RTX 4070 Tiの性能をCore i7-11700Kでレビュー
2080 Superを愛用していた私ですが、遂に4070Tiに乗り換えることにしました。
Core i7-11700Kと組み合わせてどれくらいのパフォーマンスが期待できるのか、2080Superともベンチマーク結果を比較しながら検証してみます。
RTX 4070 Tiについて
40シリーズのミドルレンジ帯として発売された4070 Ti。
いや4070飛ばしていきなりTiなの?という謎もありますが、本製品は元々4080のメモリが少ない廉価版として売り出される予定だったモデルをリネームして販売したものです。
使用されているGPUダイも異なり、いやいやこれは4080ではないよね?という批判が続出してそういった対応になったようです。
そのような経緯もあり、海外のグラボをレビューしているPC界隈からは酷評が続きます。
私もそれを見てちょっと悩みましたが、2080 Superからすると確実にアップグレードになりますし、4080は値段が高いしワット数もすごいしで候補に入りませんでした。
結果から言うとちゃんと満足してますから、サイクル的に買い替えのタイミングだったら別に迷わないで良いと思います。
40シリーズの特徴とは
40シリーズには前世代と比較して以下のような特徴があります。
- 第3世代RTコア搭載
- DLSS3.0でゲーム性能アップ
- 消費電力の効率化
- 値段が高くなった
超ざっくりですが。
RTコア刷新によりレイトレーシングのスコアが向上しています。また、AIのディープラーニングを利用するDLSS3.0ではAIによるフレーム生成が追加され、フレームレートがより高くなることが見込まれます。
消費電力自体は増えているものの、4070Tiにおいては285Wとなっており4080や4090のとんでもないW数に比べると抑えられていますし、性能が上がった割には前世代である30シリーズと比べても省電力と言えるのではないかと思います。
値段は高いなと感じますが、販売するブランドによってマチマチな印象もあります。私が購入したのは比較的安いモデルでしたのでそこまで割高感はありませんが、まぁグラボに15万はなかなかですね。4090なんてもっととんでもないわけですが。
MSI RTX 4070 Ti Ventus 3X
今回購入したのは「MSI RTX 4070 Ti Ventus 3X」ですが、これを選んだ理由はたった1つで、値段が良心的だったことです。
MSRP799ドルの中、乱立する1000ドルクラスの4070 Tiたち…1000ドル超えると高いなと思ってしまいますが、そんな中でも本製品は860ドル程度と比較的安価でした。
今回海外から買ったのでドル表記で話していますが、日本のAmazonだと上記の値段となっております。アスク税はいつものこと。
もう1つはZOTACのグラボが同程度に安いです。どっち買ってもいいような気がしますが、ZOTACの方は写真見た限り光るみたい。
海外から買うと安い?
たまたまドルを持ってたのでアメリカのAmazonから買ってみましたが、870ドルに消費税や輸入関税などを含めるとトータルでほぼ1,000ドルになりました。
購入当時は130円レートくらいだったので、日本円に換算すると13万円程度となります。
日本だと約15万円くらいなので、一応2万円は安いことになります。
海外から送られてくる輸送リスクや到着までの時間の長さ、そして壊れた時の保証の面倒臭さを考えると正直日本で買ってもほとんど変わらないなとは思いました。
スペックを確認
公式サイトにも載ってますがここでスペックを確認しておきます。
グラフィックボード | MSI 4070 Ti Ventus 3X 12G OC |
---|---|
コア数 | 7,680ユニット |
コアクロック(MHz) | 2655MHz |
メモリタイプ | 12GB GDDR6X |
メモリバス幅 | 192-bit |
消費電力 | 285W |
補助電源コネクタ | 16pin x 1 |
寸法 | 308 x 123 x 52mm |
重さ | 1150g |
最大同時出力画面数 | 4 |
映像出力端子 | DisplayPort 1.4a x 3 HDMI 2.1a x 1 |
デザインをチェック
3連ファンを搭載していてライティングは一切なし。シンプルで直球な姿形をしています。
サイズは308 x 123 x 52mm(LxWxH)です。
前のRTX2080SがMSIのGaming X Trioというやつだったのですが、4070Tiよりもでかかったのでびびりました。
電源は12VHPWRですが、8ピンコネクタx2の変換ケーブルが付属しますのでそちらを使えば今まで通りに使用可能です。
ラッチのロックをちゃんと行わないとコネクタ部分が融解することがあるようです。コワっ。
端子は全て横並びで、HDMI 2.1aが1つ、DisplayPort 1.4aが3つです。
4070Tiのベンチマーク
4070TiをベンチマークするPCのスペックは以下の通り。
事前に全く同条件のPCに2080 Superを積んでチェックしたスコアを比較用に記載しています。
11700Kだとボトルネック激しめで性能をしっかり引き出せてないようです。CPUのソケット互換が毎回変わってるんでマザーボードまで買い直すの億劫なんですよね…。
3DMark
定番中の定番であるベンチマークソフトで計測。
ベンチ | 4070 Ti | 2080 S |
---|---|---|
