Glorious Model I レビュー。サイドボタンが3つの軽量ゲーミングマウス
Gloriousから発売された有線ゲーミングマウス「Glorious Model I」をレビューしていきます。
概要とスペック
これまで左右対称の「O」シリーズ、そしてエルゴの「D」シリーズとリリースしてきましたが、ここにきて新たに「I」シリーズが始動しました。
Razer BasiliskやLogicool G502と似たようなシェイプ。これまではこのタイプだとあまり軽量化が意識されてこなかったのですが、そこにGloriousが目をつけましたね。
G502は世界でもトップクラスに売れているマウスなので、軽量化という点では需要はけっこうあるんじゃないかと思います。ただし正直軽さしか勝てていないので、G502ユーザーが乗り換えるべきかといったらうーんという感想です。
余談ですが、たぶん次に発表されるモデルは「N」でしょうね。
カラー | 黒・白 |
接続 | 有線 |
シェイプ | エルゴ |
センサー | BAMF |
DPI | 19,000 |
ポーリングレート | ~1,000Hz |
寸法 | 128 × 62 × 42 mm |
重さ | 70g |
ボタン数 | 9 |
ライティング | あり |
ケーブル | Ascended 2m |
オンボードメモリ | プロファイル x 1 |
ソフトウェア | あり |
今までのGloriousシリーズでは最も大きい外箱。
- マウス本体
- 替えのサイドボタン x 2
- 替えのスナイパーボタン x 2
外観と性能
「Glorious Model I」は右手用のエルゴシェイプをした有線ゲーミングマウス。
このModel Iもワイヤレスモデルは計画されていますが、有線と同時期に出そうとするとどちらもリリースに時間がかかってしまうため有線だけ先に販売することにしたらしいです。
トップシェルとボトムはハニカム構造で軽量化されています。
Gloriousシリーズといえば昔からビルドクオリティに難ありで有名ですが、今回のModel Iは良いわけでも悪いわけでもなく普通くらい。
握り込むとやや軋みますので、神経質な方には気になるかと。特に右側がミシミシ言う。ゲームしてればそこまで気にならないので、個人的には許容範囲かなと思います。
サムレストが特徴的で、親指をマウスパッドなどに接地せずに寝かせられます。
これはG502やBasiliskと同じ形状ですが、それらとは異なってグリップテクスチャ表面になっていません。
左サイドの4ボタン仕様が他のどのマウスとも異なります。一番リア側のサイドボタンと、少し離れた前方にあるスナイパーボタンはマグネットで着脱可能です。
サイズと重さ
サイズは実測で 128 x 62 x 42 (LxWxH) mmでした。62mmはグリップ幅で、サムレストまでを測ると74mmほど。
大きめなLサイズマウスです。
重量は実測で70.4gでした。69g±2gくらいで考えると許容範囲。
海外レビュアーの動画を見たら74~5gって結果になっていて、69gなんて誇大広告だみたいに怒ってましたけど、多分プロトタイプから改善されたのかも。
G502やBasiliskが100gオーバーなことを考えるとぶっちぎりで軽い。
シェイプをみてみる
四方から見た形状は以下の通り。
トップ部分が横に広がっていて両サイドがストンと内向きに落ちており、フロントから見るとやや逆台形気味なシェイプです。
縦がかなり長く感じるため、手が大きめな人でかぶせ持ち・つかみ持ちする人にフィットするでしょう。
手が小さいならやめておいた方がいいかと思います。たぶんホイールが遠く感じます。
サイドボタンが結構せり出しているので、サムレストとボタンに親指が挟まれてやや窮屈に感じます。G502とかはもうちょっとサイドボタンの飛び出しがマイルドなんですよね。
G502やBasiliskのクローンではなく、特徴的な形状をヒントに模索して設計したようですが、私は502とかの方が好きかな。
それぞれの持ち方について
私の手のサイズは縦幅が18.5cm、横幅が10.5cmくらいです。
これらは個人的な感想で、持ち方や感じ方は人それぞれ違いますので参考程度にお願いします。
かぶせ持ち
かぶせ持ちがベストです。サムレストに親指を寝かせることでサイドボタンへのアクセスが容易になります。
