UPDFはPDF編集ソフトの決定版である
PDF編集したいなぁと思ってAdobe Acrobatのページを開いたらその値段に驚愕してそっ閉じしたのは私だけではないはず。
仕事柄あまりPDFを編集する機会がないのですが、たまに文字を編集したい、見やすくハイライトして保存しておきたい…メモをつけておきたい、ということはあるんですよね。
それにはAdobe Acrobatを使うのが正攻法なのですが、サブスク限定かつ値段が高いという大きな壁が。
Adobeのコンプリートプランに入っていれば同梱されますが、月額1,100円弱のフォトプランでひっそりと生きている人間からするとAcrobatのために高い値段を本当に払うか?と手が震えます。
そこで今回はPDF編集用に開発されたエディターUPDFを紹介していきます。値段はAcrobatよりもかなり安く入手できますが、何ができるのか見ていきましょう。
UPDFとは
UPDFは価格をぐっと抑えたオールインワンのPDFエディター。高額サブスクリプションに対するアンサーの1つとして、Adobe Acrobatに比べて破格といえる値段で相当の性能を持っています。
- PDFテキストの編集
- PDFの閲覧
- 多彩なツールで注釈追加
- 形式変換
- ページ整理
- OCR(光学文字認識)処理
- 圧縮
- バッチ処理
- 署名
- AIによる要約
- クラウドストレージあり
これらの機能を備えたPDFソリューションであり、かゆいところに手が届く優れたデザインのソフトウェアです。
UPDFの強みとは
直感的な操作性
少し使っただけでもすぐ分かるその優れた直感的な操作性。注釈追加やハイライト、矢印やスタンプの追加がサクサクと行なえます。WORDとかでちまちま矢印作るくらいならPDFにしてからUPDFでエディットした方が速そうってくらい。
例えばハイライトするにも文字をドラッグすれば良いですし、その後に色を変えたければプロパティからすぐに別の色に変更できます。
シェイプの矢印を作ったあと、線の太さを変えると自動的に先端の尖っている部分も線の太さに応じて変化していくのもすごい。Photoshopだったら全部生成する時に指定しなきゃいけないので、後から簡単に変更できるのは心強いです。
使い始めて数十分もしないうちにほとんどの機能は把握していけますし、シンプルなのですぐにその性能を引き出せるはずです。
デスクトップのみならずモバイルアプリも突き詰められており、全体を通した完成度はかなり高いです。
複数デバイスで使用可能
複数のデバイスで利用するのにワンライセンスで良いところもメリット。Windows、Mac、iOS、Androidのどれでも使うことができます。
2台のデスクトップと2台のモバイルの計4台を登録でき、例えばMac・Windows・iPhone2台といった使い方や、Windows2台・Android2台といった使い方が可能。
デバイス数が上限に達していたとしても、古いデバイスを承認解除すれば入れ替えられます。
価格が安い
Acrobatシリーズと値段を比べてみました。
価格 | Acrobat Pro | Acrobat Standard | UPDF |
---|---|---|---|
月額 | 3,380円 | 2,728円 | |
年間 | 23,760円 | 18,216円 | 4,400円 |
永久 | 7,400円 |
UPDFはその時々によって細かい値段が変動するようなので前後はあるかと思いますが、Acrobat Standard1年間分と比較するとなんと4倍です、4倍。
永久ライセンスタイプもあり、それもAcrobatと比べるとはるかに安く購入できます。Acrobatにも永久ライセンスはかつてありましたが、現在では廃止されていますし、べらぼうに高かったようです。
UPDFの永久ライセンスは大規模アップデートの際に追加料金を払わなきゃいけない可能性があるため、一概に年間契約よりもお得とは言えません。もし現状ある機能で十分なら永久で良いですし、PDF編集する機会が多い人ほど年間契約でアップデートの恩恵を享受していった方が良いと思います。
結局サブスク?と思ったかもしれませんが、Adobe Acrobatの1/4の値段だと考えるとめちゃくちゃリーズナブルです。
当サイトのリンクから飛んで価格セクションを確認すると、通常よりも少し安い値段までディスカウントされます。
無料トライアルはどうなの?
