VAXEE OUTSET AX レビュー。チルトグリップに最適なエルゴマウス
VAXEEとOUTSETがコラボしたゲーミングマウス「VAXEE OUTSET AX」をレビューしていきます。
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概要とスペック
「ZYGEN NP-01」に続く製品となる「OUTSET AX」は、傾斜のついたエルゴノミクスシェイプのゲーミングマウスです。
手を斜めにして持つチルトグリップに適しているとされます。縦方向に動かしやすいという触れ込みですが、高さやグリップ幅に対して全長が短めなため、確かに前後方向の動きに強いと感じます。
カラーとコーティングはマットブラックとグロスホワイトの2パターンから自分の手に合うものを選べます。
カラー | マットブラック / グロスホワイト |
接続 | 有線 |
シェイプ | エルゴ |
センサー | PixArt PMW 3389 |
DPI | 16,000 |
寸法 | 117.43 x 59 x 43 mm |
重さ | 76g |
ボタン数 | 5 |
ライティング | なし |
ケーブル | 布巻き 2m |
オンボードメモリ | プロファイルx1 |
ソフトウェア | なし |
同梱物
VAXEEのマウスは毎回梱包が美しい。
同梱されているのはマウスのみ。他には紙物含めて一切何も付属しません。VAXEEのマウスシリーズは値段がそれなりに安く抑えられているので、付属品を追加して値段が上がるくらいならこのままをキープしてほしいですね。
デザインと性能
「VAXEE OUTSET AX」は左右非対称のエルゴノミクスマウス。同社から発売された「NP-01」は左右対称にとても近い絶妙なエルゴシェイプでしたが、本マウスはかなり傾斜のついた形となっており、右手専用です。
コーティングはマットタイプ。「NP-01」のような反射のあるタイプではなく、艶消しされた黒です。サラサラとしていますが、手汗をかくとかなりのグリップ力を発揮しました。
マットは手が湿っている人向けですので、手汗をかきにくいドライハンドの方はグロスコーティングである「OUTSET AX G」の方が手に馴染むかもしれません。
サイズは実測で 117.1(長さ)x 59(グリップ幅)x 43.1(高さ)mm でした。グリップ幅と高さがあるためフィーリングは中型サイズです。
重量は実測で 78.2g でした。公称値よりも2gほど重いです。軽いとは言えませんが重すぎるということもありません。
各サイドからの見た目です。正面や背面から見るとマウスの右側がかなり傾斜していることが分かります。左サイドはくぼんでいますが、右サイドは外側へ隆起しており、右手を乗せた時に自然で気持ち良いフィット感が得られます。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティはそれなりに良いです。トップシェルはいくら強く押してもビクともしませんが、サイドは押し込むとボタンが反応します。とはいえかなり強く押さないと反応しないので、普通に使う分には問題ありません。マウスをゆすったり振ったりしても音は鳴らずに静かです。
センサー
センサーはほぼどセンターに位置しています。
高性能な「PixArt PMW 3389」センサーを搭載していて、最大DPIは16,000です。
センサーテスト
ポーリングレート1,000Hzで、それぞれDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
400DPI
800DPI
1600DPI
xCountsではややポイントが乱れる部分もありますが、xSumの波形は非常に良好なので全く問題ありません。
LOD
金属板を使ってLODを調べます。「Artisan ヒエン SOFT」の上で計測したところ、0.9mmでした。
ちなみに本マウスのLODはボタンの組み合わせで変更することができます。詳しくは「LODについて」をご覧ください。
マウスフィート
マウスフィートは100%PTFEで滑りはそれなりに良いです。エッジの丸め処理は丁寧。
前作の「NP-01G」までは標準マウスフィートが0.45mmとやや薄いのものでした。別売りされている0.6mmをデフォルトにしてほしいと思っていたのですが、今回から0.6mmが標準となりました。やはりこれくらいの厚みは欲しいですね。
マウスボタン
マットなトップシェルとは異なり、ボタンはややザラついた表面をしています。材質は「NP-01」と一緒で、セパレートタイプ。
HUANO 60gが採用されていて、クリック感はやや軽めでストロークは普通。「NP-01G」と同じように少しプリ・ポストトラベルがありますが、パキッとした感覚でとても押し心地は安定しています。
サイドボタンは外側にしっかり飛び出しているタイプ。押し心地硬めで、跳ね返り強めです。プリ・ポストトラベルは少なく、確かなフィードバックがあります。本体のシェルと同じ艶消しコーティング。
回転の1メモリ分が幅広いタイプのスクロールホイール。1メモリ分がしっかり分かる、タクタイル感強めの硬めな回し心地。音はガリガリとうるさめ。VAXEEシリーズでは音のうるささ的に NP-01 = OUTSET AX > NP-01G って感じです。
