VAXEE PB Mousepad 2023 レビュー。遂に実現したフルフラットパッド
VAXEE PB Mousepadの初出は2022年ですが、販売後に発覚した端から巻き上がってしまう問題によって生産が長らくストップしていました。
それがついに巻き上がり問題を克服、厳しい品質基準をクリアしたので再発売が決定。
私は初代2022年モデルをレビューしていますが、確かに端は浮き上がっていたもののそこまで問題視してませんでした。多少気になるものの、まぁ端だし別にいいかって。
…と思ってたんですけど、久しぶりに引っ張り出してみたら左側と手前側ががっつりめくれててこれはちょっとなと思いました。
それが改善されているということで、今回はVAXEEから発売されているPB Mousepadの2023年モデルをレビューしていきます。
VAXEE様よりご提供いただきました
概要
VAXEE PB Mousepadはコントロールバランスからコントロール寄りに分類される布タイプのマウスパッドです。
VAXEEは様々なイラストが描かれるPA Mousepadが有名ですが、PBは表面にプリントのないインクフリータイプ。フルフラットを目指すためぶ厚いシリコンベースで中間層を挟み込んでいます。
滑走速度の位置付けではPAとPA Blackの中間になるとされていますが、PB2022はPA Blackにぶ厚いベース足したって感じでしたが、PB2023では中間層の素材も異なるので別物マウスパッドと考えて良さそうです。
パッケージ
ぶ厚いマウスパッドなので巻くとロゴにシワが残ったり巻きぐせがついてしまったりする可能性があり、フラットパッケージで送られてきます。
黒い防塵袋に保護されてくるので埃などの対策もバッチリ。持ち歩く場合はこの袋に入れてU字に折り曲げて運ぶことが推奨されています。
購入先
VAXEE公式サイトで購入可能です。
デザイン
VAXEE PB Mousepadは黒色のみ。
PA Blackでは銀色ロゴが右上にありますが、PBでは金色ロゴが左下に配置されています。
このロゴはマウスパッド表面と素材が異なるため、マウスが上を通過すると凸凹します。個人的にはもうちょっとサイズが小さくても良いかなと思いました。毎回これ言ってる気がするけど。
実は2022バージョンとはロゴの位置が違っています。左が2022ですが、端から離れて中央の方に寄っていることが分かります。2023の方が圧倒的に邪魔にならない位置。
サイズ
サイズは1つのみで470 x 390 x 4.8 mmです。大きめサイズなのでFPSでも使いやすいでしょう。ただし490×420がよくある寸法なのでそれよりもちょっと小さくなっています。
縦横の寸法はPAと一緒ですが、厚みが異なっています。2022年モデルのPBは4.5mmだったので、2023年モデルでは0.3mmほど厚くなったことになります。
実際に測ってみたところ、4.79mmだったので公称値と同じでした。
エッジ処理
エッジは切りっぱなしタイプでステッチによる縫合処理はされていません。マウスパッド表面と全く同じ高さになるためフラットで、凸凹した感覚がありません。
その代わり耐久性に欠ける部分があり、経年でほつれたりホコリが付着したりする可能性があります。
中間層
中間には高密度ミッドソールが採用されていて、ちょっと硬めな沈み込み。PAよりもトータルの厚みがあるので押すと沈み込む感じはあります。
デュロメーターで硬度を測ったところ52でした。Artisanで例えるとXSOFT:12/SOFT:28/MID:56(雷電/零で計測)となりますので、MIDよりもやや柔らかいです。
ちなみに他のVAXEE系列のマウスパッドも硬度を測ってみたので簡単にまとめます。
マウスパッド | 硬度 |
---|---|
PB 2023 | 52 |
PB 2022 | 52 |
PA Winter | 47.5 |
PB2022と2023の硬さは変わりませんでした。PAよりも少し硬いくらい。
厚みはありますが硬めな中間層の影響でクッション性に長けるというわけでもなく、机との高低差ができるためマウスパッドの置き方によっては段差が気になるかもしれません。
底面素材
2022モデルでは白っぽいグレーのシリコンベースが印象的でしたが、2023モデルではブラックになりました。
相変わらずどっしりとしていて重みがあります。
2022モデルでは等間隔に小さな穴が空いていましたが、不良品率が高くなることと、それがなくても防滑性は高いまま維持できたことから廃止されました。
木の机に載せた状態で強くゆすっても微動だにしません。ゲームをプレイしても動いたり気になったりすることはありませんでした。
表面素材
きめ細かい布の抵抗を感じるクロスファイバー素材です。