また、深くかぶせればホイールにも指が届きやすいです。このマウス、なぜかホイールの位置が絶妙に遠いんですよね。数ミリ遠いって感じなので、普通サイズくらいの手だとギリギリになると思う。ホイールって結構回すから遠く感じるのは嫌ですね…。
つかみ持ち
つかみ持ちもそれなりに適正はあると思いますが、フロント側のサイドボタンが若干押しにくくなってしまうのが難点でしょうか。
あとホイールが遠い。
つまみ持ち
サイドは割とつまみ持ちでも握りやすいシェイプをしていると思っていて、手が大きければ適正はありそうです。
ただマウス自体けっこう大きいですからね、浅めに持とうとするとホイールが遥か彼方になります。それとスナイパーボタンも押しにくくなりそう。
センサー
センサーは「BAMF」で最大DPIは19,000。
ポーリングレート1,000Hzの状態でセンサーテストを行いましたが、xSumのセンサー読み取り的に問題は見受けられなかったので割愛します。
ただしDPIを10cmの実距離で測ると400DPIのはずが420くらい、800のはずが850くらいなどちょっとずつズレていました。ファームウェアアップデートで直してほしい。
LOD
LODは 1.0mm でした。短くて優秀です。
マウスフィート
マウスフィートは小型のものが6枚。サムレストの下にもしっかり貼られています。
100%PTFEでよく滑ります。エッジの丸め処理はほどほどですが、プレイしていて強い引っ掛かりを感じるようなことはありませんでした。
マウスボタン
それぞれのマウスボタンについて見ていきます。
メインボタン
メインボタンはKailhとコラボして開発したGlorious Switchを採用。カチッとしたクリック感です。
左右のクリック感がやや異なり、左に比べて右の方がやや硬め、音も違いました。私の体験では、左は連打しやすいけど右は連打するとちょっと硬直を感じます。
かなり長さのあるマウスボタンにもかかわらず、手前を押してもクリック感が問題ないのは高評価。
デバウンスタイムは標準で10msですが、ソフトウェアで0msにできます。
サイドボタン
本マウス最大の特徴となる4つのサイドボタン。左下のボタンがスナイパーボタンといって、標準ではDPI可変が割り当てられています。
3つのサイドボタンは1つあたりがやや小さくギュッと詰め込まれており、慣れるまでどのボタンがどこにあるのか判断しにくいです。たぶん慣れてもとっさのときには押しにくいと思います。
リア側のサイドボタンとスナイパーボタンはマグネットによってくっついているだけなので、指でもなんでも一瞬で外せます。カタツキなど一切なし。
ピンセットとかスパッジャーはあった方が外しやすいには外しやすいですけどね。
手前に引っ張るだけで簡単に外れます。
これがサイドボタン用の替えボタン。元々ついているのは「飛び出し小」と書いているボタンです。
右側はアクチュエートできなくなる穴埋めカバー、左はより大きく飛び出すタイプのボタンとなっています。
スナイパーボタンの替えボタン。初期は確かハイプロファイルのもので、画像右側はアクチュエート不可にする穴埋めカバー、そして左側が飛び出しが低くなるロープロファイルタイプです。
お好みのものを付けて使ってください。
正直穴埋めして使うのが一番平和だと思いますが、このマウスを使う意味が半減してしまうというジレンマ。
スクロールホイール
スクロールホイールはタクタイル感があり、ややトロッとした回し心地です。クリックはごく少し硬いかなという感触。
このホイールの残念な部分は2点あって、1つは位置がほんの少し遠くて指が届きにくいこと。そしてもう1つはフリースピンやチルトスイッチに対応していないこと。G502やBasiliskにはある機能なので、これはGloriousでも搭載して欲しかった。
DPIボタン
DPIボタンは珍しく2つ。DPI UPとDPI DOWNがアサインされています。1つはDPIサイクルに変更して、もう1つを他の機能に割り当て直すのが良さそう。
DPIのステージ自体はマウス底面のLEDインジケーターの色で判別することができます。
ソフトウェア
Glorious Coreという公式ソフトウェアをダウンロードして使います。ファームウェアのアップデートも本ソフト経由で行えます。
