SCRY Artic PS5 クーラーレビュー。プレステをクールダウン
PS5って結構背面から熱い風が吹き出しますよね。ゲームプレイしている時に後ろに手をかざしてみるとすぐに分かります。
長時間遊んでいて本体が熱くなってくると処理能力の低下や最悪シャットダウンといった不具合が起きることもありえます。本来はそのようなことがないように設計されているはずですが、プレイするゲームや設置場所の周辺環境、本体の経年劣化などを考えるとないとは言い切れません。
今回は排熱処理・冷却を補助してくれるSCRYから発売中のPS5専用アタッチメントArtic PS5 クーラーをレビューしていきます。
本製品はレビュー用サンプルをご提供いただきました
製品概要
SCRY ArticはPS5の背面に取り付けるアタッチメント型のファン。最大10,000RPMで回転する合計6つのHyperfluidファンでCPUやGPU部分を重点的に冷却し、特許取得済みのLamellaフレームで排熱処理が効率化されています。
動作音は45dB以下となっており、差し込むだけで使える簡単セットアップ。ディスク型でもデジタル型でも使用可能です。
デザインと特徴
シンプルな箱で、開けると中に製品のみ入っています。上下が緩衝材によって守られています。
4,000〜10,000RPMで回転するHyperfluidファンが合計6つ。
排熱効果が最大になるように配置されており、上部には7枚羽根の大きめなファンが3つ。中央に向かうにつれてサイズが大きくなっていきます。
下部には5枚羽根の小さめなファンが3つです。
特許取得済みのラメラフレーム。ABSプラスチックで軽量です。
最大限のエアフローを生み出し、さらに排熱が効果的かつ効率的になるように設計されたデザインで、サイドにも風が通るようになっています。
PS5側にはUSBで接続しますが、反対側にUSBのパススルーポートがあり、端子は1つも潰れません。
このSuperSpeed USBは最大10Gbpsの伝送速度となっており、元々PS5についているUSBポートと同等です。なので電源だけ少し拝借してるイメージですかね。
他のブランドから出ているクーラーでは同じようにパススルーポートがあっても充電しかできずデータ伝送ができないことがあります。SCRY Articはデータ伝送も可能で、試しにHDDさしてみましたが問題なく認識しましたし、USBドングルで接続するワイヤレスヘッドセットも認識しました。
ファンは白色LEDで光るようになっています。ただ背面なのでほとんどの場合見えないし関係ないかなとは思いますが…。
特に私は机の下の隅っこに置いてるのでほぼ見えません。
PS5に取り付けてみる
ネジやソフトインストールが一切ないプラグ・アンド・プレイです。差し込むだけでOKなので着脱がとても簡単。
まず上部の2つの突起をPS5背面に差し込みます。
そのまま上の段のUSBポートに差し込んでいきます。
下のラッチがパチンと鳴るようにグッと押し込んだら完成。
最初はどこかしらのUSBポートが邪魔されて使えなくなるんじゃないかと不安でしたが、全てのポートが使えるように設計されています。これはかなりありがたい。
PS5から背面方向に23mmほど突き出ます。
縦置きでも横置きでも干渉しない作りになっています。
実際の効果はどうか
冷却効果のチェック
今回シンワの放射温度計をゲットして表面の温度が変化するか確認してみたんですが…よく考えたら背面のファンの熱風計測したところであんまり意味ない気がしてきまして。
最も重要なのは内部のCPU・GPUの温度ですが、これは分解しなきゃ測れないっぽいので、本家のテスト結果を見てください。内部の各パーツにサーマルワイヤーを取り付けて計測した結果、内部温度は6℃ほど低下しているそうです。
一応熱風測った結果はここに置いておきます。せっかく測ったので。
詰んでいたMarvel’s Spider-Man: Miles Moralesをやってみます。まずはPS5を起動していない状態での温度を測定してみます。室内環境もあるのでこれを基準にします。
ベースは26.9℃あたりでした。
そしてこれがホーム画面でアイドル状態の時。最も温度が低いと思われる28.5℃くらい。
ゲームを起動して少ししたらすぐに本体ファンが回り始め、温かい風が感じられます。グラフィック設定はレイトレーシングの4Kで負荷がかかるようにしました。
15分ほど遊んだ後に背面を計測してみましたが、1番熱そうなところで50.1℃でした。
