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Razer Huntsman V3 Pro TKL 8KHz レビュー

Razer Huntsman V3 Pro 8KHz レビュー

Razerから発売されているアナログオプティカルスイッチを搭載したゲーミングキーボードHuntsman V3 Pro 8KHzを見ていきます。

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概要と同梱物

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Huntsmanは代々高速反応を売りに、光学スイッチをいち早く採用してきたRazerの代表的シリーズです。V3 Proはその系譜に連なるアナログオプティカルスイッチ搭載の競技向けキーボードになります。

近年のゲーミングキーボードは磁気スイッチが主流となっていますが、アナログオプティカルスイッチとの違いは何なのか。今こちらを選ぶ理由はあるのか。この点については、後ほど掘り下げながら解説していきます。

なお、Huntsman V3 Pro Tenkeyless自体は2023年末頃に発売されたモデルで、今回紹介するのはその後継機にあたる2025年末発売の8KHzモデルです。

無印と8KHzの違い

私はV3 Proの無印版に触れていないため、ここではスペックベースでの比較になります。

8KHzモデル最大の特徴は、その名の通りTrue 8Kポーリングレートに対応した点です。平均レイテンシは0.58msとされており、非常に優秀な数値です。

また、8KHz対応に伴い、内部ファームウェアやスキャン処理も強化されていると考えられます。

スイッチ自体は、無印版と同じ第2世代アナログオプティカルスイッチですが、ファクトリールブが施されている点も変更点です。その影響もあってか、打鍵感は改善されているようです。旧モデルを触っていないため断定はできませんが、この点はプラス要素でしょう。

それ以外のデザイン、キーキャップ、搭載機能に大きな変更はないようです。

デザイン

カラーはブラック・ホワイトに加えてRazerらしさ全開のグリーンが追加されました。

配列はUS配列の80%テンキーレスサイズ。

今回紹介しているのはTKLですが、フルサイズも用意されています。ゲーム用途ではやや大きめですが、日常的にテンキーが必須な人にとっては嬉しい選択肢でしょう。

ヘアライン加工が施されたアルミプレートに、ベゼルレスデザインを採用。ライティングが映えやすい構造になっています。

ケースはプラスチック製のため、本体は比較的軽量。2段階で高さ調整が可能なチルトスタンドを搭載しています。

右上にはファンクションボタンが2つとダイヤルが1つ。カスタマイズにより割り当て変更が可能で、自分好みに調整できます。

矢印キー上部にはLEDアレイインジケーターを搭載し、ソフトウェアを使わずにアクチュエーションポイントやラピッドトリガー感度の調整が可能です。

正直、LED表示だけでは説明書なしに直感的な操作は難しいですが、それでもキーボード単体で設定できる点はユニークです。こちらは記事後半で触れています。

キー操作に対してLED点灯がコンマ数秒わずかに遅れるため、ややラグを感じるのは個人的にちょっと残念でした。

端子はUSB-C。細い溝がほってあるのでやや差しにくいのですが、汎用ケーブルでも入りました。

おなじみのFOR GAMERS.刻印。

全体として、目新しさは少ないものの、Razerらしい安心感のあるシンプルなデザインです。

リストレスト

レザーレット製のリストレストが付属します。

マグネットで固定されるため、ゲーム中にズレることはありません。

ただし、かなり硬め。手首の角度調整用と考えた方が良くて、いわゆるレストとしての快適さはかなり微妙です。

付属品なので文句を言うのも違うかもしれませんが、個人的にはこれを省いて1,000円でも安くしてくれた方が満足度は高い気がします。

キーキャップ

PBTダブルショット成形で、Razerらしい質感。粒子感のあるやや粗めのテクスチャで、触るとうっすらとしたざらつきを感じます。

印字は透過仕様のため、ライティングも映えます。奇をてらったデザインではなく、無難で扱いやすい仕上がりです。

キースイッチ

第2世代アナログオプティカルスイッチは、他のスイッチとは一線を画す独特な構造をしています。特にキーごとに配置されたスタビライザーのような構造が印象的です。

リーフでも磁気でもなく、軸を通過する光量によって押下距離を検知します。

アクチュエーションポイントは0.1〜4.0mmで設定可能。ラピッドトリガーは最短0.1mmで、一部のブランドが取り入れている0.01mm精度と比べると、やや一昔前の数値に見えます。

