Xtrfy H2 レビュー。音が聞き取りやすく定位感抜群なヘッドセット
Xtrfyから発売されているゲーミングヘッドセット「H2」をレビューしていきます。
53mmという大口径のドライバーを搭載し、聞き取りやすい音と定位の良さが特徴の本モデル。その外観と性能について詳しく見ていきます。
概要とスペック
「Xtrfy H2」は定価1万円ちょっと程度という値段が比較的安めのモデルで、エントリークラスからミドルレンジの間くらいに位置するゲーミングヘッドセットです。上位モデルには「H1」が存在します。
53mmという大きめなドライバーを搭載しているにも関わらず安い。大きなドライバーになると音の迫力が増しますし、繊細な音が分かるようになります。定位の良さにも繋がっていますね。
カラー | 黒 |
接続 | 優先 |
オーディオ | ステレオ |
タイプ | 密閉型 |
重さ | 330g |
スピーカー周波数特性 | 15Hz – 25kHz |
スピーカーサイズ | 53mm |
マイク | 着脱式マイク |
ライティング | なし |
接続端子 | シングル4極/デュアル3極 |
対応コンソール | PC / Mac / PS4 / mobile |
同梱物
黒と黄色のXtrfyっぽい外箱。
ヘッドセット本体。
着脱式のマイク。必要なければマイクを取り外してヘッドホンとしても活用できます。マイク自体は力を込めて曲げれば形状を記憶するタイプで、方向の調整が容易となっています。
シングル4極からデュアル3極へ変換するY型の延長ケーブル。受け側が4極に対応していない場合はこちらを使うことになります。最初から付属してくれるのは嬉しいですね。
長さは2mです。ヘッドセット本体からのびているケーブルが1.2mだということを考慮すると、トータルで3.2mまで延長できるのでかなり使い勝手は良いです。
こちらも同じく変換機能がついた、長さ25cmの短いケーブル。3.2mまで延長すると長すぎるという方はこちらの25cmを足して、1.45mに延長。
クイックガイドとステッカー。特に保存しておかなくてもいいかなという印象。
- ヘッドセット
- 着脱式マイク
- 2mのY型延長ケーブル
- 25cmのY型延長ケーブル
- クイックガイド
- ステッカー
同梱物は以上。
デザインと性能
「Xtrfy H2」は本体はほとんどが黒系で統一されていて、シンプルな見た目をしています。ライティングは一切なしで、黒と黄色の縞々ケーブルがワンポイントアクセント。
ハウジングはツヤ消しマットタイプ。さわり心地は非常に滑らかで気持ち良く、安物感がありません。しかし、このタイプのコーティングは若干脂汚れがつきやすいです。ただし指でゴシゴシこすれば大して目立たなくなるので大騒ぎするほどではありません。
ヘッドバンドの素材は合皮っぽい感じですが、見た目に反してとても柔らかいです。低反発フォームが上下にしっかり入っているからですね。これめちゃくちゃ気持ち良くて、用もないのに押したくなります。
通常ヘッドバンドは下側、つまり頭があたる部分のみ柔らかくて、上側は薄くて硬いことが多いのですが、本機はどちら側も柔らかい設計です。もちろん、頭側の方が厚めになっています。つけ心地はとても良いです。
個人的に気に入っているのはこの黄色いステッチ。Xtrfyといえば黒と黄色なのですが、ブーツで有名なドクターマーチンを彷彿とさせる色合いでかなりおしゃれです。
細くて黒いケーブルがむき出しになっているのがちょっと怖いかな。どのように動かしてもケーブルが突っ張らないようにちゃんと設計されていますし、脆いわけではありませんが多少は注意が必要ですね。
ヘッドバンドのベース部分は細くてスタイリッシュなアルミニウムフレーム。非常に高級感があって頑丈です。水平方向はひねれませんが、ハウジングは約45°くらい傾くようになっています。
適当採寸ですが、最も縮んだ状態から28mm程度伸びます。頭が大きくても問題なく使えますが、側圧は慣れるまでちょっと気になるかも。頭が普通サイズならちょうど良いホールド感だと思います。
思いの外軽い
重量はマイク込みで 約269g でした。マイクとケーブル除いた公称値が330gでしたので、何かの間違いかと思って測りなおしたのですが一緒でした。
この軽さだとすると軽量の部類です。重さなんてのは軽ければ軽いほど良いので、これはポイント高いですね。
マイク単体の重量は 約15g でした。ヘッドホンと足しても 約284g ということになります。
装着感
