SteelSeries Apex 9 Mini レビュー
SteelSeriesより発売されているキーボード「Apex 9 Mini」をレビューしていきます。
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概要
SteelSeries Apex 9 Miniは2つのアクチュエーションポイント(キー接点)を切り替えられるOptiPointという光学スイッチを搭載したキーボード。光学なのでデバウンスタイムがなくレスポンスは速めです。
SteelSeriesでのMiniとは60%サイズのことを示し、ゲーム用にコンパクトなフォームファクターとなっています。6言語から選べますが、日本語もあるので日本語配列が欠かせない方にはありがたい仕様です。
ホットスワップ対応なので、デフォルトのリニアスイッチからクリッキーやタクタイルへと変更可能です。これらのスイッチはSteelSeriesの公式サイトから購入可能です。
スペック
キーボード | Apex 9 Mini |
---|---|
カラー | 黒 |
接続 | 有線(USB-C) |
フォームファクター | 60% |
寸法 | 293 x 103 x 40 mm |
重さ | 624g |
配列 | 6言語 |
トッププレート | アルミニウム |
ケース素材 | プラスチック |
キースイッチ | OptiPoint |
キーキャップ | PBT ダブルショット |
ケーブル | 編組 |
ライティング | |
ソフトウェア | |
マクロ |
同梱物
- キーボード
- USB-Cケーブル
- クイックガイド
購入先
Amazonや量販店で購入可能です。
デザイン
寸法は293 x 103 x 40 mmで、トータルのキー数は65キー。60%サイズはコンパクトなのでゲームする時にマウスがぶつかりにくくなるといったメリットがありますが、キーの数が減るためやや不便になるという側面もあります。
Fnキーを押すことでFnレイヤーを呼び出せます。そこに別キーが割り当てられていますから、例えばDelや矢印キーなどが使えない…というわけではありません。それでもFnを押す手間は増えます。
Apex 9 Miniにはトータルで6言語が用意されています。我々日本人が使うなら日本語配列が英語配列ですが、今回手元にあるのは日本語配列です。
日本語配列の場合エンターキーが大きくなっており、スペースバーやバックスペースが小型化しているのが特徴です。日本語配列がないゲーム向けキーボードは多いので、選べるのは嬉しいところ。
重さは約624gでした。コンパクトサイズですがほどほどの重量感で、底面の滑り止めゴムもあって動きにくいです。キーボードは軽けりゃいいってもんじゃありませんからね。
戦闘機グレードのアルミニウムをトッププレートに使用しており、剛性と安定性は高め。ケースはプラスチック素材です。
背面にはSteelSeriesのロゴがプリントされています。
ベゼルレスなのでスッキリした見た目をしており、ライティングが漏れて綺麗に光ります。ブロワーとかでササっと掃除しやすいのが地味に良いんです。キーボードって気づいたら髪の毛とか入ってますからね。猫とか飼ってたら特にありがたいかも。
端子はUSB-Cです。汎用性があって助かります。左上に配置されているのでコイルケーブルなどを使ってもバランスのとれた見た目になります。
プラスチックケースの四隅には滑り止めのゴムがついていますが、ここで最も特徴的なのは中央に位置するロゴのついたゴム板。
実はこれめくれるようになっています。中にキーボードのシリアルなどの情報が載っていて、底面がごちゃごちゃせずシンプルに見えるのが良いです。さらにキーキャッププラーが同梱されています。
個人的にはこのタイプのプラーあんまり好きじゃないんだけど、キーボードとセットにしちゃうのは面白いです。キープラー探さないでもキーボードひっくり返せばいいわけですからね。
チルトスタンドは2段階で高さ調節が可能でした。個人的には1段階上げておくのが好き。
キーキャップ
黒色の高品質なPBTダブルショットキーキャップ。触り心地はちょっとザラつきがあり、ABSと違って指紋汚れなどが目立ちにくいです。
フォントは一般的な細めタイプで、透過されていてライティングで光ります。キーの南側にプリントされている字体は透過されていません。
一般的なMXスタイルの+スイッチに対応しています。
手前側にFnレイヤーのキーがプリントされているのが嬉しいポイント。どこのキーが何なのかホントよく忘れるんで助かります。
キースイッチ
キースイッチはOptiPointという特注のGateron式光学スイッチが搭載されています。メカニカルスイッチと違い、金属接点ではなく光で動作検知するため高速反応します。
金属接点の場合、誤入力を避けるためにデバウンスタイムという入力遅延が設けられていますが、光の場合は必要なくなるためその分高速化するわけです。
OptiPointの大きな特徴は光というだけではありません。接点を1.0mmと1.5mmで切り替えられるんです。
1.0mmと浅ければそれだけ速く入力を検知しますからゲームにおいて有利な効果を発揮します。逆にすぐにキーが反応してしまうため、タイプミスを減らすためには1.5mmが良いです。
両者を切り替えると明らかに違いが分かります。
モード | キー | 接点 |
---|---|---|
ゲーミング | Fn+O | 1.0mm |
