Xtrfy M1 RGB レビュー。ラバーコーティングのかぶせもち向けエルゴマウス
Xtrfy から発売されている「Xtrfy M1 RGB」のレビューをしていきます。
人気だった「Xtry M1」の後継機となる本製品、センサーやケーブルがアップグレードされた他、軽量化もされています。
その外観と性能について見ていきます。
本製品はレビューサンプルを提供いただきました
概要とスペック
「Xtrfy M1 RGB」は左右非対称の右手向けエルゴシェイプマウス。表面のラバーコーティングが特殊で、手汗に左右されないグリップ力で一定のパフォーマンスが期待できます。
前作は95gでしたが、今回は86gと軽量化されています。センサーは3310から3330へ変更され、ケーブルがEZコードになるなど随所でアップグレードされています。「M1」好きなら買い直しても損はないでしょう。
カラー | 黒 |
接続 | 有線 |
シェイプ | 左右非対称 |
スイッチ | オムロンメカニカル |
センサー | PixArt PMW 3330 |
DPI | 400 – 7,200 |
IPS | 150 |
寸法 | 127 x 63 x 40 mm |
重さ | 86g |
ボタン数 | 5 |
ケーブル長 | 1.8m / EZコード |
LEDカラー | あり |
ソフトウェア | なし |
同梱物
Xtrfyお馴染みの外箱。
開けるとマウス本体。
クイックガイドとステッカー。本製品はドライバーレスなので、マウスボタンの組み合わせで設定を変更できます。なのでクイックガイドは捨てずにとっておくと良いかも。
シェイプとデザイン
「M1 RGB」は中型~大型よりのエルゴマウスで右手にフィットするようデザインされています。M1が好きな人には説明不要ですが、かぶせ持ちに最適と言われています。私の個人的な見解ではつかみ持ちかなと思っていますが・・。
サイズは実測で 127.6(長さ)x 63(グリップ幅)x 40(高さ)mmです。長さは普通でグリップ幅が広め、高さは普通くらい。全体的には中サイズなのですが、グリップ幅がワイドなのでちょっとだけ大型よりかなと。
久々に全面ラバーコーティングのマウスを触ったのですが、サラサラとしていて中々触り心地が良いです。なのにしっかりホールド感はあって安定します。手汗でパフォーマンスに影響が出ないのは良いですね。ただあくまでラバーな感触ではあるので、プラスチック系のサラサラが好きな人にはしっくりこない可能性も。
重量は実測で 86.6g でした。公称値が 86g なのでほぼ誤差レベルです。最近の有線マウスとしては少し重い部類ですが、前作「M1」から比べると95gから約8g以上軽くなりました。
各サイドからの見た目です。
親指のくぼみ部分のフィット感がとても良いです。マウスボタンの先端は左と右でそれほど角度の差がなく、一定の力加減でクリックできるのが優秀です。
底のエッジ部分がやや高めになっていて、右サイドは面積が狭くなっています。後述しますが、これが持ち方に影響します。
同社から発売されている軽量エルゴマウス「Xtrfy M4」と比べてみました。M4に比べてM1は右サイドの傾斜が結構急で、よりかぶせ持ちにフィットするようなシェイプをしています。
M4とは大分シェイプが異なるので、同じ感覚で使おうとすると面食らうでしょう。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティはかなりよくて頑丈です。押してもビクともしません。強く振るとスクロールホイールが小さな音を立てますが、問題にはなりません。
センサー
底面から見ると清々しいくらいのエルゴシェイプなことが分かります。意外とスリムな見た目をしているのですが、中央部分のふくらみが大きくグリップ幅は広めの設計となっています。
センサー位置はセンターより若干だけ後ろ寄り。
センサーは「PixArt PMW 3330」で、最大DPIは7,200です。オリジナルの「M1」は 3310 だったので、確かにアップグレードはしていますが、3360の廉価版ですね。正直、3360だったらなぁ・・とは思います。
センサーテスト
ポーリングレート1,000Hzで、それぞれDPIが400、800、1,600の時のセンサーテストを行いました。
400DPI
800DPI
1600DPI
xCountsではたまにスパイクがありますが、xSumでの波形は非常に良好ですので問題ありません。
LODの長さ
LODは 0.8mm とかなり短めで優秀な長さです。
ボトムスイッチ
センサーの下にはポーリングレートのスライドスイッチ。「125Hz」「500Hz」「1,000Hz」の3種類から選べます。
CPIボタンはセンサーすぐ右側。LEDインジケーターの色でDPIを判別することができます。
CPIは6種類サイクル可能で「400」「800」「1,200」「1,600」「3,200」「7,200」となっています。
マウスフィート
マウスフィートは全部で3枚。かなり特殊な形状をしています。黒いテフロン製のソールで滑りは普通です。100%PTFEではないと思われるので、サードパーティ製に付け替えたら良いかもですね。
マウスボタン
メインボタンはトップシェルと一体型タイプ。スイッチはオムロンメカニカルスイッチが採用されており、ほどほどカチッとしています。
クリックの硬さと跳ね返りは普通くらい。プリトラベルは結構ありますがポストトラベルは少なめ。かなり上の方を押しても簡単にクリックできるため、マウスをめちゃくちゃ浅く持つ人でも使いやすいです。
サイドボタンはかなりワイドで、フロント側は小さめですがリア側はとても大きいです。角度がついていて、ちょうど下側の部分に親指がフィットしてとても押しやすい。
押し心地は普通で跳ね返りはちょっと弱いくらい。特にリア側のボタンが弱いですね。プリトラベルは少ないですが、ポストトラベルはめちゃくちゃあります。押し込んだらサイドボタン全部埋まりそうな勢い。そのままボタンが戻ってこなくなる、なんてことはないので使用上心配はありません。
ホイールの回し心地はやや硬め、タクタイル感が結構強いです。やや遊びがあるためか、強めにホイールを回すほどうるさい音を立てます。これは残念ポイント。
クリック感はクリスピーで押しやすく、軽すぎることはないので誤爆も少なそうです。
ケーブル
ケーブルは「M4」にも採用されている布巻きのEZコードにアップグレードされました。それなりに柔らかいし取り回しも良いです。
しかし、前作のイエローとブラックの縞々模様っていいですよね・・。色だけ再現してほしい!
