BenQ ZOWIE G-SR II レビュー。マイルドになったコントロールパッド
BenQ ZOWIEから発売されているマウスパッドG-SR IIをレビューしていきます。
G-SRはコントロールに振り切った性能で多くのタクティカルFPS愛好家から好まれる性能を持ったマウスパッドでしたが、後継品はどのように変わったのか見ていきましょう。
概要
非常に遅い滑りでコントロールタイプに分類されるBenQ ZOWIEの高品質マウスパッドG-SRに後継製品が登場。G-SR IIはやや旧型よりも滑りが速くなっており、耐湿性の改善などアップデートが施されています。
その優れたストッピング性能はフリックが重要視されるタクティカルFPSにおいて本領を発揮します。やや旧型からマイルドになった滑りのおかげでより幅広い人に薦められるようになりましたが、それでもかなりのコントロール寄りではあると思います。
パッケージ
昔からよくある長方形のパッケージ。
きつめに丸まってくるのと、パッド自体が柔らかくはないことから、箱から出した瞬間の巻きグセはすごいです。
2〜3日でほぼフラットになりますが、箱から出して即戦力とはならない点にだけ留意。
購入先
BenQ ZOWIE公式サイト、Amazon、楽天ほかECショップなどで購入可能です。
デザイン
黒で重厚感のあるマウスパッド。
左上にはZOWIEのロゴタグ。パッドに半周するように縫い付けられており、右端部分の糸を切ることで外せそうです。
これは旧型でも同じ仕様ですが、色が反転しています。特にパッドにはG-SRみたいな表記はないので、もし新旧両方持っていたら黒ベースが旧型、赤ベースが新型だと覚えておけば良いです。
サイズ
ワンサイズのみ。470 x 390mm±10 mmで、厚みは3.5mmです。メジャーで測ってみたところ、私のパッドは473x395mmでした。誤差内で、大きい分には全く問題ありません。
ArtisanのXLと比べるとやや小さめです。
ステッチ
ステッチはむらのない均一でぎっしりとした縫い目です。ほつれなどはなく、またベースも黒であるため隙間のようなものがあったとしても一切分かりません。
マウスパッド表面よりは少し盛り上がるため、マウスがステッチをスワイプすると段差が感じられます。
中間層
3.5mmの厚みの中間層はしっかりとしたハリのある硬めなタイプで、一定のスピード感を維持しやすくなっています。
中間層の硬度を安物デュロメーターで測ってみましたが、硬度は38.5でした。
Artisanで例えるとXSOFT:13、SOFT:24、MID:44(雷電/零で計測)となります。MIDに近く、かなり硬めであることが分かります。
底面素材
底面は模様のないベースで、防滑性は普通くらいです。目視だとキラキラと粒子が光っています。
拡大するときめ細かい穴が見られます。肉眼ではまず分かりませんし、触ったところで凸凹感もないです。
机に張り付くといった吸着力はありません。引っ張ると比較的かんたんに動きます。マウスパッド自体がずっしりと重めなこともあり、ゲームプレイ中に手が擦れてもズレるといった心配はないでしょう。
表面素材
横方向に流れる織り方で、一般的な布マウスパッドによくあるタイプです。やや潰れ気味に見えるような細かい織り方になっていて、少し艶感があるように見えます。
上記画像は旧型G-SRのものです。結構使っているので新品同様のコンディションとはかけ離れていることを前置きしておきます。少し白んでいますね。
G-SR IIと織り方は一緒ですが細かさが異なるように見えます。さらに絶妙に編み目が斜めになっています。G-SR IIでは水平になりました。
横並びにした状態だと斜め具合がよく分かります。
使用
G-SRといえばコントロール系の中でもかなり遅めの滑走速度で止めやすさ最重視といったマウスパッドでしたが、G-SR IIでマウスを滑らせてみると滑りが速くなったというのが第一印象でした。横並びにして交互に使っても同様の感想です。
実際に後述する摩擦係数を測ってみても旧G-SRよりも初動も速度も速くなっています。なのでガチガチに遅い滑りでぶん回してビタ止めしたい人としてはもしかすると旧G-SRの方が好きかもしれませんが、一般的に好まれやすいのはG-SR IIだと思います。
