

Thornは扇状のシェイプをしているのに対し、PM1はフロント側がややロープロファイル気味。お尻のシェイプも違います。

トップから見た形。Thornは後ろのサイドへの膨らみ方や右への出っ張り具合が特徴的ですが、PM1はほっそりとした素直な形状です。

Finalmouse Starlight-12と比較

重さがほぼ同じなのでサイズ感の違いを見せるだけに引っ張りだされたStarlight Sサイズくん。

PM1よりだいぶ小さくてさらに穴抜きされています。しかし…マグネシウムはやっぱり高級感というかなんか所有欲満たす感じあるなって再確認しました。

センサー

搭載されているセンサーは記事執筆時点では最新となる「PixArt PAW 3395」です。PixArtと共同でよりスナップ感の強い調整を行なっているそうです。

MouseTesterでセンサーテストを行いましたが特に問題なかったので割愛します。

センサー位置

センサー位置はほぼほぼセンターで、重心もセンターになっていて適切です。

LOD

Kurosun Ninja Speedの上で計測しました。ソールはストックではなくeSports Tiger ICE 汎用に変えてしまっていますので、参考程度に。ほとんど変わらないとは思います。

設定実測値
Low0.9mm
Medium1.8mm
ストックソールで検証

デフォルト設定はLowの1mmとなっています。ソフトウェアでMediumに変更することも可能で、ちょうどLowの2倍の長さになります。

ワイヤレス接続とポーリングレート

低遅延2.4GHzのワイヤレス接続に対応。レビューサンプル版は1Kポーリングレートのみでしたが、今後発売される8K対応ドングルを別途購入することで最大8Kで利用可能です。

ハイスピードモード(デフォルト)と競技用モードが存在し、バッテリー消費と引き換えにより有線に近い反応の競技用モードがおすすめされています。モーション遅延が減少し、電波干渉に強くなります。

電波接続の安定性を確保するためにチャンネルホッピング技術が採用されていて、そしてデータ送信に失敗しても1ms以内に3回データを送りなおす技術も搭載。

4Kや8Kを使うとそれだけCPUのリソースを消耗することになるため、スペック的に不安要素がある場合は1Kや2Kに抑えておくと良いかもしれません。

特に現状8KはMCUの限界もあってバッファしたフェイク8Kしか成り立たないと噂話を聞いたことがあるため、使っても4Kでいいんじゃないかと

マウスボタン

それぞれのマウスボタンについて見ていきます。

メインボタン

やや波打つような形状でフワッとした遊びがなく、クリック感は少し硬めですがタクタイルでカチッとしたフィーリングがあります。跳ね返りも強めなのでスナップするようなクリックです。

やや右マウスボタンの方が高めの音で鳴ります。

スイッチはOmron Optical Switchを採用しています。以前別のマウスで同スイッチを使った時に変な擦れ音があってあまり印象がよくなかったのですが、PM1のスイッチはそんなことは全くなく快適に使えています。

メインボタンのクリック応答速度

検証は1KポーリングレートのCompetitive Modeで行いました。デバウンスタイムの設定はありません。

平均値STdevサンプル数
1330μs (1.33ms)4371,000

マウススイッチにワイヤー接続して正確な遅延を計測するXLATを使用しました。

Omronオプティカルはピンアサインが分かりやすくて助かります。ちょっと標準偏差がでかめなのが気にかかりますが、そこまで大きくは外してないんじゃないかなと。

ウチの計測ではRazer Viper V2 Proよりもちょっとだけ遅いくらいで、これはかなり高速な応答速度と言えます。

サイドボタン

サイドボタンは大きめ。そこまで飛び出していないのでめちゃくちゃでかいと感じるわけではなく、押しやすいと思います。クリックにおもちゃ感はなく、ほどほどクリスピーな押し心地。

手前側のサイドボタン4のポストトラベルが大きめで、ややふわっとした感触があります。もうちょっとタイトな調整が好みなのでそこだけあまり好きじゃないかな。

G703と比べるとかなり小型化。ていうか703のサイドボタンめちゃくちゃでかいな。でかすぎでは。

スイッチはHuano Black Shell White Point

最初の信号をレジスターするEager Debounceがサイドボタンに採用されており、応答速度が速くなっています。サイドボタンって普段あんまりフォーカスされませんけど、ここも応答速度速いに越したことないよね。