メッシュのイヤーパッドは大きくて分厚め。低反発タイプですが弾力は強め、結構硬いタイプですね。角が90度垂直に曲がっているのですが、その部分の縫い目がちょっと硬くて気になる感じです。
イヤーパッドは着脱可能になっています。かなり厚手な分、装着した時に深く沈み込んでくれるので痛みを感じることはなく、長時間の使用にも耐えることができます。加えて密閉度が高くて遮音性も十分です。
ただしフォームが少し硬めな分、側圧はちょっと強め。また、中のホールが一般的なヘッドセットと比べても小さめなため、窮屈さを感じるかもしれません。
着脱式のマイク
ヘッドホンの左側前面にはマイクの差込口があります。
マイク側の端子。左上の部分が欠けているデザインで、一定方向でしか入りません。マイクには指向性がありますので、方向を間違えると声をちゃんと拾えなくなります。そういった面倒を未然に避けてくれる良い設計ですね。
マイクの先端、風防を外してみるとこのようなデザインになっています。このように3つ溝が入っているのが表側となり、声を拾ってくれる側です。
着脱式のカーディオイドマイクです。必要ないときには外しておいて、ただのヘッドホンとして使えるのが利点。誰とも喋らない時はイヤホン外した方が視界にも入ってこないし軽量化にもなるし一石二鳥です。
マイクのロッドは形状を記憶してくれるタイプですので、ちょっと口元から離したいという時は手で折り曲げればOK。
個人的にヘッドセットのマイクには基本あまり期待していなくて、多くの場合は音がこもりすぎてなくて戦闘中でも聞き取れる声なら及第点としています。
このマイクはしっかり基準はクリアしていて、それなりに聞き取りやすい声です。ヘッドセットのマイクとしては十分なものですね。ただし、ちょっとだけ最大音量が小さいような印象を受けました。
オーディオコントローラー
音量やマイクミュートを手元で操作できるインラインオーディオコントローラー付きです。消しゴムくらいの大きさ。
操作は楽なのですが、若干どれがどのダイヤルなのか分かりにくいのと、目視しても一瞬分からない。
マイクとヘッドホンのボリュームコントロールつき。
これはWindowsのシステムとは切り離されていて、ヘッドホン自体で制御するボリュームです。慣れるまでどっちがどっちのダイヤルか分かりにくいのが欠点。
マイクミュートボタン。スライド式スイッチですが結構硬い。
ちょっとしたリクエストとしては、ミュートボタンを赤くしてくれればパッと見て分かりやすいかなと思います。斜線だと一瞬分かりにくいです。でも手元でミュートしているかどうか見られるのは良い設計ですね。
音質について
53mmの大口径ドライバーを搭載。低音が抑えめになっていて、中・高音域が聞き取りやすい設計です。そのおかげで鳴っているのが何の音か判別しやすくなっていて、クリアに聞こえます。
大口径だからというのも影響しているのか、定位はとても分かりやすいです。敵の足音の方向や銃声の方向が手にとるように分かります。迫力を盛る低音が少ないのも理由でしょう。
普段から低音ゴリゴリの方には臨場感が足りないと感じるかもしれませんが、FPSをプレイするなら本機の設定はとても適しているので慣れてみると新しい世界が開けるかもしれません。
サラウンド機能はなしでステレオ特化。そしてドライバーレスでプラグ・アンド・プレイ。様々な面でパフォーマンスに重きを置いたプロ向け設定です。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- シンプルでシックなデザイン
- 思いの外軽い
- 長時間付けても疲れない厚手のイヤーパッド
- とても柔らかいヘッドバンド
- 低音が少なめで中・高音域がクリア
- 定位がとても良く方向が分かる
- マイクの品質はそれなりに良い
- 価格はリーズナブル
- イマイチなところ
-
- 側圧が若干強めで密閉度が高い
- コントローラーがやや分かりにくい
- 低音派には物足りないかもしれない
以上「Xtrfy H2」のレビューでした。
イマイチなポイントに密閉度が高いというのをあげましたが、これはメリットでもありデメリットでもあると思っています。個人的には周りの音を取り込む開放型が好みなのでこのようにしましたが、遮音性という点では非常に優れています。
側圧は頭が小さめ~普通の人なら良いホールド感でしょう。大きめだとちょっとだけキツイかもしれませんが、使えないほどではないです。
低・中音域が聞き取りやすく、定位も抜群なのでFPSにかなり向いていますね。軽めなので長時間つけていても疲れませんし、コスパはかなり良く、完成度の高いヘッドセットとなっています。