
10GB/s級のエントリーGen5 SSD。KIOXIA EXCERIA G3 1TBを徹底検証

我が家にもGen5 SSDがついに来たぞ…!
ということで、KIOXIAから発売されているPCIe 5.0のエントリーモデルSSD「EXCERIA G3 1TB」を紹介していきます。
1TBモデルの最大読み出し速度は10,000MB/s。
上位のEXCERIA PLUS G4と同じくらい速いにも関わらず、撮影時点では価格が5,000〜6,000円ほど安い。
じゃあ、G3は何を削って安くしているのか。
今回は1TBモデルを実際に使い、短いベンチだけでなくゲームロード、大容量の動画素材コピーや5分間連続書き込みなどを試しました。
こんな内容
- 1TBはPLUS G4より約5,000〜6,000円安い
- DRAMレス+QLCでも、普段使いでは十分速い
- 1TBは約200GBの連続書き込み後、200MB/s前後まで低下
- ゲーム・OS用ならアリ、大量書き込みするなら微妙
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EXCERIA G3はGen5 エントリーモデル
KIOXIAのPCIe 5.0対応SSDは、上位機種からEXCERIA PRO G2、EXCERIA PLUS G4、EXCERIA G3という流れ。
| シリーズ | 公式の位置づけ | NAND | 最大Seq Read |
|---|---|---|---|
| EXCERIA PRO G2 | プロフェッショナル | TLC | 14,900MB/s |
| EXCERIA PLUS G4 | メインストリーム | TLC | 10,000MB/s |
| EXCERIA G3 | エントリー | QLC | 10,000MB/s |
G3はエントリーモデルに位置づけられますが、最大読出速度はPLUS G4と同じ10,000MB/s。
大きく違うのはNANDです。
PRO G2とPLUS G4はTLCですが、G3はQLC。
TLCが1セルあたり3bitを記録するのに対して、QLCは4bitを記録します。1セルにより多くの情報を保持できるため高密度化には有利ですが、NANDへ直接書き込む速度や書き換え耐性では不利になりやすく、実際のSSDでは高速なキャッシュを併用してその差を隠します。
短時間のベンチでは速いけど、その速度が長時間続くのか?という問いになると差が開いてくる部分ですね。
G3には1TB・2TB・4TBがありますが、公称性能もすべて同じではありません。
| 容量 | Seq Read | Seq Write | Random Read | TBW |
|---|---|---|---|---|
| 1TB | 10,000MB/s | 8,900MB/s | 1,300,000 IOPS | 600TB |
| 2TB | 10,000MB/s | 9,600MB/s | 1,600,000 IOPS | 1,200TB |
| 4TB | 10,000MB/s | 9,600MB/s | 1,450,000 IOPS | 2,400TB |
今回使った1TBは書出速度8,900MB/sですが、2TBと4TBは9,600MB/sまで上がります。ランダム読出やTBWも容量ごとに異なるため、この記事の実測値は基本的に1TBモデルの評価として見てください。
1TBはPLUS G4より安い
| モデル | 価格 | タイムセール時 |
|---|---|---|
| EXCERIA G3 1TB | 36,980円 | 33,280円 |
| EXCERIA PLUS G4 1TB | 42,980円 | 38,680円 |
| EXCERIA PRO G2 1TB | 49,980円 | 44,980円 |
動画撮影時点の価格では、上記の通りとなっています。たまたま開催されていたタイムセールでの価格も掲載しておきますが、この辺りは変動するのでご自身で確認してくださいね。
G3とPLUS G4の差は通常時で6,000円、セール時でも5,400円あります。
同じ10GB/sクラスの読出速度を持つPLUS G4より数千円安いので、少なくとも1TBでは価格を抑えたGen5 SSDとしての立ち位置を確立しています。
テスト環境
検証には普段使用しているデスクトップPCを使いました。
| 項目 | 環境 |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 9800X3D |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti |
| メモリ | DDR5 64GB |
| マザーボード | GIGABYTE X870E AORUS ELITE WIFI7 |
| OS | Windows 11 |
| EXCERIA G3 | M2A_CPU / CPU直結 PCIe 5.0 x4 |
| 冷却 | マザーボード標準M.2ヒートシンク |
EXCERIA G3は最上段のM2A_CPUへ装着し、CPU直結PCIe 5.0 x4で接続しています。

