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ゲーミングデバイスレビューをする「GameGeek」の管理人。トータルで180個くらいはレビューしてきました。レビューなどの依頼はお問い合わせかツイッターまで

DPIズレについての検証と解説

DPIズレの検証

今回はちょっと前にOptimum Tech氏が動画にしたことで再注目を浴びたDPIズレについて当サイトでも簡単に検証してみます。

マウスによっては800DPIと表示されていても実際にはそれよりも遅かったり速かったりします。

先に言っておきたいのですが、DPIズレは感度の問題なので調整が効きますから大きな問題ではないと思ってます。

TwitterでDPIチェックマシーン作った的な写真を上げたら思いの外反響があってみなさんの期待値がでかくなってそうですが、私がやってることは二番煎じだし簡易的な検証ですのであしからず。

ではDPIズレの検証と、それがどのような影響を及ぼすのかについて見ていきましょう。

タップできるもくじ

DPIとは

DPIとは「Dot Per Inch(ドット・パー・インチ)」のことで、1インチ(2.54センチ)ごとの動きの間にいくつのドットを計測するかという意味です。

800DPIの場合の1インチごとのドット計測

インチっていうのがなかなか馴染み深くないのでちょっとわかりにくいのですが、要するにマウスを動かしたときにカーソルがどれだけ動くかのことです。

例えば800DPIに設定していた場合、マウスを1インチ動かすごとに、モニターではカーソルが800ドット動きます。

より詳しい説明は以下の記事にてつらつらと書いてありますので、そちらをご覧ください。

DPIズレってなに?

ゲーミングマウスではDPIを適宜選択できるようになっています。

  • 400
  • 800
  • 1,600
  • 3,200

古くから一般的なのは大体この4つですかね。

もちろんそれ以外の数字もありますし、高いDPIでは30,000なんてのもあります。

我々としては基本的に800DPIでセットされたら800DPIで動いてると思いますよね?

