HyperX Cloud Core 7.1 レビュー。安くても性能は極めて優れたヘッドセット
HyperXから発売されているゲーミングヘッドセット「HyperX Cloud Core 7.1」をレビューしていきます。
本製品はレビューサンプルをご提供いただきました
概要とスペック
HyperXの数あるゲーミングヘッドセットモデルの中でも根強い人気を誇った優秀なCloud Core。
「HyperX Cloud Core +7.1」はそれをベースに7.1chバーチャルサラウンドが追加されたリニューアルモデルです。
着け心地は素晴らしく、53mmドライバーはクリアで高品質なサウンドが聞けます。
マイクの音が小さめなのはちょっと残念な部分ですが、定価はわずか税込み7,980円。コスパも考えると、かなりおすすめできる優秀なヘッドセットです。
カラー | 黒 |
接続 | 有線 |
オーディオ | ステレオ / 7.1ch |
タイプ | 密閉型 |
重さ | 350g(公称値) |
スピーカー周波数特性 | 15Hz – 25kHz |
スピーカーサイズ | 53mm |
インピーダンス | 60Ω |
SPL | 98±3dB |
T.H.D. | 2%未満 |
マイク | 着脱式マイク |
指向性 | カーディオイド |
マイク周波数特性 | 50Hz〜18kHz |
カプセル径 | 6mm |
ライティング | なし |
接続端子 | シングル4極 |
対応コンソール | PC / Mac / 各種 |
さらに詳しいスペックは公式サイトに記載されていますので、そちらをご確認下さい。
対応コンソールに各種と書きましたが、正確には「PS4 / PS5 / Xbox One / Switch / VR / モバイル」となります。PS5に関しては自身で問題なく使用できることを確認しています。
同梱物
各サイドから見た外箱。白と赤でHyperXらしさがあります。
- ヘッドセット
- 着脱式マイク
- USBオーディオコントロールボックス
- クイックガイド
同梱物は以上です。
デザインと性能
黒色でまとめられている「HyperX Cloud Core 7.1」。ハウジングのアルミ素材にHyperXロゴが赤く描かれており、光の角度によってはキラリと光るアクセントに。
私は黒に赤っていう組み合わせ好きなのでストライク
定価税込み7,980円とは思えない見た目にけっこう驚きます。
シンプルめなオーバルタイプのハウジング。ベースはマットコーティングのプラスチックですが、ロゴの部分はアルミプレートになっています。
プラスチック部分は脂汚れなどがつきやすいので、たまにお手入れしてあげましょう。
ヘッドバンドとハウジングを接続するアームはアルミで出来ていて頑丈。ビルドクオリティは良いです。
ハウジングは左右にひねられるような設計ではありません。しかし、アームの付け根に遊びがあって、20度くらいは微調整できるようになっています。フィット感的には問題ありません。
ヘッドバンドのトップにHyperXのロゴ。ここは安物っぽいですが、前述したアルミ素材がところどころにあしらわれているため、値段は安いのに高級感も存在するモデルになっています。
ヘッドバンド下のフォームは結構厚みがあって頭頂部をしっかりと保護してくれます。しっとりした感触で、肌触りも良いです。
柔軟性はかなりあって、強くひねっても大丈夫。
スライダーは伸ばすと丸いくぼみが見えます。見える範囲では6つですが、実際にスライドさせてみると8ストップありました。
大雑把に計測して片側32mmくらいの変化。
両サイドをマックスまでスライドさせると64mm大きくなります。
マックスまで伸ばしても、頭の大きい人にはちょっと窮屈かもしれません。その一方、ヘッドバンドのフォームやイヤーパッドが非常に柔らかいため、あまり痛みは感じないはずです。
もしサイズ感が不安だったら家電店などで装着してみることをおすすめしますが、少し窮屈でも1時間程度の使用なら問題なさそうです。
