ROCCAT Elo 7.1 Air レビュー。同価格帯で頭一つ抜けるワイヤレスヘッドセット
ROCCATから発売されているゲーミングヘッドセット「ROCCAT Elo 7.1 Air」をレビューしていきます。
価格は安めで、だけどワイヤレスで、7.1chも気になるし、フィット感が良くて、さらには音質良いやつが欲しい…という欲張りなオーダーに応えるヘッドセットです。
概要とデザイン
「ROCCAT Elo 7.1 Air」は7.1chバーチャルサラウンドに対応しているワイヤレスゲーミングヘッドセットで、比較的価格が安いのが強み。
カラーは黒と白の2色展開。今回紹介するのは白です。
有線モデルも展開されていますので、ケーブルありでいいからもうちょっと安いのが欲しい場合はそちらもチェック。
カラー | 黒 / 白 |
接続 | 無線 2.4GHz |
オーディオ | ステレオ / 7.1ch |
タイプ | 密閉型 |
重さ | 345g |
スピーカー周波数特性 | 20Hz – 20kHz |
スピーカーサイズ | 50mm |
マイク | 着脱式マイク |
指向性 | 単一指向性 |
ライティング | あり |
バッテリー | 最大24時間 |
接続端子 | USB-C |
対応コンソール | PC |
- ヘッドセット
- 着脱式マイク
- USBレシーバー
- USB-Cケーブル
- クイックガイド
ベースは全体的にプラスチック製。白色を基本とし、クッションやケーブルはグレーとなっています。
ハウジングは分厚くてゴツい印象で、カジュアルというよりはゲーミング感の色濃いデザインです。
ヘッドバンド部分は金属フレーム。堅牢ですが、ひねってもある程度曲がるしなやかさも兼ね備えています。
普段は気にならないけど、何かの拍子に手がぶつかるなど衝撃が加わるとキィンと金属の残響がしますね。
メッシュ素材の低反発フォームで頭頂部を保護します。頭が痛くならないように柔らかめに作られています。
頭のサイズに合わせて自動でサイズが伸縮するスライダータイプです。白いインナーラバーが伸び縮みして頭の形にフィット。
ハウジングのヒンジ部分は回転するため、側頭部の形に合わせて柔軟に角度調整できます。
こんな感じで90度回転させることも。首かけ用にここまで回転するんだと思いますが、首かけするには小さくて苦しいです。
首が細ければ使えるのかな?私には厳しかったです。首かけしておくくらいなら下ろします。
左ハウジング後方に各種コントロール。
1番上のダイヤルがボリューム。これは本体の抵抗値ではなくPC本体の音量を上げ下げするものです。
2番目がマイクモニタリング音量です。ボリュームのマイクモニタリングのダイヤルを上手く調整することで手軽にミックス操作ができます。いずれのダイヤルも無限に回転するタイプなので、感覚的には少し使いにくいです。
さらにダイヤルの下にはマイクミュートボタンがあり、その次は電源ボタン。そしてLEDインジケーターの下にUSB-C端子です。
イヤーパッドはPUレザー製で、比較的厚みがあります。一般的にレザーは触り心地が良く遮音性は良いのですが、通気性が悪く熱がこもりがちになるという側面もあります。
ProSpecs™ Glasses Relief Systemを搭載していて、メガネをかけても快適にプレイできるとか。何か特殊な機能があるわけではなさそうですが、メガネを装着していても特にこめかみが痛くなるようなことはありませんでした。
左右でロゴマークが異なります。左側にはROCCATの氷のヒョウマーク。右側にはテキストロゴが光ります。
自分で装着してるとこの辺のライティングって一切見えないので別に切ってもいいと思いますが、部屋に戻ってきた時にほんのり明るく光っているとそれはそれでいいですよね。
マイクは着脱式となっていて、必要に応じて取り外しができます。マイク使わない時はヘッドホン仕様にできるので視界が開けて良いです。
USBレシーバーにはLEDインジケーターがあります。
- 白:ヘッドセット接続済み
- 白点滅:ヘッドセットペアリング
- 赤点滅:マイクミュート中
たまに接続に時間がかかるのが残念ポイントですね。少しストレスたまるかも。
重さはマイク込みで347gとそこそこの重量感です。
ROCCAT Elo 7.1 Airの特徴
本製品のメリット・デメリットといった特徴について紹介していきます。
音質はクリアで良好
50mmのネオジム磁石から流れる音質はクリアで良好です。ヘッドセットの値段的にもうちょっと微妙な音になるかと思っていたら、いい意味で期待を裏切られました。
特に突き出た音のないフラット系の調整です。これはソフトウェアのイコライザーでさらに自分好みに調整することができます。低音が足りないと思うなら底上げしてもいいですね。
イヤーカップ内で響く音は迫力があってゲームに没頭できます。FPSにおける銃声や足音の方向も聞き取りやすいです。
7.1chバーチャルサラウンドについて
7.1chバーチャルサラウンドは音が立体的になる反面、音の出どころが分かりにくくなるというデメリットがあります。
個人的にはFPS系ではあまりおすすめしません。ステレオで極限まで分かりやすくした方が他のこと考えられるので。
設定には「明瞭さ」と「バランス」の2パターンがありますが、「明瞭さ」だと音の方向が少しハッキリ分かりやすくなって、「バランス」だとフラットに聞こえるようになる印象。
映画やシングルプレイヤーのゲームでは臨場感が溢れますのでおすすめですが、残念ながらPS5では7.1ch使えないっぽいですね。
ワイヤレス対応の中では安い部類
Amazonで検索してみれば分かりますが、ワイヤレスヘッドセットで1万円前後を探すとけっこう少ないです。加えて7.1chサラウンドのような機能を搭載するとなると数はさらに減ります。