比較用のFireCuda 530もCPU直結スロットへ装着していますが、SSD自体がGen4なのでPCIe 4.0 x4動作。FireCuda 520はチップセット側のPCIe 4.0 x4接続です。
530と520は手持ちSSDとの参考比較として使っているだけですから、あくまで参考値で。
G3のファームウェアは購入時のEVFATR.0からEVFATR.1へ更新し、再起動後に測定しています。どうも何のバグ修正だったかは公開されていませんが、重大バグと書いてあったのでアップデート対応しておいた方が良さそうです。
CrystalDiskMarkの結果
まず、データをほとんど入れていない状態でCrystalDiskMarkを測定しました。

SSDベンチでは、大きなデータを連続して処理するシーケンシャルアクセスと、小さなデータを各所から読み書きするランダムアクセスがあります。また、QはQueue Depth、TはThread数で、たとえばQ32T16は非常に多くのI/O要求を並列に投げる条件です。
1GiBでの結果はこちら。
| 項目 | Read | Write |
|---|---|---|
| SEQ1M Q8T1 | 9,433.76MB/s | 8,224.92MB/s |
| SEQ128K Q32T1 | 9,572.56MB/s | 8,357.66MB/s |
| RND4K Q32T16 | 5,304.29MB/s | 5,396.22MB/s |
| RND4K Q1T1 | 66.68MB/s | 205.46MB/s |
Seq128K Q32T1ではRead 9,572.56MB/s、Write 8,357.66MB/s。
公称10,000MB/s・8,900MB/sに対して、それぞれ約96%・約94%です。
少なくとも通常の短時間ベンチでは10GB/s級と呼んで差し支えない速度が出ています。
64GiBでテスト
テストサイズを1GiBから64GiBへ増やして計測したところ、Seq128K Q32T1はRead 9,060.38MB/s、Write 8,407.13MB/s。
| テスト | 1GiB | 64GiB | 変化 |
|---|---|---|---|
| Seq128K Q32T1 Read | 9,573 MB/s | 9,060 MB/s | 約 -5% |
| Seq128K Q32T1 Write | 8,358 MB/s | 8,407 MB/s | ほぼ変化なし |
| RND4K Q32T16 Read | 5,304 MB/s | 1,265 MB/s | 約 -76% |
| RND4K Q32T16 Write | 5,396 MB/s | 1,240 MB/s | 約 -77% |
| RND4K Q1T1 Read | 66.68 MB/s | 54.47 MB/s | 約 -18% |
| RND4K Q1T1 Write | 205.46 MB/s | 210.39 MB/s | 約 +2% |
Readは約5%下がったものの、Writeはほぼ変化していません。少なくともSSDが空に近い状態なら、64GiBへ広げてもシーケンシャル性能は8〜9GB/s台を維持しています。

大きく変わったのはRND4K Q32T16。
1GiBではRead 5,304MB/s、Write 5,396MB/sだったものが、64GiBではRead 1,265MB/s、Write 1,240MB/s。約76〜77%落ちました。
低並列のQ1T1を見ると、Readは66.68→54.47MB/s、Writeは205.46→210.39MB/s。Q32T16のような大幅低下は起きていません。
ATTO Disk Benchmarkの結果
ATTO Disk Benchmarkでも確認しました。これはI/Oサイズを細かく変化させながら、どの程度のデータサイズからSSDの帯域を引き出せるかを見るベンチマークです。