UPDFには無料トライアルが配布されていますが、透かしが必ず入るため公式文書などでは使えないでしょう。
- OCRの保存やコピーができない
- ファイル保存で透かしが自動的に追加される
- 変換は1日2回まで
- バッチ処理は2ファイルまで
- 透かしやヘッダー・フッターは1つまで
- クラウドストレージは1GBまで
- クラウドで保存できる1つのファイルの容量は10MB
上記のような制限はありますが、透かしは左上にロゴが入るくらいで文書の視認性は悪くないため、身内だけでPDFをやりとりする場合は無料版でも十分かもしれません。
ハイライトやメモなどは自由に追加できますし回数制限などありませんので。
透かしは上記のような見た目。左上の文字が欠ける可能性は高いです。
実際にUPDFを使ってみる
ここからは実際にUPDFを使ってできる要素について紹介していきます。
PDFテキスト・画像の編集
左のバーで編集モードをクリックすることによりテキストや画像の編集ができるようになります。
テキスト編集
段落ごとにテキストが分かれており、任意の場所をクリックすることによってテキストを挿入したり、すでに書かれているものを改変・削除などができます。
テキストブロック自体を移動することも可能です。
さらには色・サイズ・フォントも変えられ、太字・イタリックといった幅広い選択肢が用意されています。
画像の編集
画像はクリックすると拡大縮小できる他、回転・ファイルに保存・トリミング・置き換え・個別保存などができます。
リンクボタン
クリックするとリンク先や別ページに飛べるようになるリンクボタンを設置できます。これらのボックスは実際のPDF上では見えません。つまり他の文字に重ねてリンク機能を持たせます。
多彩なツールで注釈追加
左のメニューにある注釈ボタンを選択することで様々な注釈機能を利用可能。
ハイライトやアンダーライン
ハイライトを選択して文字部分をドラッグすることにより、背景に色をつけて文字を目立たせることができます。色は後からでも自由に変更でき、かつ重ね塗りもできます。
打ち消し線や下線、さらには波線も用意されているので文字の装飾ツールは豊富です。全て色変更可能です。
鉛筆ツール
鉛筆ツールによる自由入力に対応。後からカラーや不透明度、太さを変更可能です。書くのをやめて2秒ほどたつとそれまでに書いたものをブロックとして認識します。ブロックである紫の点線はドラッグして自由移動可能です。
消しゴムがあり、少しずつ線を消して修正できます。
注釈メモ
注釈メモをテキストごとに追加することができます。ハイライトの機能の1つです。
これがとても便利で、マウスをホバーさせるとメモが表示されるようになるためかなり活用できると思います。こういう機能がブログにも欲しい。
テキストボックス
背景色のあるテキストボックスを追加できます。
画像の上などに配置しても視認性が高いのが強み。
さらに矢印つきのボックスもあります。矢印やボックスの位置をドラッグで調整できるので使いやすいし、枠線・ボックス背景・フォントカラーと3色指定可能。
最小サイズが決まっているので多少の余白が出てきます。
ステッカー
ステッカーは画像のような扱いで拡大縮小できますが、個人的にはそんなにピンと来ないので使ってません。
ステッカーは拡大しても画質劣化しないのが強みと言えるでしょう。
スタンプも同じくですが、これはテンプレートを使った文字などのカスタマイズができるので場合によっては使えそうです。
形式変換
PDFだけではなく複数の形式に変換して書き出すことができます。
- Word
- PowerPoint
- Excel
- CSV
- リッチテキスト
- テキスト
- 画像(BMP/JPG/PNG/TIFF/GIF)
- XML
- HTML
TEXTファイルで書き出すと当然写真やハイライトなどは一切ない文字のみの情報になります。
さらにバッチ処理が可能になっており、複数のPDFファイルを一括で変換できるのですが、普段PDFをそこまで使わない私としてはどういったタイミングで使うのか不明。役に立つ人には立つ…気がする。
ページ整理
ページの順番を簡単に入れかえることができます。
クリック&ドラッグしながら入れ替えられるので分かりやすいです。
さらに白紙ページの挿入や不要なページの削除もワンボタン。他にもページを置換する、1枚だけ別ファイルとして保存する、分割して保存することが可能です。
OCR(光学文字認識)処理
OCRとはOptical Character Recognitionの略で、日本語だと光学文字認識です。これはスキャンした書類や写真などから文字を認識し、編集可能なテキストデータとして置き換える機能のことです。
38を超える言語に対応しており、もちろん日本語もその中の1つです。
レイアウト出力は3パターンあります。
テキストと画像のみ、ページ画像上のテキスト、ページ画像下のテキスト。
まずこのスキャンした契約書を例に見ていきます。スキャンすると当然文字データではなく画像データになるため、文字の編集や入力などはできません。
テキストと画像のみでOCR処理を行うと、色データやボタンなどが一切認識されなくなるためレイアウトが少し変わります。本当に文字データだけ抜粋したい時に使うと良いです。
