ROCCAT Kone Pro レビュー。ユニークシェイプの軽量エルゴマウス
ROCCATから発売されているゲーミングマウス「Kone Pro」をレビューしていきます。
Kone Pro シリーズには有線版と無線版の2種類が存在します。今回ご紹介するのは有線版です。
概要とスペック
「ROCCAT Kone Pro」は人気のKoneシリーズの最新版。他のブランドにはないちょっと変わったエルゴノミクスシェイプをしています。
有線版と無線版が存在し、無線版は「ROCCAT Kone Pro Air」です。有線版の方が値段は当然安め。
比較的大きめなサイズにも関わらず、ソリッドシェルで66gと軽量化を実現しています。マウスボタン内側はハニカムになっていますが、あくまで内部構造的な穴抜きです。
光でアクチュエートするTitan Switch Opticalや熱処理されたPTFEマウスフィートを搭載。サイズ感が合うなら魅力的なパーツを揃えたマウスです。
カラー | 黒 / 白 |
接続 | 有線 |
シェイプ | エルゴ |
センサー | Owl-Eye 19K |
DPI | 19,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 125.6 x 72 x 40 mm |
重さ | 66g |
ボタン数 | 6 |
マウススイッチ | Titan Switch Optical |
ライティング | あり |
ケーブル | PhantomFlex 1.8m |
オンボードメモリ | プロファイル x 5 |
ソフトウェア | あり |
同梱物
外箱を全方向から。
- マウス本体
- 予備のマウスフィート
- クイックガイドなど
同梱物は以上です。
変わったことといえば、マウスフィートに保護フィルムが貼られていることくらい。
デザインと性能
「ROCCAT Kone Pro」は有線の軽量エルゴノミクスゲーミングマウス。左右非対称のシェイプで右手用です。
穴抜きはされていないソリッドシェル。内部が軽量化されており、マウスボタンはハニカムが透けて見えるようになっています。このハニカムは内側なので触れません。
シェルはマットコーティング。グリップ力はやや弱め。しかしKPUのツルツルコーティングよりはグリップを感じます。
シェル後方のROCCATロゴはプリントされていて光ることはありません。
サイズは実測で 125.3(長さ)x 59.6(グリップ幅)x 39.7(高さ)mm です。後方の幅がかなり広いのが特徴。大きすぎるわけじゃありませんが、M寄りのLサイズに分類。
重量は実測で 62.9g でした。ハニカムなし、そしてこの大きさとしてはかなり軽い部類だと思います。
各サイドからの見た目。左右対称や普通のエルゴシに比べると少し尖ったシェイプをしています。
左サイドは水平にラインが入っており、親指がフィットするくぼみがあります。正面や後ろから見ると右に向けて傾斜していますが、角度的には緩やか。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティはほどほどです。トップシェルは堅牢ですが、サイドは強く押すとサイドボタンが誤クリックします。
とはいえ、意図的に強く押さないとなりませんので、普通に使う分には問題ありません。
強く振るとサイドボタンが少し音をたてました。
センサー
センサーはPixArtのROCCATが共同開発した「ROCCAT Owl-Eye 19K」です。ベースはPAW3370の最新センサー。
センサーテスト
ポーリングレート1,000Hzで、それぞれDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
400DPI
800DPI
1600DPI
xCounts、xSum両方ともに波形は良好です。
マウスフィート
マウスフィートは前後に大型のものが1枚ずつ、センサー周りにO型がはられています。
熱処理されたPTFEで、半透明な見た目をしています。滑りはかなり良く、エッジの丸め処理は丁寧です。
LOD
マウスパッドに使用したのは「Artisan NINJA FX ヒエン SOFT L」です。LODはマウスパッドによって変動することがあります。
LODが長いとマウスを浮かせてポジション移動しようとした時にカーソルが勝手に動いてしまう可能性が出てきます。所感では1.0mm前後だと優秀で、2.0mm前後までいくと長いと感じます。
LODは 1mm でした。短くて優秀です。
「最低」「低」「カスタム」の3種類の設定があり、デフォルトは「最低」。
「低」で計測したところ、結果は 2mm でした。
カスタムではキャリブレーションを行えます。マウスをマウスパッドの上で10秒間動かし続けるとその状態で最適なLODに調整してくれるというもの。
ヒエンマウスパッドで調整して測ったところ、LODは 1.2mm でした。
マウスボタン
メインボタン
セパレートタイプのメインボタンにはTitan Switch Opticalが採用されており、光による高速アクチュエーションを実現しています。耐久値は1億回と高めでチャタリングと無縁です。
クリック感は悪くありませんが、メカニカルほどクリスピーではない印象。「ROCCAT Burst Pro」よりは押しやすくなっている気がします。
プリトラベルは少なめですが、ポストトラベルが多い。ややフワッと遊びのある押し心地です。
ボタン直下を見ると白いプラスチックのようなものが顔を覗かせており、ライティングでぼんやり光るようになっています。
サイドボタン
巨大なサイズで、外側にグッと飛び出すデザインのサイドボタン。こちらはメカニカルスイッチなのでカチッとしたクリスピーな音と感触です。
プリトラベルとポストトラベルは少なく、そのサイズ感もあってかなり押しやすいです。
スクロールホイール
中が空洞になったアルミ製のホイール。脆そうに見えますが、アルミだけあって強く押しても歪むことはありません。軽量化に一役買っていますね。
