VAXEE ZYGEN NP-01 レビュー。様々な持ち方が考慮された独特なシェイプ
数ある名マウスを作り上げてきたZOWIEの創設メンバーが立ち上げた新ブランド「VAXEE」。そして、カウンターストライクのレジェンドであるnoppo氏が代表を務める「ZYGEN」と共同開発したのが「NP-01」というゲーミングマウス。
待望の新ブランドから発売されたマウスは一体どれほどのものなのか?その外観と性能について見ていきます。
概要とスペック
「NP-01」は左右非対称の右手用マウス。エルゴとも言い切れない不思議なシェイプをしています。
ZOWIEシリーズと同じようにライティングは省かれたシンプル設計で、持ちやすさとパフォーマンスに重点を置いています。
購入はVAXEEの公式サイトから。
カラー | 黒 |
接続 | 有線 |
シェイプ | 左右非対称 |
スイッチ | HUANO 60g |
センサー | PixArt PMW 3389 |
寸法 | 120 x 59 x 39 mm |
重さ | 75g |
ボタン数 | 5 |
ケーブル長 | 2m |
LEDカラー | なし |
ソフトウェア | なし |
同梱物
真っ白でやや大きめな外箱。
マウスはこのようにスポンジで美しく丁寧に梱包されています。同梱物は他には何もなく、マウスのみです。
ちなみに別売りのマウスフィートを買ってみました。0.45mmと0.6mmの2パターンあります。
初期は0.45mmがはられているようですが、かなり薄い印象を受けたので、0.6mmも買っておくと良いかも。
デザインと性能
「ZYGEN NP-01」は一見左右対称に見えますが、実は非対称です。エルゴノミクスに基づいたとも言い切れない独特なシェイプをしていますが、これは様々な持ち方に対応するよう研究した結果のようです。
サイズは実測で 120(長さ)x 58(グリップ幅)x 38.8(高さ)mmです。SとMの中間ぐらいな印象ですが、分類的にはSサイズマウスとします。
後方のロゴには「ZYGEN」の文字。このマウス、写真撮ろうとすると光の反射でなかなか難しいんですよね。UVコーティングです。
2021年5月ごろのロットからコーティングが変更され、よりグリップ力のあるタイプに変更されました。Outset AXとかNP-01Sと同じタイプですね。
重量はケーブル込みの実測で 約79g でした。「Logicool G Pro Wireless」と同じくらい。ZOWIEシリーズはどれも重めだったので、それらと比べるとやや軽量化されていると言えます。
各サイドからの見た目はこのようになっています。
よくあるエルゴシェイプのように右マウスボタン側は下がっておらず、フロントから見るともはや左右対称。トップ部分は低めで平たい設計になっています。
「ZOWIE S2」との比較画像です。正面、左サイドなどシェイプは似ていますが、底を見た時のシェイプが異なりますね。
右側の後部がふくらんでいるのがよく分かります。底面はごちゃごちゃしてはおらず、必要なもののみ配置されています。
ビルドクオリティ
基本的にビルドクオリティは良いです。が、巷で話題にもなりましたが、サイドボタンのすぐ下がやや柔らかい。強く押すとボタンがカチッと押されてしまいます。
とはいえ、それなりに力を込めなければいけないので、普通に使う分には問題ないと言って良いでしょう。
センサー
センサーの位置はやや前より。最先端のPMW3389が搭載されています。
センサーテスト
ポーリングレート1,000Hzで、それぞれDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
400DPI
800DPI
1600DPI
xCounts、xSum両方ともに波形は良好です。
LOD
本マウスではLODを低/中/高の3パターンで変更できます。初期状態では低に設定されていますが、場合によってはより高く変更することもできます。
マウスフィート | 0.45mm | 0.6mm |
---|---|---|
低 | 1.2mm | 1.0mm |
中 | 1.7mm | 1.6mm |
高 | 2.0mm | 1.9mm |
このような結果になりました。デフォルトのままの低がおすすめです。
LODの変更方法はちょっと特殊。USBケーブルを一度外してから、特定のマウスボタンを押したままケーブルを差しなおします。
- 低:ボタン1と4を押しながら差す
- 中:ボタン1と5を押しながら差す
- 高:ボタン1と2と4を押しながら差す
するとポーリングレートのLEDインジケーターが点滅します。
- 低:左端のみ2回点滅
- 中:右端以外2回点滅
- 高:全部2回点滅
分かりやすい図解はVAXEEの公式サイトにも載っています。
ボトムスイッチ
3つのボタンと各設定のLEDインジケーター。ドライバーレスなので、PCに繋げば全機能をマウス単体で設定できます。
DPIボタンを押すとLEDの色がサイクルします。本マウスでは 400/800/1600/3200 の4種類が選択可能ですが、これらの数値は変更することができません。
