Kraken Pro 60% レビュー。イカなコンパクトメカニカルキーボード
アメリカのゲーミングブランドであるKRAKENから発売されている「Kraken Pro 60%」メカニカルキーボードをレビューしていきます。
オプティカルスイッチ、IP68防水性能、ユニークなライティングなどを搭載。 その外観と性能について見ていきます。
概要とスペック
「Kraken Pro 60%」はフルサイズやテンキーレスよりもコンパクトで小さい60%キーボード。CherryMXではなくGateronのオプティカルスイッチを採用しています。
キー軸を取り外して付け替えられるホットスワップ型で、自分でキーごとに軸を入れ替えてみたり、ルブしてみるといった楽しみ方ができます。また、IP68と最高クラスの防塵・防水性能を有しています。
カラー | 黒 |
接続 | 有線 / USB-C |
サイズ | 61キー / 60% |
寸法 | 292 x 103 x 39 mm |
重さ | 561g |
配列 | 英語 |
スイッチ | Gateron オプティカル |
ロールオーバー | Nキー |
ケーブル長 | 1.8m |
ライティング | RGB |
ソフトウェア | あり |
マクロ | 利用可能 |
USBパススルー | なし |
防塵・防水 | IP68 |
同梱物
大きなイカが描かれた外箱。ダンボールの厚紙って感じです。
開けるとキーボード本体。それなりにミニマルな梱包で好印象。
キープラーが2つ。左のシルバーはキー軸を取り外す時に使うもの。右のブラックはキーキャップを取り外すためのもの。
USB-Cケーブル。かなり硬めです。
クイックガイド。ライティングの調整方法などが記載されていますのでとっておいた方が良いかも。
イカのステッカー。
- キーボード本体
- キープラー2種
- USB-Cケーブル
- クイックガイド
- ステッカー
同梱物は以上です。
デザインと性能
「Kraken Pro 60%」キーボードはその名の通りフルサイズの60%サイズとなる小型キーボード。寸法は 292(横幅)x 103(縦幅)x 39(高さ)mm です。
そのコンパクトさはマウスのスペースが増えるため人気です。キーはわずか61キーで「F1~F12」「矢印キー」などが存在しません。ですが、それらのキーのほとんどは「FN」キーを併用することでタイピング可能です。
重さは実測で 約568g でした。とても軽く、小型なことも相まって持ち運びにはピッタリなサイズ。同じような「Ducky One 2 Mini」が約590gなので、それよりも軽いことになります。
手前から見たところ。右下にKrakenのロゴがプリントされています。
右サイドから見るとよく分かりますが、手前から奥に向かってそれなりに傾斜があります。アングル調節をする足がついていないため、この傾斜一択となります。
ベゼルはこのように細くなっています。プラスチックなのですが、この部分はかなり安物っぽく見えますね。同じプラスチックでもDuckyは安く見えないので、太さをもうちょっと残すか、角を取って少し丸めてあげるとよさそう。
キーの数はトータルで61。売られているのは英語配列のみとなっています。
後ろからの見た目。
端子は汎用性の高いUSB-Cです。今では主流な着脱式なので別売りのキーボードケーブルを使えます。
Krakenキーボードからはカラフルなデタッチャブルアビエイター付きケーブルも発売されていますので、一緒に買うのもおすすめです。個人的にはコイルケーブルの方がおしゃれで好みです。
ベースのフレームはプラスチック。高級感はなく、汚れはつきやすいが、頑丈ですし本体が軽くなるので良い素材ですね。
四隅には厚めなノンスリップラバーがはられています。防滑性は十分。ただしアングル調節用の足がないため、傾斜をコントロールすることができません。
キー軸
キー軸は Gateronオプティカルスイッチ。赤・青・茶・シルバーの4種類か選ぶことができますが、ふもっふのおみせで取り扱っているのは赤とシルバーの2種類のみ。
軸色 | 赤軸 | 茶軸 | 青軸 | シルバー軸 |
クリック感 | なし | あり | あり | なし |
アクチュエーションポイント | 2mm | 2mm | 2.3mm | 1mm |
押下圧 | 45gf | 55gf | 55gf | 45gf |
キーストローク | 4mm | 4mm | 4mm | 3.2mm |
今回購入したのはスピードタイプのシルバー軸で、アクチュエーションポイントが浅いことから高速反応するためFPSを始めとしたゲームで人気。すぐにキーが反応してしまうのは嫌な人は一般的な赤軸がおすすめです。