スクロールは軽め。回転させているとアルミが原因なのかやや金属音が聞こえます。
クリックはフェザータッチで誤爆しやすい。下にスクロールしているだけで誤爆することがあるのでかなり繊細です。
ホイールクリックの調整って難しいんだな~とか思っていたのですが、これはどうも個体差があるっぽい。
ハズレを引かなければ(もしくは当たりを引けば)カチッとしていて誤爆は起きないそうです。
プロファイルボタン
底にあるプロファイルボタン。最初はDPIボタンだろうと決めつけていたのですが、なぜか切り替わらないのでよく調べてみたらプロファイルが切り替わっていました。
なんか変なマークついてるなと思ったら人のマークっぽい。正直プロファイル切り替えボタンなんていらないです。デフォルトでDPIボタンにしておいて欲しかった。
ソフトウェアでDPIボタンへと割り付け可能ですが、押しても特にライトが光るわけでもなく現在DPIを把握しにくくなっています。
ケーブル
ケーブルはPhantom Flexという布巻きタイプで、柔らかくて取り回しも良いです。「ROCCAT Burst Pro」のものよりもさらに洗練されています。
ブッシュは地面とある程度平行に作られていて、マウスパッドとの干渉はそこまで心配しなくてもOKです。
ライティング
メインマウスボタンの先端がそれぞれ光るようになっています。ハニカムが透けるような光り方で、他のマウスではちょっと見ない特殊なライティング。
それぞれ別の色で光ることもでき、ちょっと面白い。
見た目的には好き嫌い分かれそうですね。嫌いならライトオフにすれば平和です。
ライティングパターン | 挙動 |
---|---|
インテリジェントライティングシステム | オートで演出 |
ウェーブ | RGBで波打つ |
ライトオフ | 消灯 |
常時点灯 | 同じ色で発光し続ける |
ハートビート | 単色で鼓動のように光る |
ブレス | フェードイン・フェードアウト |
点滅 | 単色で点滅し続ける |
ソフトウェアで選択できるライティングのプリセットは以上。
正直インテリジェントライティングシステムはよく分からないけど、勝手に色んな光り方をしてくれます。また、複数のROCCAT製品を同じようなライティングに設定してくれるみたいです。
左マウスボタンと右マウスボタンはそれぞれ独立した色を選択可能ですが、テーマといってすでにあるカラーセットを選択することもできます。
ソフトウェア
「ROCCAT Swarm」を公式サイトからダウンロードすることで様々な設定変更ができます。
DPIの変更、ボタン割り当ての変更、マクロ作成、ライティング設定、ポーリングレートやLODの設定などが可能です。
プロファイルは5つまで保存可能。
持ち方と使用感
一般的な持ち方とされる「かぶせ持ち」「つかみ持ち」「つまみ持ち」の3つで持った使用感について見ていきます。
これらは個人的な感想で、持ち方や感じ方は人それぞれ違いますので参考程度にお願いします。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◎ | 〇 | △ |
かぶせ持ち
大型エルゴなだけあってかぶせ持ちに適しています。真上から見ると一見左手用にも見えるシェイプですが、右手へのフィット感はかなりあります。
親指は左のくぼみにスッとはまり、薬指と小指はほどよくアングルのついた右サイドに落ち着きます。トップシェルはなだらかで、手がリラックスした状態で持てます。
つかみ持ち
つかみ持ちも悪くないです。両サイドをしっかりと握り込むことができるのでホールド感が保てます。
若干マウスボタンが高い気はしますが、シェル後方のなだらかなお尻に手のひらがフィットしやすいです。
つまみ持ち
マウス自体が大きめなため、つまみ持ちはややしにくいです。不可ってわけではないです。左サイド後方が大きく外側に隆起しているため、邪魔になります。
マウスボタンの高さが結構あるので、つまみだと押しにくいかも。全体的に可動域が狭めなので、もうちょっと小さいマウスを振り回した方が良さげ。例えばKPUとか。
他のマウスと比較
その他のマウスと簡単に写真で比較してみます。
ROCCAT Kone Pure Ultra
Koneシリーズでも人気な「ROCCAT Kone Pure Ultra」は、全長がかなり短くなったMサイズマウスです。つまむならこっちを推します。
形の特殊さは似通っていますが、Kone Proよりもスリムな印象を受けますね。ていうか白背景に白のKPU撮影したら輪郭が溶けちゃって見にくいかも。すみません。
Razer DeathAdder V2
大型エルゴとして有名なデスアダー。前方の幅や高さなど全体的にデスアダーの方が巨大ですね。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- 大きめなユニークシェイプ
- 大きいのに63g以下と軽め
- Owl-Eye 19Kセンサー搭載
- メインボタンには光スイッチ
- あまり見ない特殊なライティング
- よく滑る熱処理マウスフィート
- 柔らかいケーブル
- 値段はほどほどリーズナブル
- 無線版も選べる
- イマイチなところ
-
- スイッチは好き嫌いが分かれる
- 手が小さい人には向かない
- ホイールクリックは誤爆しがち
- 謎のプロファイルボタン
以上「ROCCAT Kone Pro」のレビューでした。
ユニークなシェイプをした大きめエルゴマウスです。オプティカルスイッチや最先端PAW3370ベースのセンサーなど、性能的にはほとんど文句がありません。値段もほどほどリーズナブルですしね。
全体的にスイッチは好き嫌いが分かれるだろうなというところ。個人的にはホイールが誤爆しまくるのがかなり残念ポイント。ただし個体差があるみたいなので、私はハズレを引いてしまったようです。サイドボタンは大きくて最高。
この大きさに対して63gというのは相当軽いので、手が大きい人は是非手に取ってみましょう。有線版だけでなく、ケーブルから解放される無線版もありますよ。