ケーブルはむきだしなのでちょっと不安は残りますが、普通に使っている分にはひっかけて壊すようなことはないでしょう。
重さ
重量はマイクなしで 約285g とそれなりに軽めです。
マイクは単体で 約13g でした。ヘッドセットに取り付けると合計で 約298g となります。マイクをつけても300g切るので軽めですね。
USBオーディオコントロールの重さは 約15g でした。
ケーブル
ケーブルは太めな編組ケーブルですが、比較的柔らかくて取り回しも悪くありません。
先端は4極シングルミニプラグ。ヘッドセットからこの端子までは1mくらいあります。
1mだとPCの背面には届かない長さですが、PS5などでコントローラーに繋げるにはちょうど良いです。実際に使ってみましたが、体勢は自由にできる程度の余裕がありつつも長すぎず、かなり使いやすい。
USBオーディオコントロールボックスのケーブルは長さが2mあります。USBならPC背面への繋ぎも余裕です。
イヤーパッド
イヤーパッドは楕円タイプ。素材はPUレザー、しっとりとしたさわり心地でとても柔らかい。
通気性はほどほどで、長時間つけていると少し汗をかきます。これは密着感や遮音性とトレードオフになってしまうので、ある程度は仕方ありません。
ノイズアイソレーションは悪くないです。横でうるさいデシカント除湿機を回しているのですが、かなり騒音ボリュームは下がります。
中身は低反発クッションで、押し込むとゆっくり元の形へと戻っていきます。とても柔らかいため、しっかり密閉されるけど圧迫感はありません。
内寸は縦が66mm、横幅が41mm、厚みは17.5mmでした。
マイク
着脱式マイクの差込口はヘッドセット左下にあります。
別でマイクを使っているならマイクは取り外しておけば良いし、シングルプレイヤーなどでマイクを使わないなら視界の邪魔にならないように外しておけます。
オーディオケーブルも着脱可能だったら嬉しかったのですが、そうもいきませんでした。
単一指向性のノイズキャンセリングマイク。風防付きで、グースネック部分が優秀。
グニッと角度をつけてもピタッと止まってくれるので、好きな場所へマイクを持ってこれます。
風防は取り外し可能です。出っ張っている側がマイクの表側です。
風防をつけていてると中は見えませんが、根本部分にマイクのマークが刻印されています。なので、どちらが喋り口かは簡単に判断できます。風防の上から触っても分かりますけどね。
ヘッドセットのマイクとしては悪くないです。少しこもりがちですが、コミュニケーションはしっかりとれます。
PCだとインプット音量は小さく感じます。マイクの入力音量は最大にして、さらにUSBオーディオコントロールボックスのマイク音量も最大にしましょう。
PS5ではミニプラグで直繋ぎでしたが、マイク音量は大丈夫そうでした。
なるべく口元に近づけて喋った方が良いですが、近づけすぎるとふかれでポップ音が入るので絶妙なマイク位置を探す必要があります。
ノイズキャンセリングは優秀で、遠くにある環境音はなるべく切ってくれます。近場のキーボードとかマウスは切れません。
もしかするとこの音量の小ささはノイズキャンセリングが影響しているのかも。
小さいとはいえ、全部音量を最大にして適切なマイク位置で喋れば問題ないボリュームでトーク可能です。
USBオーディオコントロールボックス
大きめなインラインコントロールボックス。サイズは 68(縦幅)x 30(横幅)x 10(厚み)mm です。ゴツい見た目で古臭い感じは否めません。
ヘッドセットの3.5mmミニプラグを上部に接続し、逆サイドのUSBをPCへ接続します。
左側はヘッドホンボリュームの上下、右側はマイクボリュームの上下。中央は7.1chバーチャルサラウンドのオフ・オンです。赤色に光っているとオン。
左側面にはマイクのミュートスイッチ。ミュート側にボタンをたおすと、スイッチの下に赤い線が見えるようになります。光ることはないので、ミュートの判別はしっかりボタンを見ないと分からないかも。
背面にはクリップ付属。
このオーディオコントロールボックス、大きくてぶら下がってしまいます。服のどこかに取り付けるのか、机に貼り付けるのか、何か対策を考えないと気が散ってしまうかもしれません。
