Lexip Np93 Alpha レビュー。珍しいジョイスティック付きのゲーミングマウス
左側面にジョイスティックの付いた「Lexip Np93 Alpha」をふもっふのおみせ様より貸し出ししていただいたのでレビューをしていきます。
フランスの会社 Lexip(レクシップ)が発売していて、親指で操作できるジョイスティックが非常に特徴的。
コンセプトとしては奇抜で面白いですが、果たしてどのような使い心地なのか?
ジョイスティックの使い道についてチェックしながらゲーミングマウスとしての性能を見ていきましょう。
概要とスペック
「Lexip Np93 Alpha」は左右対称形のゲーミングマウス。左側面にジョイスティックが搭載されているため、左利きの方が扱うにはかなり難しいマウスです。
メインマウスボタンは本体と一体型になっています。全体的にスムーズなマット仕上げ。
- 左右対称だけど右手用
- 左にジョイスティック
- マット仕上げ
ジョイスティックが2本搭載されている「Lexip Pu94」というマウスも存在しますが、それよりも 安価なエントリーモデル という立ち位置です。
価格的に手が出しやすくなっているのが嬉しいポイント。
カラー | 黒 |
センサー | ADNS-3050 |
寸法 | 120 x 75 x 40 mm(実測) |
重さ | 110g(実測) |
ボタン数 | 6+ジョイスティック |
最大DPI | 12,000 dpi |
コネクター | USB2.0 |
LEDカラー | RGB(単色発光) |
オンボードメモリ | なし |
ソフトウェア | あり |
同梱物
外箱。中にウェイトなども入っているため、やや大きめな箱です。
取り出すとマウスとウェイトセットがこのように梱包されています。
マウス本体。
付属してくるウェイトは2種類で、「3.6g」と「18g」です。どちらか1つしかマウスに載せられません。
フィルムケースみたいです。
取り扱い説明書。日本語には対応していませんが、読まなくても特に問題なし。
同梱物はこれで全てです。
デザインと性能
「Lexip Np93 Alpha」は左右対称形のゲーミングマウス。左サイドに2つのサイドボタンとジョイスティックがあります。パッと上から見た感じ左右対称に見えますが、実はなだらかに右が下がっています。
寸法は 120 x 75 x 40 mm(実測)で、長さは短めだけど横幅と高さが結構あります。
重さは実測で 約110g でした。公式では 145g とされていますが、何度測り直しても同じでした。
正面から。右側がなだらかに下がっており、右手用のシェイプとなっています。全体的に背丈が高い設計です。
左サイド。注目のジョイスティックが親指あたりに配置されています。その上にサイドボタンが2つ。ジョイスティックに場所をとられているため、かなり高めの位置にあります。
右サイド。ゴムのようにグリップ力のある素材が使われています。素材は左サイドも一緒です。
後ろから。お尻の終端部分がかなり高く上がっているのが特徴です。
底面。通常のゲーミングマウスとは一線を画す見た目です。マウスフィートは6つのセラミックで、めちゃくちゃ滑ります。コントロールがやや難しく感じるレベルで滑る。
セラミックマウスフィートはテフロンやプラスチックよりも耐久力があり、Lexipによると 総距離1,500km まで耐えられるそうです。
センサーがかなり前方に位置しています。センサー位置は中央に近い方が良いのですが、ウェイトを入れる場所を作ったがためにこういう仕様になったのだと思われます。
マウス後方にはウェイトを挿入するための大きな穴が。ウェイトを載せない場合は空洞のまま使うことになります。
ウェイトは入れたら右に少し回転させてロックします。元が約110gと比較的重いので、個人的には これ以上ウェイトを入れる必要はあまりない ように感じます。
マウスボタン
メインマウスボタンは本体と一体型になっています。クリック音はクリスピーです。
マウスホイールは 軽いタッチでスルスル回転 します。あまり力を入れないですみますが、タクタイル感が少ないのが気になるところ。クリック感は結構あるので良い感じです。
マウスホイール下のボタンはやや離れた場所に配置してあるため誤クリックはありません。通常このボタンはDPI変更ボタンなのですが、初期設定では何も設定されていません。本マウスではデフォルトでジョイスティックに可変DPIが割り当てられているためかと推測。DPIスイッチボタンにしたい場合はソフトウェアで設定しましょう。
サイドボタンは三角のように突き出ており、指を当てた時の接触面が少なめ。これくらいが好きな人もいるかもしれませんが、もっと平べったい方が使いやすいと思います。
ジョイスティックとの兼ね合い上仕方ない部分ではありますが、位置が少し高過ぎるのも気になるところ。
ジョイスティック
本ジョイスティックは直径1cmの凹型キノコで、全方向へ30°まで曲がります。
ジョイスティック自体は全方向へ自由に曲がりますが、バインド設定できるのは上・下・右・左の4方向。つまり 垂直方向と水平方向の2軸 です。
普通のマウスとは違い、持った時に親指と人差し指が離れるので 慣れるまでそれなりに時間がかかります。
このジョイスティックをいかにして使うか?
これが本マウスを使う上で最も重要になります。ジョイスティックを使わないならもはやこのマウスを選ぶ理由がありませんからね!
