SteelSeries Prime Mini Wireless レビュー。「ミニ」になったエルゴワイヤレス
SteelSeriesから発売されているワイヤレスゲーミングマウス「Prime Mini Wireless」をレビューしていきます。
概要とスペック
以前発売された「SteelSeries Prime Wireless」のミニバージョンである本マウス。
シェイプに大きな変更点はなく、割とそのまま一回り小さくなったって感じです。
さらにマウスボタンのクリック感にいくらか微調整が加えられているようです。個体差じゃなければ。
そのあたりの良し悪しも含めてチェックしていきます。
カラー | 黒 |
接続 | 2.4GHz 無線 |
シェイプ | エルゴ |
センサー | TrueMove Air |
DPI | 18,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 120.6 x 56.5 x 40.7 mm |
重さ | 75.7g |
ボタン数 | 5 |
メインスイッチ | Prestige OM(光磁気) |
バッテリー | 最大100時間 |
ライティング | ホイールのみ |
ケーブル | 布巻き |
オンボードメモリ | プロファイル x 1 |
ソフトウェア | あり |
同梱物
外箱はこんな感じのハード系ボックス。
- マウス本体
- USBレシーバードングル
- USB延長アダプター
- USBケーブル
- クイックガイドなど
SteelSeriesのUSBレシーバーは大体USB-Cタイプです。
USB-Cって汎用性があるから好きなんですけど、レシーバーをCにされると逆にパソコンにさしにくい…。
付属のUSBケーブルとアダプターを使って接続するのが基本となります。
PrimeシリーズではQuantum 2.0 Wireless技術という超安定した接続を確立する無線通信が採用されていて、正直机の上にドングル出さないでもセンサーエラーなど起きません。
なので無理に机の上に出さないでも、パソコンあたりにぶら下げとけば大丈夫なはずです。
外観と性能
「SteelSeries Prime Mini Wireless」はその名の通りワイヤレス接続のゲーミングマウス。2.4GHzの低遅延モードのみで、Bluetoothには対応していません。
右手用のエルゴシェイプをしています。
形状はMiniではない「Prime Wireless(以降無印)」と基本同じで、そのまま一回り、長さ・グリップ幅・高さが小さくなっています。
シェルはポリカーボネートABS素材のマット仕上げ。
VDI30タクタイルマイクロテクスチャボディっていうのはたぶん表面の細かい凹凸のことだと思います。グリップ力はほどほど。
穴抜き一切なしなのでどこを持ってもOK。
このマウスの注意点として、冗談抜きにめちゃくちゃ傷つきます。
これは無印のPrime Wirelessですが、何かにぶつかると塗装がはげるのかよく分かりませんが傷ついてしまいます。
保管状態があんまり良くなかったのはそうなのですが、こんなに傷ついたのはこのマウスくらい。正直これが一番イヤなところかな…。
サイズと重さ
サイズは実測で 120.6(長さ)x 56.5(グリップ幅)x 40.7(高さ)mm です。
小さめなMサイズって感じがします。
重さは実測で 75.7g で、公称値よりも少し重い。個人的には軽すぎもせず重くもなく丁度よいくらいに感じます。
無印は実測で81.4gだったため、5.7gほどの軽量化。
重量比を計算すると、1.11:1で、このサイズにしては少し重いという評価。
各サイドからのシェイプ
各サイドからの見た目。右に傾斜するエルゴノミクスシェイプで、右手用です。
グリップ幅が比較的細身に作られており、後方のお尻はやや角張ったエッジになっています。
持ち方と使用感
一般的な持ち方とされる「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つで持った使用感について見ていきます。
これらは個人的な感想で、持ち方や感じ方は人それぞれ違いますので参考程度にお願いします。
私の手のサイズは縦が18.5cm、横幅が10.5cmくらいです。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◯ | ◎ | ◯ |
かぶせ持ち
左側面のなだらかな窪みや、右側に傾斜してくトップシェルなど、エルゴシェイプだけあってかぶせ持ちはそれなりに相性が良いです。
良いのですが、グリップ幅や長さが無印よりも小型化している分、手の大きさによっては窮屈に感じるかもしれません。薬指や小指がマウスパッドに干渉しやすいかなと。
