
IQUNIX EV63 レビュー

IQUNIXのEV63はデザインだけでなく、中身の出来も相当良いです。
見た目のインパクトで惹かれるタイプのキーボードかと思いきや、実際に触るとスイッチ、ラピッドトリガー精度、デッドゾーン、ソフトウェアまでかなり作り込まれていて、正直ちょっと驚きました。
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デザインとケース

フルアルミケースはサイドがメカっぽいデザインになっていて、レイヤーが分かれたような立体的な構造もあり、刺さる人にはグッサリ刺さる見た目。
私が持っているのはシルバーで、カラーバリエーションはシルバー、バイオレット、ブラックの3種類。
シルバーのケースはフルアルミニウムですが、バイオレットとブラックにはカーボンファイバーも使われているそうです。実物見てないからなんともだけど。
プレートはアルミニウムで、マウント方式はトレイマウント。
最近のカスタムキーボードで好まれている柔らかい構造ではありませんが、そのぶん打鍵感が硬めでダイレクトなフィードバックがあります。

ボトムにはチルトスタンドがないので角度調整はできませんが、ゴム脚が柔らかい素材で作られていて、軽いショック吸収材のように働いているのはちょっと面白いところ。
外側ガスケットとまでは言いませんが、すこーし打鍵が柔らかくなる気がします。
キーキャップとライティング

シルバーモデルのキーキャップはポリカーボネート製、白半透明のフロストタイプ。
ポリカーボネートだとたまにツルツルキュッ!みたいな触り心地のキーもあるのですが、EV63のものはサラサラしたコーティングのようなものでかなり気持ちいいです。
ちなみに、バイオレットカラーはPBTダブルショットキーキャップになります。

LEDは南向きで、このPCキーキャップ越しにライティングが思いっきり光ります。

シルバーと白フロストキーキャップの組み合わせ、ライティング点けると驚くくらい眩しかったので、私はブライトネスを50%くらい下げて運用しています。

ライティングを考慮してか、印字はキーキャップ手前側にあるんですよね。個人的には見やすいので好き。
64キーの60%サイズ

EV63は64キーの60%サイズです。
いや、EV63の63とは?って思ったんですけど、たぶん63%サイズみたいなノリなのかなと。
矢印キーやDeleteを詰め込んだコンパクト配列で、このサイズにしては使えるキーは多めです。
…私、1個だけとっても気に入らない部分があります。

右SHIFTです。1Uはマジでやめてほしい。
私は右SHIFTをかなり使うので、ここが小さいとめちゃくちゃ打ち間違えます。
申し訳ないけど、これだけでこのキーボードを長く使えないなと感じるレベル。
矢印キーが入っているのは嬉しいんですけど、それならやっぱり65%でよかったんじゃないかと思ってしまいますね。
その他がめちゃくちゃ良いだけに、ここはショック。
右SHIFTをあまり使わない人なら気にならないかもしれませんが、私には厳しい配列でした。
打鍵音とスタビライザー

打鍵音はなかなか良いですよ。好みの分かれる部分でもあるのですが、私的には良い。
PCキーキャップ、アルミプレート、スイッチの組み合わせがうまく噛み合っていて、まとまりのある音に仕上がっています。
しっかりとケース鳴りも排除されていて、嫌な音がほとんどしません。

スタビライザーはプレートマウントタイプで、一番難しいスペースバーを含めて基本的に悪くありません。
安定した音で、うるさいと感じることはありませんでした。
Magnetic X Ultraスイッチ

私の個体に入っているのはMagnetic X Ultraです。
EV63ではMagnetic X Proも選べますが、Ultraは20ドル高くなります。
Ultraはステムが淡いブルーで、Proはパープル系。
Magnetic X Pro / Ultra スペック比較
| 項目 | Magnetic X Pro | Magnetic X Ultra |
|---|---|---|
| 初期押下圧 | 36±10gf | 36±10gf |
| 底打ち圧 | 48+10gf | 48±10gf |
| 総ストローク | 3.5±0.2mm | 3.5±0.2mm |
| 初期磁束密度 | 130+15Gs | 140±15Gs |
| 底打ち磁束密度 | 735±80Gs | 780±80Gs |
| 耐久性 | 1億回以上 | 1億回以上 |
ProとUltraのスペック上の大きな違いは、押下圧やストロークではなく磁束密度。
Ultraの方がProより磁束密度が高く、キー位置の変化を拾いやすい方向の仕様になっています。
ただし底打ち側は±80Gsの振れ幅もありますし、単純なスペックだけで言えばProでも十分だと思います。
私はProを触っていないので詳細な比較ができませんが、中の人に聞いたところ、Proよりも軸ブレや打鍵感・打鍵音が異なるようで、より安定しているとのことです。
Ultraは軸ブレが少なくて安定感抜群、ルブもまんべんなく回っていて、スレを感じる個体もありません。
総じて優秀なキースイッチです。
Gen-3 Hall SensorとM.A.T. 2.0

