
ゲーミングマウスパッドの選び方

ゲーミングマウスパッドを選ぶ際にどんな基準があるのか、どうやって買うべきものを選定していくのか解説していきます。
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選ぶ時の基準となる要素
基準としたい要素は以下の通り。
- デザイン性
- 素材タイプ
- 表面素材
- 滑りの系統
- 中間層の柔らかさ
- サイズ
- エッジ処理
- 底面ラバーの防滑性
- 価格
デザイン性
デザインは大きく3つの種類に分けることにしてみました。細かく言えば当然もっとありますがあまり重要じゃなくて、平たく言えばあなたがピンときたやつが買いなわけです。

- 無地(ブラック)
- カラー・デザインあり
- キャラデザもの
最もシンプルなのは無地のブラックです。この無地ブラックといっても実は奥が深くてですね。黒みの濃淡、光沢の有無、繊維感がどうか…など同じ黒でも好き嫌いは分かれます。
近年ではキャラクターデザインものも多くなっていて、特にガラスパッドはそのデザインの取り入れやすさもあって様々なオリジナルキャラクターが登場しています。
素材タイプ
マウスパッドのタイプは大きく3つに分類されます。

- 布 (ソフト)
- ガラス (ハード)
- プラスチック (ハード)
この3択ですが、布のソフトタイプが最も一般的で種類が豊富です。中間層が柔らかく、沈み込みがあってマウスの細かいコントールが可能となります。コストもハード系に比べて安くなります。
ガラスとプラスチックのハード系は滑走速度が基本的に非常に速く、また中間層も極めて硬いため沈み込みがありません。湿気にめっぽう強く、影響を全く受けません。
表面素材
滑りの速さや初動のスピードなどに影響します。

強化ガラスやプラスチックはあまり種類がないのでここでは割愛しますが、布タイプでは素材や織り方によって滑りのスピード感が異なります。
ポリエステル素材が最もよく使われており、マイクロファイバー、梨地織り、ジャガード、六角形織り、コーデュラ素材など、マウスパッドによって様々な表面加工がされています。
滑りの系統
大きく分けると3系統。
- コントロール
- バランス
- スピード
しかし、この3つだけではスピード感の違いを十分に表現しきれないため、デバイス界隈ではさらに細かい分類や表現が使われています。
- コントロール (遅い)
- コントロールバランス (やや遅い)
- バランス (中間)
- スピードバランス (やや速い)
- スピード (速い)
この中でもコントロールバランス系に分類されるマウスパッドが最も人気です。マウスを止めやすく、CS2やVALORANTといったフリック操作が求められるタクティカルFPSに向いています。
一方で、ApexやOverwatchのような素早く敵を追い続けるトラッキング重視のFPSでは、より滑りの速いマウスパッドや、スピードタイプのガラスパッドがおすすめとなります。
ここまではマウスパッドのジャンル分けに関する話。滑りの評価軸としては次のような項目が挙げられます。
- 初動の軽さ
-
マウスを静止状態から動かし始めるのに、どれくらい軽い力で滑りだすか。
- 滑走速度
-
マウスを滑らせた時にどれくらいの速さで動くか。滑走中の摩擦感はどれくらいか。
- 切り返しの軽さ
-
一定方向にマウスを動かしたあと、逆方向に切り返す時のスムーズさ
ただし初心者の方はあまりこの辺気にしても仕方ないので、大枠のジャンルで滑りの速さを選びましょう。初動とか切り返しは慣れてきたら!
とはいったものの少し詳しく知りたいという人向けに解説しておきます。
初動の軽さ
マウスが静止している状態から動き始めるときには静摩擦が働きます。この静摩擦の大きさによって、動き出しの瞬間に必要な力の強さが変わります。
初動が軽い場合は軽い力でもスッと動き出し、初動が重い場合はより強い力が必要でモタッとした感覚になります。
初動が軽いと…
- エイムの微調整がしやすい
- 止めがやや難しい
- 意図せず動くことがある
初動が重いと…
- エイムの安定感が増す
- ビタ止めしやすい
- 動き出しで引っかかる
といった特徴が挙げられます。
滑走速度
表面の摩擦によって、マウスの滑る速度が変わります。動かしている最中にどれくらい抵抗を感じるかということです。
コントロール、バランス、スピードといったジャンル分けは、主にこの滑走速度を基準にしています。
滑走速度が速いと…
- 素早いく軽い力で動かし続けられる
- 止めにくい
滑走速度が遅いと…
- 止めやすい
- 大きく動かすときに力が必要
このような特徴があります。
切り返しの軽さ
マウスを右左や上下にすばやく方向転換するとき…つまり、動いている状態から一瞬止めて、再び動かし始める時に感じる引っかかりや抵抗感のことです。
切り返しの瞬間はどうしても力が入りやすいため、中間層が硬いほど切り返しは軽くなる傾向にあります。
切り返しが軽いと…
- 方向転換がスムーズで速い
- 止めが効きにくい
切り返しが重いと…
- エイムが安定しやすい
- 素早い振り向きでもたつく
といった特徴があります。
中間層の硬さ
中間層の硬さは大きく分けて4種類。

