Fantech Helios UX3 V2 レビュー
Fantechから発売されている有線ゲーミングマウス「Fantech Helios UX3 V2」をレビューしていきます。
スペックと同梱物
「Fantech Helios UX3 V2」の基本スペックと同梱物を確認していきます。
マウス | UX3 V2 |
---|---|
カラー | 黒・白 |
接続 | 有線 |
シェイプ | 左右対称 |
センサー | PixArt PAW 3389 |
DPI | 16,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 120 x 58 x 38 mm |
重さ | 69g |
ボタン数 | 6 |
ライティング | |
ケーブル | 布巻き 1.8m |
オンボードメモリ | プロファイル x 1 |
ソフトウェア |
外箱。
同梱物はマウス本体、予備のマウスフィート、紙ものとシンプル。
デザイン概要
「Fantech Helios UX3 V2」は左右対称型の右手用有線ゲーミングマウスです。
サラサラとしたマットコーティングで、触り心地は良いのですがグリップ力には欠けます。汗をかくと特にサイドがツルツルします。
形状的にはBenQ ZOWIEのS2クローンとなり、どんな持ち方でも対応できるオールラウンドシェイプです。
お尻部分の横に流れるロープロファイルLEDが印象的です。有線なのでバッテリー気にしなくても良いですしね。
ただし特段マウスパッドに反射するといった効果はありません。
小さくFantechのロゴが刻印されています。
S2と違ってマウスボタンがシェル一体型ではないセパレートタイプで、かなり浅く持って手前側をクリックしても違和感はありません。
底面にはポーリングレートボタンがあり、センサーの上にまた別のセンサーらしきものがついています。
これはおそらくLODを測るためのセンサーなのかな。
マウスフィートは前後で大きめなものが2枚、センサー周りにO型が1枚で、滑りは普通くらい。
エッジの丸め処理はほどほどで、引っ掛かりを感じることはありませんでした。
ケーブルブッシュはS2と異なり上を向いていませんが、特にマウスパッドと干渉することはなさそうです。
ケーブルは布巻きでちょい硬くらいですが、使用に支障はないと思います。
ビルドクオリティは普通で、振っても音は一切しませんし、強く握り込んでもクリック反応することはありません。握り込んだ時にちょっとギシります。
主な性能について
サイズ・シェイプ・重さ
サイズは120 x 58 x 38mmで、分類的にはSサイズです。
トップはやや潰れたように軽く平べったい。
後方はカーブが少し急になっています。
中央にはくびれがあり、かぶせもちで沿わせてもつかみやつまみでホールドしても使いやすい形。
トップの緩やかなカーブのおかげか、後ろに至るまでの傾斜の角度か、かぶせもちしたときに人差し指と薬指の関節が浮かず、ピッタリと隙間なくフィットして安定します。
また、それほどく薬指と小指も窮屈に感じず、逆台形の先端のため持ち上げやすくもあります。
つかみもちもフィット感は素晴らしく、広がり気味の後方シェルが手のひらにしっかりと馴染み、握り込んだ時にくびれが機能してしっかりと安定したホールドが可能です。
手のサイズによっては若干後方が干渉しますが、つまみもちも相性が良く、割とどんな持ち方でも使いやすいです。
センサー
センサーは「PixArt PAW 3389」と中堅どころを搭載で、最大DPIは16,000です。
センサーテストを行いましたが、xCountとxSumの両方で大きな問題なかったので割愛します。
LOD
本マウスはLODの長さを0.5mm~2.0mmの間で変更できるのが特徴の1つです。
たぶんこのセンサーっぽいのがLODの距離を検知するもの。
Elecom V-Custom VM600PEでも同じ機能がありますが、UX3 V2の方が細かくソフトで設定できるようになっています。
デフォルトで設定されているLODの数値と実測値でズレがあるのか計測してみました。
ソフトでのLOD値 | 実測値 |
---|---|
0.5mm | 0.7mm |
