疫病が蔓延するフランスが舞台のステルスアクションゲーム「プレイグ テイル -イノセンス-(A Plague Tale: Innocence)」。フランスのASOBOスタジオが開発しました。
貴族の少女アミシアとして弟のユーゴを守りながら旅をするのですが、演出が上手で物語にどんどん惹きつけられていきます。
操作やパズルもそんなに難しいものではないので、しっかり物語を楽しみながら、程よい緊張感もある良いバランスになっています。このゲームの魅力について、クリアしたのでレビューしていきます。
プレイグ テイル -イノセンス-とは
黒死病とも呼ばれるペストが蔓延し始めた中世のフランスが舞台となるステルスアクションゲーム。主に敵から隠れながらステージを進み、所々にあるパズルを解きながら物語を追体験していきます。
全体的にかなりダークなテイストに仕上がっています。ペストをネズミとして象徴的に描いており、火を使いながらネズミを退けていったり、敵の兵士の気をそらしながら裏を走り抜けていったりしながら逃亡を続けます。
ダークで魅力的な物語、随所に光る音楽の挿入センスと巧みな演出が素晴らしい。まだ少女である姉のアミシアの苛立ちや、弟ユーゴの無邪気さがとても伝わります。物語を通して成長していく2人の姿を見守れるのが最高。
物語の簡単なあらすじ
貴族の少女であるアミシアの屋敷に、ある日突然異端審問官が現れます。彼らの狙いは、よく分からない病気によって隔離されていたまだ会ったことのない弟のユーゴ。
使用人が惨殺される中、母と弟にたどり着いたアミシアは、弟を連れて屋敷を逃げ出すことになります。過酷な旅路の果てに姉弟が見たものとは・・。
プレイグ テイル -イノセンス-の面白いところ
- 成長していく姉と弟を見守れる
- どっぷりダークな世界観
- 不安や焦燥感を駆り立てる音楽と演出
- 複雑なアクションのないステルスゲーム
- クラフト要素も少しある
成長していく姉と弟を見守れる
疫病が蔓延したフランスで、弟を執拗に狙う宗教審問官たちから逃げることになる2人。
2人ともまだ幼い少女と少年です。突然全てを失い、文無しで外に放り出されます。追ってくるのは、人を殺すことを躊躇わない恐ろしい兵士たち。
そんな極限状態で、まだ幼くて無邪気さの残るユーゴを守りながら逃げるという大役をいきなり託されたアミシア。2人は衝突もしますが、物語が進むにつれてお互いへの愛が深まっていくのがとても尊い。
よく苛立つアミシアですが、自分だったらこの子を守りながら生きていけるのか考えると、スゴイ子だと思います。
どっぷりダークな世界観
かなりダークな世界観。ネズミに襲われた人間の残骸とか骨だけになるし、もうとにかく戦争や疫病で街中が死体だらけ。カルト宗教もめちゃくちゃやってるし、日常的に死と隣合わせな人生。これは辛い。
このゲーム、体力的なものは存在せず、敵に捕まったらアウトです。逃走劇などもかなり緊張感あるものになります。
不安や焦燥感を駆り立てる音楽と演出
この音楽がセンスとっても絶妙。暗い鬱蒼とした街や状況にマッチしていて、おどろおどろしさがかなり増します。音楽に関してはプレイすると緊張感も相まってかなり不安になるのでぜひプレイしてみてほしいです。
思いの外ずっしりきたのが、アミシアが初めて人を殺めてしまった瞬間。こっちとしては石であっさりヘッドショットしようと思ってやったわけですが、「そ...そんなつもりじゃ...」なんて反応されたらかなりドキッとしてしまいます。
そんなに複雑じゃないステルスゲーム
弟を連れながらのステルスゲームと聞くと一見難しそうに思えますが、そんなに複雑ではありません。
基本的にユーゴとは手をつないで一緒に行動します。一緒に連れて行くか、一時的にその場で待たせるかがメインの選択肢ですが、時にはユーゴしか入れないような小さい通り道を抜けて鍵を開けてもらうようなこともあります。
- しゃがんで隠れる
- 石を投げて注意を引く
- スリングで敵をヘッショする
- 炎で暗闇を照らす

壺を割って敵の注意をひきつける
このようにそこまで難しくないアクションで進んでいきます。パズルにしても少し考えればわかる難易度なので、ストレスもあまり感じませんでした。後半になるとアイテムも増えるため、選択肢が増えてきますけどね。
スリングを駆使して立ちふさがる謎をガンガン解いていきます。若干ご都合主義っぽい物の配置が気になることもありますが、まぁそこはね!
実は地味に心安らぐネズミの謎解きパート。敵の兵士から隠れたり逃げたりする必要がなく、じっくり考えながらパズルに挑戦できます。集合体恐怖症の人にこのネズミたちの群れは気が重い・・。
クラフト要素も少しある
物語を楽しむゲームといってもクラフト要素が皆無だったらちょっと萎えますよね。プレイグテイルでは、アミシアが持つ唯一の遠距離武器であるスリングや、持ち物を入れるカバンを強化していくことができます。
素材はマップの至るところに落ちているので、それらをかき集めて自分をパワーアップしていきましょう。
また、錬金術で様々な薬品を調合して使うことができます。これらは強化素材と共通なこともあるので、むやみにクラフトすると素材がなくなってしまいます。なるべく薬品に頼らず窮地を切り抜けていかなければならない、そんなバランスも絶妙。
プレイグ テイル -イノセンス-のイマイチなところ
- 動きと表情が固い
- 集合体恐怖症の人はムリ
動きと表情が固い
そのうち気にならなくなるのですが、表情と動きが若干固い。特に表情が固くて、もっと上手く表現されていたらよりこのゲームにハマれたと思います。
グラフィックは全体的に綺麗な部類なんですけどね。
集合体恐怖症の人はキツイ
当然フランス中世の疫病といったら出てくるのはネズミ。これがめちゃくちゃな数出てくるので、はっきり言って動きが気持ち悪い。集合体恐怖症の人とかかなりキツイと思います。
この画像はまだまだ序の口。
まとめ
面白いところ
- 成長していく姉と弟を見守れる
- どっぷりダークな世界観
- 不安や焦燥感を駆り立てる音楽と演出
- 複雑なアクションのないステルスゲーム
- クラフト要素も少しある
イマイチなところ
- 動きと表情が固い
- 集合体恐怖症の人はムリ
ペストが蔓延している世界に放り出され、追手から命からがら逃げ回る姉弟の成長を見守るゲーム「プレイグ テイル -イノセンス- (A Plague Tale: Innocence)」。
総プレイ時間は8時間で全クリできました。ゲームとしては短めですが、映画としては長い。
ダークエイジと呼ばれるこの時代を生き抜く姉弟の物語をプレイしてもらいたいです。