クリックの応答速度の変更も可能。2ms/4ms/8ms から選択可能で、ZOWIEシリーズは8ms、G Pro ワイヤレスなんかは4msみたいですね。2msにすると激しくマウスを振って地面に当たったときに誤クリックが発生します。4msと8msではなさそうでした。
8msと2msの違いは私でも分かるレベル。8msだと押しきってから判定される感じですが、2msだと押している途中でレジスターされている感じ・・感覚的にはですけど。どちらがいいかは好みやプレイスタイルによるでしょう。
マウスフィート
大きいマウスフィートが前後に1枚ずつ。
サイズは良いのですが、0.45mmとかなり薄いのでハードタイプのマウスパッドを使っていたらすぐに替えが必要になりそう。
2021年5月のロットより0.6mmへと標準が変更されるそうです。
マウスボタン
メインマウスボタンはセパレートタイプ。スイッチはHUANO 60gが採用されていて、そこそこカチッとした、高すぎない音で鳴ります。
フラットなデザインで、トップシェルのコーティングとは異なるザラついた感触です。クリック感は硬めな印象で、跳ね返りはそれなり。プリトラベルはややありますが、ポストトラベルはかなり少ないです。
わりと小型なサイドボタンは低めのポジション。クリックはこちらもカチッとクリスピー。
いわゆるZOWIEホイールですが、改善点は見られます。それほどスクロールのスピードが遅くなくて、通常のブラウザ使用でもストレスないです。
ただタクタイル感が強すぎるのと、とにかくうるさい。ガチガチと音が鳴るので、個人的にはここが最もイマイチだなと思いました。もうちょい静かだったら・・。
ケーブル
ケーブルの太めで芯の残る感じです。本物のパラコードに比べたらだいぶ硬いですが、こう、なんていうか品のあるケーブルです。
ケーブルブッシュはかなり上向きになっていて、マウスパッドとの干渉を極力抑えてくれます。この設計は最高。マウスバンジービルドイン的な。パラコード化するときはいかにこのブッシュを流用するかがポイントになりそう。
底面にシリアルナンバーが貼られていないため、コネクタの近くにステッカーが巻かれています。ステッカーは小さいのでまぁ良しとします。
マウスの持ち方と使用感
Mよりの小型サイズ。トップ部分は低めの設計。フォルム的に右側後方がややふくらんでいる左右非対称型ですが、よくあるエルゴシェイプのように右に向けて斜めになっているわけでもありません。
左右対称のホールド感を持ったまま、薬指と小指の位置を微調整された感じです。手首とマウスがやや直線的になるので、精密さが上がった印象がありますね。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◯ | ◎ | ◯ |
かぶせ持ち
右側のふくらみがあるおかげで、左右対称型よりもかぶせ持ちのホールド感は良いです。
つかみ持ち
つかみ持ちはしっくりくると思います。そんなに全体の背丈は高くないので、かぶせとのハイブリッドっぽいスタイルが1番良いかも。
つまみ持ち
つまみ持ちは問題ないフィット感で、手が大きい人向け。ただし、もうちょっと小さくて軽いマウスでもいいかなと思います。
分解してみた
分解すると保証が受けられなくなりますので自己責任でやりましょう
後方のマウスフィートをはがすと三角の特殊ネジが2つ。これは普通にプラスにしてほしいところですね・・。
最近はコーティングがマットタイプに変更されているのですが、ネジ穴も星形になってるっぽい?ので注意してください。
三角ドライバーのサイズは1.4でした。分解しようと思ってる方はそのサイズが入っているドライバーセットを買えば良さそうかな。私が買ったのはおもちゃ用のやつ。
マウススイッチがトップシェルに取り付けられているため、ベース側の基盤とリボンケーブルでつながっています。まずはこれをゆっくり丁寧に引き抜きます。
これで外れました。不思議な作り。
スクロールホイールのスイッチ。特に名称は載っていませんでした。
マウススイッチはHUANO 60g、スイッチの色は紫でした。
サイドスイッチも見ようかと思ったのですが、これ以上の分解方法がいまいちわからなくて壊してしまいそうだったのでやめました。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- シンプルでパフォーマンスに特化したマウス
- 左右対称と非対称が合体したような特殊シェイプ
- プリ・ポストトラベルの少ないマウスボタン
- 完全ドライバーレス
- クリックの応答速度が変更可能
- 上向きで干渉しないケーブルブッシュ
- イマイチなところ
-
- デフォルトのマウスフィートが薄い
- 2msだとクリック誤爆が稀にある
- スクロールホイールがうるさい
「VAXEE ZYGEN NP-01」のレビューでした。
左右対称なのか非対称なのか絶妙なところを突いてくるユニークなシェイプをしたマウスで、この形を気に入る人は結構いるんじゃないかなと思います。ZOWIEシリーズが好きな人は絶対一度手にとってみた方が良いです。