そのため、スペック面だけを見ると、最新の磁気スイッチ搭載モデルに比べて見劣りするように感じるかもしれません。

では、アナログオプティカルスイッチの強みは何か。

それは磁気のように距離を磁力で検知するのではなく、光で検知するため、環境要因の影響を受けにくく挙動が安定しやすい点です。

磁気スイッチは室温などによる磁力変動で微小なズレが生じる可能性があります。光学方式ではそうした影響は起きにくいと考えられます。

磁気の方がコスパが良く、より細かいレベルで軸移動を検知できそうに見えますが、オプティカル(光学式)は、温度や磁気による影響を受けにくく、安定した精度が得られます。

コスパと細微な調整機能の磁気式に対して、安定した精度が重視の光学式。コスパか安定性が判断基準になるでしょう。

用語解説

性能と精度

ラピッドトリガーを0.1mmに設定し、マイクロメーターを使った手動測定を行いました。あくまで手動のため、参考値です。

平均は0.113mm。多少の振れはあるものの、概ね設定値に収束している印象です。

一方、デッドゾーンは最短設定のレスポンシブモードでも実測0.3mm。ここはやや大きめに感じました。

打鍵感と打鍵音

打鍵感と打鍵音は、従来のHuntsman V3 Proより改善されたとされています。

音はやや高めで、若干の空洞感がありますが、不快ではありません。ただし、いわゆるカスタムキーボード的なThockyさとは無縁です。

キーキャップ取り付け形状の変更によるブレの低減や、ルブ処理の影響で、無印版よりはかなり良くなっているようです。ストロークは深めなので、最近の3.5mm前後の浅めストロークが合わない人には好印象かもしれません。

個人的には、底打ち付近の反発が強く、押しっぱなしの操作では、ラピッドトリガー設定によっては意図せず入力が切れることがあるのが気になりました。

ポーリングレート

Huntsman V3 Pro 8KHz最大の売りは、やはり8000Hzポーリングレート対応です。

True 8Kと呼ばれる1対1通信方式で、平均レイテンシは0.58ms。理論上の最速値0.125msを考えれば、現実的な数値です。

ただし、この数値はRazer内部テストによるものです。

8000Hz対応は歓迎すべきアップデートですが、現状では他社製品でも一般化しており、唯一無二のアドバンテージとは言い切れません。

また、0.1ms単位の差は、ゲームのTickレートやPC全体の遅延、人間側の入力誤差を考慮すると、体感できるかはかなり微妙です。

VALORANTやCS2のTickレートは128、つまり約7.8msごとにゲームが更新されています。極限の競技環境では意味を持つ可能性はありますが、基本的には誤差に埋もれるでしょう。

とはいえ、入力タイムスタンプ自体は保持されますし、デジタルでは微差の積み重ねが結果に影響することもあります。過度な期待は禁物ですが、高速であること自体は確かですし、True 8K自体は嬉しいスペックです。

ソフトウェア

ソフトウェアはRazer Synapseに統合されています。

依然としてウェブドライバーが用意されていない点を見ると、開発中なのか、あるいはインストール型から抜け出せない事情があるのかもしれません。

アップデート時にPC再起動を要求されるのは正直ストレスでしたが、作り込み自体はさすがRazerと感じます。

気になったところだけ一部紹介。

まずデッドゾーンの切り替えは3段階でシンプル。通常は0.1mm単位みたいな細かい数値で設定できますが、Razerはそこを非常にシンプルに削ぎ落としてきました。

正直ミリ単位での調整は初心者には難しいですし、追い込みとか面倒だからすぐに使わせて欲しい!という方も多いと思うので、このように割り切ってしまうのも手かなと。

本機はアナログ入力に対応していますが、バインドもボタン1つ。すぐにスティック操作のようにキーを使えるようになります。カスタマイズの幅は少ないけど、とにかく分かりやすくて簡単。