ところがこれ、マウスごとにズレがあって微妙な違いがあるんです。

800DPIなのに830だったり、780だったりしてしまうわけです。

なので、800DPI=800DPIと信じて振り向きの距離などを計算したりすると思っているのとは違う結果になっていることがあります。

大元のDPIはもちろんズレてない方がいいと思いますが、ズレてるからといってそのマウス買う価値ないなってことではないです。

ただ単純に、800=800ではない可能性がけっこうあるよ!ってことを理解しておくといいよねって話です。

プロの感度をそっくり真似しても恐らく意味ないことが分かると思いますし。

DPIズレの影響

DPIズレがどういう影響を及ぼすかというと、ゲーム画面での視点移動スピードが変わってきます。

例えばOverwatch2で水平に視野を移動してみます。

これは「Logicool G Pro X Superlight」で、DPIズレが少ないものです。

DPIズレが顕著である「Finalmouse Starlight Pro Tenz」で全く同じ距離を移動してみます。

このように終点の位置が違いますよね。ちょっと縦もズレちゃってるのは私のせい。

新しいマウスを触った時に調子が悪いとか良いと思った場合、シェイプやクリックだけでなくDPIの値が影響している可能性があります。

例えば780のマウス使ってて820のマウスに乗り換えたらその差は40なので感覚が異なるでしょう。

800DPIドンピシャのマウスの方が珍しいようなので、そういうもんだと思ってマウスによって感覚を掴むのが重要かと思います。

VAXEE-PB-Mousepad

私はマウスレビューすること多いんで毎日のようにマウス変わったりしますけど、普通に考えたらそんなことの方が特異ですしね。

2個以上のマウスをコロコロ入れ替える方は注意です。

Mouse TesterやMouse-sensitivity.comのDPI Analyzerを使えばDPIの実測値は出せますから、定規だけ用意しましょう。

DPIズレの計測方法

手動で計測するとブレて正確な数字が見えにくいので、電動化DIYしました。

机の上で撮ってますが、マウス側が重くて傾くため三脚に乗せて使用しています。

メインエンジンはEdelkroneのSliderOne V2という電動スライダーです。

このスライダーはマクロ撮影も行える精細な動きが可能で、スマホアプリをつなぐと0.01cm単位での移動を設定可能です。

0.01cmとはいったものの、実際にポジション保存してキーフレーム移動させると、0.05cm単位くらいでしか認識しませんでした。

所詮撮影機材なので精密な校正がされてるわけでもなく、普通に誤差や変な数字が出ることはあると思ってます。

アルミロッドとロッドクランプを駆使します。

先端にクランプをつけてマウスをホールドします。

こいつの弱点はエルゴシェイプのマウスをクランプしにくい点と、ガッチリセンターでクランプするとサイドボタンに干渉してしまう点。

4点でクランプするものが欲しいんですが、探しても見つけられませんでした。たぶん普通のクランプをロッドで2個繋げばいいけど出費が嵩むしとりあえずやめました。

今のところサイドボタンにギリギリ干渉しないリア側で固定してる感じです。

現在キーボードは「Razer DeathStalker V2 Pro TKL」を使用しているので、Razer Synapseを開きマクロセクションにいきます。

ここで左マウスボタンを9秒クリックし続けるというマクロを作成。

キーボードの適当なキーにバインドしておきます。今回は普段使わない「pgdn」。

Edelkroneのアプリで5cm→15cmまでを100%のスピード、加速度は0%でポジションを保存。

最初はこれで試したんですが、マステでマーカー作って定規で測ってみたら微妙にズレてる。

これで見てみると、水平方向が14.8cm程度しか移動していませんでした。マジか。

コネコネ数値をいじってたらスタートを4.9cm、エンドを15.2cmにするとほぼぴったり10cm移動できたのでこの設定にしました。

定規ステッカー貼ってみた

まぁこんなもんですよね、それでも撮影機材にしては精度高い方かなと思いますけど。

操作用に計測するものとは別にマウスを1つ用意しておきます。

Mouse Testerを開き、Resolutionの「Measure」をクリック。

その後、「pgdn」を押してマクロを発動させると計測がスタートしますので、スライダーを真横に10cm動かすようにコントローラーで操作。

マクロのクリックホールド時間を9秒としたのは、単純に本スライダーが10cm移動するのに必要な時間が8秒くらいだからです。

微妙な縦のズレを修正したいけどムズイ。

本テストをマウスごとに5回行い、平均値を出しました。

あくまで手持ちの撮影機材で構成した検証機なのでその旨ご理解お願いします

マウスパッドを選ぶ

マウスパッドの素材などによってDPIには変化が現れるはずなので、いくつかピックアップしたマウスパッドで同一のテストを繰り返し、最も使い勝手の良さそうなマウスパッドを探します。

いずれもターゲットDPIは800です。私が普段800だからってだけです。

まず「Razer Viper V2 Pro」で計測した結果がこちら。

ほとんどのマウスパッドにおいて約15~20DPIほど高い結果となります。

次に「Logicool G Pro X Superlight」でチェック。

こちらはArtisanゼロEndgame Gear MPC450以外で比較的高精度なDPI数値が出ます。

ちなみにソールはArc1に変わっています。

最後に「Pulsar X2 Wireless」で計測。

Razer VV2Pと同じでコンスタントに高めなDPIとなります。

マウスパッドが異なるとモノによって多少のズレが生じていますが、これはセンサーとマウスパッド素材の相性や沈み込みによる距離の違いなど要因はいくつかありそうです。

今回のテストではマウスにかける重みを一定にできていないのもあって、その辺が影響しているかは不明瞭なんですよね…。

今回計測した3つのマウスで総合的に考えると「ZOWIE G-SR-SE Rouge」が最もDPIが800に収束してるかなと思ったのでこれ使います。

マウスソールによる違い

Logicool G Pro X Superlight」を使ってマウスソールを変えて、センサーとマウスパッドの距離でDPIが変動するか測ってみました。

ストックマウスソールはとうの昔に捨ててしまったのでサードパーティ製しかないんですが、差は0.1mmくらい。

たぶんもっと細かく測れればって感じだけど0.1mm単位なんですこのノギス。

XTEN C/Cで測った結果としては両方ともほぼ800DPIで大きな違いは見受けられませんでした。

もっと薄くなると違うのかな?ただ沈み込みでも影響あるはずだしムズイですね。

マウスのDPIズレ

DPIごとにリスト化しました。Tierは適当。

ちなみに全部のマウスをちゃんとファームウェアアップデートしてるわけじゃないので、それ直ってるよってのもあるかもしれません。

ターゲットDPIから乖離した値
  • 0.5%以下:S
  • 1%以下:A
  • 2%以下:B
  • 5%以下:C
  • 10%以下:D
  • それ以上:F

なんかうまいチャートの作り方分からなかったので見にくくて申し訳ないですが、グラフはトップからズレが少ないマウスで並べてあります。

テーブルは自分でも並び替えられるので適当にどうぞ、といってもそんなに数ないけど。

400DPI

マウス実測DPI乖離値総合Tier
Endgame Gear XM1r399.80.05%S
Ligicool G Pro X Superlight399.60.10%S
VAXEE Zygen NP-01S401.20.30%S
Pulsar X2 Mini Wireless401.20.30%S
Pulsar Xlite V2 Wireless *396.80.80%A
Xtrfy M4 Wireless404.21.05%B
Zowie EC2-C395.41.15%B
Xtrfy MZ1 Wireless395.21.20%B
Glorious Model O- Wireless406.81.70%B
Zowie ZA13-C407.81.95%B
Logicool G303SH392.21.95%B
Pulsar X2 Wireless409.62.40%C
Logicool G3043902.50%C
Logicool G502 Wireless3902.50%C
Razer Viper V2 Pro412.43.10%C
SteelSeries Prime Mini Wireless414.83.70%C
Finalmouse Starlight12 Poseidon415.23.80%C
G-wolves HT-S 3370 Wireless416.84.20%C
Glorious Model O Pro Wireless416.84.20%C
Xtrfy M42 Wireless4215.25%D
Glorious Series One Pro4225.50%D
Zowie EC3-C372.46.90%D
HyperX Pulsefire Haster Wireless4338.25%D
SteelSeries Prime Wireless433.88.45%D
Finalmouse Starlight Pro Tenz436.49.10%D
Razer Orochi V2439.29.80%D

