
GRAPHT GR2532DML-BK-SL / Aero M9TQ レビュー

GRAPHTから、WQHDx320HzでQD-Mini LEDなのに安いゲーミングモニター「GR2532DML-BK-SL」と、モニターアーム「Aero M9TQ」が届きました。
今回のポイントは、モニターの型番末尾にある「SL」。これはスタンドレスモデルを意味します。
正直、これを見た瞬間についに来たかと思いました。
モニターアーム運用が前提の人間にとって、純正スタンドはほぼ不要です。使わないどころか、保管にも困る存在。そこを切り捨てて3,000円安くした判断は、かなりユーザー目線だと感じます。
すでに価格設定が攻めているモデルなのに、さらに下げてくる。この時点で、製品の立ち位置がはっきりしています。
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Aero M9TQ モニターアームの印象
スタンドレスモデルに合わせて、Aero M9TQも併せて使用しました。
取り付け自体は一般的なクランプ式で、構造もオーソドックス。組み立て後の印象としては、必要な性能をきちんと満たすアームという評価です。
私がモニターアームを見る際の基準は大きく3つあります。
ポイント
- チルトがへたらず、かつ調整しやすいか
- アームの可動がスムーズで、余計な力を必要としないか
- 十分に低い位置まで下げられるか
このアームは、3点目を除けば概ねクリア。
メカニカルスプリング式ゆえ、下側アームのジョイント位置がやや高く、上下可動域には制限があります。これはスプリングの耐久性を考慮した設計で、同系統のアームに共通する特性ですね。
テンションゲージが視覚的に確認できる点は便利で、24.5インチクラスであれば調整も難しくありません。
ケーブルマネジメントは完全に隠すタイプではなく、下部に吊るす構造ですが、取り回しの自由度は高くて個人的には好印象です。
総じて、派手さはないけど長く使える実用的なアームという立ち位置です。
GR2532DML-BK-SL モニター本体について
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スペックと第一印象
本機は24.5インチ・WQHD(2560×1440)解像度、QD-Mini LED(1152ゾーン)、Fast IPS、最大320Hz、応答速度最速1ms、HDR1000相当という、かなり欲張った構成です。
24.5インチでWQHDという点はやや珍しく、FPS用途ではオーバースペックにも感じますが、使わなければFHD相当に落とせばいいだけ。選択肢があること自体が価値です。
デザインはベゼルが細く、やや厚みのある筐体。両サイドの背面LEDは好みが分かれますが、私は即オフにしました。正直、なくていい機能です。
端子表記が見やすい位置にあるのは好印象。操作は物理ボタン5つですが、キャンセルと電源が近く、誤操作しやすい点はマイナスです。リモコン対応していれば、完成度はもう一段上がったと思います。
画質・表示性能
QD-MiniLEDらしく、黒の沈み込みとコントラストは非常に優秀です。ローカルディミングをオンにすると、通常のエッジ型バックライトとは明らかに階調表現が変わります。
色再現性も高く、ゲーム映像はかなりリッチ。いわゆる勝つためのモニターというより、没入感と競技性を両立させたい人向けのチューニングです。
HDRについても、Display HDR1000認証こそありませんが、明暗差の表現は十分。HDRコンテンツを一度体験すると、SDRには戻りづらくなるレベルの差を感じました。
リフレッシュレート
最大320Hzという設定は絶妙です。
360Hzほどハードルが高くなく、それでいて240Hzとの差は体感しやすい。PC性能とのバランスも現実的。
応答速度

オーバードライブは5段階。
320Hz運用ではOD3がベストバランスで、わずかなオーバーシュートはあるものの、総合的な反応速度は最速でした。
トップスピード設定は明確にオーバーシュート過多で非推奨です。
入力遅延

OSLTT測定による入力遅延
- ローカルディミングOFF時:約1.7ms
- ON時:約2.4ms
いずれも実用上まったく問題ないレベル。
競技FPSではローカルディミングOFF、映像重視ならON、という使い分けが現実的です。
残像低減(MPCS TECH)

MPCS TECHは、Mini LEDの輝度を活かした残像低減技術。OFFとの差は明確で、低設定でも十分効果を感じます。
中〜高設定が最も見やすく、超低遅延モードではLEVEL2が最適解。輝度は多少下がりますが、それでも十分明るく、総合的にはかなり完成度の高い実装です。
OSDと使い勝手
OSDは項目数が多く、設定自由度は高い反面、画像補正系が深い階層にある点はやや不便。
プロファイルは15種類ありますが、実用的には数個を作り込んで切り替える運用が現実的でしょう。
DDC/CI対応でPC側から輝度調整できるのは便利ですが、できればもう少しOSD全体をソフトから触れたら理想的です。
総評
価格は…
- スタンドモデル:54,980円
- スタンドレスモデル:51,980円
このスペック構成でこの価格は、正直かなり攻めています。
これまで超高リフレッシュレート特化型モニターを使ってきましたが、実際に活かせるゲームは限られていました。
その点、GR2532DMLは高リフレッシュレート・高コントラスト・広色域をバランス良く成立させたモデルです。
競技性と映像体験の両立を狙うなら、非常に完成度の高い選択肢。素直にめちゃくちゃ良いモニターだと感じました。
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