シルバー軸はかなり高速反応なので、指をただ載せているだけのつもりがいつのまにかキーを押してしまっている・・なんてことも。慣れると心強いスピードですが、普段使いにはあんまり向かないとも思います。
本キーボードはホットスワップ対応なので、銀色のキープラーを使うことでキー軸を1つずつ取り外すことができます。
ボケけてわかりにくいですが、矢印部分の黒い突起物が上下にあります。これを強めにつまんでから引き抜くとポロッと外れます。
外れると基盤が見えます。
ホットスワップは「Kraken Pro 60%」でもかなり評価している分で、Duckyシリーズじゃなくてこれを買うなら ホットスワップだから ってところです。でもGateron軸しかハマらないのかも。試せてませんが・・。
自分で別のキー軸を部分ごとにはめるのも面白いかも。例えばWASDキーはシルバーで他のキーは赤にしておくとか。後は手間がかかりますがルブして打鍵感を向上させるなんてこともできますね。
キー軸の寿命はどれも1億回らしいですが、そんなに叩くことないんじゃないかな。もし仮にスイッチが壊れてしまったとしてもホットスワップできるので、予備の軸を買っておけばすぐに自分で修理可能です。
実はどれも少しぐらつきがあって、持って振るとラトル音がします。これはホットスワップだと仕方ないのかも。ちょっとしたグラつきに耐えられるかどうかは大事かも。個人的な感想では、そこまでグラついているわけでもないので問題なく使用できます。
Fnキーを駆使すれば他のキーも打鍵可
60%キーボードには、DELキーや矢印キー、F1~F12といったキーがありません。
じゃあ使えないの?というとそんなことは全くなく、Fnキーと同時押しすることで、Fnレイヤーに記録されたキーを入力可能 です。
ただし付属のキーキャップにはFnレイヤーのキーが印字されていないため、打つのが難しいです。加えてFnレイヤーの配列もちょっと特殊なので、クイックガイドを見ながら覚えていくしかありません。
ライティング
ライティングはRGB対応で、ユニークなプリセットパターンがなんと29種類も用意されています。キーボード本体にインストールされているのは10種類ですが、ソフトウェアをインストールして使うことでより多くのプリセットにアクセス可能となります。
プレビューも可能なので、1つずつ見ていくだけでも楽しいです。
残念なことに、一部のキーでは光り方にムラがあります。例えばENTERキーですが、両端の部分があまり光っておらず暗くなっています。「HyperX Alloy Elite 2」にENTERキーをはめてみたところちゃんと光っていたので、本キーボードのライトが単純に届いていないみたい。
それと、キーの文字が単純に大きいのも理由の1つかも。他のキーボードのキーキャップを改めて見返してみたところ、ここまで文字が大きいキーキャップはありませんでした。
加えて、キーキャップの裏側にはよく分からない黒いラインが入っているものもあり、それがちょうど印字部分と重なっているためムラになっています。
もしかするとこの光り方に関しては個体差があるのかもしれませんが、ふもっふのおみせの写真や動画を見ても同じような光り方をしているため、共通かもしれません。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- コンパクトな60%フォームファクター
- ホットスワップ対応
- 豊富でユニークなライティングパターン
- 耐久値の高いGateronオプティカルスイッチ
- 着脱式USB-Cコネクタ
- 強力な防塵・防水性能IP68
- イマイチなところ
-
- 完成度に対する値段が割と高め
- フレームが安っぽい
- アングルの調節ができない
- 付属キーキャップにFnレイヤーが書いてない
- ライティングの光り方にムラがある
以上「Kraken Pro 60%」のレビューでした。
60%キーボードとしては普通に優秀です。特にホットスワップ対応なのが素晴らしい。修理目的でも遊び目的でも自分でキー軸を変えられるのは強みです。そしてまだ試していませんがIP68という最強クラスの防塵・防水性能を有しています。
ただ、Duckyシリーズに比べるとその2点くらいしか勝っているところがない。全体的な完成度としてはDuckyに勝てない印象です。
また、本製品は「GK61」という格安で売られているキーボードのOEMという話も。動画などを漁って見てみましたが、実際ソフトウェアまでそっくりだし本当かもなと思ってます。「GK61」は値段が「Kraken 60% Pro」のなんと半分程度。確かにこの値段なら超コスパ優秀なキーボードです。
同じ値段出すなら「Ducky One 2 Mini」買ったほうが良いです。ただホットスワップ対応である本キーボードがどうしても気になるなら、まず先に「GK61」をチェックしてみた方が良いです。