対抗馬としてはHyperXのヘッドセットがいくつか出てくるくらいです。2.4GHz対応の低遅延ワイヤレス、音質良くて7.1chを搭載していてこの値段なら買いだと思います。
ワイヤレスで遅延するかどうかを映像収録して確認したところ、有線接続したヘッドホンと比較して60fpsで1~2フレーム程度の遅れがありました。秒数にすると16.7ms~33.3ms(0.0167秒~0.0333秒)と小さいです。
機能が豊富なソフトウェア
ROCCAT Swarmというソフトウェアを使用可能です。
接続するとファームウェアアップデートが行われるので、ソフトで設定しないにしてもとりあえず一度は起動してアプデかけた方が良いと思います。
ソフトウェアではイコライザーによる音の調整が可能です。プリセットが多く用意されているので、細かくスライダーで微調整するのが好きじゃない方でもざっくりお試しできるようになっています。
さらに、サラウンド設定、マイクモニタリング、マイク感度、マジックボイス、SUPERHUMAN HEARINGなど設定が非常に豊富です。
SUPERHUMAN HEARINGという機能は特定の音を誇張して聞きやすくするもの。かなり作り込まれた音がするので個人的にはあまり好きではなく使っていません。
ボイスチェンジャーは使うかどうかはともかくちょっとしたネタにはなりそう。4種類用意されています。モンスターとカートゥーンは予想通りって感じだけど、男性と女性はネタとしても使いにくそう。
バッテリーは普通
バッテリー寿命はRGBオフで最大24時間とされています。ライティングの明るさ次第ではもっと短くなるかもしれません。また再生音量によっても変化があるかも。
私が持っている他のワイヤレスヘッドセットだと短いので18時間、長いので29時間とかなので、ちょうど真ん中くらいの平均的な部分です。
充電はUSB-Cで可能。急速充電に対応しているわけではないので、普通のスピードです。
ソフトでバッテリー残量を数値で見られて親切です。ワイヤレスヘッドセットって気づいたらバッテリーなくなってること多いので、たまにチェックできると急な電池切れを予防できますね。
装着感と遮音性について
ヘッドバンドはスライダーで自動調整されますが、最初に装着したときは他のヘッドセットに比べて締め付けがちょっとキツめに感じました。かといって首を強く振ると少し動くため、締め付けというよりイヤーパッドの問題な気がします。
ただし長時間つけていても痛くなるといったようなキツさではなく、そのうち自然と気にならなくなります。頭が大きめでもフィットするようなサイズ幅なので、そのあたりの心配はいらないでしょう。
一方、遮音性はイマイチといったところ。外部の音はけっこう聞こえてきますが、部屋中で使う分には特に問題なく使えます。
マイク音質は普通くらい
マイクは着脱式です。本体とマッチした白色。グースネック仕様なので曲げると角度がついたまま固定されます。しゃべる必要がない時は外しておけるので邪魔になりません。
マイク音質は普通くらいです。コンデンサーマイクと比べるとキリがないのですが、フレンドと会話するには全く問題ないかと思います。
ただし音量は小さめで、マイク感度を最大に設定していますが今回録音したものは最終的に9dBボリュームを上げました。
ノイズキャンセリング対応。1m離れたPCモニターのスピーカーから街中の環境音を流して録音してみました。多少自分の声の方をしっかり拾ってくれているくらいの印象はあります。
ポップフィルターがついてないので内蔵されてるのかなと思いましたが、けっこう破裂音はのります。口元から離したいのですが、音量が小さめなので本当は近づけたいというジレンマが。
他のヘッドセットからポップフィルターだけとって付けてみたら結構いい感じかも。
互換性のチェック
どのコンソールで使えるのか互換性をチェックしてみました。Xbox、Androidは持ってないので未テスト。
コンソール | 使用可否 |
---|---|
PC | |
Mac | |
iPhone | |
PS5 | |
Switch |
PS5はサポート非明記でしたがUSBドングルを差し込んだら認識してくれました。
ただしヘッドセット側のボリュームコントロールは反応しません。本体の設定画面からボリュームを調整する必要があります。音量を最大にしてちょうど良いくらいだったので、少しマージンは狭いかな。
マイクミュートとマイクモニタリングダイヤルは効くので、そのへんの使い勝手は良いままです。
iPhoneにはUSBカメラアダプタというライトニング-USB変換ケーブルで接続しました。音を聞けますし、マイクもボイスメモで使用できることを確認済み。アプリによってはマイクが使えないので注意です。
Switchはドックにのせて接続可否を試してみたところ、ドック経由でペアリング・使用確認できました。
さらにSwitch本体にUSB-A→C変換アダプタをかませて接続してみたところ認識しました。Apex Legendsでマイクテストしたところ問題なく動作しています。
レビューまとめ
以上「ROCCAT Elo 7.1 Air」のレビューでした。
- 大きめな頭でもスライダーで自動フィッティングする手間いらずな設計
- 側圧はやや強めだけど長時間使用しても痛みは感じない
- 音質は価格を超える水準でクリア
- マイク音質は普通くらい
- ソフトウェアによる機能設定が豊富
- ワイヤレスで7.1ch対応にしては安めな価格設定
- 互換性は高め
- レシーバーへの接続に時間がかかることがある
イヤーパッドがちょっと硬いので、これが柔らかかったら装着感はもっと良かった。後は7.1ch切り替えを本体で出来たら便利でした。
コスパは良いと思っていて、1万円前後で良質なワイヤレスヘッドセット探しているならおすすめです。