手が大きい人でかぶせるならMiniじゃなくて無印の方が良さそうですが、手が小さければフィット感は良いはず。
つかみ持ち
サイドの窪みを指でがっしりと掴んでも安定するスリムなグリップ幅で、つかみ持ちはフィット感があります。
シェル後方は中央に向けてすぼまっており、手の付け根あたりでしっかりと抑え込めます。
私の場合は無印よりもコンパクトに手におさまるため、コントロールしやすかったです。
つまみ持ち
つまみ持ちは悪くありません。
通常エルゴシェイプの場合、サイドのカーブをつまんで持つと力が奥に逃げていって持ちにくいです。
しかし、本マウスは長さが短くて、シェル後方がロープロファイル気味のため少し深めに持つことができます。
なのでつまみも割と安定して持てると思います。
シェイプというよりも、サイドボタンの位置が高くて小さいこと、メインボタンが硬いことから、他の持ち方に比べて扱いがやや難しい印象です。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティはとても良いです。どこを強く握っても軋み音は聞こえませんでした。
底を強く押すとサイドボタンが押されますが、そのような状況になることは基本ないので問題ありません。
振ってみると底のボタンが少しカタカタ鳴りましたが、通常のマウス操作でそれを感じることは一切ありません。
バッテリー
バッテリーは最大で100時間連続使用可能。これは無印と同じなので、搭載しているバッテリーは同じだと思います。
ライティングオフでの話かなと思うのですが、本マウスはスクロールホイールがちょっと光るだけなのであまり変わらないかも。
競合のワイヤレスはいずれもライトオフで70〜80時間くらいなので、バッテリー的にはアドバンテージとなっています。
センサー
PixArtと共同開発した「TrueMove Air」センサーを搭載。
最大DPIは18,000、最大トラッキング速度は400IPS、最大加速度は40(G)です。
センサー位置はほぼセンターですが、ほんの少し左サイドに寄ってる感じかな。
センサーテスト
ポーリングレート1,000HzでDPIが400、800、1,200の時のセンサーテストを行いました。
USBレシーバーはマウスから約40cm程度の位置にあります。
センサーテストに使用したマウスパッドは「ZOWIE G-SR」です。
400DPI
800DPI
1200DPI
いずれもxCounts、xSumの両方で綺麗な波を描いており、動作は良好です。
無線接続の強さ
これは800DPIでセンサーテストしたものですが、USBレシーバーをケーブルで延長し、マウスから1.5m離して隣の部屋の視認できないような場所に置きました。
Quantum 2.0 Wireless技術は非常に接続が強く、それだけの悪条件にしてもほぼセンサー的に問題は起きません。
これが他のブランドのマウスだとトラッキングが飛びまくります。
SteelSeriesワイヤレスマウスの強みですが、ごく稀に、コールドスリープからの起動時に信号をキャッチしにくい時があります。
LOD
LODは 1.2mm でした。短くて優秀です。
本マウスではソフトでLODの変更ができません。しかし、デフォルトのままで十分だと思います。
マウスフィート
マウスフィートは前方に2枚、センサー周りにO型が1枚、後方にブーメラン型のものが1枚。
いずれも100%PTFEで、半透明な見た目をしています。滑りは悪くありません。
エッジは角ばっているように見えますが、薄いため影響はありません。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
メインボタンにはPrestige OMスイッチを採用。高速反応する光磁気スイッチですが、クリップのようなバネを使って一定のクリック感と音を得られる仕組みとなっています。
クリックはかなり硬めな部類で、無印よりも硬く感じます。跳ね返りは軽めで、ストロークは普通くらい。歯切れは良くてかたつきなどはありません。
そして、音がうるさいです。カチッと悪くない音なのですが、クリックうるさいなと思うくらいにはうるさい。この辺りは無印の方がもっと静かで良かったです。
サイドボタン
サイドボタンは高めの位置にあり、サイズは小さめ。山折りしたように中央部分が高くなっています。
これは細くて押しにくさを感じますね。押したつもりが押せてなかったことが何回かありました。
ただし、無印よりもさらにフワッとした感じがなくなって、歯切れの良いクリック感になりました。そこは評価できる部分。
スクロールホイール
軽めな回し心地で、ノッチ感はやや軽めなホイール。無印よりも軽いです。
