Logicool G913 TKL レビュー。唯一無二のロープロファイルワイヤレスキーボード
Logicool G より発売されている完成度の高いワイヤレスメカニカルキーボード「G913 TKL」をレビューしていきます。
テンキーレスかつワイヤレスというストライクゾーンが広そうな本製品、ロープロファイルという珍しい特徴も併せ持っています。その外観と性能についてチェックしてきます。
ロジクールG公認サポーターとして製品をご提供いただきました
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概要とスペック
コンパクトなテンキーレスサイズで省スペース、そしてLIGHTSPEEDワイヤレスでケーブルから解放されました。薄いロープロファイル設計で、手首の角度があまりつかないので疲れにくく打ちやすいという優秀なキーボードです。
ブラックでは「リニア」「タクタイル」「クリッキー」と3種類の軸が選べますが、ホワイトは「タクタイル」のみ。それ以外が欲しければブラックという選択肢になります。
ちなみにフルサイズの「G913」も発売されています。値段はほとんど変わらないので、フルサイズが好きな人はそちらをおすすめします。
カラー | 黒 / 白 |
接続 | ワイヤレス / マイクロUSB |
サイズ | 91キー / テンキーレス |
寸法 | 368 x 150 x 22 mm |
重さ | 810g |
配列 | 日本語 |
スイッチ | 薄型GL |
ロールオーバー | Nキー |
ケーブル長 | 1.8m |
ライティング | RGB |
バッテリー | 40時間 |
ソフトウェア | あり |
マクロ | 利用可能 |
USBパススルー | なし |
オンボードメモリ | 5プロファイル |
同梱物
外箱。
キーボード本体。すっきりとした梱包です。
それなりに小型なUSBレシーバードングル。型番が印字してあるので他のものと混同しません。
USBレシーバーの延長アダプター。片側は USB-A で、もう片側は マイクロUSB となっています。レシーバーをマウスに近づけるために使います。
1.8mの布巻きケーブル。先端はマイクロUSB。私はType-C信者なので、汎用性と充電スピードという面ではちょっと残念な部分。
説明書、保証書、ステッカーなど。
- キーボード本体
- USBレシーバー
- 延長アダプター
- マイクロUSBケーブル
- 説明書
- 保証書
- ステッカー
同梱物は以上です。
デザイン
「Logicool G913 TKL」はTKL(テンキーレス)キーボード。コンパクトなのでフルサイズよりもマウスのスペースが確保でき、ゲーム向けです。極端にキーが少ないわけでもないので、日常的な作業や仕事でも使いやすいです。
サイズは 368(横幅)x 150(縦幅)x 22(高さ)mm 。ワイヤレスキーやメディアコントロールキーが備わっているため、縦幅は少し広め。横幅は普通ですが、高さは薄型のロープロファイル設計です。
重さは実測で 813g でした。ワイヤレステンキーレスキーボードとしては軽めです。薄型なこともあって、持ち運びやすく携帯性は良いです。
ロープロファイル設計。高さは22mmなのですが、普通のキーボードは30mm~40mmくらいなので、かなり薄い です。手首の角度があまりつかないので長時間タイピングしても疲れません。
非常に緩やかではありますが、手前から奥に向かって少し傾斜しています。キーキャップはフラット。
フロートタイプなのでブロワーを使えばお掃除も簡単。ライティングはサイドから少しだけ漏れ出て見えます。
左上の光るロジクールロゴ。トッププレートはメタリックなシルバーで非常にスタイリッシュなデザインです。銀と白って写真を撮るのが難しいんですけどね、めちゃ映えます。
日本語配列で、キーの数は全部で91キー。基本的に、日本国内で流通しているのは日本語配列のみです。
US配列に慣れてしまった身としては、このキー使う?というものもあります。しかし、キーキャップに印字されている字がちゃんと入力されるので、タッチタイピングしない人にとっては使いやすいでしょう。
また、プログラマーなどは日本語配列を使わざるを得ないのでそういった意味では嬉しいですね。
ワイヤレスモードを含むファンクションボタン。左から「2.4GHz」「Bluetooth」「ゲームモード」「照度」となっています。
2.4GHzとBluetoothのボタン。押すことでワイヤレスの接続モードを切り替えることができます。ゲームをする場合は低遅延の2.4GHz一択 ですが、日常的な作業やブラウジングに使う分にはBluetoothもOK。
ゲームモードの設定は G HUB ソフトウェア上で可能。オンにすることで特定のキーを無効化できるモードです。Windowsキーとかをゲーム中に間違っても押さないようにできて便利。
照度ではキーボードのライティングの明るさを段階的に調整できます。これはあってもなくてもどっちでもいいかなという印象。
真ん中にはバッテリーとCAPS LOCKのインジケーター。
メディアコントロールキー。ワンボタンで音楽の再生などができます。音量ミュートが手元にあるのは嬉しいかも。
銀色の音量調整ダイヤル。スルスルと軽く回転します。音量の上げ下げにとても便利。ほんの少しだけ左右にカタつくのが気になりましたが、実使用には全く問題ありません。
ベースフレームはプラスチックで出来ています。
このようにUSBドングルをさしておけるスペースがあります。これは持ち運びする時に役立ちますし、片付けるときにも一緒にできるのでありがたい仕様。
ノンスリップラバーが6箇所に貼られていて、滑らないようになっています。
キーボードのアングルを変えられる脚。二段階で調節可能で、それぞれ4°と8°の角度が付きます。
それぞれの足を立てたときの傾斜角度。
フラットなままだとちょっとタイピングしにくいので、傾斜はある程度つけた方が良いです。個人的には8°がとても好き。