タイピング | Fn+I | 1.5mm |
切り替えは簡単で、上記キーセットを押したら瞬時に切り替わるのでストレスフリーです。どっちのキーがどっちか覚えるのがちょいややこしいくらい。
打鍵音
スッと押し込めるクリック感のないリニアタイプで、反響音はやや抑えられています。打鍵音は以下から聞くことができます。
ホットスワップ対応
本キーボードはホットスワップ対応なので、スイッチを手軽に分解できます。中をルブして打鍵感や音を滑らかにできるのが強みの1つ。
SteelSeriesが提供している他のキースイッチに換装できます。
クリック感の有無や押下圧の違いがありますから、元々のリニアスイッチが軽すぎると感じた人はタクタイルなどに変更するのもありだと思います。
スイッチ | クリッキー | リニア | タクタイル |
---|---|---|---|
画像 | |||
軸色 | 青 | 黄 | 紫 |
クリック感 | あり | なし | なし |
キーストローク | 4.0±0.4mm | 3.2±0.4mm | 4.0±0.4mm |
押下圧 | 55g | 35g | 55g |
- アクチュエーションポイント:キーを押した時にどのポイントで信号が送られるかの接点
- 押下圧:キーを押すのに必要な力
- キーストローク:キーを押した時に沈む距離
スタビライザー
スタビライザーのついているキーを叩いてみた感じ、ワイヤーが曲がってる感じはなくどこを押しても一定の音です。
工場でルブされているようですがかなりまばらっぽく、スペースなどは片方はしっかりルブされていますがもう片方はお気持ち程度にしかついていません。自分でルブし直すのがおすすめです。
さらにHolee MODをすることでカタツキのないトコトコ音にできます。
ライティング
ライティングはソフトで変更可能。SteelSeries GG内のPrismに対応しています。押したキーが反応して色が変わるといったリアクティブエフェクトも搭載しています。用意されているプリセットの数は豊富なので色んなライティングを楽しめるでしょう。
ソフトウェア
- プロファイルの管理
- マクロ作成
- キー割り当ての変更
Prismという機能でライティングの変更が可能です。
Apex Pro Miniとの違い
よく比較対象にあげられそうなのが同社から発売されているフラッグシップ機であるApex Pro Mini。Proシリーズを触ったことはありませんが、スペックシートで比較してみたいと思います。
モデル | Apex Pro Mini | Apex 9 Mini |
---|---|---|
キースイッチ | OmniPoint2.0 | OptiPoint |
接点調整 | 0.2-3.8mm | 1.0/1.5mm |
接続 | USB-C | USB-C |
定価 | \32,400 | \23,620 |
Apex Pro Miniは磁気センサースイッチを搭載しているため、接点を0.2〜3.8mmで0.1mm単位の調整が可能です。レスポンスとしては光学のOptiPointの方が速いのですが、接点の調整次第ではApex Pro MiniのOmniPoint2.0に軍配があがるようです。
Apex Pro Miniはフラッグシップだけあってお値段はかなり高め。実際に0.2mmという接点を使うのか?といったら使わないことの方が多いと思います。私はWooting 60HEも使っていますが、0.1mmを試したものの指が触れただけで反応するため、意図しないタイミングでのスキル暴発が止まらず結局1.2mmとか1.5mmあたりに落ち着きました。
しかし、Apex Pro Miniは今後のアップデートでラピッドトリガー機能に対応するという話のようです。そうなるとApex 9 Miniとは明確な差が生まれますので、ぶっちゃけ高くてもApex Pro Miniを買う方が将来的なアドバンテージがデカいと思います。磁気センサーじゃないとラピッドトリガーは使えませんからね。
レビューまとめ
- コンパクトな60%サイズ
- 接点を2種類で切り替え可能
- 反応速度が速い光学スイッチ
- 高品質PBTキーキャップ
- ホットスワップ対応
- キープラーは本体に収納可能
- Pro Miniよりも安価な代替案
- 日本語配列あり
- キーの数が少なめ
- 日本語だと一部キーが光らない
- スイッチタイプは選べない
以上「SteelSeries Apex 9 Mini」のレビューでした。
ホットスワップの光学スイッチは今まであまり使ったことなかったので面白かったです。タクタイルやクリッキーに変更できるのも強みですが、最初から選ばせて欲しいと言う意見もあるのかな〜とぼんやり思いました。
私はリニア好きなので全然OK。ホットスワップできるということは簡単に分解できるので、自分でルブできる点も魅力的です。スタビライザーもしかり。
日本語配列のあるキーボードはやや少ないので、その点も満たしていて、SteelSeriesはなかなかかゆいところに手が届くなと改めて感じました。
Apex Pro Miniはちょっと高いなと思った人にナイスな代替案で、1.0mmと1.5mmの変更でも十分変化を感じます。全体的な品質の高さもあり、沢山の人にとって満足できるキーボードだと思います。
ですがApex Proシリーズがラピッドトリガーに対応する場合、これはストッピングが必要なCSGOやValorantなどにおいて明確な強みとなるため、高くてもApex Proを買うのが良いかもしれません。