HyperX QuadCast S レビュー。RGBで光る魅惑のコンデンサーマイク
HyperXから発売されているRGBライティングが鮮やかなコンデンサーマイク「HyperX QuadCast S」をレビューしていきます。
概要とスペック
「HyperX QuadCast S」は高品質でクリアな音を集音するコンデンサーマイク。
タッチ式ミュートボタンやゲイン調整、指向性は4パターン選べるなどその機能は多彩です。
マイク本体にショックマウントが付属し、ポップフィルターが内蔵されています。マイクアームに乗せたい場合でも特別何かを追加購入する必要がありません。
豊富な機能だけでなくRGBで光るという、見た目と機能性を両立させたい方におすすめしたいマイクです。
無印のQuadCastとの違い
QuadCast自体は2019年に発売されたマイク。
今回紹介する製品は、名前の最後に「S」が付いています。Sは2020年10月に日本で発売されました。
これは何が進化したかというと、元は赤色にのみ光っていたのが、RGBで光るようになりました。
見た目がグレードアップしていますが、基本的な性能はほぼ据え置きのまま。電力消費や値段がちょっとアップしたって感じですね。
同梱物
外箱。
- マイク本体
- スタンド
- USB-Cケーブル
- マウントアダプター
- クイックガイド
ケーブルは編組タイプのUSB-C。3mとかなり長めに設計されていて、マイクの位置に制限がでないように考えられています。ちょっと硬めなのに目を瞑れば素晴らしい。
スタンドから取り外して、このマウントアダプターに換装できます。これはマイクアームにのせる時に使います。
ネジは3/8インチと5/8インチの両方が使えるようになっています。しかし、3/8インチはかなり深めになっている点に注意。
私はRode PSA1を使用していますが、ギリギリ3/8インチでも取り付けることができました。
デザイン
箱にはまさにこの形のまま梱包されてきます。
サイズは結構大きめで、スタンド込みだと 10 x 12.5 x 24.5(幅x奥行きx高さ)cm くらい。幅と奥行きはベーススタンドの幅なので、マイク自体はもうひとまわり小さいです。
サイズを比較してみました。SoloCastよりも断然大きいですが、スタンドを含めるとBlueYetiより小さめ。
マイクは剛性の高いアルミニウム製。
マイク本体とショックマウントはネジどめされていて、基本外れない設計です。
ロープサスペンションで振動を吸収します。
スタンドは重めなアルミ製です。マイク本体が大きいため、倒れないようにそれなりの重量が必要です。
実際マイクを突き飛ばすように強くつついても倒れないくらいに重心は低いです。安全。
底面には滑り止めのゴム。
本体込みでの重さが左の画像。右はマイクとショックマウントの重さ。
スタンドの角度は垂直方向に45度傾けられます。
エントリーモデルであるHyperX SoloCastのように横にも回転できたら最高でしたが、マイクが重いからちょっと難しそう。
スタンドの傾きはノブを締めて固定します。ショックマウントを含めて、この辺の素材はプラスチックです。
接続はUSB-C。スタンド後ろの穴に通すことでほんの少し配線がスッキリ。
無印QuadCastはmicroUSBだったので、汎用性が高くなりました。
QuadCast Sの特徴
本製品のメリット・デメリットといった特徴について紹介します。
RGBに光って見栄え抜群
電源が入るとマイクがRGBで光るのが大きな特徴。
通常のQuadCastは赤色で光るだけなので、Sになって見た目がだいぶ進化しました。
デフォルトのライティングパターンだとゆっくりとグラデーションが縦に変化していきます。
NgenuityというHyperXのソフトウェアをインストールすれば、ライティング設定を変更できます。プリセットパターンが用意されており、輝度や動きの速さも微調整可能。
ライティングを完全にオフにして使うこともできます。
高音質な録音性能
音質はクリアで良好。
ゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud II」、エントリークラスのマイク「SoloCast」、そして本製品「QuadCast S」でそれぞれ録音したものを比較してみます。イヤホンで聞いてみてください。
ヘッドセットのマイクは相応の音質という感じ。こもってるし、破裂音がのってます。
SoloCastはかなり良くなりますが、それよりも声質を忠実に再現できているのがQuadCast Sです。
周辺音を拾うか
ノイズキャンセリング機能を搭載しているわけではないため、マウスクリックやキーボードの音は拾います。
できるだけ口元に近づけて使うのが理想です。口元に近づけると自分の声が大きく入力されるため、相対的に遠い位置で発生する音は小さくなります。
もう1つの解決策として、Nvidia製のグラボを使っているならNvidia BroadcastというAIソフトで声以外のノイズを排除するという方法もあります。