背面にあるマイクロUSBコネクタ。ここにケーブルをさして充電します。
充電しながらキーボードとして使用することもできます。
バッテリーの持続時間、ライティングオン(明るさ最大)では40時間と短めですが、ライティングオフだと1124時間というバグった数字になります。充電を全く気にせず使いたいならライティングオフですね。ホワイトならキーキャップの文字も見やすいです。
照度を下げれば少しずつバッテリーの持ちは良くなるので、ライティングをオフにしたくない人は少し暗めに設定しておくとバッテリー寿命が伸びます。
キー軸
キー軸はオリジナルのコンパクトGLメカニカルスイッチ。ブラック版には「クリッキー」「タクタイル」「リニア」の3種類がありますが、ホワイト版は3つのうちの中間的な位置付けであるタクタイルのみ となっています。
軸色 | リニア | タクタイル | クリッキー |
クリック感 | なし | あり | あり |
アクチュエーションポイント | 1.5mm | 1.5mm | 1.5mm |
押下圧 | 50gf | 50gf | 50gf |
キーストローク | 2.7mm | 2.7mm | 2.7mm |
寿命 | 7,000万回 | 7,000万回 | 7,000万回 |
基本的な接点やストロークは変わりません。リニアはスムーズな押し心地、タクタイルは中間で確かなフィードバック、クリッキーはカチッとしたクリック音が特徴。私はクリッキーはうるさいと思うので、リニアかタクタイルがおすすめ。
ロープロファイル仕様の本キーボード、アクチュエーションポイントは普通のキー軸と比べて浅いです。一般的なタクタイル軸は大体2mmくらいですが、本キーボードはなんと1.5mm。かなり浅く高速反応してくれます。
アクチュエーションポイントだけでなくキーストロークも浅め。早く底打ちし、違和感のない打鍵が可能です。
各キーキャップにやや遊びがあるのが残念ポイント。持って振ってみると分かるのですが、カシャカシャと音を立てます。しかし 打鍵感は良いです。
CherryMXを筆頭に一般的となっているプラスシェイプとは全く異なり、2本のツメではめるタイプです。
つまり、サードパーティから発売されているようなおしゃれキーキャップを着せ替えたりして遊ぶことができません。ロジクール本家からカスタマイズ可能なカラーキーキャップなんか発売してくれたら嬉しいですね。
キーキャップ
薄型の特殊なキーキャップ。スベスベとした触り心地でグリップはあまりありません。全体的にフラットな作り。
キー軸が特殊なので背面のツメも特殊な形をしています。これは下手したらポキッと折れてしまう可能性があるので、掃除するなどで取り外すときはまっすぐ引き抜くように注意しましょう。
ソフトウェアとライティング
「Logicool G HUB」ソフトウェアで設定を変更できます。
LIGHTSYNCタブではライティングの設定ができます。プリセットでは消灯を含めて10種類のパターンが用意されています。
ライティング | 光り方 |
---|---|
オフ | 消灯 |
固定 | 常時光る |
サイクル | 一定時間ごとに色が変わる |
色の波 | 左から右へウェーブ |
ブリージング | 一定時間ごとにフェードする |
リップル | タイプすると波紋が広がる |
星の光 | キーがランダムに光る |
エコープレス | 押した部分が光ってフェード |
画面サンプラー | ディスプレイからサンプリング |
オーディオビジュアライザー | 音に合わせて光る |
この他、アニメーションというタブでは自分で色やトランジションを指定して オリジナルの発光パターンを作成することができます。作るのは難しそうですが、凝りたい人には嬉しい機能。
ライティングはそこまで眩しくなくて上品に光ります。目立つような煌びやかさはないですが、静かに存在感を出しています。
キーアサインの変更。F1~F12のキーしか変更できません。これは全てのキーが変更可能だと嬉しかったですね。「INS」キーってよく間違えて押しちゃうんですけど、いきなり文字が上書きされて驚くので、できれば別のキー機能にしたいんですよね・・。
ここは「M1」「M2」「M3」という3つのプロファイルをFn+F1~3で切り替えることができますので、M1をそのままにしてM2にマクロを仕込んだりすると使い勝手が良いです。
その他、バッテリーの残量確認や、ライティングの輝度が自動的に下がるまでの時間、オンボードメモリに関する設定ができます。
レビューまとめ
- 良いところ
-
- コンパクトなTKL
- 低遅延ワイヤレス
- Bluetoothモードあり
- ロープロファイルで疲れにくく打ちやすい
- 高速反応するコンパクト軸
- 打鍵感はとても良くクセになる
- スタイリッシュで高級感溢れる見た目
- 分かりやすい日本語配列
- ライトオフ時のバッテリーは1000時間?!
- メディアコントロールキーが便利
- イマイチなところ
-
- 値段がめちゃ高い
- キーがカシャカシャと音鳴りする
- キーキャップのカスタマイズ不可
- マイクロUSB端子
- F1〜F12しかアサイン変更できない
以上「Logicool G913 TKL」のレビューでした。
キーがカシャカシャ鳴るだとか、いまだにマイクロUSBだとか、イマイチな点は少なからずあるものの それを超えるメリットの数々です。ロープロファイルで浅めなキーストロークがすごい打ちやすくてかなり気に入りました。
ワイヤレスは全く遅延がなく使えていますし、ケーブルから解放されるので自由度が高くなります。私の場合は動画を撮る時とか、ちょっとディスプレイから離れて作業することが結構あるんですが、そういった時でもこのキーボードなら手間が省けます。
よく指摘される点ですが、値段が非常に高い。買おうとするとちょっと躊躇する値段ではありますね。でもそれに見合った性能は持っています。
ロープロファイル+ワイヤレスというキーボードはほぼ唯一無二の存在で、現状このキーボードが最強の選択肢 となります。