- XSOFT
-
指で軽く押すだけで簡単に沈み込む、最も柔らかい材質。マウスを置いて握るだけでもわずかに沈み込むこともあり、ブレーキがかけやすいのが特徴です。
- SOFT
-
柔らかすぎず硬すぎず、沈み込みと弾力のバランスがとれた万能な硬さ。迷ったらこれを選べば間違いありません。
- MID (FIRM)
-
しっかりとした硬さで、上から力をかけてもあまり沈み込みません。力の入れ具合に左右されず、一定の滑走感で操作したい人におすすめ。
- ガラスパッド
-
沈み込みが全くない、Z軸の概念をほぼ完全に排除したタイプ。MIDよりも一定の滑りを得られます。
ガラスパッド以外の3種類は国産マウスパッドメーカーのArtisanが最初に採用した分類だったと記憶しています。それ以前はベースの硬さや材質に注目するメーカーはほとんどありませんでした。あまりにArtisanが世界的にヒットしたため、今ではこの呼び方が一般的に定着した…と私は勝手に思っています。
厚みはXSOFTとSOFTが4mmほど、MIDは3mmとなっています。また、それらの枠から外れた5mmや6mmといった分厚いマウスパッドも存在します。
サイズ
机のサイズや、ハイセンシ・ローセンシといったプレイスタイルにもよりますが、当サイトでは490x420mm以上のXLサイズからをおすすめしています。
| サイズ | 寸法 |
|---|---|
| S | 240 x 210 mm |
| M | 310 x 240 mm |
| L | 420 x 330 mm |
| XL | 490 x 420 mm |
| XL SQ | 500 x 500 mm |
| XXL | 900 x 450 mm |
上記は主にArtisanのものを参考していますが、ブランドによってサイズ表記は異なります。実際の寸法を確認しましょう。

こちらはXLの490x420mm。Artisan 疾風乙V2です。ハイセンシでもない限り、これ以上小さいマウスパッドは特におすすめしません。デカさは正義!

こちらは500x500mmのXL SQサイズ。VAXEE PD+151です。縦方向に大きくなる分、マウス操作のスペースが広くとれますが、机にもそれなりのサイズが求められます。
柔らかいマウスパッドであれば、手前側に垂らして机のエッジを覆うように使うのもありです。

これがキーボードまで載せることを想定したXXLサイズ。マウス操作とキーボード操作に段差ができないため、一定の人気があるサイズです。
エッジ処理

- 切りっぱなし
-
製造コストが安く済むタイプだと思われます。 段差はありませんが、使っているとほつれて手に擦れるようになります。コスト面以外ではおすすめしません。
- ステッチ処理
-
最近では最も多く、かつ優秀なエッジ処理です。裁縫精度はマウスパッドによってピンキリですが、ほつれなどがほとんどないため長く使い続けても汚れにくいです。
- アークエッジ
-
最近登場し始めたタイプのエッジ処理で、VAXEE PCが初出です。今はいくつかのブランドも同様の加工を採用しており、滑らかなエッジ体験ができるマウスパッドが増えつつあります。
個人的にはアークエッジが好みですが、製品数もまだ少ないですし、特にそれを理由にマウスパッドを選ぶ必要はないかなと。そのため、普及しているステッチ処理が手堅い選択肢となります。
底面の防滑性
大きく分けて3種類です。
中には独特なベースで以下に当てはまらないものありますので、ざっくり。