ホイールクリックの硬さは普通くらい。無印はかなり硬くて押しにくく、FPSとかだと半ば運用を諦めるレベルだったのですが、圧倒的に改善されています。
DPIボタン
DPIボタンは底面の電源スイッチすぐ上に位置している丸いボタンです。
若干押しにくいとは思いますが、そんなに頻繁に押すボタンでもないのでOKかなと。
DPIは「400 / 800 / 1,200 / 2,400 / 3,200」の5段階が設定されています。ソフトウェアを使えば100単位で変更可能。
左下は電源ボタン。上にスライドさせるとオフ、下にスライドさせるとオンです。
ケーブル
USB-C端子。ちょっと入り口が狭く、コネクタが大きいケーブルははまりません。なので、ケーブルを選ぶといえば選びます。
取り回しの良いマイクロファイバー製ケーブル。約2mと長めです。
コネクター部分は真っ直ぐになっていて、マウスパッドと特段強く干渉するような心配はありません。
ライティング
ホイールが光ります。センサーが反応している間は自動でライトがオフになります。
ソフトウェアを使えばブリージングやカラフルなウェーブへと変更可能。
オンボードメモリにはオンかオフかしか登録できず、エフェクトを利用したいならソフトウェアを常駐させる必要があるみたいです。
ソフトウェア
「SteelSeries GG」というソフトウェアを公式からインストールして使用します。
ボタン割当の変更、DPIステージの変更、スリープタイマーの設定、ポーリングレートの変更、ライティング設定などが可能です。
高エフィエシェンシーモードはポーリングレートが125Hzに固定されるのでゲームをするならなし。
アングルスナップもエイムの邪魔になるので使わないように。
他のマウスと比較
その他のマウスと簡単に写真で比較してみます。
Prime Wirelessと比較
画像はいずれも左側が「Prime Mini Wireless」で、右が「Prime Wireless」。クリックで拡大できます。
マウス | 長さ | グリップ幅 | 高さ |
---|---|---|---|
Prime Mini Wireless | 120.6 | 56.5 | 40.7 |
Prime Wireless | 125 | 59.2 | 42.2 |
このシェイプは無印と変わらず、そのまま一回り小型化されています。
なので無印が大きいと感じた人はこちらのMiniならフィットするかも。
ZOWIE EC3-Cと比較
マウス | 長さ | グリップ幅 | 高さ |
---|---|---|---|
Prime Mini Wireless | 120.6 | 56.5 | 40.7 |
EC3-C | 119 | 59.5 | 41.2 |
いずれも実測値。Primi Mini Wirelessの方がわずかに長さがあって、グリップ幅は細め。高さは少し低め。
底面から見ると最も分かりやすいです。グリップ幅だけでなく、フロント・リアも含めてEC3-Cの方が恰幅が良いです。
スリムなPrime Mini Wirelessの方がつかんだ時にコントロールしやすそう。
また、Miniはお尻が小さくなっているため、つまんだ時の干渉も比較すると少なめになります。
かぶせるならEC3-Cの方が手がリラックスするかも。
Prime Mini Wirelessの良さと注意点
- 良いところ
-
- 非常に安定した無線接続
- 持ちやすいエルゴシェイプ
- 重すぎず軽すぎない重さ
- 改善されたホイールクリック
- 歯切れのよいサイドボタン
- ビルドクオリティは良好
- バッテリー寿命は最大100時間
- 注意点
-
- シェルは傷つきやすい
- クリックが硬め
- クリック音がうるさい
- サイドボタンが小さい
- 稀に接続に時間がかかる
- Type-Cのレシーバー
以上「SteelSeries Prime Mini Wireless」のレビューでした。
Prime Mini Wirelessの魅力
こまごまと気になる注意点はあるのですが、マウスとしては全体的に上出来な作りだと思います。
無印のPrime Wirelessは結構大きめなエルゴマウスでしたが、このMiniはシェイプが変わることなく一回りサイズが小さくなっているので、手が小さい人でも使いやすくなっています。
個人的にはクリックが硬いのが好きじゃなかったかな…。連打をミスる時がありました。加えて、クリック音が無印よりもだいぶうるさいのが嫌かな。
ホイールクリックやサイドボタンなどいくつか改善点が見受けられたのは良かったです。
クリックが硬いのとか、サイドボタンが小さいのが特に気にならない人、Prime Wireless自体は好きだけど大きすぎるなと思っていた人には良さそう。
- 無印ではサイズが合わなかった方