また、コントロールボタン系は全てこのボックスに集約されており、ヘッドセット本体では何も調節できません。これはコンソール機器でUSBボックスを介さず接続すると、音量調整が面倒になるということ。
できればヘッドホン側にも設置してくれると嬉しかった。でもそれによって製造コストが上がるならいい・・っていう難しい部分でもありますね。
ソフトウェア
ソフトウェアには対応しておらず、接続するだけで使用できるプラグ・アンド・プレイ。
余計なソフトウェアの介入がなく簡単に扱える一方、イコライザーで音を調整出来ないなどカスタマイズ性は弱いです。
装着感
オーソドックスなヘッドホンの形をしていて、前からの見た目はけっこうシンプル。
スライダーはそこまで大きく伸びないため、頭が大きめだとフィット感はギリギリかも。
イヤーパッドや頭頂部のフォームは非常にソフトなため、側圧を強く感じることはなく圧迫されません。
モニターの端から端を見るように、70度くらいの範囲で首を強く左右に振ってみました。これくらいの首振りならヘッドセットがズレることはなく安定しています。
マイクを入れても300g未満と比較的軽めなので、長時間ゲームしていても疲れたり首が痛くなったりはしません。
全体的にめちゃくちゃ上出来なつけ心地だと思います。
音質について
ネオジウム磁石、ダイナミック53mm径ドライバー搭載。音質はこの値段帯としては極めて良好、ゲームだけでなく音楽もそれなりに聞けてしまいます。
ボーカルや足音が周囲の音に埋もれずに聞き取りやすい。音楽としては物足りなさを感じるかもしれませんが、ゲームではうるさすぎなくて良いです。
フラットめなサウンドプロファイルで、爆音にしてもひずまずにキレイな音で鳴ります。
7.1chバーチャルサラウンドをオンにするとサウンドステージの広がりを少し感じられます。
大体バーチャル系って音がこもることが多いのですが、本モデルではそこまでこもらずに割と自然に聞こえます。足音や銃声の方向がやや聞き取りやすくなりますが、劇的に変わるわけではありません。
音楽で使うには微妙。リバーブが音を歪めてしまうのが顕著に分かるため、ステレオで聞いたほうが良いです。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- シンプルだけど高級感のある見た目
- ビルドクオリティは良い
- 53mmドライバーの素晴らしい音質
- 音楽もそれなりに聞ける
- 7.1chもゲームではそこそこ自然
- 柔らかいイヤークッション
- マイク込みで300g以下と軽め
- 長時間着けてても疲れない
- 対応機器が幅広い
- プラグ・アンド・プレイ
- イマイチなところ
-
- オーディオボックスが古臭い
- ヘッドセット側にボタンなし
- カスタマイズ性は弱い
- 頭が大きい人にはギリギリかも
以上「HyperX Cloud Core 7.1」のレビューでした。
この見た目、ビルドクオリティ、つけ心地、音質で定価7,980円は感動モノです。
人気なのもそりゃそうだって感じです!
爆音でも歪まずに綺麗な音で、足音も分かりやすいクリアなサウンド。ゲームだけでなく、音楽も映画鑑賞もこれ1本でいけます。
7.1と名前に付いているように、前モデルCloud Coreに7.1chバーチャルサラウンドが付加されたモデルです。バーチャルは音がリバーブでお風呂状態になるものが多いですが、これは比較的自然な音をキープしたままなのが強み。ただし劇的な変化があるわけではありません。
頑丈なビルドクオリティと長時間使っていても疲れないし痛くならない着け心地も素晴らしく、この値段帯では無敵じゃないかなと思うくらいに仕上がったゲーミングヘッドセットです。
オーディオボックスがゴツくて邪魔だなと思うのとか、コンソールで使うとUSBで接続しないためヘッドセット側に音量調節ボタンがないと不便だなぁとか、まぁ思うところはありますけども、普通に激推しできるヘッドセットには変わりないです。