試しにソフトのノイズキャンセリング機能をオフ・オンしてみたものです。
実際、本当にスペースバー叩き続けてます。
このソフトほんとにすごいなとは思いますが、完璧とは言えないのもたしかです。キーボードがマイクに近くて音が大きすぎるため、やや声質がおかしくなっています。
こんなに極端にうるさい環境で使うことは少ないと思いますので、普通に使うにはかなり良さそう。
フレンドと話す分にはいいですけど、収録や配信などにはまだ力不足かなと思います。ごくたまにロボット声になるし。
内蔵ポップフィルター
フレーム内側にあるフォームが内蔵されたポップフィルターです。このおかげで破裂音が軽減されます。
試しに距離を30cm、20cm、10cmと3段階に分けて喋ってみました。
20cmくらいまでは内蔵のみでも綺麗な音ですが、10cmとなると厳しいです。しかし、外付けポップフィルターをさらにはさむと10cmでも破裂音は発生しなくなります。
マイクに極端に近い位置で収録するなら別売りポップフィルターは必須です。
使い勝手のいい機能が満載
QuadCast Sは機能が豊富です。
4種類から選べる指向性
集音する方向を決める指向性は4パターン用意されています。
ステレオ
無指向性
単一指向性
双指向性
通常自分だけの声を拾うのに適しているのは単一指向性(カーディオイド)ですので、これを選択しておけば良いです。
誰かと二人でラジオのように話すなら双指向性、ギターなど楽器を録音するならステレオ、複数人で話すなら無指向性など、用途に応じて切り替えられるのが強みです。
試しにそれぞれのパターンで録音してみました。
それぞれの特性は忠実に再現されていると思います。
ゲインコントロール
マイク最下部の丸が5つある部分、ここは回転するようになっています。
時計回りで音量ダウン、反時計で音量アップ。
マイク本体でゲインを上げられると、PC側で小難しい設定をしなくてよいので助かりますね。
タッチ式マイクミュート
マイクのトップ部分はタッチセンサー式のマイクミュートボタン。
端の方は反応しませんが、結構タッチエリアは大きいのでとっさに押してもミスすることは少ないです。
マイクミュート音が入るかのテストです。ブッという音が入ると「ミュートしたな」と思われてなんか嫌ですよね。
薄くですがプッと聞こえます。そこまで気にならない程度かなというところ。これは本当に優しくタッチしないと静かになりません。
ポンっとやや叩くように押すと思いっきり音がのります。
マイクはミュートにするとRGBライティングが消えるようになっています。
これはソフトウェアを使えば逆にすることもできます。ミュートすると光って、喋る時はライトオフみたいな。
オーディオモニター
マイク背面のオーディオ端子にヘッドホンを接続すると、マイクで集音している音をモニターすることができます。
振動を吸収してくれる
マイク本体の周りにある円状のプラスチック部品はショックマウントといって、衝撃や振動がマイクに伝わるのを防いでくれる機構です。
そのため机をトントン叩いたり、キーボードをドコドコタイピングしても煩わしい低音が収録にのる心配は少ないです。
エントリークラスであるSoloCastにはショックマウントがないため、机の上に置いて使うなら何らかの振動対策が必要になります。
SoloCastとQuadCast S、どちらもすぐ手前にキーボードを置いてドコドコタイピングしてみました。低音の違いに注目してください。
マイクアームにもそのまま使える
ショックマウントとポップガードを内蔵しており、スタンドから外してマウントアダプターへと変更できます。
そのため、別途特別にアクセサリーを買わないでもマイクアームにそのままつけて使えます。
例えばBlueYetiだとショックマウントもポップガードも内蔵していないため、別途外付けで買う必要があります。
スタンドからノブを外した後、ネジタイプのアクセサリーをはめなおすだけの簡単作業。
このワッシャーは垂直の傾きを滑らかにするために必須ですが、ポロッと落ちるのでつけはずしの時にちょっと面倒くさいです。
大きくて存在感がある
良い意味でも悪い意味でも大きいですね。
SoloCastだと机の上に置くとやや低すぎるのに対し、QuadCast Sなら高さがあるので口元に近くなります。
よりしっかり集音できますが、視界に入って邪魔に感じるかもしれません。
置き場所を工夫する必要がありますが、できればマイクアームにのせて使うのが音的にも場所的にも最善です。
レビューまとめ
以上「HyperX QuadCast S」のレビューでした。
見た目、性能、使いやすさ、いずれをとってもトップクラスのコンデンサーマイクだと感じます。
RGBで光るマイクは他に見かけませんし、機能はとても豊富、そして音質が良い。操作が直感的で分かりやすいのも付け足しておきます。
お値段はけっこういいところなのですが、性能に見合っていると思いますのでおすすめです。