ホイール自体がマウスに深く沈み込んでいるため、回す時に手前側に指が当たってしまって単純に回しにくい。クリックは非常に浅めで、カチッとした押し心地。
底面の設定ボタン
本マウスはソフトウェアのないドライバーレスタイプ。全ての設定はマウス本体で行います。
底面のセンサーすぐ下に3つのボタンが並んでおり、それぞれ左から「DPI」「ポーリングレート」「クリック応答速度」の設定となります。
DPIは「400/800/1,600/3,200」の4パターンから選ぶことができます。LEDのカラーによって見分けがつきます。
ポーリングレートは「125/500/1,000」の3パターンから。何もなければ標準の1,000Hzで良いでしょう。
クリック応答速度は「2/4/8」の3パターンから。個々人によって使いやすいと感じる速さは異なると思いますので、色々試してみると良いでしょう。
ちなみに2msにした場合、マウスを強めに地面に叩きつけるとクリックが誤爆します。マウスを激しく動かす方は4ms以上の方が安心かもしれません。
ケーブル
芯のある太めな布巻きケーブル。硬めで取り回しはあまり良くないです。「NP-01G」の時に少し細くなって改善されたかと思ったのですが、太い。マウスバンジーはあった方が良いでしょう。
ブッシュは若干上向きに作られているので、マウスパッドとの干渉を過度に心配する必要はありません。ただし前作シリーズと比べるとちょっとだけ長いですね。
LODについて
本マウスのLODは、いくつかのボタンを組み合わせて押すことで変更できます。初期状態では「低」に設定されていますが、より高くすることも可能です。
マウスフィート | 0.6mm |
---|---|
低 | 0.9mm |
中 | 1.5mm |
高 | 1.8mm |
それぞれのLODを測ったところ、結果はこのようになりました。低のままの0.9mmが短くて優秀です。
LODが長いと、マウスを浮かせてポジション移動しようとした時にカーソルが勝手に動いてしまう可能性が出てきます。所感としては1.0mm前後なら優秀で、2.0mm前後だと長いと感じます。
LODの変更には、USBケーブルを一度外してから、特定のマウスボタンを押したままケーブルを差しなおします。
- 低:ボタン1と4を押しながら差す
- 中:ボタン1と5を押しながら差す
- 高:ボタン1と2と4を押しながら差す
すると底面のポーリングレートのLEDインジケーターが点滅します。
- 低:左端のみ2回点滅
- 中:右端以外2回点滅
- 高:全部2回点滅
分かりやすい図解はVAXEEの公式サイトにも載っています。
持ち方と使用感
一般的な持ち方とされる「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つで持った使用感について見ていきます。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◎ | ◯ | △ |
チルトグリップ
それぞれの持ち方を見る前に「チルトグリップ」について説明します。本マウスはチルトグリップに適しているとされていますが、このチルトグリップとは要するに斜めにマウスを持つことをさします。
真っ直ぐ持つのがフラットグリップであれば、手を右に傾けてマウスを包むように持つのがチルトグリップです。写真だとチルトがややつかみ持ちっぽくなってしまっていますが、イメージ的にはこんな感じです。
真っ直ぐ持っているつもりでも角度をつけてマウスを握っている人は多いのではないかと思いますので、そんな小難しく考える必要はないです。
かぶせ持ち
右側が傾斜しているエルゴシェイプなので、手の力を抜いてマウスにのせた時に丁度良い角度になります。全長は短めですが高さとグリップ幅があるのでフィット感は素晴らしいです。
チルトグリップで握った時の収まりも抜群です。
つかみ持ち
高さはありますが、横のくぼみはそこまでカーブがきつくないので握りやすいですし、そこそこフィット感があります。ただし手のひらの位置は微調整しにくいです。
つまみ持ち
シェイプにあまり左右されないつまみ持ちですが、本マウスは高さもグリップもあるのでちょっと使いにくいかも。もっと小型で軽いマウスの方がおすすめです。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- マットかグロスか選べるコーティング
- かぶせ持ちにフィットするエルゴ
- クリック感の良いマウスボタン
- PMW3389センサー搭載
- 完全ドライバーレス
- マウスフィートは0.6mmに
- 値段はリーズナブル
- イマイチなところ
-
- ホイールはうるさい
- ホイールが回しにくい
- ケーブルは硬い
- ソフトがないので微調整不可
「VAXEE OUTSET AX」のレビューでした。
左右対称感は全くなくて、しっかりエルゴシェイプです。全長は短めだけど、高さやグリップ幅があるため小さいとは感じません。かぶせ持ちのフィット感は抜群です。個人的にはめちゃくちゃ握りやすい。
VAXEEマウスはクリックがかなり使いやすくて押し心地も良い印象で、本マウスも御多分に洩れず良いです。
ホイールの音やケーブルの硬さなど気になる点もあります。ですが、マウスフィートの厚みが0.6mmになるなど好ましい改善もちゃんとあるのは評価できる部分。
値段は十分リーズナブルですので、ライティングとかよりもパフォーマンス特化で持ちやすいマウスを探しているならおすすめです。