フルHD Fire Strike | 上位2% 33832 | 上位9% 23712 |
4K Fire Strike Ultra | 上位6% 13142 | 上位35% 6820 |
WQHD Time Spy | 上位4% 19024 | 上位34% 11342 |
WQHD Port Royal | 上位18% 13560 | 上位75% 6877 |
Fire Strike HD
「Fire Strike」はDirectX11用のベンチマークで、フルHDゲームの一般的な性能を測ります。
Fire Strike 4K
「Fire Strike UItra」はDirectX11+4K UHD解像度のゲーミング性能を測るベンチマーク。
Time Spy WQHD
「Time Spy」はDirectX12用のベンチマークで、WQHD解像度でレンダリングする重めなゲーム向けの性能を計測します。
Port Royal Raytracing
「Port Royal」はレイトレーシング性能を計測する最も重いベンチマークで、WQHD解像度。
各人気ゲームでのベンチマーク
全てのグラフは基準として360fpsをMAXと想定したものとなっています。
Apex Legends
設定はほぼ全て最高にしましたが、スポットシャドウディテールのみ極にすると極端に重くなるため1つ下の高にしています。FOVは96。
射撃訓練場にてテルミットグレネードを連続で投げまくって画面が火花でいっぱいになっている状態でフレーム数を計測します。
かなり負荷をかけている状態なので実際のゲーム中はもう少し安定して高いfpsが見込まれます。
Fortnite
Fortniteはでは画質設定をDirectX11の最高プリセットにして計測。
クリエイティブのベンチマーク部屋「Tilted Tower Benchmark」に入って計測を行いました。
Overwatch 2
こちらも競技系ゲームでは軽めな部類に入りますが、画質設定は最高であるエピックで確認。
トレーニングルームでジャンクラットを使いひたすら攻撃しながらフレームを計測しています。
実際の試合では激しい戦闘時にキャラの数やエフェクトの数が違いますのでやや重くなると思われます。
Cyberpunk 2077
ゲーム本体にベンチマーク機能が備わっているので、設定を変えながらテストを行いました。このベンチマークはたまに数値がおかしくなるので信憑性に欠ける時があるのが難点です。
まずはレイトレーシングをオンにしない状態でのウルトラ画質設定です。
レイトレーシングをオンにした状態での最高設定(一部手動で最高のサイコに引き上げ)、DLSSは自動でベンチマークを行った結果となります。
こちらは4Kのレイトレーシングオン最高画質設定でのベンチマーク結果です。2080Sではほぼプレイ不可能ですね。
FF14
定番のベンチマークソフトがあるのでFF14でのパフォーマンスをチェック。
設定はプリセットの最高画質にしてあります。
4Kでの計測結果はこのようになりました。
Escape From Tarkov
画質設定は最高、視野角は最大の75度、DLSSはバランスでテストしています。
FactoryマップにSCAVで出撃してマップを走りながら探索しています。基本的にタルコフは接敵しても他のゲームと違って煌びやかなエフェクトはなく大人しめなので変動は軽微です。
βテスト中のfps上限は144fpsとなっているためfpsは伸びませんでした。カンスト的な感じなのかな。
4Kでの計測結果はこのようになりました。
発熱チェック
3DMark Time Spy 4Kのベンチマーク中で最も温度が高かった時を確認してみます。
GPUに最も負荷がかかった時で73.45度となりました。3連ファンだけあって冷えていますし、音もうるさくはないです。ファン回ってるな〜って印象はありますけど。
4070 Ti 搭載のBTOパソコン
BTOパソコンで4070Tiを搭載しているおすすめモデルを紹介。
ドスパラ
ブランド | GALLERIA |
---|---|
モデル | XA7C-R47T |
CPU | Core i7-13700F |
グラボ | RTX 4070 Ti |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB |
HDD | なし |
光学ドライブ | なし |
クーラー | 空冷 |
ケース | ミドルタワー |
電源 | 750W ゴールド |
値段 | 309,980円 |
→ | 購入する |
ドスパラは最新グラボが出てから新モデルとして割とすぐ販売してくれるので選択肢に入りやすいです。また出荷がかなり早いのも強み。
無線LANついてないのでカスタマイズするのがおすすめ。
4070 Tiのレビューまとめ
「RTX 4070 Ti」のレビューでした。
一時は海外レビュアーの酷評を見て買うのを躊躇いましたが、50シリーズまで待つのも先が長い話だしそれが絶賛されるかも分かりません。
自分が替え時だなと思ったら替え時なんですよね。2080Superからするとかなりのレベルアップで、あんまり使い物になっていなかったレイトレーシングが実用レベルにまでなってきました。
DLSS3.0によるフレームのブーストも凄まじく、対応しているゲームであればかなりハイエンドな設定でもそれなりのfpsを叩き出します。
ワットパフォーマンスも4080とか4090見てビビってましたがかなりまともになっている印象があります。
4070Ti、全然良いと思いますよ。もうちょっと安くなってくれたら最高ですけど。