| I/Oサイズ | Read | Write |
|---|---|---|
| 128KiB | — | 8.62GB/s |
| 256KiB | — | 8.92GB/s |
| 1MiB | 9.20GB/s | 約8.9GB/s |
| 2MiB | 10.12GB/s | 約8.9GB/s |
| 4MiB | 10.18GB/s | 約8.9GB/s |
| 8MiB | 9.74GB/s | 約8.9GB/s |
| 16MiB | 9.19GB/s | 約8.9GB/s |
| 32MiB | 8.03GB/s | 約8.9GB/s |
| 64MiB | 7.65GB/s | 約8.9GB/s |
ATTOでも、ある程度I/Oサイズが大きくなるとWriteは高い帯域を安定して維持。Readは途中でピークを迎え、その後はI/Oサイズが大きくなるにつれて緩やかに低下しています。
常に10GB/sが出るわけではありませんが、CrystalDiskMarkとATTOの両方で10GB/s前後まで到達しており、短時間のまとまったデータアクセスではG3 1TBのピーク性能をしっかり確認できました。
容量半分ほど使用した状態での検証
最初の測定はG3が0%の状態でテストしています。
比較対象のFireCuda 530はすでに約430GB使っていたため、G3にも動画素材を入れ、434 / 931GiB、使用率47%まで増やしてCrystalDiskMarkをもう一度回しました。
64GiB時の数値を並べるとこうなります。
| 項目 | 0% | 47%使用 | 変化 |
|---|---|---|---|
| SEQ1M Read | 9,003.83 | 8,862.49 | -1.6% |
| SEQ1M Write | 8,143.94 | 8,147.10 | ほぼ同じ |
| SEQ128K Read | 9,060.38 | 8,811.30 | -2.7% |
| SEQ128K Write | 8,407.13 | 8,296.77 | -1.3% |
| RND4K Q32T16 Read | 1,264.95 | 1,250.56 | -1.1% |
| RND4K Q32T16 Write | 1,239.82 | 1,113.49 | -10.2% |
47%まで容量を使用した状態でも、シーケンシャル性能は大きく崩れていません。少なくとも半分近く使った程度では、8〜9GB/s級の速度を維持しています。
一方で、47%使用時でも、64GiBの高並列ランダムは0%の状態と近い結果でした。
つまり、最初に確認したRND4K Q32T16の落ち込みは、SSDの容量による結果ではなさそう。
約80%使用時での結果
さらにデータを追加し、748 / 931GiB、使用率約80%でも測定。
ここで面白かったのが、1GiBと64GiBでまったく印象が違うところですね。
| 1GiB | Read | Write |
|---|---|---|
| SEQ1M Q8T1 | 9,315.95MB/s | 8,179.63MB/s |
| SEQ128K Q32T1 | 9,335.92MB/s | 8,300.23MB/s |
| RND4K Q32T16 | 5,247.17MB/s | 4,694.32MB/s |
| RND4K Q1T1 | 64.31MB/s | 198.12MB/s |
Seq Readは9.3GB/s、Writeも8.2〜8.3GB/s。SSDを約80%使っていても、1GiBの短いベンチだけなら0%の状態と大差ありません。
ところが64GiBではこうなりました。
| 64GiB | Read | Write |
|---|---|---|
| SEQ1M Q8T1 | 8,115.71MB/s | 211.34MB/s |
| SEQ128K Q32T1 | 8,177.19MB/s | 2,108.02MB/s |
| RND4K Q32T16 | 769.77MB/s | 741.08MB/s |
| RND4K Q1T1 | 42.45MB/s | 160.09MB/s |
SEQ1M Q8T1 Writeは211.34MB/sまで低下。
47%使用時の同じ64GiBテストでは8,147MB/sだったので、差はかなりでかい。
64GiBをCount 5で繰り返すCrystalDiskMarkはかなり重い書き込み負荷ですが、1GiBでは8GB/s以上出ていても、大きな負荷を続けると急激にWriteが崩れるようです。
ゲーム性能について
SSDをGen4からGen5へ替える理由として、ゲームのロード時間短縮を期待する人もいるかもしれません。
まず3DMark Storage Benchmarkを測定しました。これはゲーム起動、セーブ、インストール、録画、ゲームデータの移動などをまとめて扱うストレージテストです。

| SSD / 状態 | 3DMark Storage Score |
|---|---|
| G3 / 0% | 3180 |
| G3 / 47% | 2915 |
| G3 / 80% | 2536 |
| FireCuda 530 / 約46% | 2649 |
| FireCuda 520 / 約43% | 1537 |
0%のG3はスコア3180。容量47%使用では2915、約80%使用では2536まで下がりました。

0%から約80%まででの容量変化によるスコアの低下は約20%。平均帯域幅も540.18MB/sから435.61MB/sへ下がり、平均アクセス時間は56µsから71µsへ増えました。
SSDの使用率だけが原因かどうかは判断しかねる部分ではありますが…。一応事実としてこのようなデータ推移になりました。
FFXIVでの差異
FFXIV 黄金のレガシーベンチマークではTotal Loading Timeを3回測定し、その平均を使っています。

| SSD / 状態 | 平均Loading Time |
|---|---|
| G3 / 0% | 6.615秒 |
| G3 / 47% | 7.108秒 |
| G3 / 80% | 7.607秒 |
| FireCuda 530 / 約46% | 7.092秒 |
| FireCuda 520 / 約43% | 9.853秒 |
0%のG3は6.615秒とかなり高速でした。FireCuda 530よりも約0.48秒速い結果。
そこでG3にも434GiBのデータを入れ、47%使用した状態で取り直すと、平均7.108秒になりました。