ケーブルのストレスリリーフは上を向いており、コードがマウスパッドに接触しにくいような工夫が施されています。これは最高。
ライティング
ライティングは前方マウスボタン周り、スクロールホイール、後方のロゴが光ります。前作はイエロー単色だったので、今回はRGBで光るようにアップグレードされました。
前方のライン。かなり綺麗に発光します。
光るXtrfyロゴ。
本マウスはドライバーレスなため、RGBライティングの変更はマウスボタンの組み合わせで行います。
- CPIボタン+スクロールホイール:ライティングパターンの変更
- CPIボタン+右マウスボタン:ライティングの色を変更
- CPIボタン+サイドボタン:輝度の調整
- CPIボタン+左マウスボタン:ライトスピードの変更
基本的にはCPIボタンを押しっぱなしにしながら他のボタンを押すことでライティングの設定ができます。
ライティングパターン | 挙動 |
---|---|
RGBウェーブ | 虹色にウェーブ |
スワイプ(単色) | 単色で色が左から右へ移動 |
スワイプ | 7色でスワイプ |
単色 | 単色で発光し続ける |
ブリージング(単色) | 単色でフェードする |
RGBサイクル | RGBで色が移り変わる |
ちなみに名前は適当に私が決めたものです。このように、選べるライティングのパターンは6種類あります。消灯したい場合はCPI+サイドボタンで輝度を0にすればOK。
ソフトウェアはない
完全ドライバーレスのプラグ・アンド・プレイです。全てマウスのボタンスイッチを使って設定変更します。
- DPI
- ポーリングレート
- RGBライティング
設定できるのはこの3つ。
ソフトウェアがないので、パソコンに余計なインストールが発生しません。PCをクリーンに保っておきたい人には嬉しい設計です。また、大会で使用する時もソフトに頼らないで済みます。
- マクロ設定
- バインドアサインの変更
- LODの変更
その代わりにこのような制御はできませんので、サイドボタンに別のキーをバインドしたりしている人は注意です。ソフト側で調整する必要が出てきます。
持ち方とそれぞれの使用感
かぶせ持ち至高と言われてる本マウス、確かにエルゴのシェイプなだけあって非常にフィット感のある持ち心地です。
ただ私の場合小指がマウスのエッジ部分に当たってしまうため、どうしてもつかみ持ちのような握り方になってしまいます。右サイドの面積がやや狭いことが影響していると思われます。
かぶせ持ち | つかみ持ち | つまみ持ち |
---|---|---|
◯ | ◯ | △ |
かぶせ持ち
かぶせ持ちはかなりリラックスして持つことができます。ただし私の場合、リラックスさせると小指がエッジにかかって気になってしまうので、ちょっと小指を上げるという、いつもとは違った指の配置になります。
むしろ小指を外すとしっくりくる。難しい持ち方だけど・・。
つかみ持ち
つかみ持ちも悪くないのですが、右サイドの面積が狭いためややグリップが物足りない感じ。エッジに指を引っかけて使っても支障ない人にはバシッとフィットするでしょう。
つまみ持ち
つまみ持ちはラバーコーティングのおかげでグリップ力があります。しかしここも右サイドの面積が狭めに感じ、やや角度がついているのでそんなに持ちやすいと感じません。サイドボタンが高めなため、つまむと押しにくい点もあります。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- かぶせ持ちに最適なエルゴシェイプ
- 前作から正当な進化を遂げた
- グリップ力のあるラバーコーティング
- 柔らかめなEZコードケーブル
- とても押しやすいサイドボタン
- ドライバーレスのプラグ・アンド・プレイ
- ビルドクオリティは頑丈
- イマイチなところ
-
- 小指がエッジにひっかかる
- センサーが3330
- スクロールホイールがややうるさい
「Xtrfy M1 RGB」のレビューでした。
人気のあった前作「M1」から正当な進化を遂げたと感じる本マウス、他のマウスにはないラバーコーティングが特徴的でとても使いやすいです。
かぶせ持ち至高とされていますが個人的にはつかみ持ちの方が良かったです。これは手のサイズや持ち方にもよると思いますので、実際に試せてたら触ってみると良いかも。「M1」のファンだった人なら脇目も振らずに買い替え必須な一品。