EV63には第3世代ホールセンサーが採用されていて、従来より広い電圧レンジで磁気入力を読み取れると説明しています。
理屈としては、キー位置の変化を拾う余裕がある上位仕様ということですね。
もちろん、実際の差はセンサーだけでなく、スイッチ精度やファームウェア補正まで含めて見ないと分かりません。
もう1つのM.A.T. 2.0は、磁気スイッチの入力をリアルタイムで補正するIQUNIX独自アルゴリズムです。
公式では、使用中のパフォーマンス調整や工場出荷時のチューニングにより、長時間のプレイでも入力の安定性を高めると説明されています。
とはいえ、補正内容の詳細までは公開されていないため、ぶっちゃけ具体的にどう効いているかは判断しにくいです。
しかし、EV63は触っていると非常によく出来ていることが分かりますから、この辺りの技術が実際に効いている可能性高そうなんですよね。
ラピッドトリガー精度と安定性
EV63は8,000Hzポーリングレート、16,000Hzスキャンレートに対応しています。
ラピッドトリガーは最短0.01mmまで設定可能。

マイクロメーターで実測した平均精度は0.013mmで、基本的には精度高め。
驚いたのはデッドゾーンで、底打ちから初期反応まで、だいたい0.02mmほど。
ほぼデッドゾーンなんてないんじゃないかというレベルで、私が今まで計測してきたキーボードの中でも頭1つ抜けて短い。
設定上はデッドゾーンを0mmにしていますが、誤作動はほとんどありません。
もしかすると、さっき説明したM.A.T. 2.0のような独自技術も効いているのかも。
たまーに矢印キーが押しっぱなしになるような挙動はありましたが、使用しているほとんどの時間で、入力切れや誤入力のような変な挙動には遭遇していません。
すげえ。
ラピトリ0.005mmみたいな数字より、この辺りをきっちり安定させてくれる方が感動します。
磁気キーボード系の機能
SOCD、DKS、Mod Tapなど、最近の磁気キーボードに欲しい拡張機能はしっかり揃っています。
最近レビューした「映像を流せるキーボード」はSOCDしかなかったので、やっぱり少なくともDKSとMod Tapあたりは入れておいてほしいよねと。
ソフトウェア
ソフトウェアは作りが良くて驚きました。

日本語が怪しいところはまだあって。「せんたくかいじょ」とか何ならちょっと可愛い。
ただ、全体としてはやっつけ感がなく、細かくデザインされていて、使っていてホッとします。
同じように感じるのはWootingとかPulsarかな。
この手のキーボードソフトって。機能はあってもUIが分かりにくかったりどこか投げっぱなし感があるものも多いんですが、EV63はちゃんと使わせる気があります。
なぜかソフトウェア内には、プロが作成したVALORANTのカーソル設定などもダウンロードできます。
これがソフトウェアの一部として必要かと言われると正直いらんだろとは思いますが、おまけとしては嬉しい人もいるのかもしれません。
価格
ネックになるのは価格。
VioletのProスイッチ版が169ドルと最も安く、カラーリングやスイッチの組み合わせで最高209ドルになります。
送料は場所にもよるかもしれませんが日本まで大体10ドル程度。
当サイトのコード「gamegeek」を入力してもらうと10%オフになりますので、送料カバー+ちょっと値引きになります。
まぁ高いんですけど、すごく良いのでおすすめしちゃいます。
中途半端なキーボードを買うくらいなら、コイツを買って使い込んだ方がいいんじゃないかと思ってます。
総評

IQUNIX EV63は、見た目だけのキーボードでなく、性能面もかなり強いです。
Magnetic X Ultraスイッチは優秀で、ラピッドトリガー精度も高く、デッドゾーンもほぼなくて、タイピングやゲームプレイ中の安定感がとても高い。
ソフトウェアはきっちり作り込まれていて、SOCD、DKS、Mod Tapなどの機能も揃っています。
ケースの質感も良く、打鍵音もまとまっている。
もうね、全体的にレベルはめっちゃ高いです。
ただ…右SHIFTだけ。本当にきつい。
なぜ60%に無理やり矢印キーとDeleteを詰め込んでしまったのか。
ここだけはどうしても許せません。
逆に言えば、右SHIFTが気にならない人には本当のガチにおすすめします。
提供: IQUNIX