1.0mm | 0.9mm |
1.5mm | 1.8mm |
2.0mm | 2.3mm |
計測誤差を含む多少のズレはあるもののセンサー距離の変更は機能しており、最短で0.7mmあたりまで調整することができます。
ややこしいのはソフトウェア上でLODを変更しようとしてもできず、サイドボタン5とスクロールホイールクリックを同時押ししてサイクルする必要があることです。
長押しでもないので間違えてゲーム中に押してしまうこともありえますが、ソフトでLODは固定できるため、気に入った距離を見つけたらロックしてしまうのがおすすめです。
DPIズレ
DPIズレをBenQ ZOWIE G-SR-SEの上で計測してみました。
ターゲット | 実測値平均 | 乖離率 |
---|---|---|
400 | 401.6 | -0.40% |
800 | 801 | 0.12% |
1600 | 1606.2 | 0.39% |
乖離値は高くても0.4%ほどで、全く問題なく非常に正確なDPIです。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
Kailh GM 8.0を搭載したセパレートタイプのメインマウスボタンはかなり浅く持っても一定のクリック感でバコバコしません。
クリック感はちょい軽いくらいの調整で、ストロークは浅めで跳ね返りも普通くらい。
音のクリスピーさはあまりありませんが、静かで優しい押し心地です。
メインボタンのクリック応答速度
クリック応答速度は私がレビューしてきた数あるマウスの中でもトップクラスに遅いです。
旧式のZOWIEマウスやPwnageマウスと同等くらいにデバウンスタイムによる遅延があり、ソフトでも調整できないためやや弱みな部分となります。
サイドボタン
やや小さな段差が特徴的な平べったいボタンで、出っ張り具合は軽微。
指を中央あたりにそえた時にちょっとした引っかかりを感じられるのが良いです。
クリック感はパコパコと安っぽい感じでイマイチですが、値段を考えると許せるか…ってところでしょうか。
スクロールホイール
ノッチ感が弱くとても軽い回し心地のスクロールホイール。
クリックも非常に軽くて連打しやすいのですが、軽すぎて上方向に回すと誤爆することがあります。
もうちょい硬かった方が良かったですね。
DPIボタン
細くて主張しないDPIボタン。
ホイールからは少し離れているため誤爆の危険は少ないです。
ソフトウェア
公式サイトから専用のソフトウェアをダウンロードして様々な設定が行なえます。
ボタンの割り当て、ライティングの設定、DPI設定、ポーリングレート、マクロ作成、LOD調整など。
ソフトウェア自体はけっこういろんな調整ができるようになってるんですけど、たぶんコレマウス単体用のソフトウェアじゃないかなと思ってます。
マウス1個1個にソフトあるのは面倒だからやめてほしいところ。
Helios UX3 V2のレビューまとめ
- 様々な持ち方にフィットするS2クローン
- メインボタンの調整は良好
- 69gとほどほどの軽さ
- LODの微調整ができる
- DPIズレなし
- 価格は安め
- 滑りやすいコーティング
- 微妙なサイドボタンとホイール
- クリック応答速度は遅い
- ソフトがマウス単体向けっぽい
以上「Fantech Helios UX3 V2」のレビューでした。
サイドボタンのパコパコ感とホイールクリックが軽すぎるのは微妙な点ですが、LOD調整みたいなあまり見かけない機能を搭載しているのは面白いですね。
オリジナル形状の「BenQ ZOWIE S2-C」が定価9,800円する中やや安めですし、他にもセンサーが新しい、ボタンにKailhが採用されている、ガリガリホイールじゃない、ライティングがあるとか、S2のシェイプが好きだけどちょっと本家は気に入らない部分多いなという方には試してみて欲しいマウス。
その他のFantech製品情報
アーキサイトではFantech製のワイヤレスマウスの取り扱いを検討しているようです。
さらっと見てみた感じ、Arix XD7はRazer Orochiみたいな卵型マウス、Helios XD5はRealforce Mouseにも似たエルゴノミクスマウスっぽいですね。