- 天然ラバー
-
タイヤのトレッドのような模様が特徴で、安価な素材です。最近のマウスパッドではあまり見かけなくなりましたが、比較的滑りやすく、さらにゴム特有の匂いが残っていることもあります。
- ポロン (SlimFlex)
-
Artisanが導入して世界に広まった高品質素材で、ボトムは高い防滑性を持つため激しいマウス操作にも耐えられます。
- アルファセル
-
採用しているマウスパッドはそこまで多くありませんが、机に吸い付くように密着するので防滑性は極めて高いです。
おすすめはポロンやアルファセル系です。
ガラスパッドには通常のラバーが採用されていますが、ガラスパッド自体が重いのでちょっとやそっとじゃ動きません。
価格
かなりざっくりとした評価ではありますが…。
布マウスパッドの場合、安いVAXEE PAシリーズなどで3,000円台。Artisanシリーズで5,000~8,000円台となります。LGGはやや高めで7,000~9,000円台となります。
AritsanやLGGは価格が高めですが、その品質に見合った値段であることには間違いなく、それなりに長く使えるので買って後悔しないでしょう。
中間くらいの値段で考えると、6,000円くらいなら手頃だと考えられます。
ガラスパッドも値段はピンキリですが、現在は15,000円前後が中間的な価格帯です。
マウスパッドを選ぶコツ
さて、ここまででゲーミングマウスパッドを選ぶために必要な知識を身につけてきましたね。ね!
では実際にマウスパッド選ぶぞ!ってなった時に、どのポイントを重視し、判断すれば良いのかをQ&A方式でまとめてみました。
滑り別にマウスパッドを紹介
コントロール
Artisan 99式

Artisanシリーズ初のコントロール特化型。初動がやや重く、止め性能はシリーズ随一。速さよりも正確なストッピングを重視するプレイヤーに最適です。零よりさらに遅い操作感を求める人におすすめ。
LGG Jupiter Pro

強い抵抗感のある表面を持つコントロール特化型で、初動が重く止め性能に優れています。中間層は3種類の硬さから好きなものを選べ、ローセンシ向け、滑りよりも「止め」を重視するプレイヤーに。
コントロールバランス
Artisan 零

アームカバーとの相性を除けば最強クラスのコントロールバランスタイプで、多くの人に愛されています。滑りは速すぎず遅すぎず絶妙で、初動も軽くスムーズにマウスを動かせます。防滑性の高いポロンベースと豊富なサイズ展開も魅力。迷ったらコレ使ってみて!
LGG Saturn Pro

LGGブランドを代表する定番のコントロールバランス型マウスパッドで、性能的には間違いない一枚。滑りはArtisan Zeroよりもわずかに遅く、初動は軽く止めやすい絶妙なバランスを持っています。滑りも均一、アームカバーとの相性も良好。万能モデル。
VAXEE PD+151

硬めの中間層を持つ布製マウスパッドで、滑りはバランス寄り。パッド自体がかなり重くて防滑性は高く、どんな動きでもズレず安定しています。表面は滑らかでアークエッジ処理も手首に優しく、500×500mmの広いサイズで使いやすい仕上がり。安定感と操作性に優れた完成度の高い一枚です。
バランス
LGG Hyperion

Saturn Proよりもややスピード寄りの性能を持ち、表面は滑らかな肌触りで、軽い初動と適度な抵抗感のバランスに優れたスムーズな操作を実現。トラッキング系からタクティカル系まで幅広く対応し、アームカバーとの相性も良好です。
Endgame Gear EM-B

薄手ながら高品質なポロンベースを採用したバランスタイプ。厚みは3mmで柔らかい中間層により安定感があり、防滑性も非常に高い。特別な個性はないものの、全体的な完成度が高く、Endgame Gearらしい実用性重視の仕上がりです。
スピードバランス
Artisan 疾風乙V2

表面はややザラつきつつ手首に優しく、中間層は均一でポロンベースのグリップ力も健在。初動は速く滑走速度もやや速めで、スピード重視のプレイヤーに最適。帯電率を抑えた素材で微調整やマイクロコントロールも容易。完成度が高い一枚です。
AbyssGaming 赤骸

速さ重視のスピードタイプ布パッドです。滑りは非常に速めで初動も軽く、少ない力でマウスを素早く動かせます。表面は縦方向に繊維を感じるものの摩擦は控えめで、滑らかでハイスピードな布パッドを求める人におすすめです。
スピード
REJECT x Arbiter Studio Orbit

黒ベースの落ち着いたデザインが特徴のガラスパッド。表面はサラサラで滑らか、滑走は速すぎず程よくスムーズで、音も静か。厚みはガラス+ラバーで約4.6mm。エッジはラウンド加工で手首に優しく、デザイン性・滑り・安定感すべてに優れています。
Pulsar Superglide 2

V1より薄くなった2.5mmのガラスパッドで、表面は細かいテクスチャで、ガラスにしては速すぎない滑り、底面は全面シリコンゴムで高い安定性を確保。薄くても強化ガラスで耐久性があります。シンプルながら使い勝手良し。
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こういう記事もありますので良かったらどうぞ。
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