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水彩画タッチの謎解きゲームGRISが面白いのでレビュー

GRIS

Steam/スイッチのダウンロード版で発売されているインディーゲームの『GRIS』。女性が主人公で、幻想的な雰囲気が漂う2D横スクロールアドベンチャーゲームです。面白かったのでレビューします。

タップできるもくじ

GRISについて

GRIS モノクロの世界

辛い体験によって声を失い、自分の内面世界へと迷い込んでしまった女性を操作してパズルを解いていくアドベンチャーゲーム。主人公は不思議なドレスを身に纏っており、様々なアクションを覚えていきます。

GRISには死亡といった概念がなく、難易度の高いアクションゲームのようなものではない点に注目です。水彩画タッチの幻想的なビジュアルで、テキストではなくアートで物語を形作っていく。美しいストーリーテリングを体験するゲームです。

色を失った世界に落ちた主人公は、光の玉を集めながら色を取り戻していきます。フラクタルちっくな建物、ボロボロの巨大な石像が立ち並ぶ中、時には砂嵐にふかれたりもしますがめげずに進む。音楽は静かめで読みものもほぼ皆無、幻想的な世界のなかで主人公と共に謎解きをしていきます。

レビュー

買い!ですが、まずは要点として良いところ・イマイチなところを。

良かったところ
  • 水彩画タッチの美しいビジュアル
  • 道に迷わない簡単な謎解き
  • 死亡という概念がない
イマイチなところ
  • ちょっと眠くなる
  • プレイ時間が短い

美しいビジュアルとストーリーテリング

GRIS 森の中

水彩画タッチのビジュアルがめちゃくちゃ良い。最初はボロボロに滅びた世界が色を失っており、モノクロなのでよくわかりません。しかし進んでいくうちに少しずつ色を取り戻していきます。この世界の見方がだんだんと変わって行く様子が素晴らしく、背景の変化や色の使い方がとても美しいです。

GRISを紹介するにあたっていくつかスクリーンショットとらなきゃな〜と思っていたのですが、いつ撮っても良い画です。他のゲームではいくつか撮っても使えるスクショは数枚なのですが、GRISに関してはどれでもOKだと思いました。プレイしたらぜひパシャパシャ撮ってみてほしい。実況動画も良いかもしれませんね。

GRIS 赤い砂嵐

砂嵐によって吹き飛ばされるシーンでも、砂嵐の表現が水彩のようで何度でも見ていられます。段々と世界に色を取り戻していく度に鮮やかになり、主人公の気持ちを言葉ではなくアートで表現していくのが響きます。

水彩のビジュアルが〜とか言うと映像を楽しむだけのゲームかと思われがちです。確かに美しいビジュアルを楽しむゲームではありますが、物語を含めたゲームとしてもかなり完成度が高いです。というのも文字は皆無なので、映像やゲームプレイだけでのストーリーテリングになります。ですからビジュアルを楽しむ=物語を読み解くことになります。

道に迷わない簡単な謎解き

ギミックや謎解きがシンプルで、詰まるようなことはそこまでないでしょう。主人公は世界に点在する白い星を集めて道を作りながら進んでいきます。

道は実質的には一本道で、何をすればいいのかという説明は一切ありません。しかしカメラワークなども自動で滑らかに動いてくれるため、進めば分かるようにデザインされています。

GRIS 最初は歩くこともままならない

最初は歩くこともままならず、アクションボタンを押してもへたり込むだけの主人公。物語が進んでいくと次第にアビリティを覚え、様々な障害に立ち向かえるようになっていきます。

新しいアビリティを覚えていくとできることが増えるため、謎解きもすこーし難しくなっていきます。でもよく考えれば大丈夫。

プレイ時間は3時間程度でクリアできてしまう短さです。そして何度もリプレイするような内容でもなく、やり込み要素もありません。ちょっと物足りないような気もしますが、美しいビジュアルと色使い、そして何より主人公の躍動感が次第に増していく様子は脳裏に焼きつくでしょう。

死亡という概念がない

最近は死にゲーばかりやりすぎて死ぬことに慣れてしまっていました。GRISでは死という概念がなく、高いところから落ちても大丈夫だし、画面外に落ちてさよなら・・なんてこともありません。

石ころに足が生えたような変な生物は出てきますが、敵対して攻撃してくることもない。最初対面した時はジャンプして上からクリボー倒す時みたいに攻撃しようとしちゃいました。だけど何も起こらず、ああそんなゲームじゃないのかと気付きました。

GRIS 落下していく主人公

GRISでは落下=失敗とは捉えられておらず、ステージ的にも落下していく箇所が何回も出てきます。落下しても上へ戻る演出があるので、落下=失敗=死という一般的な横スクロールアクションの常識とは違った意味合いになっています。

死ぬことがないと気楽ですね。焦燥感もなく、謎解きに集中できます。ただムードも音楽も穏やかすぎてプレイしていると眠くなるかも。良い音楽なんですけどね、私的には睡眠導入ゲームになってました。

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その点、同じ精神的な問題をテーマにした作品としてはCelesteと対照的な位置付けになります。アクション性が強く自分で挑戦することを体験させるCelesteと、穏やかにゆっくりと謎解きをして自分を取り戻していくGRIS。どちらもメッセージ性のある素晴らしいインディーゲームです。

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まとめ

死という概念のない世界で少しずつ主人公の成長を見届けていく美しい水彩画タッチのゲームGRIS。ハラハラドキドキすることはあまりありませんが、久々に穏やかにプレイできるゲームに出会いました。

最初は歩くこともままならない主人公が次第にダイナミックに躍動していく様子は感動を覚えます。3時間程度で終わってしまう内容ではありますが、1700円出してでもぜひプレイしてもらいたい。

GRIS

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