800DPI

マウス実測DPI乖離値総合Tier
Endgame Gear XM1r798.80.15%S
VAXEE Zygen NP-01S8020.25%S
Ligicool G Pro X Superlight8030.37%S
Pulsar Xlite V2 Wireless *7970.38%S
Pulsar X2 Mini Wireless803.40.42%S
Xtrfy M4 Wireless806.40.80%A
Xtrfy MZ1 Wireless790.21.23%B
Zowie EC2-C789.41.33%B
Glorious Model O- Wireless813.61.70%B
Logicool G303SH7842.00%B
Razer Viper V2 Pro816.82.10%C
Pulsar X2 Wireless817.62.20%C
Logicool G304781.42.33%C
Logicool G502 Wireless781.22.35%C
Zowie ZA13-C823.62.95%C
Finalmouse Starlight12 Poseidon829.43.68%C
SteelSeries Prime Mini Wireless8303.75%C
G-wolves HT-S 3370 Wireless833.84.22%C
Glorious Model O Pro Wireless8354.38%C
Xtrfy M42 Wireless843.65.45%D
Glorious Series One Pro844.65.58%D
Zowie EC3-C750.66.18%D
SteelSeries Prime Wireless867.48.42%D
HyperX Pulsefire Haster Wireless8688.50%D
Finalmouse Starlight Pro Tenz875.69.45%D
Razer Orochi V2877.69.70%D

1,600DPI

マウス実測DPI乖離値総合Tier
Endgame Gear XM1r15990.06%S
VAXEE Zygen NP-01S16010.06%S
Ligicool G Pro X Superlight16020.12%S
Pulsar X2 Mini Wireless1607.40.46%S
Pulsar Xlite V2 Wireless *1585.80.89%A
Xtrfy M4 Wireless1615.80.99%A
Zowie EC2-C1580.61.21%B
SteelSeries Prime Mini Wireless1580.21.24%B
Xtrfy MZ1 Wireless15781.38%B
Glorious Model O- Wireless1626.41.65%B
Logicool G303SH1572.21.74%B
HyperX Pulsefire Haster Wireless15642.25%C
Logicool G3041561.62.40%C
Pulsar X2 Wireless1640.82.55%C
Logicool G502 Wireless1558.82.58%C
Zowie ZA13-C1645.22.83%C
SteelSeries Prime Wireless1648.43.03%C
Razer Viper V2 Pro1649.83.11%C
Finalmouse Starlight12 Poseidon1659.43.71%C
Razer Orochi V21663.63.98%C
G-wolves HT-S 3370 Wireless16654.06%C
Glorious Model O Pro Wireless16724.50%C
Xtrfy M42 Wireless1685.65.35%D
Glorious Series One Pro1690.65.66%D
Zowie EC3-C1503.46.04%D
Finalmouse Starlight Pro Tenz1751.89.49%D

所感

Endgame Gear XM1rVAXEE Zygen NP-01S、そしてLogicool G Pro X Superlightはほぼズレがありませんでした。

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Starlight Pro Tenzのズレ方はなかなかですね。

多くのズレてるマウスは400→800と順当にズレが開いていくのですが、1600でリセットかかってズレが和らぐものが結構ありました。謎。

っていうかほとんどのマウスでズレているっぽいんですが、そのマウスそんなことないんじゃない?ってのがあったらツイッターかなんかで教えてください。計測ミスってる可能性もあるので‥。

Tenzほどズレてるとさすがにどうかなとは思いますけど多少のズレは感度調整すればいいので問題ありません。

調整方法

ドライバーレスマウスは大まかなDPIしか変更できませんし、ソフトウェアがあるマウスでも50単位または100単位でしか調整ないため細かな微調整をマウスで行うことはできません。

じゃあどうするかっていうと単純にゲーム側で調整すればいいわけです。

VALORANTの設定画面

ゲームの倍率なら細かく数値を決めて微調整できます。

定規使ってDPIを800とかきっちり追い込むような設定にすることもできるでしょうが、その行為自体にあんまり意味はないです。

結局のところ、感覚でeDPIを調整していくのが一番現実的です。

さいごに

今回はDPIズレについて簡単に検証してきました。

  • 多くのマウスでDPIズレがある
  • マウスパッドやソールによって変動する
  • 自分で調整すればいいので大きな問題じゃない

今使ってるマウスや次に使おうとしているマウス、DPIが違う可能性があるので自分で感覚的に調整していくのが大事という気づきがあればいいかなと。

全く一緒のDPI、振り向き距離でプレイしてると思ったら実のところちょっと違っていたら感覚狂いますもんね。

ただ毎日違うマウス使う人なんて一握りな気はしてます。

プロのeDPI真似してもマウスとかマウスパッドで誤差出るんで、参考にするくらいがいいでしょう。

DPIズレの検証

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