ジョイスティックには以下の設定が適用可能です。
- ジョイスティック機能
- マウスクリック(マウスボタン1~5)
- マウス移動(垂直or水平)
- マウススクロール(垂直or水平)
- 矢印キー(左右or上下)
- DPIスイッチ(1~4つまで設定可能)
- ショートカットキー
ジョイスティックの使用例
使い方は工夫次第なので私よりも断然上手に使う方が沢山現れるでしょうがとりあえず凡例として。
マウススクロールの垂直と水平を設定しておくと、スクロールが非常に簡単かつ速くなります。マウスホイールをコリコリ動かし続けると地味に疲れるので実は結構便利です。
別の例えとして、スティック下でCtrl+X、スティック上でCtrl+Vなどショートカットキーを設定しておけば、コピペ作業を右手だけで行えるようになります。
マップの移動キーをバインドすれば、マウスカーソルを画面端に移動させなくても素早くマップが動かせます。LoLではマップ移動がUp・Down・Left・Rightキーに割り当てられていますので、ジョイスティックの四方にそれぞれキーをバインドしてあげればOK。
それぞれにアイテム使用をバインドしておくのも使い勝手が良さそうです。
FPSでは可変DPIやリロードなどを登録しておくと便利です。
スティック押し込みによる可変DPIを使えば、スコープで撃つ瞬間だけDPIを落としてエイムを微調整するといった芸当も可能です。
プラットフォーマーやRPG、アクションなどのオフラインゲームでも使い道に困らないでしょう。
ケーブル
ブッシュが地面に並行しているのは良いです。
黒い編組ケーブルで、かなり硬い です。ちょっと残念な部分ですが、硬いがゆえ マウスバンジー を上手く使えばあまり気にならなさそうです。
パラコード化 も一考の余地ありです。
ライティング
光るのは3ポイント。
- マウスの縁
- 後方のロゴ
- マウスホイール下のボタン
本マウスはRGB対応ですが、光り方は単色発光のみ です。
発光パターンとしては「光るか」「光らないか」しか選べません。色はRGBパレットから選択可能で、ブライトネスも調整できます。
しれっと搭載してるくらいならこんなものかなと思いますが、RGBで光る!と謳っているなら発光パターンがもうちょっとあっても良かったかもしれませんね。
ソフトウェア
ソフトウェアは Lexip公式サイト からダウンロードできます。ジョイスティックのバインド変更に必須なので、必ずインストールすることになります。
出来はシンプル。評判あんまり良くないみたいですが、私は特に不満ないです。ポーリングレートやLODも変更できると良かったんですけどね。
アプリケーションによってプロファイルを切り替えられるので、必要とあらば設定しておきましょう。
Np93の目玉機能「可変DPI」設定。
- スティック下で500
- 平常時は1,500
- スティック上で2,000
となっていますが、これら3つにはそれぞれ独立したDPI値が設定可能です。
押し込み具合で変化幅は変わります。変わり目はシームレス なので、慣れればかなり使えそうです。
他、各ジョイスティックへ割り当てるバインド設定、ボタンのバインド設定、RGB発光変更などの設定が可能です。
持ち方とそれぞれの使用感
「Lexip Np93 Alpha」にはジョイスティックがついているため、持ち方がある程度制限されます。
通常であればほぼ全てのマウスでフィット感のある つまみ持ちがかなり微妙 です。何故かというと、手とマウスの接触ポイントが少ないため、ジョイスティックを押し込んだ時に左からくる力を抑えることができません。
結果 ジョイスティックを押すたびにマウスが少し傾きます。
この傾きをなくすためには かぶせ持ちかつかみ持ちでマウスをしっかりホールドするしかない というわけです。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◯ | ◎ | ✕ |
かぶせ持ち
本マウスはお尻がかなり高く設計されています。ですので、手が大きくないとかぶせ持ちをしても絶妙に手首が宙に浮いてリラックスできません。
つかみ持ち
つかみ持ちにすると手全体をマウス前方に持っていけるため、しっかりと体重をマウスにかけられるようになります。また、ジョイスティックのコントロールも精度が上がります。
つまみ持ち
基本オールラウンドでOKな万能つまみ持ちですが、本マウスに限ってはかなり微妙です。フィット感はありますが、ジョイスティックを動かすとマウス全体が傾くためかなり厳しい。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- ジョイスティック!
- ウェイトを調節可能(重くする方向)
- トップシェルは滑らかなマット仕上げ
- マウスホイールは軽くてスムーズ
- 超滑るセラミックマウスフィート
- カジュアルゲームにおすすめ
- イマイチなところ
-
- センサーが前方配置
- 持ち方をかなり選ぶマウス
- 慣れるまで時間がかかる
- RGB発光が単色
左サイドにジョイスティックが搭載されている不思議なゲーミングマウス「Lexip Np93 Alpha」のレビューでした。
FPSなどの激しいマウス捌きを必要とするゲームはグリップ力とコントロールが重要ですので、本マウスはあまり向いていないと思われます。
それは何故かというと、親指をジョイスティックにのせることで左からのホールド力が弱くなり、マウスを支える力が均一ではなくなるからです。力の具合的にはほんのちょっとの差なんですけどね、結構気になりました。
ですが、ジョイスティックは使い道が多くあります。サイドボタンでは滑らかに出来ない可変DPIや、キーをホールドする設定など、ジョイスティックならではの利点が結構あって面白いです。
RPG・シミュレーションゲーム・フライトゲームなど、ランクなど絡まない カジュアルゲームにはとてもおすすめ です。