ちょっと小難しいけどこんなこと。最初の信号をレジスターして残りの接点をマスクします。そのためクリック遅延が最も少ないとされます。

スクロールホイール

ホイールは平たくてラバーは薄手のもの。回し心地は軽めでノッチ感はほどほどあります。音は可もなく不可もなく普通くらいの大きさ。クリックはほんの少し硬いくらい、指の硬直はギリギリあるかないか程度。

エンコーダーはTTC、スイッチは謎の黄色スイッチでした。

バッテリー

搭載しているバッテリーは250mAhで、充電は1Kポーリングレートで80時間ほどもつとされています。平均くらいで十分長く使えます。

4K、8Kになるとバッテリーの減る速度は数倍になりますので、バッテリーをどこまで犠牲にするのか考えながらポーリングレートを選ぶと良いでしょう。

0%から100%までの充電時間は、ざっくり1.5時間くらいで充電完了していました。

USBドングル

先行サンプル版に付属してきたUSBレシーバードングル。シースルーで中の基板が見えるようになっています。これはNinjutso Sora 4Kのものと同じガワを使っています。

左: Ninjutso Sora 4K, 右: Sprime PM1

ちなみに中の構造が異なっているのは、PM1のは1K、Sora 4Kのものは4Kだからかも。PM1は別売りドングルで8Kに対応するそうなので、ガワが同じか分かりませんが基盤は変わってくると思います。

ソフトウェア

Sprime Memory Managerというウェブベースのソフトウェアが使えます。PCアプリも用意されていますが、ウェブベースなら余計なソフトをインストールする必要がありません。

キーの割り当て変更、DPI設定、ポーリングレート変更、LOD変更、競技用モードのトグルなどが可能です。

サイトにアクセスしてポップアップでマウスへの接続要求が行われるため、マウスを選択してOKとするだけ。めちゃくちゃ簡単。

Wootingの時も思いましたけど、このウェブベースのソフトウェアは今後のメインストリームになっていくんじゃないかと思います。

まだボタン割り当てはマウスの機能しか使えませんが、そのうちキーボードの機能も割り当てられるようになるそうです。

レビューまとめ

Sprime PM1
総合評価
( 5 )
メリット
  • G703シェイプマウス
  • サイズはやや小型化
  • 45gという驚くべき軽さ
  • 競技用モードもあるワイヤレス
  • Omronオプティカルスイッチ
  • スナップ感のあるマウスボタン
  • Eager Debounceを採用したサイドボタン
  • チューニングされたPAW3395
  • 滑りにくいコーティング
  • 8Kポーリングレートまで対応予定
  • ウェブベースのソフト
  • チャンネルホッピングによる接続安定
デメリット
  • G703よりも小さいクローン
  • DPIボタンなし
  • サイドボタン4のポストトラベル

以上Sprime Gaming Gear PM1のレビューでした。

このマウス、めちゃくちゃ作り込まれています。他のブランドがマグネシウムに走る中、唯一Finalmouseと同じ革新的な方向性で考えられているマウスだと思ってます。使ってて感動すら覚えます。

繊維複合材を素材として超軽量化、8Kポーリングレート対応(ガチ8Kかはさておき)、サイドボタンにEager Debounceを採用、接続の安定性を保つためのチャンネルホッピング技術、フィードバックが良くて押しやすいボタン調整などなど。

G703よりもサイズが小さいことから、G703難民を救えるのか?という問いにはうまく答えられません。多分無理だと思う。大きいサイズで完全なG703クローンも作って欲しいなと思います。

それとDPIボタンがホイール後ろどころか底にもないため、DPIを頻繁に変更する人には痛手かもしれません。軽さを追求した代償か。

個人的に今のところ暫定今年No.1マウスです。

触ってないマウスも結構あるんで、あくまで私が触った中でですけど。本当に良いマウスです。ふもっふのおみせで12月中に販売されるはずなので、期待して良いです。

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Sprime Gaming Gear PM1 レビュー

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