FireCuda 530との差はわずか0.016秒、っていうかむしろ530よりちょっと遅くなってる。まぁこの条件ではほぼ同じと見ていいでしょう。
さらにG3を約80%まで使用した状態では平均7.607秒まで遅くなります。
今回のG3ではデータ量を増やして測定するたびにロード時間が長くなりました。
面白いのは、3DMark StorageではG3がFireCuda 530を上回る条件があったのに、その差がFFXIVのロード時間にはほとんど出なかったこと。10GB/s級のシーケンシャル性能を持つGen5 SSDへ替えればゲームロードが速くなる、とは考えない方がよさそうかなと。
大容量の動画素材を実際にコピー
ベンチマークとは別に、普段実際に扱っている動画素材でも試しました。
使用したフォルダは475ファイル、約138.8GBです。
DiskBenchのCopy Directoryで、FireCuda 530とEXCERIA G3の間を双方向に1回ずつコピーしました。

| コピー方向 | 所要時間 | DiskBench表示 |
|---|---|---|
| FireCuda 530 → G3 | 42.415秒 | 3,119.874MB/s |
| G3 → FireCuda 530 | 91.511秒 | 1,446.050MB/s |
同じ約139GBのフォルダでも、コピー方向によって倍以上の差があります。
この速度は両SSDのRead/Write性能やコピー処理の影響を含むため、G3単体の性能とは言えません。それでも、約139GBの動画素材を最短42秒ほどでコピーできており、逆方向でも約1分半なので、実ファイルの転送速度としてはかなり高速です。
約200GBから速度低下
G3 1TBで最も大きな差が出たのが、大容量の連続書き込みです。
DiskSpdで300秒間書き込み続けたところ、約200GBまでは8GB/s前後を維持しましたが、そこを境に速度が急落しました。

| 区間 | 書き込み速度 |
|---|---|
| 開始〜約24秒 | 平均 約8.2GB/s |
| 25秒目 | 約3.1GB/s |
| 26秒目 | 約200MB/s |
| 26〜300秒 | 平均 約213MB/s |
300秒間で実際に書き込まれた総量は約258.5GBです。
つまり、短時間のベンチや約139GBの実ファイルコピーでは高速でも、約200GBを超えて連続書き込みすると性能が大きく落ちました。
ここで気になるのが発熱ですが、HWiNFOでは開始時52℃、最高60℃。速度が落ちた25〜26秒付近も58〜59℃で、最高温度に達する前に性能が落ちています。今回取得した温度ログを見る限り、サーマルスロットリングが原因とは考えにくいです。
挙動としてはキャッシュ切れっぽいんですが、今回見ているのは転送速度と温度だけです。
まとめ
最後に、今回EXCERIA G3 1TBを使ってみて感じた良かった点と気になる点をまとめます。
| 良かった点 | 気になる点 |
|---|---|
| Readは10GB/s前後まで伸びる | 約200GBを超える連続書き込みで速度が大幅低下 |
| Writeも短時間なら8GB/s台 | ゲームロードはGen4から劇的には変わらず |
| それなりの大容量ファイルコピーも高速 | QLC・DRAMレス |
| PLUS G4より安くGen5へ移行できる | SSDが高騰してるので値段は高い |
| 4TBも選べる |
G3 1TBの良さは、エントリーモデルながらピーク性能を削っていないところ。普段使いやゲーム、数十GBから100GB台のファイルコピーであれば、今回の検証では十分速かったです。
一方で、数百GBを一気に書き込む用途だと約200GBを超えたあたりから速度が大きく落ちたので、動画素材の退避や大規模バックアップを頻繁にするなら気になるポイントかも。
ゲームについても、ベンチマークではFireCuda 530を上回る場面があったものの、実際のロード時間は大きく変わりませんでした。ただし、今回の結果から言えば、FireCuda 520からなら2秒以上短縮となりましたので、古めなSSDを利用しているなら乗り換える価値がありそうです。
撮影時点ではPLUS G4より約5,000〜6,000円安かったので、G3を選ぶ意味は十分あります。逆に、大容量の連続書き込みを速くしたいなら、他のSSDも含めて検討すべきかも。
なお、持続書き込みまで検証したのは1TBモデルだけ。2TB・4TBは公称Writeも異なるため、約200GB以降で確認した挙動についてはあくまで1TBモデルの結果です。
提供: キオクシア株式会社