マクロレンズでクローズアップしてみると横方向に織られたよくある布タイプの質感です。
PAとの違いはプリントするための昇華熱方式を採用していないことで、これにより滑走感に違いが出ています。
使用感
スピードのジャンルとしてはコントロールバランスタイプに属します。同じくコントロールバランスタイプと言えるPA Mousepadとは異なり、インクフリーのため滑走速度は少し遅くなっています。滑りを比べてみると違うことが分かります。
ひきずるような摩擦感はなくスムーズに滑って絶妙なコントロール感があります。初動はやや軽め。初動が重いと細かいエイムの微調整がしにくかったり、動き出しで引っかかったりしますが、PBではそのような印象を受けません。
程よい硬さの中間層なので過度な沈み込みはなく、少し力をかけても安定した速度を保ちます。加えて止め性能も高いので素早くマウスを動かすフリック動作などでも正確な操作をしやすいです。
どちらかと言うと瞬発的に狙った位置にエイムを合わせることが重視されるVALORANTやCS2などに向いていると思われますが、まぁマウスパッドですから!コントロールバランスが好きなら何にでも使ってみるのが良いと思います。
特に最近ではFinalmouse ULXを始め50gや40gを切るようなマウスが出てきているため、あまりに軽すぎるマウスは逆にマウスパッドに摩擦感があった方が使いやすいんじゃないかとまで思いますし。
また、汚れてきてもアルコールを使った洗浄や洗濯機などは使わないようにとなっており、水拭きでの掃除が推奨されています。
静摩擦と動摩擦
静摩擦係数と動摩擦係数を計測し、4つのマウスパッドで比較してみましたのでテーブルに表します。
マウスパッド | 動摩擦(s) | 静摩擦(gf) |
---|---|---|
PB 2023 | 1.31 | 43.6 |
VAXEE PA | 0.86 | 38.1 |
Artisan ZERO SOFT | 1.07 | 39.0 |
ZOWIE G-SR II | 1.90 | 52.7 |
いずれも同条件の湿度・温度下で立て続けに計測しました。なのでレビュー記事によっては細かな数値が異なります。また、マウスパッドによっては劣化しているものもあるためその旨ご承知おき下さい。詳しい計測方法などについては以下の記事にて。
VAXEE PB Mousepad 2023はArtisan ZEROとZOWIE G-SR IIの中間辺りに位置するため、コントロールタイプと言えます。引きずるほどの強い摩擦感はなく、適度な滑りと止め性能を持っています。
初動はそれなりに軽い方なので細かい微調整も問題なくできます。
耐水性と湿気の影響
マウスパッドに水を垂らして浸透するまでにどれくらいかかったかチェックします。
水を垂らした瞬間から浸透していき、すぐに広がっていきました。耐水性はありませんが、濡れた部分をなぞってみるとしっとりとはしていなくてサラサラなままをキープします。なので耐湿性はありそうです。
アームカバー
CW-Xを持っているので着用してなにか影響があるか確かめました。
引っかかるような感覚はなく、問題なく使えます。
価格について
以前2022のPB Mousepadのレビューをした時は、税込価格6,690円は高いなと書いたのですが、価格インフレが起こった今考えるとそこまででも…と思い直しました。
最近だと7,000円とかするマウスパッド結構出てきてるんで…。2022の時から販売価格変わっていないってのもあります。
ただPA Blackとかは3,820円で買えますから、PA系を使っていて満足している人はわざわざ乗り換えるようなこともないのかなと思います。薄型の方がコスパは当然良いので。
レビューまとめ
- コントロールバランスな滑り
- 硬さのあるぶ厚い中間層
- 防滑性の高いシリコンベース
- 2022から改善しフルフラットに
- PAと比べて止め性能がある
- エッジは切りっぱなし
- 撥水性はない
- 値段は安くはない
以上VAXEE PB Mousepad 2023のレビューでした。
高密度ミッドソールとシリコンベースで重厚感のあるマウスパッドに仕上がっています。2022モデルの端っこ巻き上がりは改善され、2023はちゃんとフルフラットになりました。しばらく使っていますがもうね、フルフラットです。マウスでどこをスワイプしても平行。
表面はPA Blackのようにプリントがないためコントロールバランスタイプ、ぶ厚くてやや硬めな中間層のため滑走感が一定な印象です。摩擦感はきつくないためスムーズなマウス捌きができ、止めやすさもあってオールラウンドに使える印象。
どれだけ激しい使い方をしても微動だにしない防滑性もあって、安定感のあるマウスパッドです。