ラピトリ周りの設定は普通です。他のキーボードと同等に細かくカスタマイズ可能。

アクチュエーションポイントは0.1〜4.0mmまで。上記画像の緑に光っている縦のゲージ部分が押し込み具合をリアルタイムで表示するバーとなっています。深緑がニュートラル、押すと緑、リリースで赤に変化します。

ラピッドトリガーは0.1〜1.0mmまで、0.1mm単位で設定可能です。

精度の検証は少し前の項目で行っていますのでそちらをご覧ください。

キー操作による設定調整

本キーボードは、キーのみでもアクチュエーションポイントの設定変更が可能となっています。

fn+Tabを押して調整モードを起動し、ダイアルや矢印キーを押してLEDインジケーターを確認しながら調整していきます。

ただし、0.1 / 0.4 / 0.8 / 1.2 / 1.6 / 2.0 / 2.4 / 2.8 / 3.2 / 3.6と、おおむね0.4刻みでの調整になりますから、もし自分の理想とする数字がここにない場合、ソフトウェアを使う必要があります。

ラピッドトリガーも同じく、fn+capsを押すと調整モードに入ります。

こちらは0.1~1.0mmまで0.1mm刻みなのでわかりやすいです。

プロファイルの切り替え

本機にはデフォルトとなるプロファイル1つと、カスタマイズ可能な4つのプロファイルが用意されています。いずれもFn+pg upキーなど、画像にあるキーですぐに変更可能。

デフォルトプロファイルはFactory Defaultと呼ばれており、カスタマイズが不可能です。

FPS Rapid Triggerや、Analog WASDといったプロファイルが用意されており、タイトル通りの設定になっています。

名称ホットキー内容
前回使用fn + ins前回使用したもの
工場出荷時設定fn + homeAP: 2.0mm
カスタマイズ不可
FPSラピッドトリガーfn + pgupAP: 1.2mm
RT: 0.3mm
アナログWASDfn + delAP: 1.2mm
WASDスティック状態
レースfn + endAP: 1.2mm
WASD+トリガー
高感度fn + pgdnシアンAP: 0.8mm
RT: 0.3mm

説明書にも載っていることですが、このようになっています。

一部、ラピトリがオンになるとはいえWASDのみという設定の可能性もあるので、ソフトウェアを見ながら確認して調整すると良いでしょう。

価格

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値段は定価36,980円ほどと、プラスチックケースのキーボードとしてはかなり高価。

Wooting 60HE v2が32,500円と関税かな?くらいだと考えると近しい値段ですね。Pulsar PCMK3 HE TKL版は26,480円。

光学スイッチによる安定性や、とにかく高速反応するキーボードに魅力を感じるならRazer Huntsman V3 Pro TKL 8KHzは選択肢には入るかも知れません。

レビューまとめ

以上Razer Huntsman V3 Pro 8KHzのレビューでした。

Razer Huntsman V3 Pro 8KHzは、価格こそ高いものの、安定性と扱いやすさを重視したゲーミングキーボードです。

アナログオプティカルスイッチとTrue 8KHzによる高速反応はスペック上は非常に魅力的ですが、体感できるかどうかはユーザー次第。

ただ、Razerの強みはこうしたトップクラスの性能を初心者でも扱いやすくまとめ上げる点にあります。設定の簡単さを見ると、FPSエリートだけでなく、面倒な調整を避けたい層もしっかり視野に入れているのが分かります。

最初は価格に対する満足度が限定的に思えましたが、実際に触ってみると楽に高性能キーボードを使いたい人には十分刺さる一台だと感じました。

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