- ライティングのパターン・輝度・スピード設定
- ボタンの割り当て設定
- DPIステージ設定
- LODやデバウンスタイム、ポーリングレートの変更など
ライティング
スクロールホイールと両サイドが光ります。
ライティングパターンは複数用意されていて、スピードや輝度を微調整することが可能です。
ホイールクリック+DPIアップボタン+サイドボタン一番奥の3つを同時押しすることでライティングパターンをサイクルできます。
G502・Basiliskと比較
同じジャンルであるLogicool G502WLとRazer Basilisk V3を比較してみましょう。
トップから見たときのサイズ感はこのようになっています。左がBasilisk、右がG502。
上から見ると非常に分かりやすいのですが、Model Iだけホイールの位置が前方によっており、指が届きにくくなっています。
Model Iは尖り気味なシェイプをした2つと違い、やや丸みを帯びた優しめな見た目をしています。
持った感覚もけっこう違います。
Logicool G502WL
比較 | G502WL | Model I |
---|---|---|
接続 | ワイヤレス | 有線 |
重さ | 114g | 70g |
サイドボタン | 3つ | 4つ |
メイン左ボタン | 2つ | – |
スピン切り替え | ○ | – |
チルトホイール | ○ | – |
購入先 | Amazon | Glorious公式 |
G502WLは左メインボタンの端にさらに2つのボタンがあるのが大きな特徴。他のマウスにはない設計です。
ホイールはフリースピンとタクタイルで切り替え可能で、さらにチルトホイールなので左右にもクリック可能です。
重量が114gあたりと近年のマウスの中では極めて重いです。Model Iと比べても40g以上違います。
世界でめちゃくちゃ売れてるマウス。
Razer Basilisk V3
比較 | Basilisk V3 | Model I |
---|---|---|
接続 | 有線 | 有線 |
重さ | 100g | 70g |
サイドボタン | 3つ | 4つ |
スピン切り替え | ○ | – |
チルトホイール | ○ | – |
購入先 | Amazon | Glorious公式 |
Razer Basilisk V3は有線であること、そしてメインボタン左のスイッチがないこと以外はG502と機能的に似ているマウス。
フリースピンとタクタイル切り替え可能なホイール、左右にも押せるチルトホイールあたりが特徴で、これらはModel Iにはありません。
高速反応するオプティカルスイッチを搭載しています。重さは100gあたりとかなり重い。
Glorious Model I
そんな重すぎるマウスしかない中でこのModel Iは70gと大健闘。
しかしホイールが遠く、チルトホイールでもなく、フリースピンには切り替えられないなど機能面では劣ります。それを補うかのようにサイドボタンが1つ多いですが、判別しにくい・押しにくいとちょっと微妙な塩梅ですね。
ワイヤレスモデルならまだ検討の価値ありだと思いますが、正直機能的には重くてもG502とかBasilisk使った方が良くて、サイドボタンを埋めて封印するなら他のマウスでいいのでは?となります。
Glorious Model Iのレビューまとめ
以上「Glorious Model I」のレビューでした。
- G502系統だが完全なクローンではない
- このシェイプにして70gは他にない
- クリック感は左右でやや違う
- サイドボタンは着脱可能だが微妙な位置
- 機能面では他社の類似タイプに劣る
Model IはクローンというかG502やBasilisk V3を参考にしながら同じジャンルに参入しようとしたというところでしょうか。
機能面を捨てて軽量化している分、軽量化されているけど果たして代替品になるのか?という疑問が出てきます。
個人的にはNOですね…
サイドボタンが3つだと窮屈で押しにくいし、ホイールの機能が全部なくなっていて、かつ位置が遠くて回しにくい。
このサムレスト形状が好きで、特にボタン数は少なくても構わない、という手が大きめな人はスナイパーボタンとか3つ目のサイドボタン埋めちゃえば使いやすいかも。
いずれにせよワイヤレスまで待つのが吉かと。