残りの2つのパターンはテキストを元ファイルの上に載せるか下に載せるかの違いです。
上に載せるとテキストの編集が可能ですが、チェックボックスといった文字としては認識できないものは文字化けのようになってしまいます。また、小さく潰れて読みにくい文字も誤認識することがあります。
下のレイヤーに載せるとまさにオリジナルのPDFと同一のものになり、テキストの編集はできませんがハイライトといった注釈は可能。見た目はオリジナルなのに文字検索ができるようになるため、そういった検索目的のみといった場合に便利なパターンです。
スキャンファイルって文字編集がそのままだとどうにもできないのでかなり便利な機能で、文字が潰れていなければ精度も結構良いです。ただ、フォントがちょっと中国語っぽいのだけどうにかしてほしい。
より詳しいOCRの情報は公式サイトを見てください。
圧縮
PDFのファイルサイズを圧縮することができます。
クオリティを4段階で調整可能で、それぞれ最高・高・中・低となります。最高と高は大体同じファイルサイズになることが多かったです。
実際に25.04MBあるファイルを圧縮してみましたが、低に圧縮したときには11.36MBとなり、元ファイルから45%近く容量が削減されました。
内容的にはほとんど変化が分かりませんが、写真の解像度が落とされていることは確認しました。文字やUPDFの機能によって追加したステッカー、テキストボックスなどには劣化が見られませんでした。手軽にファイルサイズを小さくできるのは便利です。
署名
署名は自筆でサインしたものを最大4つまで保存しておけるため、例えば楷書体で書いたもの、英字で筆記体で書いたもの、イニシャルのみなど複数あらかじめ作成しておくことで、必要なときに呼び出してスタンプのように押すことができます。
わざわざ毎回書く必要がないのがメリット。
これ自体はさすがにAcrobat Readerでも出来た気がするけど、なんやかんやで結構使う機能かと。
パスワード保護ができる
ツールバーにあるパスワードを使用して保護をクリックすると選択肢が出現します。
文書を開くオプションでパスワードを登録すると、該当PDFファイルを開く時にパスワードが要求されるようになります。編集はさせないというパスワードもあります。
とても簡単にパスワード追加ができます。
AIによる機能
UPDFにはAIアシスタントが存在し、PDF全体の要約、翻訳、単語の説明などがソフト内で可能となっています。
いずれも外部サイトを使えばできるような内容ではありますが、ソフトウェアに統合されているので画面遷移せずに素早く行動できるのが良い点。チャット形式なので分かりやすいのも魅力。
Natureかどこかの小難しい英語の記事を1つ翻訳要約してもらいました。
ちなみに12ページほどの記事を要約しましたがかなり短くなっています。ページごとの要約にも対応しています。
チャット形式での英語→日本語の全翻訳はChatGPTベースなのでそれなりにクオリティは高いです。
AI利用は無料部分がありますが、利用できる回数に制限があり、それを超過した上で使うには別途月額料金がかかります。記事執筆時点では月額1,300円。
それでも使用回数に制限があるなど、正直なところちょっと高いなと思うので、ものすごい便利だと感じなければ無料版のままで済ませて良いと思います。
クラウドストレージあり
UPDFユーザーにはクラウドストレージが用意されています。
無料メンバーでも1GBの無料ストレージが提供され、月額を払っているUPDF Proの会員だと10GBのストレージが用意されます。永久ライセンスでは初年度10GB、それ以降は明記されていませんがおそらく無料メンバーと同じ1GBに引き下げられるはずです。
正直PDFの保存なら、定期的に整理さえ行えば1GBで十分な気はしています。
クラウドストレージにPDFを保存することで、異なるデバイス間でシームレスにファイル共有できるのが強みです。ワンライセンスで複数デバイスを使えるというUPDFの特徴とのシナジー効果も強く、どの端末で作業しても他のデバイスでパッと開ける利便性は今っぽくて良いです。
最後にAdobe Acrobatと比較
Adobe Acrobatとの性能比較表です。標準というのはStandardのことです。
レビューまとめ
UPDFの機能紹介をしてきましたが、多彩なのに使いやすいというのが大きなメリット。PDFに特化しているということもありますが、少し触っただけでほとんどの機能について理解できるはずです。
とにかく直感的な操作感でサクサク編集できますし、細かいデザインも優秀なため、本ソフトウェアは相当ガチで作られていることが分かります。価格も安いため極めてコスパの高いPDFエディターです。
普段からPDFを触ることが多い人にはより安い選択肢としてAcrobatの良いライバルとなりますし、ごくたまにしか編集しない人でも永久ライセンスを買っていつでも触れるようにしておくと後々助かるでしょう。もちろん必要になった時にまた買うか悩むのでも良いです。
一度ダウンロードして触ってみれば使いやすいと度々言っていることが体感できると思います。まずは無料トライアルからどうぞ。