ではSCRY Articをはめて、同じくこのまま15分ほど遊んでみました。
結果は44.8℃となり、10%ほど温度が下がりました。これが最も熱い部分で、他の部分を計測してみると30℃後半くらいに収まっています。
Articありとなしでは、背面外側を計測しただけだと10%ほど温度に差が出ることが分かりました。
正直重要なのは内部パーツの温度が低く保たれているかですが、これはやはり本家テストを参考にするしかないです。テストを見ると86.9℃が80.7℃くらいには低くなっています。
どちらかというとこのファンはゲーミングPCでもよくある後方の排熱するだけのファンなので、PS5内部の熱がこもり始めたらそれらを少し強めの回転で外に出していく…という意味では補助的な効果はありそうですが、直接冷風をチップに当てて冷やすわけではありません。
内部温度6℃下がるなら発熱問題が報告されるFF16などを含めてゴリゴリのハイエンドゲームを遊ぶ場合にサーマルスロットリングなどに多少の効果はあるような気はしています。
ノイズの確認
ファンが回る以上気になってくるのがどれだけ静かなのかです。ゲーミングPCも結局何が1番うるさいかって冷却ファンの回転音ですからね。
音量を計測できる機器をPS5近くに置いてノイズレベルを確認してみます。機器自体も計測環境も適当なので大雑把な感じで見てもらえると助かります。
まず部屋の中で何もしていない状況での音が38dB程度ですのでこれをベースとします。
ゲームプレイ中
ゲームをプレイした時にどうなるのか、熱測定に引き続きスパイダーマンをプレイしてみました。
まず上記はArticなしの状態で10cm離れた状態です。起動して少ししたらPS5から熱風が排熱されはじめ、ファンが回り始めています。
次にそのままArticクーラーをとりつけてしばらく待つとファンが最大回転に到達したみたいで、18.7dBの差でした。
PS5背面まで10cmで遊ぶことは普通に考えてないと思うので、次に1m離れて計測してみました。
これが1m離れた状態でArticなしで計測した結果。これだけ離れているとほぼ聞こえないレベル。
Articを取り付けた状態だと7.6dBアップして44.8dB程度に。
体感としてファンの回転音はかなり分かります。エアコンのパワフル設定くらいな感じかな。机の上に置いてると相当うるさいです。
私は机の下にPS5を置いているため、距離感的には1m弱ぐらい離れており、さらに少し奥まった壁際に置いているためそこまでうるさいとは感じません。それでも無音状態よりはファンの音が聞こえます。
ゲーム中にスピーカーやヘッドホンから音がバンバン鳴っているなかで気になるかと言うとそれは大丈夫ですが、ファンのスピードを制御できる機能があったらやや弱めでもっと静かに回す…みたいなことができて良かったかもしれません。
懸念点
1つ気になる点があるとすれば、PS5が起動しているとずっとファンが高速回転状態になるため、ホーム画面で放置プレイしていてもややうるさいところ。
もしPS5が自分の座り位置に近いのであれば、簡単に着脱可能な利点を活かしてバコッと外しちゃうのはありです。ゲーム始めたらはめなきゃいけないのでその辺は面倒。
ちなみにスリープに入っても回り続けるため、スリープ時はUSB電源の供給をオフにするという設定をしておくと電気が切れてくれるため省エネです。
ホーム画面の設定→システム→省電力→レストモード中に使う機能まで進むと上記画面になります。
ここでUSB端子に給電するをオフにすればOK。これの弊害はもしコントローラーを直挿しで充電している場合、PS5の電源を切ると自動的に充電もストップしてしまう点です。
こだわりがなければコントローラーはチャージャー使うのがめっちゃ良いのでおすすめです。
レビューまとめ
- 排熱性能がアップ
- 内部温度は6℃ほど低下する見込み
- 最大45dBのファン
- 差し込むだけでセットアップ完了
- USBポートなど全てそのまま使用可能
- 白色LEDで光る
- ファンの音はかなりする
USBポートが潰れたりしたら嫌だなと思っていましたが全て使えるように配慮されてますし、簡単にセットアップ可能、外してファンの掃除も楽…と失うものがないアタッチメントです。まぁ音はややうるさいですけど…。
今まで熱暴走問題に直面したことがない人でも、熱対策しておいて悪いことはありません。特に熱がこもりそうな場所に設置しているとか不安な部分があるのであれば試してみてください。