とはいえVAXEE PAやG-SR-SEのようにバランス寄りになったというほどの変化ではなく、あくまでコントロールタイプの滑りだと思ってください。
最強に重たいのが好きだった場合は少し不満もあるかもしれませんが、これでも十分コントロール性能は高いので慣れたら問題なく使っていけるとは思います。
縦横の滑り差は少なめですが、縦の方が少し遅いです。
汎用点ソールが最も切り返しがしやすく軽く動きます。次に小型ソール、そして大型ソールになるにつれて摩擦感が強まります。ガラスソールもPTFE系と比較的同じくらいの滑りです。
静摩擦と動摩擦
静摩擦係数と動摩擦係数を計測し、5つのマウスパッドで比較してみましたのでテーブルに表します。
マウスパッド | 動摩擦(s) | 静摩擦(gf) |
---|---|---|
ZOWIE G-SR II | 1.29 | 57.1 |
ZOWIE G-SR | 1.59 | 58.5 |
VAXEE PA | 1.16 | 52.5 |
ZOWIE G-SR-SE Rouge | 1.16 | 57.5 |
Ninjutso NPC Pro XL | 1.53 | 62.2 |
いずれも同条件の湿度・温度下で立て続けに計測しました。なのでレビュー記事によっては細かな数値が異なります。また、マウスパッドによっては劣化しているものもあるためその旨ご承知おき下さい。詳しい計測方法などについては以下の記事にて。
滑りの速さで言うと、旧型G-SRやNinjutso NPC Pro XLはかなりのコントロール寄りですが、G-SR IIはそれよりもバランス方向に傾きました。
それでもコントロール型バランスタイプに属することはなく、あくまでコントロール寄りです。
初動の軽さは普通くらいで、これに関しては数値でいうと旧型よりも少し軽くなってG-SR-SE Rougeと同等くらいになっています。
センサーとの相性
現行センサーのいくつかでカーソル飛びなどがないかMouseTesterで確認しました。
センサー | 結果 | マウス |
---|---|---|
PMW 3360 | ZOWIE ZA13-C | |
PMW 3389 | Xtrfy MZ1 | |
PAW 3335 | HyperX Pulsefire Haste | |
PAW 3370 | ZOWIE EC3-CW | |
PAW 3395 | VAXEE Zygen NP-01S Wireless | |
Hero 25K | Logicool G Pro X Superlight | |
Razer Focus Pro 30K | Razer DeathAdder V3 Pro |
いずれも問題なく動作します。
耐水性と湿気の影響
マウスパッドの上に水を垂らして耐水性について確かめていきます。
表面にはほとんど耐水性はなく落ちてからすぐに染み込んでいきますが、表面に残った染み上でマウスを滑らせたり手でなぞってみたりしてもウェット感は少なめ。滑りへの影響は少なめだと考えられます。
アームカバー
VANCERとCW-Xアームカバーで試したところ、特に引っかかりはなく使用可能でした。
素肌だと汗をかいたら少し引っかかるため、アームカバーありの方がスムーズにマウス操作ができます。
価格について
価格は4,980円とリーズナブルです。最近のマウスパッドは平気で5,000円を超えてくるものも少なくないですが、超ギリギリとはいえ4,000円台なのは好印象。
レビューまとめ
- 旧G-SRよりも少し速めに
- それでもかなりコントロール系
- 硬めの中間層で一定のスピード感
- ベースの防滑性良し
- 湿度の影響少なめ
- 価格はリーズナブル
- コントロールぶりがややマイルドに
以上BenQ ZOWIE G-SR IIのレビューでした。
旧作G-SRに比べるとややマイルドになったコントロール性能ですが、それでもかなりのコントロール寄りであることには変わりありません。品質は相変わらず高くて重厚。
止め重視のマウスパッドを探しているなら候補に挙げたい一つ。